0 編集部が注目した重点ポイント
① デイトナ・インターナショナルを新規連結し成長を加速させる
2025年9月より「FREAK'S STORE」を展開するデイトナ・インターナショナルが新規連結されました。これにより第3四半期単体の売上高は前年同期比123.6%と大幅に伸長しています。有力なメンズカジュアル業態が加わったことで、グループのリテール力が強化されており、若年層へのアプローチや新規顧客獲得といった面でキャリア機会が大きく拡大しています。
② 構造改革が結実し営業利益が前年比70%増と大幅改善する
中期経営計画「TIP27」に基づく収益構造改革が順調に進捗しています。不採算事業の撤退・売却や仕入原価の低減により、累計の営業利益は前年同期比170.0%の37.0億円に到達しました。売上総利益率が1.2ポイント改善するなど、稼ぐ力が着実に高まっており、効率的な事業運営を担うバックオフィスやMD・生産管理職の重要性が増しています。
③ ウォーターフロントの買収により事業領域を生活用品へ広げる
傘業界のリーディングカンパニーである「ウォーターフロント」の株式を取得し、2026年2月期第4四半期より連結対象となる予定です。アパレルの枠を超えた「空白領域」への進出により、ファッションと機能性を両立した新たなライフスタイル提案が可能になります。既存ブランドとのシナジー創出や卸売網の活用など、新規事業開発のフィールドが広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 第3四半期 決算説明会 P.4
売上高(累計)
1,166.1億円
(前年同期比 +0.5%)
営業利益(累計)
37.0億円
(前年同期比 +70.0%)
純利益(累計)
32.8億円
(前年同期比 +2053%)
第3四半期累計の業績は、デイトナ・インターナショナルの連結寄与に加え、既存事業における不採算店舗の整理や、サプライチェーン再構築による売上総利益率の改善(55.9%)が大きく寄与しました。特に純利益については、投資有価証券の売却益などもあり、前年の1.5億円から32.8億円へと驚異的な増益を記録しています。
通期予想(売上高1,690億円、営業利益57億円)に対し、3Q時点の進捗率は売上高で69.0%、営業利益で64.9%となっており、数値上は概ね順調に推移しています。例年、冬物の消化が進む第4四半期の寄与が大きいため、計画達成に向けた土台は整っていると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 第3四半期 決算説明会 P.27
アパレル関連事業(既存主力ブランド)
事業内容:MARGARET HOWELL、PEARLY GATES、AVIREX等の国内外ブランドの展開。
業績推移:累計売上高は1,131億円。AVIREXが前年比118.9%と絶好調を維持しています。
注目ポイント:10月以降の気温低下で秋冬物の消化が加速し、上期不調だった主力ブランドに復調が見られます。特にAVIREXはコラボ企画の成功により新規顧客を獲得。ブランド価値の再定義とデジタル販促を連動させられる人材への期待が高まっています。
新規連結事業(デイトナ・インターナショナル)
事業内容:「FREAK'S STORE」を中心としたセレクトショップ経営。(注:当期3Qより連結)
業績推移:第3四半期単体での売上高は、デイトナ連結により前年差+96.2億円と大幅な押し上げ効果。
注目ポイント:路面店での「ローカルカルチャー」発信や、独自のコミュニティ形成に強みを持ちます。TSIグループのインフラを活用した更なる店舗拡大やPMI(買収後の統合プロセス)を推進するフェーズにあり、組織変革をリードする経験を積める環境です。
その他の事業
事業内容:人材派遣(エス・グルーヴ)、化粧品販売(Laline JAPAN)、店舗設計監理等。
業績推移:売上高39.8億円。前年同期比では20.2%減となっています。
注目ポイント:グループ全体の収益性改善を目指し、非アパレル領域の再編も進んでいます。「ファッションエンターテインメント」の実現に向け、アパレル派遣SaaSの活用など、テクノロジーを用いたサービス展開が加速しています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 第3四半期 決算説明会 P.15
通期の連結業績予想については据え置かれましたが、第4四半期に向けて「攻めの姿勢」がより鮮明になっています。自社ECモール「mix.tokyo」では、ATEEZやSNSで話題の「おじフェス」とのコラボなど、認知拡大施策を継続しており、新規会員数が前期比で117.2%と伸長しています。
今後は、デイトナ・インターナショナルとの協業を通じた「グループ全体のリテール力強化」が鍵となります。また、2026年1月より取り扱いを開始する「FILSON」など、歴史あるブランドの再生・展開も重要な成長ドライバーです。さらに120億円規模の自己株式取得を完了するなど、株主還元と成長投資のバランスを重視した経営が続いています。
4 求職者へのアドバイス
「デイトナ・インターナショナル」や「ウォーターフロント」といった強力な企業を仲間に加える「事業ポートフォリオの変革」に注目しましょう。単なるアパレルメーカーではなく、世界に共感を生む「ファッションエンターテインメント企業」を目指しているため、従来の枠にとらわれない新しい事業創造や、デジタルとリアルを融合させた顧客体験の設計に挑戦したいという熱意が評価されやすい時期です。
- 「デイトナ・インターナショナル社との統合により、既存ブランドとの間でどのような具体的なシナジーや人的交流を想定されていますか?」
- 「ウォーターフロント社の買収により生活用品領域へ進出されますが、既存のアパレル店舗におけるクロスセルの戦略について伺いたいです。」
- 「ECモール『mix.tokyo』において、新規会員のアクティブ化やLTV向上に向けて、現場ではどのようなデジタル施策を優先されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社TSIホールディングス 2026年2月期 第3四半期 決算説明会資料(2026年1月15日公開)
- 株式会社TSIホールディングス 2026年2月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(2026年1月14日公開)



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