0 編集部が注目した重点ポイント
① 16期連続の増収を達成し売上高と四半期純利益で過去最高を更新する
2026年3月期第3四半期の連結実績は、売上高が前年同期比4.4%増の280億41百万円となり、16期連続の増収および過去最高の売上高を記録しました。人的投資によるコスト増をこなしつつ、親会社株主に帰属する四半期純利益も過去最高を更新しており、拡大するデジタル投資需要を確実に取り込む経営基盤の強さが示されています。
② HIT社のグループ化によりAIコンサルティングとMicrosoft事業を強化する
2025年6月末に株式会社ヒューマンインタラクティブテクノロジー(HIT社)を連結子会社化しました(当第2四半期よりPL連結)。これにより、Microsoftソリューションを軸としたインフラ構築から、AI導入に関するコンサルティング・運用支援までを一貫して提供する体制が整いました。成長分野であるAI領域でのキャリア機会が飛躍的に拡大しています。
③ 平均5.0%の給与引上げとPM認定制度で人的資本への投資を継続する
エンジニアの待遇改善に注力しており、2025年度も平均5.0%の昇給を実施しました。また、プロジェクトマネージャー(PM)育成を最優先課題とし、社内認定制度や実践型研修の導入を進めています。3年後にはPM数を600名体制(現状比約1.3倍)へ拡大する計画であり、技術者の市場価値向上を強力に支援する組織風土が魅力です。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明 P.2
当第3四半期累計期間は、データマネジメントやAI基盤構築ビジネスが伸長し、増収を維持しました。営業利益については、事業拡大に伴うオフィスの賃借料増加や、社員数の増加・昇給に伴う労務費の増加により、前年同期比でわずかに減益となりました。しかし、これは長期的な成長のための戦略的な人的投資を優先した結果であり、自己資本比率は76.0%と非常に高い健全性を保っています。
通期業績予想に対する進捗率は、売上高が70.1%で概ね順調な推移となっています。一方で、営業利益の進捗率は63.3%にとどまっており、質疑応答では「労務費の増加分を十分に価格転嫁できていない」という課題も示されました。第4四半期に向けては、単価交渉の強化や稼働率向上により、通期目標達成を目指す方針です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明 P.5
ビジネスソリューション事業
事業内容:SAPを中心としたERPパッケージの構築や、金融業向けの基幹システム構築・モダナイゼーション(最新化)を提供。
業績推移:売上高10,722百万円(前年同期比+6.3%)。金融業向けの業務自動化需要が拡大。
注目ポイント:同社で最大の売上構成比(38.2%)を誇る主軸です。社内でのSAP HANA導入を優先的に対応しており、そこで得たノウハウを来期以降の外販強化につなげる計画です。最先端のERP環境での開発・コンサル経験を積みたい人材に最適です。
クラウドソリューション事業
事業内容:Microsoft 365, Salesforce, ServiceNowなどのSaaS導入コンサルティングおよび構築サービスを提供。
業績推移:売上高6,876百万円(前年同期比-0.1%)。大型案件の再開待ちやPM不足が影響。
注目ポイント:一時的な案件中断による足踏みですが、日本マイクロソフトとの連携によるローコード開発案件は拡大しています。中断していた大型案件も4月より再開予定であり、来期に向けて大規模クラウド移行をリードできるPM人材の需要が急増しています。
デジタルソリューション事業
事業内容:AWS/Google Cloudと連携したAI基盤構築や、Databricks/Snowflakeを活用したデータ分析を提供。
業績推移:売上高4,269百万円(前年同期比+13.8%)。AI活用を見据えたデータマネジメントが好調。
注目ポイント:成長率が最も高く、AI時代のデータ基盤構築という高単価・高付加価値なプライム案件を多数獲得しています。新入社員の育成強化により一時的に利益が圧縮されていますが、これは次代のスペシャリストを組織的に育てている証でもあります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明 P.20
コムチュアは現在、AI技術を顧客提供サービスだけでなく自社の業務革新の中核に据えています。開発業務における生成AI活用の実証実験では、一部業務において約90%の生産性向上という驚異的な成果を確認。今後はこれを全社へ展開し、テクノロジー型ビジネスの効率化と、顧客密着型コンサルティングの拡大を同時に進める方針です。
人的資本経営においては、2026年3月期から2028年3月期の3年間で50億〜120億円規模のM&A投資を計画しており、外部リソースの積極的な取り込みにより成長を加速させます。質疑応答で言及された通り、顧客側でも開発の内製化が進む中、同社はより上流工程(コンサルティング・設計)や、内製では対応困難な領域での高度な専門性を提供することで差別化を図っています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
コムチュアは特定のベンダーに依存せず、グローバルトップクラスのプラットフォーマーと対等に連携する「マルチベンダー戦略」が最大の強みです。「一つの技術に縛られず、最新のAIやクラウドを組み合わせて顧客のビジネス変革を支援したい」という軸で語ることで、同社のCX戦略と強く合致します。また、平均5%昇給などエンジニアへの還元姿勢が明確な点も、定着と成長を目指す意欲のアピールに繋がるでしょう。
面接での逆質問例
「開発現場での生成AI活用により90%の生産性向上が見られたケースがあるとのことですが、その余力でエンジニアはどのような上流工程や付加価値業務へシフトすることを期待されていますか?」や、「社内PM認定制度において、上位ランクのPMには具体的にどのような権限や報奨、プロジェクトが任されるのでしょうか?」といった質問は、入社後のキャリアアップに対する真剣な姿勢を示すことができます。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
社歴が長くなればいずれ昇格は可能
ここ数年の新卒大量採用により、今から入社する若者の昇格は難しいように思われる。一方で中堅層は一定の経験を積んだものから退職しいなくなるため、ある程度実績を残しつつ社歴が長くなれば、いずれ昇格は可能。
(30代後半・システムコンサルタント・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 第3四半期 決算説明資料
- 2026年3月期 第3四半期 決算説明会 質疑応答の要旨



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