0 編集部が注目した重点ポイント
① 2025年4月の新体制移行で客数減少への抜本的な対策を講じる
2025年4月より遠藤泰三氏が代表取締役社長に就任する新経営体制へ刷新されました。経営上の最大課題を「客数減少への対応」と明確に定義し、現場視点での課題吸い上げと即時改善を推進しています。組織改革に伴い「OMOリテール本部」や「DX戦略本部」を新設しており、デジタルとリアルを融合させた新しい商売の形を構築できる人材への期待が高まっています。
② 戦略商品「みんなのスーツ」を起点に若年層の顧客接点を創出する
税込12,980円という圧倒的低価格を実現した「みんなのスーツ」をゲートウェイブランドとして投入しました。物価高騰下で若年層の潜在ニーズを掘り起こし、CRM(顧客関係管理)戦略へと繋げることでロイヤルカスタマーへの育成を図る戦略です。従来のスーツ販売の枠を超えた、データドリブンなマーケティングと新規顧客開拓を担える専門人材の活躍フィールドが広がっています。
③ 総資産3,000億円に向けた資産圧縮と大規模な株主還元を断行する
資本収益性の向上を目指し、中期経営計画の最終年度に向けて総資産を3,000億円まで圧縮する計画を進行中です。同時に、2026年4月の1対3の株式分割や、上限30億円の自己株式取得を決定するなど、資本効率を意識した経営を加速させています。守りのコスト削減だけでなく、攻めの事業ポートフォリオ改革を同時並行で進めるための、経営管理・財務の知見を持つ人材への需要が強まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明会 P.25
2026年3月期上期の実績は、売上高が819億73百万円となりました。主力のビジネスウェア事業において、記録的な酷暑によりスーツの販売着数が前年同期比86.0%と落ち込んだことが主な減収要因です。一方、セール抑制や価格戦略の見直しにより、売上総利益率は50.9%(前年比0.8pt改善)と向上しました。
通期予想に対しては、売上高を下方修正したものの、営業利益140億円の目標は据え置いています。上期の営業利益は低い水準にありますが、衣料品事業の特性上、下期の構成比が極めて高いため、利益計画の達成に向けては概ね順調な進捗といえます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明会 P.26
ビジネスウェア事業
事業内容:「洋服の青山」「SUIT SQUARE」を中心に、国内外に726店舗を展開するグループの基幹事業です。
業績推移:売上高501億80百万円(前年同期比94.1%)、営業損失23億90百万円。酷暑による客数減が響きました。
注目ポイント:新ブランド「CHANTOWA」の展開や、Z世代向けデジタルコンセプト店「AO+」をオープン。スーツの平均単価は35,928円(前年比106.3%)に上昇しており、カジュアル化への対応と高付加価値化を同時推進する商品開発・MD人材が強く求められています。
フランチャイジー事業
事業内容:(株)globにて「焼肉きんぐ」「セカンドストリート」「エニタイムフィットネス」等のFCを展開しています。
業績推移:売上高83億32百万円(前年同期比108.4%)、営業利益5億81百万円と増収増益を達成。
注目ポイント:全業態で既存店売上が前年を上回り、創業来最高業績を更新中です。新規出店も加速させており、フードサービス・リユース・ウェルネスの各領域で店舗運営やSV(スーパーバイザー)としてのキャリア機会が豊富に存在します。
カード事業
事業内容:(株)青山キャピタルが運営。AOYAMAカード等の発行・管理を通じ、グループの販売促進を支援します。
業績推移:売上高26億91百万円(前年同期比103.3%)、営業利益12億63百万円。利益率は46.9%と極めて高い水準です。
注目ポイント:キャッシュレス比率の向上によりショッピング取扱高が増加しています。381万人の会員基盤を活かしたFinTech展開やデータ分析など、金融・決済領域のキャリア形成が可能です。
その他の多角化事業
事業内容:(株)アスコン(印刷)、(株)青五(雑貨・ダイソー)、ミニット・アジア・パシフィック(靴修理等)等を展開。
業績推移:雑貨販売は売上高77億円、総合リペアサービスは営業利益1.4億円(前年比466.8%)と復調。
注目ポイント:「ミスターミニット」の海外事業(オセアニア等)が好調で、利益構造の改善が鮮明です。各事業で不採算店の整理と高収益化を進めており、事業再建やオペレーション効率化の経験を活かせる環境です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明会 P.15
青山商事は、2026年3月期の通期計画において売上高1,970億円(前期比0.7%増)、営業利益140億円(同11.3%増)を目指しています。特に下期は、2025年10月に東京都内にオープンした新コンセプト店「AO+(アオヤマプラス)」を軸に、Z世代の新規顧客獲得を加速させる方針です。最新のデジタル技術を駆使した接客体験を首都圏中心に横展開する計画であり、店舗DXを主導できる人材の採用ニーズが強まっています。
また、サステナビリティ経営への投資も積極的で、再生可能エネルギー導入拠点を75拠点から101拠点へ拡大。ESGインデックスへの初組み入れを果たすなど、企業価値向上に向けた非財務資本の強化も進んでいます。変革期の伝統企業において、攻めの姿勢で事業改革をリードしたい人材にとって、今が絶好の参画タイミングといえます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
青山商事は「スーツの青山」から、多様な働き方を支援する「ビジネスウェアの総合プロデューサー」へと脱皮を図っています。新体制下での「客数減少への抜本的対策」や「ゲートウェイブランド戦略」に共感し、自身のデジタルマーケティング、MD、あるいは多角化事業での店舗運営スキルが、いかに同社の第二の創業期に貢献できるかを具体的に語ることが重要です。
面接での逆質問例
・「OMOリテール本部の新設により、具体的に店舗スタッフの役割や評価指標にどのような変化が生じていますか?」
・「『みんなのスーツ』で獲得した顧客をロイヤルカスタマー化させるための、データ活用やCRM施策の現状と課題を教えてください。」
・「多角化事業(glob等)の成功事例を、中核のビジネスウェア事業にどのように横展開していく構想をお持ちですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
レベルアップが出来ると利益が出て賞与が増える
現状は、個人のスキルアップと作業効率化をアップさせる取組を行っているのでレベルアップが出来ると利益が出て賞与が増える可能性がある。
(30代前半・店長・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明会資料



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