0 編集部が注目した重点ポイント
① 米国香料会社ABELEI社の連結を開始し、海外展開を加速する
2025年9月期より米国イリノイ州の香料会社ABELEI社の連結を開始しました。この新規連結により、米国中西部地域への販路拡大と、得意分野である飲料・食品向けフレーバーの相乗効果を狙います。買収に伴う販管費増加で一時的に営業赤字となっていますが、グローバルな事業統合プロセス(PMI)を推進できる人材の重要性が高まっています。
② 中国市場で飲料向けが好調に推移し、33.7%の大幅増益を達成する
景気変動の影響を受けにくい食品・日用品向けの強みを活かし、中国拠点が営業利益33.7%増と力強く成長しています。現地通貨ベースでも二桁増収を記録しており、商品構成の変化による原価率改善も寄与しました。成長著しいアジア圏において、現地ニーズを汲み取ったソリューション提案ができる営業・研究職のキャリア機会が広がっています。
③ 3年間で約320億円の大規模設備投資により生産体制を刷新する
国内の深谷工場プロジェクトやマレーシア、中国、米国での新工場建設・増設に向け、2027年までに約320億円の設備投資を実行します。デジタルトランスフォーメーション(DX)による生産部門の効率化も並行して推進。最新鋭の設備環境で、持続可能なサプライチェーン構築や高度な製造管理に携わりたい専門人材にとって、またとない変革期といえます。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年9月期第2四半期 決算説明会 P.5
売上高
35,823百万円
+7.1%
営業利益
4,518百万円
+5.2%
中間純利益
3,359百万円
+5.0%
2025年9月期第2四半期の連結累計実績は、売上高358億23百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益45億18百万円(同5.2%増)となり、中間期として増収増益を達成しました。米国での新規連結会社ABELEI社による売上上乗せ(7.8億円)や、中国における飲料向けフレーバーの好調が全体の成長を牽引。円安による為替の影響も1.1億円のプラス要因となっています。
通期予想に対する進捗率は、売上高が48.2%、営業利益が45.3%となっており、過去10期の平均進捗率と比較しても概ね順調な推移です。米国拠点は買収関連費用により一時的に利益が下振れていますが、中国や東南アジアの好調でカバーする計画となっており、通期計画の達成に自信を見せています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年9月期第2四半期 決算説明会 P.8
日本(国内事業)
事業内容:飲料・食品メーカー向けのフレーバー(食品香料)および日用品・化粧品向けのフレグランス(香粧品香料)の開発・製造・販売。
業績推移:売上高205億86百万円(3.9%増)、セグメント利益23億45百万円(3.2%減)。
注目ポイント:少子高齢化が進む国内市場において、代替香料の開発などSDGs対応や、健康志向を捉えた高付加価値製品への注力を進めています。深谷工場の建設など大型投資が控えており、生産部門のDX推進や、営業・研究が一体となった「ビジネスソリューション本部」での提案型営業を主導できる人材が重要視されています。
アジア(中国・東南アジア)
事業内容:中国および東南アジア(タイ、インドネシア、マレーシア)におけるフレーバー・フレグランスの製造・販売。
業績推移:売上高89億20百万円(13.8%増)、セグメント利益24億8百万円(36.8%増)。
注目ポイント:中国での飲料向け香料の成功が利益を大きく押し上げています。マレーシアではハラル市場への対応を強化するため新工場の建設を予定しており、拠点間の連携も深化させています。アジア各国の嗜好の変化を捉え、地場大手企業への販路を拡大できるグローバルな知見を持つ人材への需要が高まっています。
米国(北米事業)
事業内容:米国市場におけるフレーバー(特にセイボリー・飲料分野)の開発・製造・販売。ABELEI社の運営。
業績推移:売上高79億45百万円(8.4%増)、セグメント損失2億93百万円(前年は利益69百万円)。
注目ポイント:戦略分野である「セイボリー(塩味)」香料の強化に向け、米中西部を基盤とするABELEI社を連結。買収に伴う人件費や償却費で現在は赤字ですが、第2四半期単独では増収増益へと回復傾向にあります。日本発の高度な調香技術を米国市場へ最適化させる技術交流や、PMIを成功に導く経営管理人材の活躍が期待されます。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年9月期第2四半期 決算説明会 P.40
長谷川香料は、2025年9月期の通期見通しを据え置き、売上高743億円(前期比3.7%増)、営業利益99億70百万円(同6.4%増)と増収増益を見込んでいます。特筆すべきは、2027年までの中期計画で掲げた「設備投資320億円」という強気な投資姿勢です。国内の深谷工場に加え、米国、中国、マレーシアで生産能力を増強し、世界的な香料需要の増加に応える体制を整えています。
質疑応答では、余剰資金の活用について「M&Aを主として想定している」と明言。過去の買収成功事例をモデルに、今後も中・小規模な会社の吸収を積極的に検討する方針です。また、人的資本経営を掲げ、2023年から導入した新人事制度による評価運用や、社内ビジネススクールの開講、キャリア採用の強化を推進。香料という「ノウハウの集大成」を支える「人」への投資を強化しており、専門性と挑戦心を持つ中途採用者にとって、非常に好意的な組織環境となっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
世界トップ10に名を連ねる香料メーカーとして、「科学と感性の融合」という独自の立ち位置で社会に貢献しています。「国内の安定基盤だけでなく、米国ABELEI社の連結やマレーシア新工場建設といったグローバルな変革に関わりたい」という意欲は、現在の経営方針に合致し、高く評価されるでしょう。また、生産部門のDX化や代替素材開発など、専門領域の先端技術を追求したい姿勢も強力なアピールポイントとなります。
面接での逆質問例
「米国ABELEI社のPMIにおいて、日本本社の研究・製造部門と現地拠点との間で具体的にどのような技術交流やシナジー創出を期待されていますか?」
「320億円という大規模な設備投資計画の中で、生産現場のエンジニアにはデジタル技術の活用についてどのような期待がかけられていますか?」
「新人事制度の導入により、中途採用者がキャリアパスを構築していく上で、具体的にどのような挑戦の機会や評価の柔軟性が生まれていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
典型的な年功序列企業である
典型的な年功序列企業である。 どんなに成果を上げても一定の評価に落ち着く。 中途で入った人はある程度年数が上がらないと、給与も上がらない。
(30代前半・技術関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]- 2025年9月期 第2四半期決算短信(連結)
- 2025年9月期 第2四半期 決算説明会資料
- 2025年9月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答概要



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