0 編集部が注目した重点ポイント
① メキシコ新会社の連結化で北米展開を加速させる
2026年3月期第1四半期より、DAIHEN MEXICO S. A. de C. V.を新たに連結範囲へ追加しました。成長市場である北米での地産地消体制を強化し、現地の旺盛なインフラ需要を取り込む狙いがあります。新規連結に伴い、北米エリアでのエンジニアや営業職などのキャリア機会が大きく拡大する可能性があります。
② 生成AI需要を追い風に半導体向け電源が高成長を遂げる
マテリアルプロセシング事業において、生成AI用途の先端半導体関連投資が増加し、高周波電源システムの需要が非常に高い水準で推移しています。第3四半期の同セグメント利益は前年比10.6%増と伸長しており、最先端プロセスに対応できる高度な技術開発人材の重要性がかつてないほど高まっています。
③ 非常用発電機の置換えを狙う新領域ビジネスを始動する
2025年12月より、消防法改正に対応した「防災用蓄電池パッケージ」を市場投入しました。年間の市場規模が約800億円と試算される非常用ディーゼル発電機からのリプレイス需要を狙います。単なる製品販売にとどまらず、ピークカットによる電力コスト削減などのソリューション提案型営業の職域が広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度(2026年3月期) 第3四半期決算補足説明資料 P.2
第3四半期累計の業績は、主力であるエネルギーマネジメント事業とマテリアルプロセシング事業が牽引し、営業利益率は前年同期の6.6%から7.6%へ改善しました。コスト削減の成果が+20億円の利益押し上げ要因となるなど、収益構造の強化が着実に進んでいます。
通期予想に対する進捗率は、売上高が69.5%、営業利益が67.4%となっており、基準値の75%をわずかに下回るため、現時点では進捗が遅れている状況にあります。ただし、同社は通期業績予想を変更しておらず、第4四半期での挽回を見込んでいます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度(2026年3月期) 第3四半期決算補足説明資料 P.4
エネルギーマネジメント
事業内容:変電所向け大型変圧器、受変電設備、蓄電池システム、エネルギー管理ソリューションの開発・販売。
業績推移:売上高 866.5億円(前年同期比+3.4%)、営業利益 96.3億円(前年同期比+20.2%)。
注目ポイント:再エネ投資やデータセンター新設を背景に、受変電設備の需要が極めて旺盛です。国内電力向けでは変電所の更新投資に加え、大形変圧器の生産能力を2倍に増強する新工場建設も進行中。蓄電所案件も大きく増加しており、大規模インフラの設計・施工管理ができる人材が強く求められています。
ファクトリーオートメーション
事業内容:自動車・産業機器向け溶接ロボット、クリーンルーム用搬送ロボットなどの自動化システム。
業績推移:売上高 225.7億円(前年同期比+5.0%)、営業利益 7.3億円(前年同期比+9.9%)。
注目ポイント:国内や欧州では投資抑制の傾向がありますが、米国や中国での新規顧客開拓が成果を出し始めています。人手不足を背景とした自動化ニーズは底堅く、特に業界トップクラスの性能を誇る搬送ロボットなどの引き合いが増加。グローバルに活躍できるセールスエンジニアの活躍の場が広がっています。
マテリアルプロセシング
事業内容:半導体製造装置向け高周波電源、デジタル溶接機、接合機器の開発・製造。
業績推移:売上高 540.8億円(前年同期比+7.2%)、営業利益 54.6億円(前年同期比+10.6%)。
注目ポイント:生成AI向けの先端半導体投資により、エッチング工程等で使用される独自の電源システムが極めて高い評価を得ています。溶接機分野でも「Welbee」シリーズによる脱技能化(誰でも高品質な溶接が可能になる技術)を推進。技術的優位性を製品力に変換できるR&D人材への期待が高まっています。
その他
事業内容:不動産賃貸事業など。
業績推移:売上高 1.4億円、営業利益 0.1億円(前年同期並み)。
注目ポイント:グループの事業活動を支える付帯的な事業であり、業績へのインパクトは限定的ですが、安定的な運営が継続されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度(2026年3月期) 第3四半期決算補足説明資料 P.12
ダイヘンは、中期経営計画において「社会課題の解決に積極的に貢献する企業」を目指す姿として掲げています。脱炭素・労働力不足・デジタル化という3大テーマに関連する製品の売上高を、2026年度には700億円(2024年度実績の約2.3倍)まで引き上げる計画です。
注目すべきは、主要拠点への太陽光発電や自社製蓄電池の導入を皮切りとした、独自の電力融通ビジネスモデル「シナジーリンク」の構築です。自社での知見をもとに新たなエネルギーサービスを展開する方針であり、既存のメーカーとしての枠を超えた、ITとハードを融合させた新ビジネスを担える人材が、今後の採用において重要な鍵となります。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
ダイヘンは現在、単なる機械メーカーから「社会課題解決型企業」へと変貌を遂げようとしています。志望動機では、同社の強みである電力・ロボット・半導体の技術をいかに掛け合わせ、「脱炭素社会の実現」や「製造現場の労働力不足解消」に貢献したいかを具体的に語ることが有効です。特に、新事業である防災用蓄電池や系統用蓄電池の展開に対する興味や、自身のスキルがどう活かせるかを結びつけると、戦略への理解の深さをアピールできます。
面接での逆質問例
- 「非常用発電機の置換え需要を狙う防災用蓄電池ビジネスにおいて、技術者として直面している最大の技術的・営業的課題は何でしょうか?」
- 「メキシコ拠点の連結化により、今後国内のエンジニアやプロジェクトマネージャーが海外拠点と連携する機会はどの程度増える見込みですか?」
- 「生成AIによる半導体需要の急増に対し、マテリアルプロセシング事業ではどのような開発体制の強化を行っているのでしょうか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
若手のうちから主戦力として仕事ができる
会社規模に対して新卒採用の数が少なく、社員数も多くないため若手のうちから主戦力として仕事ができる。
(20代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社ダイヘン 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社ダイヘン 2025年度(2026年3月期) 第3四半期決算 補足説明資料



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