0 編集部が注目した重点ポイント
① 本社機能と事業会社を統合し経営判断を加速させる
2025年4月1日付で、持株会社であったサトーホールディングスが事業子会社の株式会社サトーを吸収合併し、商号を株式会社サトーへ変更しました。この組織統合により、細分化されていた組織をシンプルな体制に刷新。責任と権限を明確化することで、組織完結の迅速な意思決定が可能な体制へと構造改革を断行しています。
② 国内事業が営業利益2倍近い歴史的な成長を遂げる
日本事業において、2026年3月期第2四半期のセグメント利益が前年同期比98.2%増の19億円に到達しました。深刻な人手不足や改正物流効率化法(物流2024年問題)を背景とした自動化ニーズを的確に捉え、利益率の高いメカトロ商品の販売が好調に推移したことが、収益体質の劇的な改善に寄与しています。
③ 海外事業の苦戦を受け通期利益予想を下方修正する
好調な国内に対し、海外(特にロシア・欧州)のプライマリー専業事業が苦戦しています。ロシアでの競争激化や気候要因による需要減、コスト増の影響を受け、通期の連結営業利益予想を期初計画から15億円下方修正し、110億円としました。今後は高付加価値品へのシフトによる早期の利益回復を目指します。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.4
中間期の売上高は782億円(前年同期比+2.8%)と増収を維持しましたが、海外事業の下振れが響き、営業利益は51億円(同-11.7%)の減益となりました。特に、以前から利益を牽引していたロシア子会社「Okil社」を中心とした海外プライマリー専業事業の苦戦が主因です。為替影響を除いた実質ベースでも営業利益は前年を下回っています。
通期計画に対する進捗率は、修正後の営業利益目標(110億円)に対して46.4%となっています。例年、下期に需要が偏る傾向にありますが、海外の不透明感を考慮して慎重な下方修正を行いました。国内事業の上振れが海外の落ち込みを一定程度カバーする構造となっており、下期の巻き返しが焦点となります。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.5
自動認識ソリューション事業(日本)
【事業内容】
バーコードプリンター、ラベル、スキャナー等のハードウェアに加え、DX化を推進するソフトウェアや保守サービスを提供。
【業績推移】
売上高405億円(前年比+8.0%)、営業利益19億円(同+98.2%)。歴史的な好決算を達成。
【注目ポイント】
ロジスティクス市場での大口戦略商談や「物流2024年問題」に対応した自動貼り機器の需要が爆発的に増加しています。単なる「モノ売り」から、運用課題を解決する「コト売り」へのシフトが鮮明になっており、パッケージソフト「IritoDe」の販売額も2年間で4.7倍に急成長。顧客の業務プロセスに深く踏み込むソリューション営業やSEの重要性が一段と高まっています。
海外ベース事業(米州・欧州・亜州)
【事業内容】
海外の販社を通じて、製造、物流、ヘルスケア市場向けに自動認識技術を活用したタギングソリューションを展開。
【業績推移】
売上高256億円(前年比-2.0%)、営業利益22億円(同-3.4%)。為替影響を除くと実質増収。
【注目ポイント】
欧州では「デジタル製品パスポート(DPP)」対応のクラウドプラットフォーム「SATO AEP CLOUD」をローンチ。環境負荷情報の管理など法規制対応を起点とした商談が増加しています。アジアでも人件費上昇を背景にした自動化需要が堅調で、グローバルキーアカウント(大手顧客)への面的な対応力が求められています。現地のニーズを汲み取り、共通プラットフォームへ繋ぐ連携力が鍵です。
海外プライマリー専業事業
【事業内容】
ロシア(Okil社)、ブラジル(Prakolar社)等の子会社を通じて、飲料や化粧品向けの固定情報ラベルを製造・販売。
【業績推移】
売上高120億円(前年比-2.8%)、営業利益10億円(同-60.3%)。欧州・ロシアの苦戦が顕著。
【注目ポイント】
ロシア市場における激しい価格競争に加え、気候要因による飲料向け需要の減少が直撃しました。しかし、ブラジルでは医薬品向け品質で表彰されるなど技術力は健在です。今後は高付加価値なスマートパッケージング領域でのシナジー創出に注力する方針です。RFIDやAR技術を組み合わせた次世代ラベルの展開に向け、印刷加工技術とデジタル技術を橋渡しできる人材が必要とされています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.29
サトーグループは、2026年1月に次世代フラッグシップモデルとなる産業用プリンター「CL4/6-SXR」を発売予定です。初の「共通プラットフォーム」を採用し、開発効率と在庫回転率を大幅に向上させるこの製品は、グローバルで30万台の販売を計画しています。この新モデル投入により、製造業のプリンター更新需要を確実に捉える構えです。
質疑応答資料によると、日本事業の下期予想が慎重なのは、米国関税率変更前の駆け込み需要の反動減や、研究開発費の執行が下期に偏ることを織り込んでいるためです。しかし、中長期では「インド・インドネシア・ブラジル」といった人口ボーナスの恩恵を受ける国々へのプライマリー事業の拡大や、RFIDを活用した高付加価値市場の開拓を加速させる戦略です。12月の「中期経営計画アップデート」では、より具体的な投資計画が明かされる見通しであり、新規採用を通じた組織強化への意欲は依然として高いと言えます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社の強みは、単なるプリンター販売に留まらず、顧客の「現場」でモノと情報を紐付ける「タギング」の専門性です。特に国内では「物流2024年問題」や「製造現場のDX」といった社会課題に対して、ハードとソフトを組み合わせた実効性のある提案を行っています。「社会の課題を自らのソリューションで解決したい」という姿勢は、同社が掲げる「現場力」というビジョンと非常に親和性が高いです。
面接での逆質問例
「2025年4月の本社機能統合(吸収合併)後、開発・製造・販売のバリューチェーン全体での迅速な意思決定は現場にどのような変化をもたらしていますか?」「共通プラットフォームをベースとした新プリンター戦略において、営業やSEとして新市場(DPP対応など)をどのように開拓していく役割が期待されていますか?」など、組織の変化と市場戦略を絡めた質問が有効です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
大きな金額規模の商談を経験する機会を得る
取引先がそこそこの規模の会社が多いため、大きな金額、規模の商談を経験する機会を得ることが出来るのは非常によいことではある。
(20代前半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]本人のやる気次第でどうにでも振ることが出来る
本人のやる気次第でどうにでも振ることが出来るので、キャリアを目指したい人もそうでない人も、どちらも選べると思います。
(30代前半・印刷関連専門職・女性) [キャリコネの口コミを読む]- 2026年3月期 第2四半期 決算説明資料(2025年11月12日発表)
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)(2025年11月12日発表)
- 2026年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答の主な内容



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