※本記事は、株式会社タイミー の有価証券報告書(2026年4月期、2025年11月1日 ~ 2026年4月30日、2026年7月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
タイミーグループは、「一人ひとりの時間を豊かに」というビジョンのもと、「はたらく」を通じて人生の可能性を広げるインフラを構築しています。同社グループは、スキマバイトサービス「タイミー」を主軸に、正社員採用や長期アルバイト採用支援、物流倉庫のスタッフィングなど、多岐にわたる人材ソリューションを提供しています。
単体従業員数は1,335名、連結従業員数は1,367名です。セグメントはタイミー事業、その他の2つです。
主な国内グループ会社は、スキマワークス(アウトソーシング事業)などです。
同社グループは、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
タイミーは、事業成長を支える人材を重視し、従業員一人ひとりの成長と挑戦を後押しする環境づくりに注力しています。給与水準は役割や職務内容に基づき、公正な評価と連動させる方針です。多様な働き方を支援し、従業員が安心して能力を発揮できる職場環境を目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
タイミーでは、比較的若い年齢層の従業員が多く、平均勤続年数も短めであることから、活発な組織であることがうかがえます。従業員が挑戦し、成長できる機会を重視する同社グループの文化が反映されていると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,246,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.18年 |
| 平均年齢 | 31.7歳 |
| 単体従業員数 | 1,335人 |
| 連結従業員数 | 1,367人 |
| 単体のグループ内比率 | 97.7% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
タイミーは、持続的な企業価値向上と経営戦略実現のため、優秀な人材の確保と定着を不可欠と考えています。従業員の給与等は、最低賃金等の法令を遵守し、適正かつ競争力のある報酬水準を維持することを基本方針としています。具体的な給与額は、従業員が担う役割や職務内容に基づく統一的な基準を設け、定期的な評価を通じて個人のパフォーマンスや組織業績への貢献度を公正に報酬へ連動させています。
同社グループは、ビジョンやミッション達成に向けた非連続的な事業成長を目指し、「人材マネジメントポリシー」を定めています。従業員一人ひとりの可能性を最大限に引き出す組織づくりを推進しており、「成長エコシステム」の拡充を通じた挑戦機会の提供、成果とバリューの体現に対する正当な評価と報酬、そして「強みを活かし、高め合う」文化の醸成を軸とした人材育成と環境整備を進めています。具体的には、社歴に関わらず挑戦できる機会やフィードバック、自ら決断する経験を提供し、業務の成果だけでなく挑戦する姿勢も評価する「バリュー評価」を導入しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 20.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 92.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 80.5% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 74.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 100.1% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ スキマワークス株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 33.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 73.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 90.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 87.8% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
タイミーは、「一人ひとりの時間を豊かに」というビジョンのもと、「「はたらく」を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」ことをミッションに掲げ、スキマバイトサービス「タイミー」を主軸とした事業を展開しています。同社グループは、慢性的な労働力不足という社会課題に対応し、多様な働き方を支援するプラットフォームを提供することで収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、スキマバイトサービス「タイミー」を主なサービスとするタイミー事業と、報告セグメントに含まれないその他事業を展開しています。主力であるタイミー事業は、有料職業紹介事業として「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービスです。クライアントは初期費用や掲載料無料で求人を掲載でき、ワーカーに支払う賃金報酬等の合計額の約30%を手数料として同社に支払う成果報酬型の料金体系を採用しています。このビジネスモデルは、日本社会が直面する労働力不足を背景に、ストック性の高い性質を持っています。
タイミー事業
スキマバイトサービス「タイミー」を中心に、正社員採用サービス「タイミーキャリアプラス」、長期アルバイト採用サポートプラン、その他(プロジェクト支援業務、Timee BPO、フィールドマネージャー事業)を提供しています。ワーカーは履歴書や面接なしで好きな時間に働くことができ、報酬は即日入金されます。クライアントは急な欠員や繁忙期に合わせた人員確保が可能となり、人件費の効率化にも貢献しています。収益は、クライアントがワーカーに支払う賃金報酬等に対する手数料から得ています。運営は、タイミーが行っています。
その他事業
