0 編集部が注目した重点ポイント
① 第3四半期累計売上高で471億円に達し過去最高を更新する
2026年3月期第3四半期累計の連結売上高は、前年同期比11.8%増の47,129百万円となり、過去最高を更新しました。自動車向けのモビリティ市場における高速伝送対応コネクタの需要増に加え、インダストリアル市場が大幅に伸長したことが、全社の成長を力強く牽引しています。
② 秋田新工場が稼働を開始し先行投資を原価低減でカバーする
当期より秋田工場の稼働を開始しました。新工場稼働に伴う固定費の増加や、金価格が前年比45%上昇するといった材料費高騰の逆風がありましたが、徹底した原価低減活動と構造改革効果によってこれらを吸収し、営業利益は前年同期比15.1%増を確保する健全な収益構造を示しています。
③ インダストリアル市場の売上が前年比73%増と急成長を遂げる
エネルギーマネジメント分野向けおよび日本顧客のFA(工場自動化)関連機器向けの需要が回復し、部門売上高は前年同期比73.3%増と飛躍的に拡大しました。従来の自動車一本足打法から、産業機器分野を第2の成長柱へと育てる戦略が着実に成果を上げ始めており、キャリアの多様性も広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 第3四半期 決算説明資料 P.3
第3四半期累計の実績は、売上高471億円、営業利益44億円と過去最高売上高を更新しました。営業利益率は9.5%となり、前年同期から0.3ポイント改善。特に3Q単独では10.8%まで上昇しており、四半期を追うごとに収益性が高まっています。為替の影響は、ドル安のマイナスをユーロ高が補い、営業利益ベースで1億円のプラス寄与となりました。
通期予想に対する進捗率は、売上高が81.3%、営業利益が81.2%に達しており、第3四半期時点の目標値である75%を大きく上回る順調な推移です。会社側は中国の旧正月による生産調整や材料費動向を注視するため計画を据え置いていますが、実績ベースでは上振れも期待できる強い勢いを維持しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 第3四半期 決算説明資料 P.5
モビリティ市場
事業内容: 液晶パネル、IVI(車載情報通信)、BMS(電池管理システム)、インバーター等に使用される車載コネクタの開発・販売。
業績推移: 売上高39,836百万円(前年同期比+9.5%)。パワートレイン分野が前年比17.4%増と急伸しました。
注目ポイント: 中国でのxEV(電動車)需要が極めて旺盛で、特にパワートレイン分野で過去最高売上を更新しています。独自の耐振動技術「Z-Move」等の高付加価値製品へのニーズが高まっており、高度な車載スペックに応えられる設計エンジニアの存在感が増しています。
インダストリアル市場
事業内容: スマートメーター等のエネルギーマネジメント分野や、FA(工場自動化)機器向けのコネクタを提供。
業績推移: 売上高3,832百万円(前年同期比+73.3%)。通期計画に対する進捗率は95.8%に達しています。
注目ポイント: 脱炭素化に向けた電力インフラ投資を背景に、エネルギーマネジメント分野が好調を維持。ロボットによる自動組立に適した「オートメーションコネクタ」等、生産現場のDXを支える技術が評価されており、産業機器特有の長期信頼性を設計できる人材が求められています。
地域別分析(中華・韓国圏)
状況: 最大の収益拠点である中国地域において、現地メーカーとの取引が拡大しています。
実績: 3Q累計売上高23,430百万円(前年同期比+24.3%)。全社売上の約5割を占める主要地域です。
採用の視点: 現地での需要を迅速に製品へ反映させるため、上海R&Dセンターとの連携が重要視されています。グローバルな開発体制の中で、日本のマザー工場やR&Dと海外拠点を橋渡しできるプロジェクト管理能力を持つ人材への期待が高まっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 第3四半期 決算説明資料 P.8
通期業績予想は売上高580億円、営業利益55億円を据え置いていますが、3Qまでの進捗を踏まえると上振れ余地があるとの見解が示されています。戦略的な動きとして、世界最大級の電子部品商社であるArrow Electronicsとグローバル販売代理店契約を締結。これにより北米、南米、ヨーロッパ、中東、アフリカまで販売網を一気に拡大し、デジタルマーケティングを強化する方針です。
研究開発面では、ロボットによる自動組立に適した「オートメーションコネクタ」や、CES 2026で発表したヒューマノイドロボット向けの軽量・省スペースソリューションなど、次世代の成長領域への種まきを完了させています。秋田新工場の本格稼働による生産能力増強と合わせ、グローバルな需要を取り込むための技術・営業・管理部門での採用活動が今後も活発化する見通しです。
4 求職者へのアドバイス
イリソ電子工業は、車載コネクタのパイオニアとして培った高い信頼性技術を武器に、今まさに産業機器やロボット分野へ進出する絶好のタイミングにあります。志望動機では、秋田新工場の稼働という新たなマザー工場の誕生に立ち会い、最新鋭の生産環境で「日本のモノづくりをグローバルへ発信する」という視点を盛り込むと効果的です。また、CDP気候変動でのBスコア獲得など、サステナブル経営を重視する姿勢も働きがいの軸として共感を得やすいでしょう。
・「秋田新工場の稼働により、先行投資フェーズから利益回収フェーズへ移行する中で、現場の製造技術者に期待されるアップデートは何でしょうか?」
・「Arrow Electronicsとの提携によりグローバルでの露出が増える中、日本の本社側ではどのような技術サポート体制の拡充を計画されていますか?」
・「インダストリアル市場の成長を加速させるため、現在どのような新技術・新製品の開発を最優先されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
努力次第で可能かもしれません
現状として女性管理職は0であり非常に難しいと考えます。 ただ管理職になりたい!と言う女性を在籍中1人も見たことがありませんので努力次第で可能かもしれません。
(20代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]経営ビジョンと現場の数字に開きがある
非常にノルマは多いですが経営側のビジョンと現場の数字に開きがあり、また風土として目標を達成しても報酬に反映されず、達成されない時の減算はがっちりするため昇給等も非常に芳しくありません。
(20代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- イリソ電子工業株式会社 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- イリソ電子工業株式会社 2025年度 第3四半期 決算説明資料(2026年2月3日発表)



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