0 編集部が注目した重点ポイント
① 生成AI市場の拡大で売上高・各利益ともに過去最高を更新する
生成AIの急速な普及により、データセンターのサーバー向け用途での需要が激増しました。この追い風を確実に捉えたことで、2025年12月期の売上高は40,165百万円(前期比23.2%増)、営業利益は8,728百万円(同26.9%増)に到達し、連結売上高と営業利益のいずれも過去最高額を更新しています。
② 長岡工場に第六工場を新設し供給体制の強化を加速させる
高品質な製品への旺盛な需要に応えるため、新潟県の長岡工場内に「第六工場」を新設することを決定しました。投資予定額は約6,200百万円で、2027年6月の竣工を予定しています。自社設備の強みを活かした迅速な生産能力増強により、生成AIサーバー等の先端領域での市場シェアをさらに盤石にする構えです。
③ 高付加価値製品の販売比率が35%へ上昇し収益性が向上する
同社の強みであるコーティング技術を駆使した高付加価値工具「ULFコートドリル」の販売数量比率が、全PCBドリルの中で35.0%まで上昇しました。生成AIサーバー向けのパッケージ基板加工には不可欠な製品であり、この高収益品の増販が進んだことが、原材料高や先行投資による費用負担を跳ね返す大きな原動力となっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 本決算説明会 P.3
売上高
40,165百万円
+23.2%
営業利益
8,728百万円
+26.9%
経常利益
8,136百万円
+14.1%
当連結会計年度の売上高は前期比23.2%増となり、過去最高額を更新しました。スマートフォンやパソコン向け需要は力強さを欠いたものの、生成AI関連市場でのサーバーやデータセンター向け需要が明確に牽引役となりました。大規模な設備投資による費用負担はあったものの、高付加価値工具の増販が収益性を向上させ、各利益段階でも最高益を記録しています。
通期予想に対する進捗状況については、売上高107.1%、営業利益110.5%と、すべての指標で予想を上回る達成率を記録しており、業績は非常に順調に推移しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 本決算説明会 P.13
日本(新潟・長岡拠点)
事業内容:高付加価値工具のマザー工場。最新鋭の自社製設備による生産と、国内外へのグローバル展開の拠点。
業績推移:売上高25,906百万円(前期比15.5%増)。セグメント利益は増産体制構築のためのインフラ改修等で15.5%減。
注目ポイント:生成AI向けのパッケージ基板需要に応えるため、過去最大級の設備投資が継続されています。単に「作る」だけでなく、自社で生産設備まで内製する「開発型メーカー」としての側面が強く、最先端のモノづくりにゼロから関わりたいエンジニアにとって、他に類を見ない挑戦の場が広がっています。
アジア地区(中国・台湾)
事業内容:世界のハイテク工場が密集するエリアでの、PCBドリルの供給と技術サポート。
業績推移:売上高24,259百万円(前期比33.0%増)。セグメント利益は稼働率向上により107.7%増と大幅改善。
注目ポイント:AIサーバーやデータセンター向けの需要がもっともダイレクトに反映されるエリアです。現地生産拠点の稼働率向上により収益性が劇的に改善しました。急速に変化する現地の技術要求に応えるスピード感と、グローバルな供給管理のスキルを持つ人材が不可欠となっています。
北米・欧州地区
事業内容:航空宇宙、医療機器、自動車分野の先端技術開発拠点への工具供給。
業績推移:欧州売上高は12.8%増と堅調。北米はほぼ横ばいながら需要は底堅い。
注目ポイント:特定のニッチな要求品質に応える新たな製品の投入が鍵となっています。グローバルレベルで最適な営業戦略を確立する一環として、多様な市場ニーズを吸い上げ、製品開発にフィードバックするアプリケーションエンジニアの活躍が期待されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 本決算説明会 P.15
2026年12月期は、売上高45,000百万円(前期比12.0%増)、営業利益10,000百万円(同14.6%増)と、強気の予想を掲げています。この成長を支える裏付けとして、前年比約1.8倍となる10,469百万円の大規模な設備投資を計画。供給体制の強化をさらに加速させ、旺盛な需要を確実に取り込む姿勢です。
市場環境には不透明な部分もありますが、生成AIを中心とした高品質製品への需要は根強いと見込んでおり、生産体制のさらなる増強と、それを支える高度な技術・管理スキルの重要性が、今後の採用においても決定的な要素となります。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は生成AI市場という最先端の成長波を、ハードウェアの基盤となる「切削工具」の側面から支えています。志望動機では、単に製品に興味があるだけでなく、「世界シェア1位のドリルを自らの手で供給し、世界のテクノロジーの進化に貢献したい」といった姿勢や、内製化された生産設備自体をブラッシュアップし、より高い供給能力を実現したいという「モノづくりへのこだわり」を強調することが効果的です。特に、新潟・長岡での大規模な増産局面にある今こそ、自身のスキルをぶつける絶好のタイミングであることをアピールしましょう。
面接での逆質問例
- 「2026年度に計画されている100億円超の設備投資において、私の経験がある〇〇のスキルを活かせそうな具体的なプロジェクトはありますでしょうか?」
- 「長岡工場の第六工場新設に伴い、現場レベルで解決すべき課題や、新しく入る社員に期待されていることは何ですか?」
- 「ULFコートドリルなどの高付加価値製品の比率が35%まで高まっていますが、さらなるシェア拡大に向けて技術営業や開発が現在もっとも注力している点はどこですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年12月期 本決算説明会資料



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