0 編集部が注目した重点ポイント
① 銀座店100周年施策と外商強化でロイヤル顧客の売上を28%増やす
創業100周年記念イベントや独自のMD展開、ラウンジ新設などのCRM戦略が奏功し、年間買上額100万円以上のロイヤル顧客売上高が前年同期比28%増と大幅に伸長しました。高度な分析ツールの活用で「One to one」のコミュニケーションを深化させており、外商部門でのキャリア機会が大きく拡大しています。
② インバウンド消費の一服感を国内顧客の「買い回り促進」で補完する
免税売上高は前年同期の記録的な水準(リベンジ消費等)から落ち着きを見せたものの、国内売上は前年比+3%と堅調に推移しています。特に銀座店では国内顧客の買い回りを促す施策を強化しており、社会情勢に左右されにくい安定した顧客基盤の確立を目指す戦略的な転換期にあります。
③ オムニチャネル推進に向けたマネジメント層の刷新でデジタル化を急ぐ
2025年9月より、事業を加速させるため「matsuyaginza.com」の代表取締役に商品担当責任者が就任する体制刷新を実施しました。リアル店舗のID会員12万人をベースにデジタルプラットフォーム化を推進しており、EC運営やマーケティング一体運営の領域で専門性の高い人材が求められています。
1 連結業績ハイライト
出典:第157期 中間期 決算説明 P.5
2026年2月期中間期の連結業績は、総額売上高60,247百万円、営業利益1,005百万円となりました。前年同期は円安や歴史的なリベンジ消費により免税売上が過去最高を記録していたため、その反動で減益となっていますが、銀座店のリニューアルやCRM強化により国内顧客売上は着実に成長しています。
通期予想に対する進捗状況については、下方修正後の通期売上高予想45,000百万円に対し、中間期時点で22,482百万円(約50.0%)、営業利益予想2,000百万円に対し1,005百万円(約50.3%)となっており、年度後半の施策を考慮すると順調な進捗と言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:第157期 中間期 決算説明 P.9
百貨店業
事業内容:松屋銀座および浅草店の運営。独自性のあるMD(商品企画)や催事、外商を通じた高付加価値サービスの提供。
業績推移:売上高18,364百万円(前年同期比10.0%減)。「ルイ・ヴィトン」の国内最大級への拡張リニューアルを実施。
注目ポイント:「Global Destination」を目指し、ラグジュアリーゾーンの更なる増強と、外商顧客への「THE GINZA LOUNGE」を活用した体験型サービスを強化しています。富裕層マーケティングやラグジュアリーブランドとの交渉を担う専門人材が不可欠となっています。
飲食業
事業内容:株式会社アターブル松屋による運営。婚礼宴会事業や、安定的な施設管理受託業務を展開。
業績推移:売上高1,908百万円(前年同期比14.0%増)。営業利益は99百万円と大幅に改善し、黒字転換を達成。
注目ポイント:不採算事業(婚礼の一部)からの撤退と、「選択と集中」による収益性の向上が鮮明です。施設管理受託業務など安定収益源の拡大にフォーカスしており、事業管理やサービス品質管理の知見が重視されています。
ビル総合サービス及び広告業
事業内容:株式会社シービーケーによる運営。ビルメンテナンス、清掃、内装工事(建装)、広告代理業務。
業績推移:売上高2,848百万円(前年同期比20.9%増)。建装部門での大口物件受注が収益を強力に牽引。
注目ポイント:外部物件への提案力強化により、外部売上比率の拡大を目指しています。単なる管理業務から「空間提案」ができる組織への変革を進めており、建築・施工管理の有資格者やソリューション営業の活躍機会が豊富です。
その他事業
事業内容:キャラクターショップ「キューライス万博」等の運営、輸入商品販売、不動産賃貸業など。
業績推移:売上高1,648百万円(前年同期比4.4%増)。営業利益は168百万円と好調を維持。
注目ポイント:コンテンツ事業(展覧会等)を銀座から全国へ巡回させるなど、IP(知的財産)の多角的な展開を強化しています。不動産関連でも銀座三和ビル等の空室率改善が進んでおり、資産活用の専門性が試されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:第157期 中間期 決算説明 P.33
2025年度から2027年度の「第1フェーズ」を投資期間と位置づけ、総額135億円のキャッシュ投入を計画しています。特に「銀座集中投資」と「オムニチャネル推進」が両輪となっており、銀座店のプレゼンスを高めつつ、時間や場所に縛られない購買体験を構築する「プレミアムリテーラー」への変革を加速させています。
直近の9月商況では、国内売上が前年比+9%と伸長しており、免税売上の減少分を十分に補える底力を見せています。また、約16億円の投資有価証券売却益を特別利益に計上予定(質疑応答・後発事象にて言及)であり、財務体質の強化と機動的な株主還元、そして攻めの投資を同時に進めるための「原資」が確保されている点は、転職者にとって心強い材料と言えるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
松屋は今、単なる百貨店から「Global Destination」への脱皮を図っています。特に「CRM(顧客分析)に基づいた接客のデジタル化」や「地域共創による独自コンテンツ開発」に意欲的な方は高く評価されるはずです。「伝統ある銀座の老舗」という看板を、デジタルの力でどうアップデートするかという視点で自身の経験を紐付けると、説得力が増すでしょう。
面接での逆質問例
- 「現在推進されているオムニチャネル戦略において、リアル店舗のスタッフに期待される新たな役割や、評価制度の変化はありますか?」
- 「地域共創プロジェクトを通じて獲得した独自商品は、インバウンド顧客と国内顧客のどちらに対して、より強い引きがあると感じられていますか?」
- 「ロイヤル顧客向けのCRMツール導入により、現場の接客スタイルや提案の質は具体的にどう変化しましたか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
いろいろなことにチャレンジさせてくれた
企業の考え方がとても寛大で未経験者でもいろいろなことにチャレンジさせてくれました。 商品開発や店舗デザインなどいろいろな部署が一つになってとても楽しく仕事が出来ました。 各部署の隔たりが少なく意見交換がとても楽しかったです。 そういった中での店舗のオープンを迎えた時の感動が忘れられません。
(30代前半・経理・女性) [キャリコネの口コミを読む]ゆっくり休みを取るのが少し難しかった
店舗での勤務ではどうしてもアルバイトのシフトの関係で休みがうまくとれないことも多々ありますのでゆっくり休みを取るのが少し難しかったです。
(30代前半・経理・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 第157期 中間期 決算説明資料(2026年2月期)
- 2026年2月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)



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