0 編集部が注目した重点ポイント
①電動車向けモーターコア事業が成長を牽引する
北米をはじめとするグローバル市場で電動車(EV・HEV)向け駆動・発電用モーターコアの需要が堅調に推移しています。当第3四半期の電機部品事業は売上高1,158億円(前年同期比2.5%増)を記録。将来の成長に向けた先行投資コストの影響で減益となりましたが、次世代自動車市場における同社の技術的優位性は揺るぎなく、生産体制の強化に伴うキャリア機会が拡大しています。
②減価償却方法の変更により収益管理の適正化を図る
当期(2026年1月期)第1四半期より、有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法へ変更しました。これは設備投資の拡大と生産設備の汎用化に伴い、資産の安定的な使用実態を反映させるための措置です。この変更により当期累計の営業利益は14億5,900万円増加しており、投資効果が平準化されることで、長期的な視点での事業拡大に取り組みやすい環境が整っています。
③先行投資コストを将来の利益成長への布石とする
営業利益が前年同期比で減少した主な要因は、電機部品における将来の事業成長に向けた先行投資コスト(人件費や立ち上げ費用)の負担です。これは顧客の電動化戦略に合わせたグローバル供給体制の強化を目的としており、短期的な利益よりも中長期的な市場シェア確保を優先する経営姿勢の表れです。新工場の稼働や生産ラインの拡充に伴い、製造・技術職を中心とした専門人材の重要性が高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年1月期 第3四半期決算説明資料 P.5
売上高
162,981百万円
+3.0%
営業利益
9,229百万円
-19.5%
四半期純利益
7,412百万円
-20.7%
2026年1月期第3四半期の売上高は、電機部品(モーターコア)事業の伸びや、電子部品における原材料価格高騰に伴う製品価格転嫁が寄与し、過去最高水準の売上高を維持しています。営業利益については、次世代への先行投資負担や中国市場での電子部品の需要停滞により減益となりましたが、経常利益ベースでは為替差益が貢献し、通期業績予想に対して概ね想定内の着地となっています。
通期営業利益予想11,000百万円に対する第3四半期累計の進捗率は83.9%に達しており、進捗状況は順調と評価できます。電機部品事業において通期予想を上回る利益貢献が見込まれていることが、全体の進捗を支える要因となっています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年1月期 第3四半期決算説明資料 P.6
電機部品(モーターコア)
事業内容:電動車(EV・HEV)の心臓部となる駆動・発電用モーターコアの製造・販売。世界トップクラスのシェアを誇ります。
業績推移:売上高115,838百万円(前年同期比2.5%増)、営業利益7,445百万円(同9.0%減)。先行投資が利益を圧迫。
注目ポイント:北米をはじめとする各地域での電動車需要の拡大に対応するため、先行投資による供給網の強化を急ピッチで進めています。生産効率を高めるための生産技術者や、グローバル展開を加速させるプロジェクトマネジメント人材へのニーズが非常に高い状況です。
電子部品(リードフレーム)
事業内容:半導体チップを支持・固定し、外部配線と接続するリードフレームの製造。車載、民生、情報端末向けに提供。
業績推移:売上高43,858百万円(前年同期比4.5%増)、営業利益2,744百万円(同11.7%減)。需要低迷が響く。
注目ポイント:原材料価格の転嫁により売上高は増加したものの、車載や情報端末向けの在庫調整により利益は苦戦。しかし、民生向けでの一時的な需要増加など、回復の兆しは見えています。市場変動に柔軟に対応できる生産管理やサプライチェーンの最適化を担う人材が求められます。
金型・工作機械
事業内容:超精密加工技術を活かした金型および工作機械の製造。全事業の競争力の源泉となるマザーセグメントです。
業績推移:売上高7,737百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益158百万円(同15.7%増)。
注目ポイント:受注増加に伴い、増収増益を達成。他セグメントの成長を支える「超精密加工」の核心技術を担う部門です。技術の継承と進化が重要課題となっており、高度な技能を持つベテランから次世代を担う若手まで、幅広い技術者層を必要としています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年1月期 第3四半期決算説明資料 P.3
今後の見通しとして、電機部品事業においては電動車需要の拡大とコスト抑制が寄与し、営業利益が通期予想を上回る見通しです。一方で電子部品事業は、半導体市況の回復遅れにより通期予想を下回る見込みであり、ポートフォリオによるバランスの取れた成長が求められています。
2026年以降についても、グローバルでの電動車市場の成長は継続すると見通していますが、顧客の生産計画の後ろ倒しや、レガシー半導体市場の動向など、不透明な要素も指摘されています。このような環境下で、同社は安定的・継続的な配当を維持しつつ、競争力強化のための投資を継続する方針です。変化の激しい市場において、自ら変革を推進できる人材への期待がさらに高まっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
三井ハイテックの強みは、超精密加工技術を核としたモーターコアの世界シェアにあります。世界的な「脱炭素」の流れを背景に、自らの技術や経験が地球規模の課題解決に直結していることを強調するのが有効です。また、先行投資を惜しまない「未来志向」の社風に対して、どのように貢献できるかを具体的に示すことが評価につながるでしょう。
面接での逆質問例
「電機部品事業での先行投資を加速させていますが、新工場の立ち上げにおける技術的な最大の課題は何でしょうか?」「電子部品事業において、原材料価格の転嫁以外に収益性を改善するための次の一手をどのようにお考えですか?」「減価償却方法の変更により投資効率が可視化される中、現場のKPIにはどのような変化が生じていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
三井で技術を身につけ転職も
退職しなければ器がなくても経験年数だけで昇給できる会社なのでこの会社一筋で頑張っていれば将来は安泰だと思う。
給料にすぐには反映されにくい
給料にすぐには反映されにくいですが辛抱強く継続して数字に表せられる効果を出し上司に気に入られればとんとん拍子で管理職になれると思います。
(40代前半・その他・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社三井ハイテック 2026年1月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社三井ハイテック 2026年1月期 第3四半期決算説明資料



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。