0 編集部が注目した重点ポイント
① 第2四半期売上高で過去最高を更新し順調に推移する
2025年10月期第2四半期累計の売上高は1,176億円と過去最高を更新しました。営業利益、経常利益、純利益の各段階利益においても、通期計画に対する達成率が50%超で推移しており、極めて堅調な業績を残しています。現場力と商品設計の最適化により、原材料高騰の中でも高い収益性を維持しています。
② プレミアムブランド「無添蔵」を都心部へ100店展開する
2025年5月に「無添蔵 中目黒店」をオープンし、これまで関西中心だったプレミアムブランドのリブランディングと関東初進出を果たしました。しっとりとした落ち着きのある「大人の隠れ家」をコンセプトに、小規模店舗での都心展開を加速させます。将来的に100店舗体制を目指すとしており、新たなキャリア機会が拡大しています。
③ 大阪・関西万博店でサステナブルな新店舗モデルを提示する
2025年4月に開幕した「大阪・関西万博店」は、史上最長の135m回転ベルトを備えた過去最大規模の店舗です。廃棄予定の貝殻約33.6万枚を再利用した外壁など、サステナビリティを強く意識した設計が特徴。世界中からの顧客に対し、回転寿司を通じた新しい食体験と環境配慮の姿勢を同時に発信しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年10月期第2四半期 決算説明会資料 P.4
連結業績は、原材料価格の上昇やお米の価格高騰という逆風がありながらも、フレキシブルな商品設計や「現場力」によるオペレーション効率化で利益を確保しました。営業利益は29億3百万円となり、通期予想50億円に対して大幅な超過ペースで推移しています。国内既存店の好調に加え、米国子会社の売上成長が寄与しています。
第2四半期(中間期)終了時点で、通期利益計画に対する進捗率は全ての項目で50%を上回る57%〜58%台に達しています。このため、通期計画の達成は順調であると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年10月期第2四半期 決算説明会資料 P.15
日本事業
事業内容:国内における「くら寿司」「無添蔵」の運営、および水産専門会社「KURAおさかなファーム」による漁業創生。
業績推移:売上高859億円(前年同期比 1.9%減)、経常利益34.8億円。前年比では減収減益も計画比では非常に堅調。
注目ポイント:「現場力」を経営の核とし、従業員のベア実施や持株会設置(加入率約7割)で良好な労使関係を構築。これにより顧客満足度の向上と効率的な店舗運営を両立させています。「無添蔵」の都心部100店舗展開や万博店での新コンセプト発信など、国内市場における差別化戦略を強力に推進しており、店舗マネジメントや教育体制の構築に長けた人材が求められています。
北米事業 (Kura Sushi USA, Inc.)
事業内容:米国市場における回転寿司チェーンの展開。NASDAQ上場子会社として運営。
業績推移:売上高196億円(前年同期比 21.9%増)。寒波や山火事の影響を受けるも、足元は好調に推移。
注目ポイント:第2四半期で9店舗を新規出店し、合計73店舗まで拡大。通期では14店舗の出店を予定しており、成長スピードが極めて速い領域です。日本と連携した予約システムの導入などDXも推進。グローバル展開の最前線であり、日本のノウハウを現地化し、米国での事業規模を飛躍的に拡大させるための事業開発能力やグローバルマネジメント人材へのニーズが急増しています。
アジア事業 (亞洲藏壽司股份有限公司)
事業内容:台湾を中心としたアジア市場での展開。台北エクスチェンジ上場子会社。
業績推移:売上高122億円(前年同期比 2.0%減)。春節の渡航者増加による影響も、4月・5月は順調に回復。
注目ポイント:「クレヨンしんちゃん」等とのコラボ企画が絶大な集客力を発揮。直近の5月の月次売上は138%と急回復しており、既存店の強化に注力しています。アジア全体で62店舗体制となり、今後も年間5〜10店舗の安定的な出店を継続。「日本食×エンターテインメント」という同社独自の勝ち筋をアジア全域に浸透させる役割を担っており、現地法人との連携を強める調整力が鍵となります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年10月期第2四半期 決算説明会資料 P.16
今後の成長戦略として、国内では従来の郊外型に加え、「都心エリア」への出店を強化します。特にリブランディングされた「無添蔵」は小規模店舗にも対応可能で、一等地のビル内などへの展開が加速する見込みです。また、独自技術である「抗菌寿司カバー鮮度くん」を活用し、大手チェーンで唯一となる「回転ベルトでの提供」という唯一無二のエンターテインメント性を研ぎ澄ませています。
水産資源の確保においては、子会社「KURAおさかなファーム」を通じ、AIを活用したスマート養殖や定置網の全量買取など、漁業者との共存共栄を図る「漁業創生」に注力。これは単なる仕入れ活動ではなく、将来の持続可能な供給体制を築くための社会インフラ構築に近い事業です。トップインタビューでは「世界180か国への出店」というビジョンが語られており、食の安全と持続可能性を武器に、さらなるグローバル競争に挑む姿勢が鮮明です。
4 求職者へのアドバイス
同社は「特許・商標経営」を掲げ、回転寿司の常識を覆すイノベーションを次々と起こしています。単なる飲食業にとどまらず、「DX・知財・グローバル」の3軸で成長している点に注目してください。「漁業創生」などの社会課題解決や、世界中のスタッフが技術を競うコンテストなど、グローバル規模でのキャリア形成と社会貢献を志望理由に盛り込むのが有効です。
- 「無添蔵」の都心部100店舗展開において、既存のくら寿司と最も異なるターゲット層や接客スタイルの工夫は何でしょうか?
- 米国での急成長を支える上で、現地の採用・教育マニュアルの現地化について、日本側はどのような支援を行っていますか?
- スマート養殖をはじめとした漁業改革において、ITの専門知識を持つ人材が現場でどのように価値を発揮することを期待されていますか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
まかないが毎日食べられるのは得
まかないが毎日食べられるのは得である。また賄いは寿司だけではなく、味噌汁やそばなど意外と充実したラインナップである
(20代前半・ホールスタッフ・男性) [キャリコネの口コミを読む]連休をとりづらい環境
繁忙期になると、休みがあまりとれない。しかし、連休をとりづらい環境であり、また有給も好きな時に取れない。しかし振り替え休日は取れる。
(20代前半・ホールスタッフ・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- くら寿司株式会社 2025年10月期 第2四半期 決算説明会資料
- くら寿司株式会社 2025年10月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)



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