0 編集部が注目した重点ポイント
① 生成AI関連の需要増でメモリ向け売上が過去最高を更新する
生成AI(人工知能)市場の急拡大を背景に、HBM(高性能メモリ)向けプローブカードの需要が極めて旺盛です。2025年12月期中間期において、主力のプローブカード事業は売上高が前年同期比28.7%増と大きく伸長。特にDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリ)向けが牽引し、四半期ベースで過去最高売上を達成しました。
② 青森工場新棟の稼働開始と過去最大規模の投資を断行する
中長期の需要拡大を見据え、青森工場の新棟が計画通り稼働を開始しました。2025年度の計画では、設備投資178億円、研究開発費70億円という過去最大規模の積極投資を継続。生産能力の増強と次世代技術開発を並行して進めており、エンジニア職を中心とした採用機会が大きく広がっています。
③ 製品出荷遅延の影響を織り込みつつ通期での大幅増収を目指す
既存工場の一部設備不具合により製品出荷に遅延が発生しましたが、原因特定と再発防止策は完了済みです。この影響を織り込んだ上でも、通期業績予想は売上高が前期比23.8%増となる大幅な成長を見込んでいます。一時的なトラブルを跳ね返す強い需要トレンドが継続しており、事業の回復力と成長性が示されています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期第2四半期 決算説明会資料 P.5
2025年12月期中間期の連結業績は、売上高331億円、営業利益75億円と、前年同期を大きく上回る大幅な増収増益となりました。HBM向けプローブカードの供給が逼迫するほどの旺盛な需要が継続しており、製品ミックスの改善も利益を押し上げました。研究開発費等の販管費が増加したものの、売上の伸びがそれを十分にカバーしています。
通期予想に対する進捗状況については、中間期時点で売上高が約48.1%、営業利益が約54.8%に達しており、特に利益面において順調な推移を見せています。下期に向けては一部工場での不具合による出荷遅延の影響を織り込みつつも、堅調な市場環境を背景に計画達成を確実なものにする構えです。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期第2四半期 決算説明会資料 P.10
プローブカード事業
事業内容: 半導体ウェーハの電気的試験に不可欠な検査治具「プローブカード」を製造・販売。DRAM、NAND型フラッシュメモリ、SoC等の広範なデバイスに対応しています。
業績推移: 売上高32,199百万円(前年同期比28.7%増)、セグメント利益9,423百万円(同29.9%増)と、過去最高水準の利益を計上しました。
注目ポイント: メモリ向け、特にHBM向け需要が非常に強く、全売上の9割以上を占めています。青森工場新棟の稼働に伴い生産体制が大幅に拡張されており、最新鋭の生産設備を用いた製造技術や品質管理に携わる人材、さらには次世代HBM対応の技術開発を担う設計エンジニアの需要が急増しています。
TE事業(テストエキップメント)
事業内容: 半導体テスタ、ウェーハプローバ、テストソケット等の検査装置・機器を展開。FPD(フラットパネルディスプレイ)向け検査ユニットも含みます。
業績推移: 売上高921百万円(前年同期比20.1%減)、セグメント損失268百万円となり、収益性の改善が課題となっています。
注目ポイント: 厳しい業績の一方で、エンジニアリング用プローバ「Excelyze」やオールインワン型テスタ「Testalio」など、ユーザーニーズに応える新製品の商談が進展しています。アジアを中心とした海外拠点のサポート強化を打ち出しており、グローバルな営業展開やフィールドエンジニアリングの経験を活かせる領域です。
地域別分析
事業内容: 韓国、台湾、日本を中心としたグローバル市場での製品販売および保守サポートを提供しています。
業績推移: 韓国市場が全売上の56.3%を占める最大の収益源。台湾も売上構成比26.7%と成長を支えています。
注目ポイント: 地域別売上では韓国が圧倒的ですが、台湾においてもHBM需要の拡大に伴い重要性が高まっています。現地顧客との密接な連携が不可欠なため、海外販売子会社の技術サポート体制を強化中。グローバルなコミュニケーション能力と技術的バックグラウンドを併せ持つ人材への期待が大きくなっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期第2四半期 決算説明会資料 P.18
2025年通期の連結業績見通しは、一部工場の設備不具合による出荷遅延の影響を含めても、売上高689億円(前期比23.8%増)、営業利益138億円を見込む意欲的な内容です。生成AIがPCやスマートフォンといったローカル環境で動作する「エッジAI」への移行や、自律的にタスクを実行する「エージェントAI」の普及が、同社のプローブカード需要を長期的に下支えするとの見通しが示されています。
特筆すべきは、2026年度までの経営指標達成に向けた過去最大級の投資計画です。青森工場への最新鋭生産設備導入や、次世代のMEMS(微小電気機械システム)型プローブカードの開発に注力しています。また、研究開発費の対売上高比率は21.1%に達する計画となっており、技術革新を最優先する企業姿勢が鮮明です。これは、常に最先端の半導体テスト技術に挑戦したいエンジニアにとって、最高のキャリアフィールドであることを意味しています。
4 求職者へのアドバイス
世界的なAI投資の加速において、同社のプローブカード技術が「HBMの供給を支える不可欠なインフラ」となっている点に触れるのが有効です。特に青森工場新棟という「成長のシンボル」が稼働し、過去最大級の設備・開発投資が行われている今、この成長フェーズに参画したいという意欲は高く評価されます。「世界シェアを牽引する技術力」と「圧倒的な投資意欲」という2点を軸に、自身の専門性をどう活かしたいかを具体化してください。
・「青森工場新棟の稼働に伴い、現場のオペレーションや品質管理体制にはどのような進化やアップデートが求められていますか?」
・「研究開発費の対売上高比率が20%を超える高い水準ですが、特に次世代HBMやエッジAI向け製品の開発において、中途採用者に期待される役割は何でしょうか?」
・「TE事業において、新テスター『Testalio』等の海外展開を加速させる中で、海外拠点のエンジニアとどのような連携・体制構築を目指されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
半導体液晶装置としては華はない
プローバメーカとしてはシェアはそんなに多くないと思いますが、LCDのセルプローバに関してはシェアがかなりありました。半導体、液晶装置としては華はありませんでした。
(30代前半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社 日本マイクロニクス 2025年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社 日本マイクロニクス 2025年12月期第2四半期 決算説明会資料(2025年4-6月)



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。