【平均年収770万円】マクセル 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収770万円】マクセル 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

マクセルは、エネルギー、機能性部材料、光学・システム、価値共創事業製品の製造・販売を手がける企業です。連結従業員数は3,765名規模で、アナログコア技術を軸に事業を展開しています。売上高は横ばい傾向ですが、直近期の親会社株主に帰属する当期純利益は大きく増加しました。


目次

※本記事は、マクセル株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


マクセルグループは、エネルギー、機能性部材料、光学・システム、価値共創事業製品の製造・販売を主な事業内容としています。アナログコア技術を軸とした事業群に成長投資を行い、収益の最大化を目指しています。

マクセルの単体従業員数は1,286名、連結従業員数は3,765名です。セグメントはエネルギー、機能性部材料、光学・システム、価値共創事業の4つです。

同社グループは当連結会計年度より報告セグメント区分を変更し、アナログコア事業群と価値共創事業に再定義しました。また、角形リチウムイオン電池の生産終了や事業譲渡、一次電池事業の譲受などポートフォリオ改革を進めています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


マクセルは、独自のアナログコア技術を基盤に、グローバル市場で社会課題解決に貢献する製品・事業を展開しています。同社グループは、持続的な成長と企業価値の最大化をめざすサステナビリティ経営を掲げており、従業員の働きがいや成長を重視する姿勢が見られます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


マクセルでは、従業員の平均勤続年数が長く、安定して働き続けることができる環境がうかがえます。平均年齢も比較的高い水準にあり、経験豊富な人材が多数在籍している傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 7,696,374円
平均勤続年数 18.82年
平均年齢 44.61歳
単体従業員数 1,286人
連結従業員数 3,765人
単体のグループ内比率 34.2%


同社及び国内連結子会社は、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型年金制度と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型年金制度を設けています。一部の海外連結子会社も同様の制度を有しています。

退職一時金制度も存在しますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は243億円、年金資産は309億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


マクセルグループは、「独自のアナログコア技術で、社員・顧客・社会にとってのMaximum Excellenceを創造する」という経営ビジョンの実現に向け、「価値を生み出す人・組織づくり」を人財戦略の基本方針としています。イノベーションを創出する多様性の確保、プロアクティブな人財を育てる評価・育成制度の構築、事業ポートフォリオ経営を支える専門人財の獲得・配置・育成を重視しています。

人事制度においては、属性にとらわれず、担う役割の発揮度に基づく公平な処遇を徹底しています。また、プロアクティブな人財の育成に向けて、定期的なキャリア面談を通じて個人の強みを把握し、主体的な行動や成果に応じた納得性の高い報酬の配分を行っています。報酬水準は、求める人財を確保・維持できる市場競争力のある水準を前提に、労働組合との交渉を経て決定されています。

人的資本の強化に向けては、「多様な人財の獲得」「持続的な育成」「適正な配置」「働きがいのある職場環境の整備」「経営参画意識の向上」「挑戦的な風土醸成」の6つを柱としています。特に中期経営計画MEX26では、「個人一人ひとりの長所を伸ばす」「チームとして仕事をする」「難しい課題に挑戦する」ための施策に優先的に投資し、実行しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
女性管理職比率 5.8%
男性育児休業取得率 100.0%
男女賃金差異(全労働者) 72.4%
男女賃金差異(正規雇用) 76.1%
男女賃金差異(非正規雇用) 63.5%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ Row 1

指標 数値
女性管理職比率 2.7%
男性育児休業取得率 71.4%


▼ Row 2

指標 数値
女性管理職比率 1.7%
男性育児休業取得率 100.0%


▼ Row 3

指標 数値
女性管理職比率 5.3%
男性育児休業取得率 100.0%

多様な人財の獲得

指標 数値
新卒女性採用比率(技術系) 25%
新卒女性採用比率(事務・営業系) 43%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


マクセルは、エネルギー、機能性部材料、光学・システム、価値共創事業の4つのセグメントを展開し、多岐にわたる製品の製造・販売を手掛けています。アナログコア技術を強みとし、幅広い産業と顧客に製品を提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、エネルギー、機能性部材料、光学・システム、価値共創事業の4つの報告セグメントで事業を展開しています。当連結会計年度より、エネルギー、機能性部材料、光学・システムをアナログコア事業群と定義し、成長投資を加速する方針です。その他の事業は価値共創事業と定義し、効率運営による収益最大化を目指しています。

エネルギー

耐熱コイン形リチウム電池、コイン形リチウム電池、円筒形リチウム電池、酸化銀電池などの一次電池、角形リチウムイオン電池、コイン形リチウム二次電池、全固体電池などの二次電池、リチウムイオン電池用電極、充電器・組電池、電極応用製品の製造販売を行っています。また、太陽光発電による売電事業も手掛けています。収益は、主にこれらの電池製品の販売から得ています。角形リチウムイオン電池は生産を終了し、今後は全固体電池に注力する方針です。

