0 編集部が注目した重点ポイント
①インドにR&D拠点を新設しグローバル開発体制を強化する
2026年4月にインド・チェンナイ市へ研究開発拠点「ミツバ・インディア R&D Pvt. Ltd.」を設立予定です。2030年度にはインド事業の売上高を現状の約2倍、営業利益を約5倍まで引き上げる目標を掲げています。現地での設計開発・評価を完結させることで、急成長するインド市場における製品投入スピードの向上と大幅なコスト削減を狙っており、海外志向のエンジニアにとって大きなキャリア機会となります。
②株式会社タツミを完全子会社化しグループの経営基盤を固める
2025年4月1日付で、連結子会社であった株式会社タツミを完全子会社化しました。これにより、グループ内のリソースシフトや意思決定の迅速化を図り、モビリティ進化への対応力を高めています。経営資源の集中投入が可能になったことで、次世代の柱となるシャーシ系や熱マネジメント系製品の開発加速が見込まれ、生産技術や管理部門での組織統合に伴う重要ポジションの増加が期待されます。
③レアメタルフリー技術で地政学リスクとコストを同時に低減する
ネオジム磁石を使用しない「フェライト磁石」モーターの開発に成功し、既にフロントワイパー用で量産採用されています。調達リスクの高いレアメタルを排除しながら、従来と同等の性能と低コスト化を両立させており、今後はオイルポンプ等へ順次展開予定です。さらにマグネット自体を使用しないリラクタンスモーターの開発も進めており、素材技術からモビリティの未来を革新する技術開発が推進されています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期決算補足説明資料 P.1
売上高
1,673億円
▲2.0%
営業利益
99億円
▲3.2%
中間純利益
65億円
▲3.8%
当中間連結会計期間の業績は、売上高1,673億円、営業利益99億円となりました。四輪車市場において日系主要顧客の生産台数が日本エリアで▲4.7%、中国エリアで▲21.0%と大きく落ち込んだことや、1米ドルあたり146円台への円高進行が利益を押し下げました。一方で、ブラジルでの二輪販売好調やIT関連の収益改善が下支えをしています。
通期の営業利益予想160億円に対する進捗率は62.1%となっており、基準値の75%を下回ることから進捗が遅れている評価となります。ただし、質疑応答において関税インパクト等への緩和策として計70億円レベルの追加改善策を実行中と言及されており、下期の価格交渉とコスト削減の成果が期待されます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期決算補足説明資料 P.5
輸送用機器関連事業
事業内容:四輪・二輪車向け電装部品、電動化ソリューション(駆動モーター等)の開発・製造。売上の9割以上を占める核事業です。
業績推移:売上高1,554億円(前年同期比2.9%減)、営業利益83億円(同9.4%減)。四輪の苦戦を二輪がカバーする構図です。
注目ポイント:二輪車販売がブラジルで+16.3%と極めて好調です。電動化ソリューションでは、特定小型車両向けEアクセルの引き合いが強く、ホンダ等の主要顧客への対応力強化が求められています。グローバルでの生産最適化や、人件費増を補う製造プロセスの革新を担える人材が活躍できるフィールドです。
情報サービス事業
事業内容:公共・社会産業向けITシステムの開発。DX推進の鍵を握る成長事業です。
業績推移:売上高93億円(前年同期比22.0%増)、営業利益11億円(同80.1%増)。大幅な増収増益を達成。
注目ポイント:全ての製品・サービス分野が堅調に推移したことに加え、下期案件の前倒し実施が寄与しました。グループ全体のDXをリードする役割も期待されており、システムエンジニアの採用が活発です。安定した収益基盤を持ちつつ、変革をリードできるやりがいがあります。
地域別動向と採用可能性
日本・米州
米州は米国関税影響(約15億円)を受けるも南米好調。熱マネ系・シャーシ系を次世代の柱に育てるため積極投資を継続中。
アジア(インド・ASEAN)
中計後半の最注力エリア。インドでの330億円規模の成長投資を計画しており、現地生産の徹底とR&D新設を推進。
中国・欧州
中国は日系メーカー苦戦により固定費削減を強化。欧州は選択と集中の戦略に基づき、一部拠点の統廃合を予定しています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期決算補足説明資料 P.16
通期業績予想は、外部環境の不透明さを考慮し据え置かれましたが、収益性改善への取り組みは非常に具体的です。質疑応答で言及された通り、通期の関税インパクト45億円に対し、グローバルで70億円レベルの改善策を立案・実行中です。
特筆すべきはインド市場への期待感です。2030年度に向けてインドでの営業利益を約5倍にする計画を推進中であり、その鍵は「現地材料を使った現地生産の徹底」です。今回新設するインドR&Dセンターは、現地で設計開発から評価までを実施する中核組織となります。また、ベトナムでも将来の乗り入れ規制を見据えた電動事業の準備を開始するなど、ASEAN域内での先手管理を担える専門人材の重要性が一段と高まっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
ミツバは現在「モビリティ進化への対応」として、レアメタルフリー技術やインド市場への大規模投資など、明確な成長シナリオを推進しています。志望動機では、グローバルな生産最適化や次世代の柱となる熱マネ・シャーシ系製品の開発にどう貢献できるかを語るのが有効です。特にインドR&D拠点の新設など、海外でのゼロからの立ち上げや現地化の推進に意欲を示すことで、採用担当者の強い共感を得られるでしょう。
面接での逆質問例
「インドR&Dセンターの設立により、日本の開発拠点との役割分担や技術交流はどのように変化していく予定ですか?」「レアメタルフリーモーターの他製品への拡大において、現在直面している最大の技術的ハードルは何でしょうか?」「米国関税や円高など外部環境の激変に対し、価格改善交渉を成功させるために現場の営業や技術職に求められるサポートは何だとお考えですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
女性でも実力次第で出世を狙える
自社の保育園を持っているため、女性の方も働きやすい環境だと思う。女性の課長もいたと思うので、女性でも実力次第では出世を狙える。
(20代後半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]課長によって評価に差があるような気がする
面談がどこまで定量的かというと、課長によって差があるような気がする。ただ、上司によっては適切な評価を頂ける場合がある。
(20代後半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社ミツバ 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社ミツバ 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算補足説明資料
- 株式会社ミツバ 2026年3月期第2四半期(中間期)決算説明会 主な質疑応答内容



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