0 編集部が注目した重点ポイント
① 大型EV向け増産体制で売上高が11.8%増加する
門形マシニングセンタ(大型の工作機械)の増産体制を構築したことで、中国などの大手EVメーカーからの大型受注案件が売上に寄与し始めています。工作機械需要が全体的に伸び悩む中でも、特定の成長産業を確実に取り込み、連結売上高は1,665億円と前年を大きく上回るペースで推移しています。
② 次世代物流拠点「オークマ PDC」が1月から稼働を開始する
2026年1月より、可児工場内に物流とユニット組立機能を兼ね備えた「オークマ PDC」が稼働しました。これにより配送効率の向上とコスト削減、さらに脱炭素化(Scope 3削減)を同時に推進します。生産・物流の構造改革が進んでおり、ものづくりDXを体現する現場でのキャリア機会が広がっています。
③ 航空宇宙や防衛関連の堅調な需要で受注残高が高水準を維持する
中堅・中小企業の設備投資には慎重姿勢が見られるものの、日米ともに航空宇宙、防衛、医療機器といった高付加価値分野の需要が極めて堅調です。2025年12月末時点の受注残高は1,031億円と豊富であり、長納期案件の増加に伴う安定的な操業見通しが立っている点は、転職者にとっても大きな安心材料です。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 第3四半期 決算説明資料 P.3
売上高
1,665.1億円
(前年同期比 +11.8%)
営業利益
104.4億円
(前年同期比 +3.1%)
純利益
85.4億円
(前年同期比 +13.9%)
第3四半期累計の業績は、部材コストの上昇や輸送費の高止まりといった逆風があったものの、生産効率の向上や内製化の強化、さらに米国関税負担分を含む販売価格への転嫁が功を奏し、利益面でも前年を上回りました。特にマシニングセンタの売上高が前年同期比で27.3%増と大きく伸長しており、牽引役となっています。 通期予想(売上高2,200億円)に対する進捗率は75.7%に達しており、業績は極めて順調に推移しています。純利益に至っては進捗率85.4%と高い水準にあり、期末に向けて安定した着地が見込まれます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 第3四半期 決算説明資料 P.14
日本市場
事業内容:国内製造業向け工作機械の販売、保守、自動化ソリューションの提供。
業績推移:第3四半期の受注高は149億円。中堅・中小は慎重だが、航空宇宙や医療等で活発な投資が見られる。
注目ポイント:米国による関税措置の影響を注視しつつも、航空宇宙・防衛・造船など幅広い産業での設備投資が継続しています。特に深刻な人手不足を背景とした自動化ニーズが根強く、5軸加工機や複合加工機による「工程集約」を提案できる技術営業やアプリケーションエンジニアの重要性が増しています。
米州市場
事業内容:北米・中南米における大手企業および官需向け工作機械ビジネスの展開。
業績推移:受注高は218億円と前年同期比で67.1%増と爆発的に成長。大手企業の投資が堅調。
注目ポイント:関税政策や金利の影響で中小は慎重ですが、航空宇宙・防衛・エネルギー分野の大手企業からの需要が非常に強く、同社の収益の柱となっています。グローバルな大型プロジェクトを管理できるプロジェクトマネジメント人材や、海外拠点との連携を担うポジションでの活躍が期待されます。
欧州市場
事業内容:欧州全域における自動車・一般産業機械向け工作機械の販売・サポート。
業績推移:受注高は91億円。自動車産業の停滞や輸出不振により、需要は弱含みで推移している。
注目ポイント:景気先行きは不透明ですが、環境規制の厳しい地域であるため、脱炭素に貢献するGreen-Smart Machine(エネルギー消費を抑えつつ高精度加工を実現する同社の新機軸)の訴求が重要課題となっています。環境対応と生産性を両立させる、難易度の高いコンサルティング的アプローチが求められるフィールドです。
アジア・パシフィック市場(中国含む)
事業内容:中国のEV産業、半導体装置、風力発電向けを中心とした工作機械の供給。
業績推移:受注高155億円。大手EVメーカーからの大型案件を確実に受注し、前年比21.0%増。
注目ポイント:中国では半導体製造装置や風力発電など、国策に近い産業の需要が底堅く推移しています。特に大手EVメーカーとの強固なパイプを構築しており、変化の激しい市場環境下でスピーディーに応対できる開発・サービス体制の強化が進んでいます。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 第3四半期 決算説明資料 P.17
オークマは2026年3月期の通期予想について、売上高2,200億円、営業利益140億円の当初計画を据え置いています。注目すべきは、2026年1月に実行された150億円の資金借入です。これは江南工場におけるエンジニアリングセンターやイノベーションセンターの設備投資を目的としており、単なる生産能力の拡大ではなく、R&D(研究開発)体制の抜本的強化を示唆しています。 航空宇宙や半導体装置関連の緩やかな拡大基調を背景に、省人化・自動化へのニーズは中長期的に底堅いと見ています。特に「Green-Smart Machine」を通じた脱炭素化への取り組みは、グローバルな競争優位性を高める重要戦略です。エンジニアリング機能の集約・高度化が進む中で、デジタルツインやAIを活用した次世代工作機械の開発に携わるチャンスが豊富にあります。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は今、単なる機械メーカーから「ソリューションプロバイダー」への変革期にあります。「Green-Smart Machine」や「自動化・省人化」といった社会課題解決への貢献を軸にしつつ、「江南工場のエンジニアリングセンター新設」といった具体的な投資計画に触れ、最新鋭の環境で次世代の日本のものづくりを支えたいという意欲を伝えると、非常に説得力が増します。
面接での逆質問例
・「オークマPDCの稼働により、物流だけでなく開発・生産現場との連携にどのような変化を期待されていますか?」 ・「航空宇宙や防衛といった分野の受注が急増していますが、これらの特殊な要求仕様に応えるためのエンジニアリング体制を、今後どのように強化される方針ですか?」 ・「米国関税等の外部リスクに対し、グローバルな地産地消・内製化の拡大をどのように推進していく計画でしょうか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
残業が少ない分給料が増えない
残業が少ない分、もちろん給料がなかなか増えないようで、ワークライフバランスを重視するならいいが、バリバリ働いて稼ぎたいという方には向いていないかもしれないと感じる。
(20代前半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]上下関係や部署関係なく和気あいあい
年に2回、スポーツ大会がある。家族を連れてくる人も多く、上下関係や部署関係なく、和気あいあいと行われている印象だった。
(20代前半・研究開発・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- オークマ株式会社 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- オークマ株式会社 2025年度 第3四半期 決算説明資料



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