0 編集部が注目した重点ポイント
① サニー事業承継で九州の店舗網を圧倒的に強化する
2024年8月1日付で承継した株式会社西友の九州地域事業(サニー70店舗)が、当期より期初からフル稼働しています。これにより営業収益は前年同期比11.7%増と大幅増収を記録。サニーのノウハウを既存店へ波及させる「新規SM事業商品部」を新設しており、九州ドミナント戦略を担う事業構築領域でのキャリア機会が拡大しています。
② 新PB「ゆめイチ」を収益の柱として育成する
2025年9月より新プライベートブランド「ゆめイチ」の発売を開始し、新たに「PB事業企画部」を設置しました。2035年までに累計800アイテムを開発し、食品内構成比10%を目指す野心的な目標を掲げています。地域の食文化に精通したバイヤーによる地域密着型の商品開発を強化しており、マーチャンダイジング(商品政策)の専門職ニーズが非常に高まっています。
③ 前年を上回る高い賃上げで人的資本投資を加速させる
厳しい採用環境とインフレに対応するため、前年を上回る高い水準での賃上げを断行しました。さらに定年年齢を段階的に65歳へ引き上げ、正社員として長く活躍できる職場環境の整備を進めています。熟練の技術を次世代に継承する仕組みを強化しており、個々の成長を支える教育体制が整った組織への変革を目指しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期(FY25)第3四半期 決算説明会 P.3
※EBITDA = 営業利益 + 減価償却実施額 + のれん償却費(事業の現金創出力を測る指標)
当第3四半期累計の連結業績は、サニー事業の連結および前年のシステム障害からの反動により、営業収益は4,169億円(前年同期比11.7%増)と大幅な増収となりました。営業利益についても、高い賃上げに伴う人件費増を吸収し、176億円(同2.4%増)を確保しています。純利益が減益となっているのは、前期に計上された投資有価証券売却益23億円が剥落したためであり、本業の収益力は強化されています。
通期予想に対する進捗状況については、下方修正後の営業利益予想264億円に対し、第3四半期累計で176億円となっており、進捗率は約66.7%です。数値上は進捗が遅れているように見えますが、会社側は「荒利率と経費コントロールが奏功し、段階利益は計画上振れで進捗」と評価しており、年度末に向けた利益重視の経営が実を結びつつあります。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期(FY25)第3四半期 決算説明会 P.6
小売事業
事業内容:(株)イズミ、サニー事業を含む(株)ゆめマート熊本、(株)ゆめマート北九州、(株)ユアーズによる総合小売および食品スーパー運営。
業績推移:営業収益403,156百万円(前年同期比11.9%増)、営業利益12,911百万円(同0.6%減)。
注目ポイント:サニーの承継により九州の店舗網が160店舗体制へ拡大しました。現在は西友PBの取り扱いを終了し、ニチリウPB「くらしモア」や新PB「ゆめイチ」への切り替えを完了。承継に伴うシステム移行や、イズミとサニーの強みを融合させた「新規SM事業」の確立に向けて、事業統合推進(PMI)や店舗運営の専門人材が必要不可欠な局面です。
小売周辺事業
事業内容:金融事業(ゆめカード)、施設管理事業(イズミテクノ)、飲食事業(イズミ・フード・サービス)。
業績推移:営業収益39,882百万円(前年同期比14.8%増)、営業利益4,305百万円(同9.8%増)。
注目ポイント:「ゆめカード」では、電子マネー発行枚数が1,106万枚を突破。新たにコード決済サービス「ゆめかPay」を開始し、地域のデジタルインフラ構築を加速させています。イズミテクノも工事受注が好調で、小売の枠を超えたグループシナジーの創出を担える、デジタルおよび専門技術人材の活躍の場が広がっています。
その他
事業内容:衣料品などの卸売事業、不動産賃貸事業など。
業績推移:営業収益3,899百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益601百万円(同26.5%増)。
注目ポイント:卸売事業では円高傾向による原価低減、不動産賃貸では安定的な賃料収入が利益改善に大きく寄与しました。グループ資産の効率化と多角的な収益確保を担う、アセットマネジメントや貿易実務のスキルを持つ人材にとって魅力的な部門です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期(FY25)第3四半期 決算説明会 P.16
イズミは今、サニー事業の統合を完遂し、その力をグループ全体へ波及させる「実行期」にあります。今後の成長エンジンの核となるのが、2025年9月に立ち上げた新ブランド「ゆめイチ」です。2025年度内に125アイテムの投入を計画しており、2035年には累計800アイテム、食品売上の10%を占める巨大ブランドへの育成を狙っています。ブランドの価値を最大化し、競争力を高めるため、商品開発プロセスの高度化を担う外部人材の登用を重視しています。
また、資本政策面では、2026年3月1日付での1株につき3株の株式分割および22億円を上限とする自己株式取得を決定(短信および質疑応答より)。これは投資家層の拡大と企業の健全性を示す強力なメッセージです。ランサムウェア被害の裏年を越え、九州・中四国での圧倒的シェアとデジタルの融合を担う中核メンバーとして、今まさに参画する価値の高いタイミングと言えるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
イズミは「暮らしやすく、人口が増えるまちづくり」を理念に掲げ、単なる小売店舗ではなく「街の多機能な核」としての役割を追求しています。自身のキャリアを「地域の生活を支えるインフラのアップデート」に繋げる意欲を示すことが、強いアピールとなります。特にサニー事業承継による統合プロセスの深化や、「ゆめイチ」などの新ブランド育成に関わりたいという具体的な目標設定が歓迎されるでしょう。
面接での逆質問例
- 「サニー事業の統合に伴い新設された新規SM事業商品部において、承継した西友のノウハウを既存店にどのように移植・融合させようとしているのでしょうか?」
- 「PB『ゆめイチ』の売上構成比10%達成に向けた課題は何か、またその解決において中途採用者へ期待される具体的な貢献は何でしょうか?」
- 「人的資本投資を強化されていますが、定年65歳への延長に伴い、現場の技術継承や若手社員のキャリアパスにどのようなポジティブな変化がありましたか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
性別に関係なく能力を発揮できる
産休や育休の制度が整っており、復職後のサポートも手厚いと感じます。上司や同僚の理解が得やすく、女性が働きやすい環境が整っています。ハラスメントに対する教育が徹底されており、問題が発生した際の対応も迅速で厳格です。実力主義が根付いているため、性別による不当な扱いは見受けられません。女性社員が多く、他の職場と比べても働きやすさを実感しています。全体として、性別に関係なく能力を発揮できる職場だと思います。
(40代後半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]上司との関係は比較的良好
上司との関係は比較的良好で、現場の雰囲気も悪くありません。新しいアイデアや改善提案が通りにくいことがあり、変化を求める人には少し窮屈に感じるかもしれません。
(40代前半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年2月期(FY25)第3四半期 決算説明会資料
- 2026年2月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)



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