0 編集部が注目した重点ポイント
① 中計売上目標を1年前倒しで達成する
中期経営計画「RISE TO GROWTH 2026」において、当初の売上高目標を1年前倒しで達成しました。2025年12月期はリニューアル案件の好調により、4期連続の増収および4期連続での過去最高売上を更新しています。高付加価値なオフィス環境の提供が奏功し、増収効果による大幅な増益を実現しており、成長スピードが加速しています。
② OFFICE 3.0へ進化し新領域を確立する
従来のプロダクト販売(1.0)や空間デザイン(2.0)から、データとAIを活用した運用サポートを行う「OFFICE 3.0」ビジネスの確立を推進しています。コンサルティングサービス「Data Trekking」の受注は前期比で1.5倍に拡大。IT・AI人材の育成を5段階のステージで定義するなど、AI企業への進化に向けた組織変革も同時並行で進めており、技術職・専門職の活躍フィールドが広がっています。
③ 2026年度に大規模な子会社統合を実施する
グループガバナンス強化のため、2026年10月(予定)に伊藤喜オールスチールを吸収合併することを決定しました。これにより、ワークプレイス事業と設備機器事業の本体への集約がさらに進みます。構造改革による資産効率の向上とともに、従業員向け株式報酬制度の導入など人的資本への投資も強化されており、経営参画意識を高める環境整備が進んでいます。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算説明会資料 P.4
2025年12月期の売上高は1,536億82百万円となり、当初の通期予想である1,500億円を上回る着地となりました。営業利益も136億85百万円と、予想の120億円を大きく超え、過去最高益を3期連続で更新しています。ハイブリッドワークに対応したオフィス改修需要が底堅く、提供価値の向上による売上総利益率の改善が利益を押し上げました。
期末時点での進捗状況については、修正後の通期予想に対しても売上高で102.5%、営業利益で114.0%と高い達成率を記録しており、業績は極めて順調に推移しています。資本コストを意識した経営も実を結び、自己資本利益率(ROE)は17.7%と、中期経営計画の最終目標である15%を1年前倒しでクリアしました。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算説明会資料 P.7
ワークプレイス事業
事業内容:事務用家具の製造販売、オフィス空間のデザイン、施工、プロジェクトマネジメント、およびDXを活用した働き方コンサルティング等を提供します。
業績推移:売上高は前期比+9.1%の1,115億円。営業利益は同+36.7%の109億円と、大幅な増益を達成しました。
注目ポイント:リニューアル案件の割合が全体の87%を占め、ハイブリッドワークへの対応を急ぐ企業の強い需要を捉えています。特に粗利益率が高い自社ビル案件が増加。空間設計から手掛ける「高付加価値提案」が利益を牽引しており、クリエイティブな提案力を持つ人材の価値が高まっています。
設備機器・パブリック事業
事業内容:物流施設向け設備、研究施設向け設備、公共施設(学校・病院等)の環境構築、特殊扉(原子力発電所・シェルター等)の開発を行っています。
業績推移:売上高は前期比+17.3%の405億円、営業利益は同+34.3%の24億円と好調です。
注目ポイント:連結子会社のダルトンが手掛ける研究施設向け設備が大きく伸長しています。過去最高売上・利益を更新しており、医薬・化学分野の研究開発投資を背景にパイプラインが150億円規模に拡大。また、物流倉庫の「予知保全システム」開発など、保守ビジネスのDX化にも注力しています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算説明会資料 P.14
2026年12月期は、連結売上高1,675億円(前期比+9.0%)、営業利益160億円(同+16.9%)と、さらなる増収増益を見込んでいます。人的資本投資を背景としたリニューアル需要は地方都市や工場オフィスへも拡大しており、「第2、第3の波」としてのリプレイス需要を確実に取り込む戦略です。
採用面での注目点は、単なる「家具メーカー」から「データ活用企業」への転換です。自社プラットフォーム「ITOKI OFFICE A/BI」の構築やAIエージェントの開発など、テクノロジー領域への投資を強化しており、データサイエンティストやソフトウェアエンジニアの採用枠が拡大しています。また、2026年度には伊藤喜オールスチールの吸収合併を予定しており、生産・施工体制の最適化に伴うマネジメント層のニーズも高まると予想されます。
4 求職者へのアドバイス
イトーキは現在、家具の製造販売から「働く」をデータで科学するコンサルティング企業へと変貌を遂げています。「OFFICE 3.0」という次世代ビジネスに共感し、自身のスキルを活かして企業の生産性向上を支援したいという意欲が評価されやすい時期です。また、売上目標を1年前倒しで達成するほどの勢いがあり、変化を恐れず新しい提案を形にしたい方にとって、非常に魅力的な環境と言えるでしょう。
・「AI企業への進化を掲げられていますが、私の専門性(エンジニアリング等)を活かして具体的にどのようなプロジェクトで貢献できるでしょうか?」
・「2026年度の伊藤喜オールスチールの吸収合併により、生産・施工現場のオペレーションはどう進化していく予定ですか?」
・「地方都市へのリニューアル需要が拡大する中で、地方拠点でのキャリア構築や役割の広がりについて教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
キャリアアップしやすい
育児休暇を取得している社員は多く、女性にとって働きやすい環境。テレワークなど試験段階だが今後取り入れていき、働き方改革に向けてどんどん変わってきている。女性の管理職も何人かおり、障害なくキャリアアップしやすい。
(20代前半・インテリア関連職・女性) [キャリコネの口コミを読む]経営方針に問題
経営方針に問題を感じる。エンドユーザーに向けての発信力が落ちてきている。求められる企業ではなく受け身になっている部分が多くありそういう意味での体力や提案力が他社と開いているように感じる。
(50代後半・その他・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社イトーキ 2025年12月期 決算説明会資料(2026年2月13日発表)
- 株式会社イトーキ 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月13日発表)



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