0 編集部が注目した重点ポイント
① 自動車・半導体の両輪が牽引し営業利益45.3%増を達成
主力の自動車関連で北米向けの大型案件が相次いだほか、半導体関連では生成AI需要を背景としたウェーハ搬送装置が堅調に推移しました。2026年3月期第3四半期累計の売上高は691億18百万円、営業利益は68億18百万円に到達し、収益性の高い事業構造への転換が着実に進んでいます。
② 価格転嫁と習熟度向上により自動車関連の利益率が向上
自動車関連セグメントにおいて、適切な価格設定の推進と生産現場の習熟度向上が実を結び、営業利益が前年同期比66.2%増と大幅に伸長しました。単なる増収にとどまらず、コスト管理の徹底による「稼ぐ力」の強化が鮮明となっており、エンジニアにとって働きがいのある環境が整っています。
③ 2025年4月の株式分割と株主還元方針を大幅に強化
2025年4月1日付で1株につき3株の割合で株式分割を実施。さらに連結配当性向の目安を20%から35%の水準へ引き上げることを決定しました。企業価値向上に向けた攻めの姿勢を示しており、成長投資と株主還元のバランスを最適化する新たなフェーズに突入しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 第3四半期 決算説明資料 P.5
売上高
69,118百万円
+10.9%
営業利益
6,818百万円
+45.3%
経常利益
6,927百万円
+53.9%
第3四半期累計の業績は、売上高が前年同期比10.9%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は同60.0%増と非常に強い伸びを記録しました。受注高も719億61百万円(前年同期比22.1%増)と好調で、将来の売上基盤となる受注残高も高水準を維持しています。経営環境としては資源価格高騰等の懸念があるものの、自社の技術的優位性を背景とした受注の質的向上が利益を押し上げています。
通期予想に対する進捗状況は、売上高が72.0%、営業利益が81.2%となっています。売上高は概ね順調、営業利益については通期目標の75%を大幅に超過しており順調な進捗と評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 第3四半期 決算説明資料 P.8
自動車関連
事業内容: EV(電気自動車)向けバッテリー設備や内燃機関(エンジン)組立設備、EDU(電動ドライブユニット)組立設備の製造・販売。
業績推移: 売上高335億25百万円(前年同期比11.5%増)、営業利益44億68百万円(同66.2%増)。
注目ポイント: 北米市場における内燃機関(ICE)やハイブリッド車(HV)関連の設備投資再燃を的確に捉えています。最長1kmを超える大型ラインを一貫体制で手掛ける技術力が、大手メーカーからの信頼に繋がっています。
半導体関連
事業内容: シリコンウェーハ搬送装置(EFEM)や、先端パッケージング技術であるPLP(パネルレベルパッケージ)向け搬送装置の開発・製造。
業績推移: 売上高244億68百万円(前年同期比14.3%増)、営業利益16億93百万円(同33.4%減)。
注目ポイント: 生成AI関連の需要増により増収を維持。利益面では保証費用の増加や部材高騰の影響を受けましたが、2Q以降は価格転嫁が進み改善基調にあります。次世代技術への投資が活発な領域です。
その他自動省力機器
事業内容: 有機EL(OLED)用蒸着装置の受託製造、医療理化学機器、物流システム等の自動化設備の提供。
業績推移: 売上高95億20百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益5億99百万円(前年同期は赤字)。
注目ポイント: 有機EL関連の生産進捗と不採算案件の剥落により、営業利益が大幅に黒字転換しました。医療分野では、すい臓がんを対象とした集束超音波治療装置の共同開発も進んでいます。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 第3四半期 決算説明資料 P.13
2026年3月期の通期予想は、売上高960億円、営業利益84億円の増収増益を見込んでいます。中長期的な成長に向けて、熊本県内に「七城第二工場」を取得し、制御盤の生産拠点として活用するなど、生産体制の強化を急いでいます。
特に半導体関連では、生成AI向けパッケージングの技術革新によるクリーン搬送需要の高まりが期待されています。自動車関連においても、米国の関税政策等の外部環境を注視しつつ、ICE、HV、EVを問わず幅広い製品を手掛けられる対応力を武器に、グローバルでの受注拡大を目指す方針です。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
EVへのシフトが一時的に落ち着き、ICE(内燃機関)やHV(ハイブリッド車)への投資が再開している現状において、「どのような市場環境下でも顧客の要求に応えられる一貫体制」に魅力を感じていると伝えるのが効果的です。また、生成AI関連や先端パッケージング(PLP)など、最先端の技術領域に挑戦し続けている姿勢も強力な志望理由になります。
面接での逆質問例
・「七城第二工場の取得により生産拠点が拡大していますが、現場のエンジニアリング体制や品質管理の高度化に向けてどのような役割が期待されていますか?」
・「生成AI市場の急速な拡大に伴い、ウェーハ搬送装置のカスタマイズ要求が増えていると思いますが、開発スピードを維持するための工夫はありますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
客先が世界各国なので海外志向の方はモチベーションが上がる
客先が世界各国なので、据え付けなどで現地調整に赴くことになり海外志向の方にはそれだけでモチベーションが上がると思います。また、設計段階から携わった装置が実際に動き始めた時には感動します。
(20代後半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
・平田機工株式会社 2026年3月期 第3四半期決算短信(2026年2月13日発表)
・平田機工株式会社 2026年3月期 第3四半期決算説明資料(2026年2月)



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