主にタイミーソリューションズ事業が含まれ、物流倉庫の人材課題を解決するスタッフィングプラットフォーム「ロジヒーロー」を運営しています。収益は、物流倉庫領域における業務委託(BPO)型運営から得ています。運営は、スキマワークスが行っています。
同社グループの事業は国内に集中しており、海外からの収益はありません。また、特定の顧客への収益集中は見られず、タイミー事業が収益の大部分を占める構造となっています。
| セグメント | 売上高(2025年4月期) | 売上高(2026年4月期) |
|---|---|---|
| タイミー事業 | - | 204億円 |
| その他事業 | - | 6.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近の業績は、当連結会計年度が2025年11月1日から2026年4月30日までの6ヶ月間の変則決算期間となっています。そのため、前連結会計年度(12ヶ月間)との単純な比較は行われていません。当連結会計年度の売上高は210億円台、営業利益は38億円台、経常利益は37億円台、親会社株主に帰属する当期純利益は24億円台となっています。
| 項目 | 2022年4月期 | 2023年4月期 | 2024年4月期 | 2025年4月期 | 2026年4月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | 343億円 | 210億円 |
| 経常利益 | - | - | - | 66.7億円 | 37.6億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | 19.5% | 17.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | 53.1億円 | 24.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | 53.53 | 24.25 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較して減少しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少する結果となりました。これは、当連結会計年度が6ヶ月間の変則決算であるため、前期(12ヶ月間)との単純な比較はできない点に留意が必要です。
| 指標 | 2025年10月期(前期) | 2026年4月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 27.0百万円 | 15.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.3百万円 | 2.8百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動による資金創出力と手元資金の厚みから、安定した経営基盤を示しています。将来に向けた投資も継続しており、持続的な成長への取り組みが見られます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)から堅固な状態にあることが分かります。自己資本比率は42.4%と、非製造業のプライム市場平均と比較して高い水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)も16.0%と、プライム市場平均を上回る水準を示しており、効率的な資本活用がうかがえます。手元資金である現金及び預金も165億円と潤沢であり、事業運営の安定性につながる要素です。これらの財務指標は、入社後の雇用や給与の安定性を考える上で重要な情報となります。
| 指標 | 2025年4月期(前期) | 2026年4月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 145億円 | 160億円 |
| 自己資本比率 | 43.2% | 42.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 36.6% | 16.0% |
| 現金及び預金 | 142億円 | 165億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは12.8億円のプラスとなっています。これは主に税金等調整前当期純利益による収入があった一方で、立替金の増減額による支出や法人税等の支払額による支出があったことによるものです。投資活動によるキャッシュフローは△2.6億円であり、主に有形固定資産の取得による支出が要因です。この結果、フリーキャッシュフローは10.2億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している優良な状態を示しています。財務活動によるキャッシュフローは12.9億円のプラスであり、主に短期借入金の純増減額による収入があった一方で、自己株式の取得による支出があったことによるものです。これらの資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた基盤を維持していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素です。
| 項目 | 2025年4月期(前期) | 2026年4月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 26.7億円 | 12.8億円 |
| 投資CF | △12.8億円 | △2.6億円 |
| 財務CF | 5.8億円 | 12.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 13.9億円 | 10.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの収益の大部分はスキマバイトサービス「タイミー」から生み出されており、特定のサービスへの依存があります。また、スキマバイトサービス市場は未成熟であり、見込み通りにサービスの利用が増加しない可能性があります。
