0 編集部が注目した重点ポイント
①8期連続で過去最高益を更新し成長を加速させる
2025年12月期の業績は、売上高が10期連続、営業利益および純利益が8期連続で過去最高を更新しました。特に人的資本への投資を継続しながらも、ビジネスソリューションやコミュニケーションITセグメントが牽引し、全段階利益で増益を達成。強固な収益基盤を背景に、ITコンサルティングやシステム実装の領域でキャリアの安定性と成長性を両立できる環境が整っています。
②子会社合併により電通総研テクノロジーが誕生する
2026年1月1日付で、完全子会社の電通総研セキュアソリューションと電通総研ITを吸収合併し、新会社「電通総研テクノロジー」を設立しました。経営資源の集約と人的資本の強化を図るこの統合により、グループシナジーの拡大と、エンジニアリング領域での専門性を深化させる体制が構築されます。技術者にとって、より大規模かつ横断的なプロジェクトへ参画する機会が拡大しています。
③AI駆動開発による生産性倍増の改革を推進する
中期経営計画「社会進化実装 2027」に基づき、ソフトウェア製品ビジネスの生産性を「倍増」させる改革をスタートしました。新製品開発におけるAI駆動開発の100%適用を掲げ、開発速度と品質の劇的な向上を目指しています。先端テクノロジーを駆使した次世代の設計・開発プロットフォームの構築に携わりたい技術人材にとって、非常に挑戦的なマイルストーンが設定されています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 決算説明会資料 P.4
2025年12月期の連結業績は、企業の根強いデジタル投資意欲を背景に、売上高・各利益ともに過去最高を更新しました。ソフトウェア製品の除却に伴う原価増や、将来を見据えた販売費及び一般管理費の増加(前期比+6.9%)があったものの、増収効果がこれらを上回りました。自己資本比率は60.7%と高く、ROEも17.1%と高い資本効率を維持しています。
通期予想に対する進捗状況については、期初計画比で売上高は▲1.9%の微減となったものの、当期純利益は16,365百万円(予想比+1.0%)と過達しており、全体として順調な着地となりました。第4四半期の受注残高も前期末比+27.5%と非常に高水準であり、次期以降の成長に向けた仕込みも万全です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 決算説明会資料 P.9
金融ソリューション
事業内容:金融業のビジネス変革や一般企業の金融サービス機能活用を支援。次世代融資ソリューション「BANK・R」などを展開。
業績推移:売上高34,832百万円(前期比+2.3%)、セグメント利益4,459百万円(同+2.6%)と増収増益。
注目ポイント:メガバンクや信託銀行向けの受託開発が拡大。今後は英国Quant Network社との提携によるプログラマブル決済マーケットへの参入を計画しており、金融とテクノロジーを融合させた新領域での開発・コンサル人材が求められています。
ビジネスソリューション
事業内容:人事・会計を中心に経営管理業務の高度化を支援。統合人事ソリューション「POSITIVE」等を開発・販売。
業績推移:売上高28,013百万円(前期比+18.6%)、セグメント利益6,994百万円(同+31.5%)と大幅な増収増益。
注目ポイント:商社や小売業向けに大規模な導入案件が拡大。成長戦略の要として製品ビジネスの生産性倍増を掲げており、AIを全工程に適用した次世代版製品の開発において、高い技術力を持つソフトウェアエンジニアの重要性が高まっています。
製造ソリューション
事業内容:製造業のビジネスプロセスやバリューチェーンの高度化を支援。CAE、PLM、SAPソリューション等を提供。
業績推移:売上高61,039百万円(前期比+0.8%)と増収も、人件費増等でセグメント利益は7,549百万円(同▲12.0%)。
注目ポイント:輸送機器業界向けに設計開発支援が拡大。ドイツのFraunhofer IEMと連携した超高速エンジニアリングプロセスの定義を進めており、製造業のDXを上流工程から設計できる、専門性の高いシニア人材の採用を強化しています。
コミュニケーションIT
事業内容:企業のマーケティング変革や官公庁のデジタル改革を支援。電通グループ向けビジネスも含む。
業績推移:売上高40,980百万円(前期比+19.1%)、セグメント利益3,886百万円(同+38.9%)と高成長を維持。
注目ポイント:公共領域や新規連結の株式会社ミツエーリンクスの貢献により好調。電通グループ内でのAIソリューション開発の中核を担う「AI開発センター」を新設するなど、先端マーケティング×AIの領域で圧倒的なキャリア機会が存在します。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 決算説明会資料 P.21
2026年12月期の業績予想は、売上高が前期比+10.4%、営業利益が同+11.4%と、2桁の増収増益を目指す意欲的な計画です。特に注目すべきは、成長加速に向けた「大型投資」の内容です。研究開発費として前期比で約17億円、人件費関連で約15億円の増加を織り込んでおり、エンジニアの採用や技術開発に潤沢な資金が投入される見通しです。
経営陣は、独自ソリューションの差別化とAIによる生産性改革を重要課題として認識しており、2030年の売上高3,000億円という長期目標(Vision 2030)に向けた変革期にあります。就業人員数も期末で4,900名(前期比+282名)まで拡大する計画であり、中途採用の積極性は今後さらに強まることが予想されます。
4 求職者へのアドバイス
HINT 志望動機のヒント
同社はシンクタンク、コンサルティング、システムインテグレーションを融合させた「社会進化実装」を掲げています。単なる開発受託にとどまらず、課題の提言からテクノロジーによる解決までを一気通貫で担いたいという想いは強力なアピールになります。また、AI駆動開発100%適用といった具体的な技術変革への挑戦姿勢に触れ、自身のスキルをどう適応させていくかを語ることが、現中期経営計画の方向に合致した志望動機につながります。
Q&A 面接での逆質問例
- 「電通総研テクノロジー」として子会社を統合したことで、現場のプロジェクト体制やエンジニアの役割はどう変化していくのでしょうか。
- ソフトウェア製品ビジネスにおける「生産性倍増」の取り組みにおいて、現場エンジニアにはAIを使いこなす以外にどのような新しいマインドセットが求められますか。
- Vision 2030に向けた大型の成長投資について、私の志望するセグメントでは具体的にどのような新規事業や技術開発に充てられる予定でしょうか。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社電通総研 2025年12月期 決算短信
- 株式会社電通総研 2025年12月期 決算説明会資料



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