機能性部材料

建築・建材用テープ、半導体製造工程用テープ、産業工程用テープなどの粘着テープ、工業用ゴム製品、塗布型セパレータ、機能性材料などの産業用部材の製造販売を行っています。収益は、主に粘着テープや産業用部材の販売から得ています。

光学・システム

車載カメラレンズユニット、LEDヘッドランプレンズなどの車載光学部品、半導体DMS(設計・製造受託サービス)、電鋳製品などの半導体関連製品、金型・合成樹脂成形品、RFIDシステム、ICカード、映像機器の製造販売を行っています。収益は、主に車載光学部品や半導体関連製品の販売、およびライセンス収入から得ています。電鋳製品は事業譲渡が予定されています。

価値共創事業

健康・理美容製品、小型電気機器、音響機器、光ディスク、充電機器、アクセサリー、電設工具などの製造販売を行っています。収益は、主にこれらの一般消費者向け製品や電設工具の販売から得ています。

同社グループの売上高は、日本、米国、欧州、アジア他といった複数の地域で構成されています。特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はありません。当連結会計年度の対米ドルの平均円レートは151円となっています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
エネルギー 425億円 425億円
光学・システム 359億円 364億円
機能性部材料 318億円 326億円
価値共創事業 196億円 179億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は概ね横ばいの傾向にあります。経常利益は変動が見られますが、親会社株主に帰属する当期純利益は、当期に大きく増加しました。これは連結子会社の持分譲渡に伴う特別利益の計上が主な要因となっています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 1,382億円 1,328億円 1,291億円 1,298億円 1,294億円
経常利益 98.9億円 67.3億円 97.9億円 97.7億円 86.0億円
経常利益率 7.2% 5.1% 7.6% 7.5% 6.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 △36.6億円 51.9億円 75.4億円 40.9億円 82.6億円
1株当たり当期純利益(円) △73.98 109.33 164.59 93.12 202.03

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期からわずかに増加しています。一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期から減少しています。これは、売上高の微減に加え、原材料費の高騰や半導体関連製品の回復遅延、健康・理美容製品の減収などが影響し、営業利益が減少したことによるものです。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 34.2百万円 34.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.5百万円 2.1百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


マクセルは、事業拡大に向けた成長投資を進めており、その資金の流れから現在の財務状況を把握することができます。自己資本や手元資金の状況と合わせて、同社グループの経営の安定性を見ていきます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


マクセルグループの財務基盤は、自己資本比率やROEといった指標からその健全性を確認できます。自己資本比率はプライム市場の製造業平均(46.8%)と比較して同程度の水準にあり、ROEは前期から改善しています。手元資金の状況と合わせて、同社グループの安定性を判断する上での重要な要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 942億円 902億円
自己資本比率 55.5% 48.2%
ROE(自己資本利益率) 4.4% 9.3%
現金及び預金 331億円 316億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


マクセルグループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローは前期から減少しました。これは主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費による資金増加があった一方で、関係会社出資金売却益や仕入債務の減少、法人税等の支払による資金減少があったためです。投資キャッシュフローは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得や有形固定資産の取得による支出が増加し、支出超過となっています。

財務キャッシュフローは、長期借入れによる収入が増加したことにより、前期の支出超過から当期は収入超過に転じました。その結果、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを合わせたフリーキャッシュフローは、前期のプラスから当期はマイナスに転じています。同社グループは事業拡大のための成長投資を進めており、これらの資金需要を主に銀行借入で賄っている状況です。この資金の流れは、同社グループが成長戦略を推進していることを示しており、将来的な事業拡大とそれに伴う雇用機会の創出が期待されます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 98.4億円 83.7億円
投資CF △80.3億円 △145.1億円
財務CF △77.5億円 29.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 18.1億円 △61.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの事業分野では、多様な競合相手が存在し、一部の製品では汎用品化や低コストの地域での製造が進んでおり、価格競争が激化しています。また、同社グループは日本を含む全世界で事業活動を行っており、海外売上高の割合が高いため、為替相場の変動が経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループが事業活動を行っている分野で継続的に事業を発展させるためには、多様な専門技術に精通した人材やマネジメント能力に優れた人材の確保・育成が重要であると認識しています。しかし、グローバルでの優秀な人材獲得競争は厳しく、日本国内の少子高齢化や労働人口減少、海外拠点での雇用環境の変化により、常に適切な人材を確保できる保証はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


