【平均年収714万円】ユニオンツール 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収714万円】ユニオンツール 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

ユニオンツールは、産業用切削工具、特にプリント基板用ドリルなどの製造・販売を主力とし、日本、アジア、北米、欧州で事業を展開しています。連結従業員数は1,530名を超え、直近の業績は売上高、利益ともに過去最高を更新し、増収増益となりました。


目次

※本記事は、ユニオンツール株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ユニオンツールは、産業用切削工具を主力とし、PCB工具(主にプリント基板用ドリル)の製造・販売を中心に事業を展開しています。同社グループは、日本、アジア、北米、欧州の各セグメントで切削工具(PCB工具、超硬エンドミル)や転造ダイスなどの製品を製造・販売しています。

単体従業員数は905名、連結従業員数は1,530名です。セグメントは日本、アジア、北米、欧州の4つです。

国内においてはユニオンツールが生産・販売を一手に担い、海外8社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


同社グループは、精密工具製造という専門性の高い事業を展開しており、従業員の長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていると考えられます。国内外に拠点を持ち、多様な働き方を推進する取り組みも行っています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、従業員が長期にわたって安定して勤務している傾向が見られます。これは、同社が従業員のキャリアを大切にし、働きやすい環境を提供していることを示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 7,144,882円
平均勤続年数 19.2年
平均年齢 42.2歳
単体従業員数 905人
連結従業員数 1,530人
単体のグループ内比率 59.2%


同社は、従業員の退職給付制度として、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型の両方を採用しています。これらの制度は、国内および一部の連結子会社にも適用されています。退職一時金制度もあり、給与と勤務期間に基づいて一時金または年金が支給される仕組みです。直近の退職給付債務は25.5億円、年金資産は28.2億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は、企業倫理の安定的かつ継続的な実現のため、専門性と創造性に富み、誠実さと挑戦心を兼ね備えた人材の育成と登用を基本方針としています。また、健康で活気に満ちた職場づくりを目指し、個々の人格と個性を尊重した人事制度や労働環境の維持向上を推進しています。

社員一人ひとりに必要な教育を適切なタイミングで実施できるよう教育制度を構築しており、オンライン学習サービスや階層別教育を通じて技術者育成や若手社員の成長を支援しています。さらに、2024年には障害者がチームとして働くソーシャルオフィスを導入し、多様な人材が活躍できる環境整備にも力を入れています。生産の効率化を通じて残業時間の低減を図るとともに、新卒採用に加え中途採用も積極的に行い、必要な知識・技能を有する人材の確保に努める方針です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男女賃金差異は、賃金制度・体系において性別による差異はなく、主に等級別人員構成および管理職比率の差異によるものです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 9.9%
男性労働者の育児休業取得率 83.3%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 83.6%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 83.1%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 89.7%

ダイバーシティ(多様性)


提出会社単体のデータです。

指標 数値
障がい者雇用率 2.4%

人材育成・成長環境


提出会社単体のデータです。

指標 数値
社員一人あたりの教育訓練費 55,079円

働きやすさ


提出会社単体のデータです。2025年度は、PCBドリルの受注増に伴い、平均残業時間が増加しました。2026年度は平均残業時間(月平均、時間/人)20時間を目標として掲げ、生産の効率化を通じて残業時間の低減を図っていく方針です。

指標 数値
平均残業時間(月) 26時間3分

健康・安全


提出会社単体のデータです。

指標 数値
休業を伴う労災発生件数 1件

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ユニオンツールは、産業用切削工具を主力とし、特にプリント基板用ドリルなどのPCB工具の製造・販売を中心に事業を展開しています。同社グループは、日本、アジア、北米、欧州の各地域で事業活動を行っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、産業用切削工具、特にPCB工具や超硬エンドミルの製造・販売を主軸としています。その他、転造ダイスなどの製品も取り扱っています。収益は、これらの製品の販売から得られており、生成AI関連市場の需要拡大が収益を牽引する要因となっています。

同社グループは、自社設備の強みを活かした生産能力の増強と供給体制の確保を進め、高付加価値工具や高多層基板用工具の増販に注力しています。また、為替レートの変動も業績に影響を与えることがあります。特定の顧客への売上高が同社グループの連結売上高の一定割合を占める傾向も見られます。

