0 編集部が注目した重点ポイント
① 村田製作所からの事業譲受で一次電池の収益基盤を強化する
株式会社村田製作所からの一次電池事業の譲受が、2026年3月1日に実行予定です。この構造的変化により、同社の強みであるインフラ・医療用電池のシェアがさらに拡大します。2026年度以降の業績貢献が見込まれており、エネルギー事業でのエンジニアや企画職にとって、事業統合に伴う大規模なキャリア機会が創出される可能性が高い局面です。
② 全固体電池の社会実装を加速し次世代ロボットへの搭載を広げる
次世代電池の「本命」とされる全固体電池の量産化が進展しています。SUBARUに続き、2026年1月には京セラの工場ロボットへの搭載も決定しました。過酷な環境下でも安全性が高い同社の製品は、FA(ファクトリーオートメーション)機器のバックアップ電源として顧客開拓が加速しており、最先端技術の社会実装に携わりたい技術者にとって魅力的なフェーズにあります。
③ アナログコア事業群への再編により成長投資を重点化する
2025年度より報告セグメントを再編し、強みである「アナログコア技術(まぜる・ぬる・かためる技術)」を軸とした「アナログコア事業群」を定義しました。ここに人的リソースと投資を集中させる一方、利益重視の「価値共創事業」と役割を明確化。積極的な成長投資とM&Aの探索を掲げており、変革期にある組織での事業開発や専門性を活かした活躍が期待されます。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 第3四半期決算説明会 P.4
当第3四半期連結累計期間は、角形リチウムイオン電池の生産終了に伴う販売減や、銀などの原材料費高騰という厳しい環境下にありました。しかし、インフラ用途や医療機器向け一次電池の堅調な推移に加え、ライセンス収入の増加が利益を大きく押し上げました。純利益は前年同期比で2桁増となっており、事業ポートフォリオの入れ替えが着実に収益性の向上に寄与しています。
通期予想に対する進捗状況は、売上高が71%、営業利益が72%となっています。全社として通期計画の達成を掲げており、業績は概ね順調に推移していると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 第3四半期決算説明会 P.15
エネルギー
事業内容:一次電池(耐熱・円筒形リチウム等)、二次電池、全固体電池の開発・製造・販売。
業績推移:売上高310億円(前年比▲1.9%)、営業利益20億円(▲21.5%)。
注目ポイント:角形LIB(リチウムイオン電池)の生産終了に伴い減収減益となりましたが、これは計画の範囲内です。一方で、医療機器用などの一次電池は堅調で、通期利益計画に対する進捗率は112%と既に超過しています。全固体電池の顧客開拓も加速しており、次世代電源のエンジニアリング需要が非常に高い領域です。
機能性部材料
事業内容:粘着テープ(半導体製造・建材用)、産業用部材(塗布型セパレータ等)の製造。
業績推移:売上高240億円(+0.8%)、営業利益10億円(+20.9%)。
注目ポイント:HEV(ハイブリッド車)向け需要の拡大を受け、塗布型セパレータが好調に推移し増収増益に寄与。半導体製造工程用テープも高付加価値製品を中心に回復基調にあります。素材技術を活かしたカスタマイズ要求が多く、化学系・プロセス系の技術者が専門性を発揮できるフィールドです。
光学・システム
事業内容:車載光学部品(カメラレンズ等)、半導体DMS(設計・製造受託)、電鋳製品。
業績推移:売上高279億円(+8.4%)、営業利益35億円(+61.2%)。
注目ポイント:車載カメラや半導体市場が厳しい中でも、ライセンス収入の増加により大幅な増益を達成しました。LEDヘッドランプレンズは第4四半期から次世代製品の本格生産を開始予定です。知的財産を活用したビジネスモデルへの転換や、次世代車載光学の共同開発など、知財・光学の両面で高度な専門性が求められています。
価値共創事業
事業内容:電設工具、健康・理美容製品(シェーバー等)の展開。
業績推移:売上高134億円(▲7.2%)、営業利益6億円(▲37.4%)。
注目ポイント:電設工具は国内外で好調を維持。健康・理美容製品は米国関税措置の影響で上期に苦戦しましたが、第3四半期以降は回復傾向にあります。日本製のシェーバーの米国出荷も開始されるなど、効率運営による収益の最大化が図られています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 第3四半期決算説明会 P.22
マクセルの今後の成長戦略における最大のマイルストーンは、2026年3月の一次電池事業譲受です。これにより、世界トップクラスのシェアを持つマイクロ電池事業の基盤がさらに強固になります。2026年度からはこの譲受事業が業績に大きく貢献する見通しです。
また、半導体関連製品についても、現在は汎用タイプの低迷影響を受けていますが、2026年度には本格回復すると予想されています。全固体電池は、IoTデバイスの主電源用途に使用可能な「コイン形」の開発も完了しており、産業機器からコンシューマー向けまで幅広い採用拡大が期待されます。同社は「アナログコア事業群」への積極投資を掲げており、技術革新をリードする中核人材の採用意欲は今後も高水準で推移するでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
マクセルの強みは、電池から光学、テープまで多角的な製品群を支える共通の「アナログコア技術」にあります。「特定の製品だけ」に固執せず、基盤技術を応用して新しい市場(全固体電池や車載カメラ等)を切り拓く姿勢に共感を示すのが効果的です。特に村田製作所からの事業譲受やセグメント再編など、会社が「攻め」の姿勢に転じているタイミングを捉え、自身の専門性でその成長を加速させたいという意欲を伝えることが評価につながります。
面接での逆質問例
「2026年度より村田製作所からの事業譲受が業績貢献するとのことですが、組織統合(PMI)において現場レベルで最も重視しているポイントは何ですか?」
「全固体電池の量産体制が整い京セラ等での採用も進んでいますが、今後さらに採用を広げるために技術的・営業的に突破すべき課題は何だとお考えですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
休日出勤も含め残業が非常に多かった
休日出勤も含め残業が非常に多かった。先進のシステムを使っていると思っていたが、古い基幹システムを使っていたため、業務の効率が悪かった。未だ紙ベースの資料が多く、資料を探すのが困難だった。
(40代後半・財務・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- マクセル株式会社 2026年3月期 第3四半期決算短信
- マクセル株式会社 2025年度 第3四半期決算説明会資料



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