三菱総合研究所の転職研究 2026年9月期1Q決算に見るキャリア機会

三菱総合研究所の転職研究 2026年9月期1Q決算に見るキャリア機会

三菱総合研究所の2026年9月期1Q決算は、売上・利益ともに過去最高を更新。「なぜ今三菱総研なのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を、政府の成長戦略や同社の注力領域であるAI・エネルギー分野の動向を交えて整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

第1四半期として売上・利益ともに過去最高を更新する

2026年9月期第1四半期は、売上高が前年同期比11.5%増、経常利益が99.0%増となり、1Qとして過去最高の業績を達成しました。前期末からの豊富な受注残に加え、不採算案件の解消が利益を大きく押し上げており、極めて強いスタートを切っています。

政策と連動した「集中領域」でのキャリア機会が拡大する

政府の「日本成長戦略」における17の戦略分野と、同社が掲げる電力・エネルギー、医療・介護、AI等の集中領域が合致しています。官公庁・民間双方でコンサルティング需要が急増しており、社会課題解決に直結する専門人材の重要性がかつてないほど高まっています。

事業再構築の1年としてITサービスの構造改革を断行する

今期を次期中計に向けた「事業再構築の1年」と位置付け、ITSセグメントでは金融・カード分野の大型案件完了に伴うリソースの重点配置を進めています。データAIや公共・電力領域へのシフトを鮮明にしており、ITエンジニアにとっても事業構造の変革期に関わる好機となります。

1 連結業績ハイライト

シンクタンク・ITサービスともに好調を維持。増収効果と不採算案件の解消により、経常利益は前年同期からほぼ倍増という驚異的な伸びを見せています。
2026年9月期 第1四半期連結決算概要

出典:2026年9月期 第1四半期決算説明資料 P.4

売上高
30,899百万円
+11.5%
営業利益
3,455百万円
+133.5%
経常利益
3,857百万円
+99.0%
当期純利益
2,634百万円
+165.6%

第1四半期の連結累計期間において、売上高は30,899百万円となり、官公庁向け案件の順調な推移により増収を達成しました。特筆すべきは利益面で、営業利益率は前年同期の5.3%から11.2%へ倍増しています。これはシンクタンク・コンサルティングサービス(TTC)での高い操業度維持に加え、ITサービス(ITS)での前年度の不採算案件影響が解消されたことが主因です。

通期業績予想(売上高122,000百万円、経常利益9,000百万円)に対する進捗率は、売上高が25.3%、経常利益が42.9%に達しています。利益面での進捗が極めて高いものの、第2四半期以降に予定されているAI投資や研究開発投資を考慮し、現時点では通期予想を据え置いています。この進捗状況から見て、通期目標の達成は堅調に推移していると評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

官公庁のDX支援から民間のAI戦略まで、幅広いドメインで事業が拡大。各セグメントで求める専門性が明確化しています。
セグメント別・顧客業種別売上高推移

出典:2026年9月期 第1四半期決算説明資料 P.10

シンクタンク・コンサルティングサービス(TTC)

事業内容:官公庁向け制度設計、エネルギー・ヘルスケア分野等の経営コンサルティング、AI・データ分析支援。

業績推移:売上高 11,095百万円(前年同期比+16.2%)、経常利益 2,286百万円(同+113.8%)。

注目ポイント:官公庁のエネルギー関連やデジタル化対応、民間向けの経営戦略案件が極めて好調です。特に「AI・半導体」「創薬・先端医療」といった国の戦略分野での受注が積み上がっており、高度な専門知識と社会実装力を備えたコンサルタントへの需要が爆発的に増加しています。

注目職種:戦略コンサルタント、政策調査員、データサイエンティスト、エネルギー専門家

ITサービス(ITS)

事業内容:金融、公共、民間産業向けシステム開発・運用、アウトソーシング(三菱総合研究所DCS等が主導)。

業績推移:売上高 19,803百万円(前年同期比+9.1%)、経常利益 1,571百万円(同+79.7%)。

注目ポイント:金融・決済領域の増収に加え、前期の一過性費用(本社移転経費や不採算案件)が解消し大幅な増益となりました。現在は従来の金融大型案件から、公共・電力やデータAI分野へのシフトを加速させており、モダンな技術スタックへの刷新やAIエージェントの活用など、技術的な挑戦機会が増えています。

注目職種:システムアーキテクト、クラウドエンジニア、AIエンジニア、プロジェクトマネージャー

3 今後の見通しと採用の注目点

「危機管理投資」や「成長投資」を掲げる国の政策方針が追い風。次期中期経営計画を見据えた、抜本的な事業構造の強化が進んでいます。
高市政権の戦略分野と当社の強み

出典:2026年9月期 第1四半期決算説明資料 P.19

三菱総合研究所は、2027年9月期から始まる次期中期経営計画に向けて、今期を「選択と集中」を徹底する準備期間としています。特に、高市政権下で設置された日本成長戦略会議が位置づける「17の戦略分野」と、同社の強みが重なる領域を強化する方針です。

注目すべきはAI投資の加速です。第1四半期では抑制されていたAI投資や研究開発投資が、第2四半期以降に順次実施される予定です。単なる業務効率化に留まらず、AIエージェントを活用したインテリジェンス基盤の提供など、サービス型事業への転換を図っています。

また、ITSセグメント(DCS社等)では、既存の金融システムの維持から脱却し、成長が期待される産業・公共分野へのリソースシフトを断行しています。この「事業のトランスフォーメーション」を推進できる人材が、今後の採用において最も重視されるポイントとなります。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

同社の「シンクタンクとしての提言から社会実装まで」という価値連鎖に注目しましょう。特に、今期から注力しているAI・半導体、エネルギー安全保障、防災DXといった具体領域に対し、自身のどのような専門性が貢献できるかを結びつけることが重要です。「社会変革の先駆者」というミッションに対し、自律的に動ける姿勢が評価されます。

Q&A

面接での逆質問例

「次期中計に向けた事業再構築の年とのことですが、私が志望する部門において、リソース配分や注力テーマにどのような変化が生じているかお聞かせください。」「AI技術による既存のコンサルティング業務の代替が言及されていますが、人間にしかできない価値提供を最大化するために、チーム内でどのような工夫をされていますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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皆ある程度までは順当に出世していく

基本的には年功序列。若手の頃からしっかりやっていれば、皆ある程度までは順当に出世していく。

(30代後半・コンサルタント・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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自身の興味・関心に業務がはまらない場合は大変

自身の興味・関心が特定の分野に限られている場合、業務がそこにぴったりはまれば面白み・やりがいを持って仕事ができるであろう反面、そうならなかった場合は大変。

(30代後半・コンサルタント・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年9月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 2026年9月期 第1四半期決算説明資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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