マクセルグループは、独自の「アナログコア技術」を強みとし、すべてのステークホルダーにとってのMaximum Excellence(最高の価値)を創造する「価値創出企業」となることをめざしています。創業以来受け継がれる精神と、未来を見据えたビジョンを掲げ、持続可能な社会への貢献を追求しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「独創技術のイノベーション追求を通じて持続可能な社会に貢献する」ことをミッションとしています。また、ビジョンには「独自のアナログコア技術で、社員・顧客・社会にとってのMaximum Excellenceを創造する」ことを掲げています。

経営の基本方針として、独自の「混合分散(まぜる)」「精密塗布(ぬる)」「高精度成形(かためる)」を柱とする「アナログコア技術」に立脚した事業を成長の主軸と位置付けています。社是は「和協一致 仕事に魂を打ち込み 社会に貢献する」であり、優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献することを基本理念としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループがステークホルダーに対して提供し続けるべき価値や強みは、Technological Value(技術価値)、Customer Value(顧客価値)、Social Value(社会価値)の3点です。技術価値として独創性と技術力を追求し、顧客価値としてお客様のニーズに応えるモノづくりを、社会価値として豊かで持続可能な社会の実現に挑戦し続けています。

ブランドスローガンは「Within, the Future」-未来の中に、いつもいる- です。また、事業活動における共通の規範として「マクセルグループ行動規範」を定めています。2026年4月には「Micro batteries. Maximum impact.」をコーポレートバイラインとして制定し、創業以来の電池技術を社会に不可欠な存在として進化させていく決意を示しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、経営体制の強化として執行役員制度を採用し、業務執行責任の明確化とコーポレートガバナンスのさらなる強化を図っています。また、コーポレートブランドの構築にも取り組み、多様なステークホルダーとのコミュニケーションを通じてブランド価値の向上をめざしています。

人財育成の強化を最優先事項の一つと認識し、効率的な人財配置や公正で透明性のある人事評価制度の運用、ダイバーシティ&インクルージョンの深化により、従業員のエンゲージメント向上を図っています。さらに、サステナビリティを意識した企業経営を最重要課題の一つとし、リスク管理体制の強化やコーポレートガバナンスの強化を通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


マクセルは監査等委員会設置会社であり、取締役会と監査等委員会、および任意の指名・報酬委員会を設置しています。取締役会は社外取締役を含む7名で構成され、経営の意思決定と業務執行の監督を行っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


マクセルは、日本マスタートラスト信託銀行が筆頭株主であり、その他にSTATE STREET BANK AND TRUST COMPANYや日本カストディ銀行といった機関投資家が上位株主として名を連ねています。特定の事業会社や創業家が突出して多くの株式を保有している状況は見られず、幅広い投資家によって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(注)1 15.63%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 みずほ銀行決済営業部) 10.66%
日本カストディ銀行(注)1 6.87%
日亜化学工業 5.43%
日本ゼオン 3.56%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


マクセルの役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役取締役社長は中村啓次氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
中村 啓次 代表取締役取締役社長 1990年4月同社入社。2018年4月マクセル代表取締役取締役社長。2020年6月同社代表取締役取締役社長。2024年4月同社代表取締役取締役社長 社長執行役員より現職。
高尾 伸一郎 取締役 1991年4月同社入社。2018年10月Maxell Asia, Ltd. President。2023年6月同社取締役。2026年4月同社取締役 執行役員 光学・システム事業本部長より現職。
増田 憲俊 取締役 1987年4月同社入社。2019年6月同社取締役 財務部長。2019年10月同社取締役。2024年4月同社取締役 常務執行役員より現職。


社外取締役は、村瀬幸子氏(九段坂上法律事務所弁護士)、相神一裕氏(元JVCケンウッド代表取締役・監査等委員)、秦和義氏(元コニカミノルタ常務執行役・監査等委員)です。

マクセルは監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会における議決権を持つことで、経営の監査・監督機能を強化しています。社外取締役は取締役会の一員として、取締役の職務執行の監督や重要な業務執行の決定に携わっています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


マクセルでは、取締役(社外取締役および監査等委員である取締役を除く)の報酬は、月額固定の基本報酬、単年度の業績に連動する賞与、そして中期経営計画の達成度に連動する株式報酬で構成されています。社外取締役および監査等委員である取締役の報酬は、業務執行から独立した立場を考慮し、基本報酬のみとなっています。取締役社長は業績連動部分の比重が高く、取締役は固定報酬の比重が高い報酬体系です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 1.4億円 34.0百万円
監査等委員(社外除く) 1名 20百万円 20.0百万円
社外取締役 3名 27百万円 9.0百万円


個人別報酬が開示されている役員は存在しません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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