日本

日本セグメントでは、主に切削工具やその他の製品の製造・販売を行っています。生成AI関連市場の堅調な需要を取り込み、高付加価値工具の生産拠点である長岡工場では大規模な設備投資と増産体制の構築を進めています。
収益は、切削工具およびその他の製品の販売から得ています。運営は、ユニオンツールが行っています。

アジア

アジアセグメントでは、切削工具やその他の製品の製造・販売を行っています。中国や台湾を中心に、AIサーバーやデータセンター向けに使用されるパッケージ基板および高多層基板の需要が拡大し、現地生産拠点の稼働率向上により収益性が改善しています。
収益は、切削工具およびその他の製品の販売から得ています。運営は、台湾佑能工具股份有限公司、佑能工具(上海)有限公司、東莞佑能工具有限公司、UNION TOOL HONG KONG LTD.、UNION TOOL SINGAPORE PTE LTD.、UNION TOOL (THAI LAND) CO., LTD.が行っています。

北米

北米セグメントでは、切削工具やその他の製品の販売を行っています。
収益は、切削工具およびその他の製品の販売から得ています。運営は、U.S. UNION TOOL,INC.が行っています。

欧州

欧州セグメントでは、切削工具やその他の製品の販売を行っています。
収益は、切削工具およびその他の製品の販売から得ています。運営は、UNION TOOL EUROPE S.A.が行っています。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
アジア 173億円 230億円
日本 110億円 126億円
欧州 22.4億円 24.5億円
北米 20.2億円 20.4億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向を示しています。特に当連結会計年度においては、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益が過去最高を更新しました。これは、生成AI関連市場の需要拡大に対応した高付加価値工具の増販や、生産能力増強への取り組みが寄与しています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 282億円 291億円 253億円 326億円 402億円
経常利益 54.1億円 67.4億円 40.7億円 71.3億円 81.4億円
経常利益率 19.2% 23.2% 16.1% 21.9% 20.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 38.0億円 50.0億円 30.8億円 52.8億円 61.1億円
1株当たり当期純利益(円) 220.18 289.21 178.17 305.86 353.86

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から増加しており、従業員1人あたり営業利益(連結)も同様に増加しています。これらの指標の向上は、同社グループの生産性および収益性の改善傾向を示しています。事業環境の変化に対応した生産体制の強化や高収益品の販売増が、従業員一人ひとりの稼ぐ力の向上に繋がっていると考えられます。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 22.4百万円 26.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.7百万円 5.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


ユニオンツールグループは本業で安定的に資金を生み出し、投資活動も行っています。財務基盤の状況から、同社グループの安定性を見ていきます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


ユニオンツールは、自己資本比率が90.7%と、プライム市場の製造業平均(46.8%)を大きく上回る水準となっています。これは強固な財務基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)は8.0%であり、プライム市場平均(9.4%)と比較するとやや下回る水準です。手元資金である現金及び預金は164億円を確保しており、事業運営の安定性につながる要素です。これらの財務状況は、同社グループの事業継続性や将来の成長投資の余力に影響を与える可能性があります。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 731億円 800億円
自己資本比率 92.7% 90.7%
ROE(自己資本利益率) 7.5% 8.0%
現金及び預金 180億円 164億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


ユニオンツールグループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、75.1億円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益83.2億円や減価償却費33.2億円によるものです。前期と比較して収入が増加しており、本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。

投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出74.3億円があり、68.0億円の支出となりました。これは、生産能力増強のための大規模な設備投資を継続していることを示しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額20.7億円などにより、22.6億円の支出となっています。

これらの結果、フリーキャッシュ・フローは7.0億円のプラスとなりました。本業で得た資金で投資活動を賄い、なお余剰資金を生み出している優良な状態です。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資も行いつつ、雇用や給与の安定性を維持できる基盤があることを示しています。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 72.8億円 75.1億円
投資CF △72.7億円 △68.0億円
財務CF △16.8億円 △22.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 0.1億円 7.0億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの売上高の約7割がプリント配線板用超硬ドリル(PCBドリル)となっており、この製品の主要市場であるプリント配線板市場の生産動向に経営成績が影響を受ける可能性があります。また、連結売上高の約9割が日本を含むアジア向けであるため、この地区での政治的・経済的・社会的変化や法規制等の変更、天変地異の発生が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループでは、製造プロセスの変動や人為的ミス、技術伝承の遅れなどにより品質問題が発生するリスクを認識しています。これに対し、品質管理体制の強化や人材育成の強化等の対策を進めている状況です。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ユニオンツールは、「優れた製品を供給して社会に貢献する」ことを社是とし、グローバル市場で価値ある企業であり続けることを目指しています。同社グループは、社員の成長と活躍を重視し、持続可能な社会への貢献を経営の根幹に据えています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