さらに、同社グループは同種のビジネスを展開する企業や人材派遣業、クラウドソーシング事業を展開する企業と競合しており、新規参入も多く見られます。競争が激化した場合、手数料率の低下や広告宣伝費の増加、流通総額の減少により収益性が維持できない可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、企業規模の拡大に伴い、優秀な人材を継続的に採用し、強固な組織を構築することが重要であると認識しています。求める人材が十分に確保・育成できなかった場合や、人材流出が進んだ場合には、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
タイミーは、「一人ひとりの時間を豊かに」というビジョンのもと、「「はたらく」を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」ことをミッションに掲げています。新しい働き方を提供し、社会インフラとしての進化を目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
タイミーグループは、「一人ひとりの時間を豊かに」というビジョンを掲げています。そして、「「はたらく」を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」ことをミッションとしています。
有料職業紹介事業として、スキマバイトサービス「タイミー」を全国で展開しています。新しい「はたらく」インフラとして、一人ひとりが自身の可能性を広げていける社会の実現を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
タイミーグループは、「ジブンゴト」「理想ファースト」「やっていき」「ブースター」の4つのバリューを共通の価値観としています。これらは社員の行動基準として大切にされています。
人材マネジメントポリシーに基づき、従業員一人ひとりの可能性を最大限に引き出す組織づくりを推進しています。「成長エコシステム」を通じた挑戦機会の提供、成果とバリューの体現に対する正当な評価と報い、「強みを活かし、高め合う」文化の醸成を人材育成の軸としています。
社内では「成果を称え、共有する」文化が根付いており、定期的な表彰制度があります。月に一度の全社総会や年一度の全社キックオフ総会で情報共有を行い、部署をまたいだコミュニケーションを活性化する施策も用意されています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
タイミーグループは、事業拡大に向けた経営課題として、サービスの健全性強化に取り組んでいます。プラットフォームの安全性維持・強化や不正利用防止のため、新規クライアントの公的書類提出必須化や求人原稿の全件チェック体制を構築しています。
開発力・技術力の強化も重要な課題であり、新たな情報技術の採用と質の高いアプリケーション提供を目指しています。優秀な人材の確保も重視し、リファラル採用や採用イベントへの登壇を通じて多様な採用チャネルを活用しています。
内部管理体制の強化も進めており、コンプライアンスの徹底や内部統制の強化、人的補充、定期的な内部監査の実施を行っています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
タイミーは、取締役会と監査役会を設置し、社外役員を登用することで経営の透明性と健全性を確保する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
タイミーの株主構成を見ると、代表取締役である小川嶺氏が筆頭株主として名を連ねています。また、同氏の資産管理会社であるRecolleも上位株主に入っており、創業者が経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 小川 嶺 | 21.05% |
| INTERACTIVE BROKERS LLC(常任代理人インタラクティブ・ブローカーズ証券) | 4.76% |
| Recolle | 3.62% |
| MIXI | 3.13% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 2.71% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役は小川嶺氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 小川 嶺 | 代表取締役 | 2017年8月に同社を設立し、代表取締役に就任。株式会社Recolle代表取締役、一般社団法人スポットワーク協会理事などを務める。 |
| 八木 智昭 | 取締役 | 2008年三菱UFJ銀行に入行後、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などに出向。2020年12月に同社に入社し執行役員を経て、2021年4月より現職。 |
| 池田 俊 | 取締役 | 2012年Google合同会社に入社し、Google LLCを経て、2024年4月に同社に入社。執行役員を経て、2025年1月より現職。 |
社外取締役は、渡邉一正氏(マーブルアーチ代表取締役・指名報酬委員会委員長)、尾西祥平氏(OLD NEW THINGS法律事務所パートナー弁護士・指名報酬委員会構成員)、原田明典氏(Coalis Capital代表取締役・指名報酬委員会構成員)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による監督と監査役による適法性監査の二重チェック体制を構築しています。社外役員を選任することで、客観的かつ中立的な立場からの経営助言と牽制機能の確保を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
タイミーの役員報酬は、株主総会で定められた限度額内で決定されています。取締役の報酬は指名報酬委員会の答申を経て取締役会で決定され、監査役の報酬は監査役の協議により決定される仕組みです。報酬の種類としては固定報酬が中心となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 63百万円 | 20.9百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 17百万円 | 2.4百万円 |
報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の報酬開示はありません。
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