ユニオンツールグループは、「優れた製品を供給して社会に貢献する」ことを社是としています。また、「会社と社員の永遠の繁栄をはかる」ことを行動の基本方針としています。

同社グループは、プリント配線板用超硬ドリル(PCBドリル)分野において世界のリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。今後も「モノ造り」に専心し、高品質で高レベルな製品・サービスを柔軟かつ適時に提供することで、グローバルな市場で価値ある企業であり続けることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


ユニオンツールグループは、「会社と社員の永遠の繁栄をはかる」ことを行動の基本方針として大切にしています。企業倫理の安定的かつ継続的な実現のため、専門性と創造性に富み、誠実さと挑戦心を兼ね備えた人財の育成と登用を図ることを人材育成方針としています。

また、健康で明朗、活気に満ちた職場づくりのために組織風土を醸成し、個々の人格と個性を尊重した人事制度や労働環境の維持向上を推進することを社内環境整備方針としています。サステナビリティに関する取り組みを推進するため、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、企業全体で持続可能性を重視する姿勢を示しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


ユニオンツールグループは、社会的要請事項への対応と企業価値の向上を重要な課題としています。社是である「会社と社員の永遠の繁栄を図る」に基づき、企業体質の強化を図る方針です。

特に、企業体質強化の根幹である従業員の活躍・成長について十分取り組むことを掲げています。また、生成AI関連分野の需要拡大に対応するため、生産設備の内製化という強みを活かし、生産能力の迅速な増強も課題としています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ユニオンツールは監査役会設置会社であり、取締役会による迅速な意思決定と業務執行の監督機能の充実を図っています。また、執行役員制度を導入し、経営監督と業務執行の分離を明確にしています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ユニオンツールの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である晃永が占めています。その他、信託銀行や公益財団法人が上位株主として名を連ねています。代表取締役会長である片山貴雄氏も上位株主の一人です。

株主名 持株比率
晃永 35.25%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 7.05%
公益財団法人ユニオンツール育英奨学会 5.74%
片山 貴雄 3.41%
日本カストディ銀行(信託口) 3.09%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役会長は片山貴雄氏が、代表取締役社長技術本部長は渡邉裕二氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
片山 貴雄 代表取締役会長 1979年2月同社入社、1981年1月同社常務取締役、1996年5月同社代表取締役社長を経て、2014年2月同社代表取締役会長就任より現職。
渡 邉 裕 二 代表取締役社長技術本部長 1992年4月同社入社、2020年3月同社執行役員技術本部長、2021年3月同社取締役技術本部長を経て、2025年3月同社代表取締役社長技術本部長就任より現職。
中 島 有 一 専務取締役 1985年4月同社入社、2017年3月同社執行役員、2021年3月同社取締役監査本部長を経て、2025年3月同社専務取締役就任より現職。
槇 浩 行 取締役 1986年4月同社入社、2018年3月同社執行役員品質保証部長、2025年3月同社取締役製造本部長兼長岡工場長就任より現職。


社外取締役は、山本博毅氏(弁護士法人原合同法律事務所 社員弁護士)、若林勝三氏(元大阪国税局長)、三瀬隆氏(イメージワーキングサービス 代表取締役社長)です。

ユニオンツールは監査役会設置会社です。社外取締役3名を選任しており、独立した立場から経営全般への助言や監視機能を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ユニオンツールの取締役報酬は、固定報酬と業績連動報酬で構成されており、非金銭報酬は支給されていません。社内取締役には固定報酬と業績連動報酬が支給され、社外取締役には独立性を考慮し固定報酬のみが支給される体系です。業績連動報酬は営業利益を算定基礎として決定されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 2.2億円 44.2百万円
監査役(社外除く) 1名 15百万円 15.0百万円
社外役員 5名 30百万円 6.0百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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