スルガ銀行の転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

スルガ銀行の転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

スルガ銀行の2026年3月期3Q決算は、本業のローン実行額18%増と好調で、純利益の進捗率も95.6%と順調です。長年の課題だったアパマン問題の解決も99%まで進展し、攻めの経営へ転換。「なぜ今スルガ銀行なのか?」、転職希望者がどの成長事業で、どんな役割を担えるのかを整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

本業のローンビジネスが新規実行額18%増と順調に推移する

中期経営計画の推進領域におけるローン新規実行額が前年同期比で18%増の2,962億円に達しました。特にソリューション事業やストラクチャードファイナンスが成長を牽引しており、貸出金残高も増加に反転しています。利息収入の増加に加え、経費削減も進んでおり、収益基盤の再構築が着実に成果を上げている状況です。

過去の不適切融資問題の解決が99%まで進捗し信頼回復を急ぐ

いわゆる「アパマン問題」において、被害弁護団との民事調停案件のうち99%の和解が成立しました。さらに2026年1月には裁判所からの新たな調停勧告を受け入れ、個別事情に寄り添った解決を目指す方針を明確にしています。負の遺産への対応が最終局面に近づいたことで、転職者にとっては攻めの戦略に注力できる環境が整いつつあります。

資本効率の向上に向けた150億円規模の自己株取得を完遂する

2025年5月に公表した上限150億円の自己株式取得を計画通り終了し、資本効率の向上と株主還元を強化しています。1株当たり年間配当予想も前期の29円から44円へと大幅な増配を見込んでおり、財務健全性の確保と積極的な資本活用のバランスを重視する経営姿勢が鮮明になっています。持続的成長を支える資本バッファーも十分に確保されています。

1 連結業績ハイライト

ローン利息の増加と経費削減が寄与し、親会社株主に帰属する純利益は前年同期比30.1%増の大幅増益を達成しました。
2026年3月期 第3四半期 決算ハイライト キーメッセージ

出典:2026年3月期 第3四半期 決算ハイライト P.1

経常収益

798.9億円

+18.0%

経常利益

265.1億円

+18.8%

四半期純利益

238.9億円

+30.1%

当第3四半期累計期間は、本業であるローンビジネスの伸長が利益を押し上げました。新規実行額の増加に伴い、貸出金利息や融資関連手数料が堅調に推移しています。また、変動金利比率の高い貸出ポートフォリオが金利上昇局面で寄与し、総資金利ざやが0.86%へと拡大したことも大きな特徴です。人的資本投資を拡充しつつも、物件費削減などのコスト構造改革が奏功し、経費率(OHR)は51.9%まで低下しました。

通期予想に対する純利益の進捗率は95.6%に達しており、業績は極めて順調に推移しています。

第4四半期において有価証券の追加損失(約30億円)を見込むものの、本業の増益等により吸収可能としており、前回公表の通期予想を確保できる見通しです。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

収益構造の転換を象徴する新事業領域が拡大しており、専門性の高い金融人材の需要が高まっています。
ローン等の新規実行額推移

出典:2026年3月期 第3四半期 決算ハイライト P.2

ソリューション事業(住宅・無担保ローン等)

事業内容:個人向けの住宅ローンや無担保ローンの提供を主軸とし、顧客一人ひとりのライフスタイルに合わせたファイナンスプランを提案する領域です。

業績推移:新規実行額は前年同期比46%増の735億円と爆発的に成長。通期見込みに対する進捗率も102%と計画を超過しています。

注目ポイント:2025年6月期より法人向け住宅ローンを対象に加えるなど、領域を拡大中。審査ノウハウの高度化や、デジタルチャネルを活用した非対面ローンの拡充を推進しており、機動力のあるリテール営業や審査実務の経験者が強く求められています。

注目職種:個人ローン営業、融資審査、住宅ローンコンサルタント

ストラクチャードファイナンス

事業内容:特定社債やプロジェクトファイナンスなど、複雑な収益構造を持つ案件に対して組成・融資を行う高度な専門領域です。

業績推移:新規実行額は前年同期比23%増の1,046億円。通期進捗率は93%と、極めて好調に推移しています。

注目ポイント:スルガ銀行が「持続的成長を支える要素」の一つとして注力するリスクテーク力の強化が鮮明です。従来の銀行の枠を超えた案件組成力が求められており、メガバンクや証券会社等での高度なファイナンス経験者が活躍できるフィールドが広がっています。

注目職種:ストラクチャードファイナンス組成、リスク管理、企業分析

投資用不動産ローン

事業内容:個人および法人向けの投資用不動産取得資金を融資する、同行の伝統的な強みを持つ事業領域です。

業績推移:新規実行額は前年同期比9%増の740億円。厳格な管理体制のもと、健全な新規案件の獲得を継続しています。

注目ポイント:過去の反省を活かし、アセットクオリティ(資産の質)の改善に地道に取り組んでいます。金融再生法開示債権比率は低下傾向にあり、健全性と収益性を両立させる新しい不動産金融モデルの構築を担う人材にとって、挑戦しがいのある局面です。

注目職種:不動産鑑定・審査、法人営業(不動産担当)

3 今後の見通しと採用の注目点

「金利ある世界」への変化を追い風に、リスクテーク力の強化と人的資本への投資を加速させます。
今後の持続的成長を支える4つの要素

出典:2026年3月期 第3四半期 決算ハイライト P.6

スルガ銀行は、2026年3月期の通期見通しについて、親会社株主に帰属する当期純利益250億円の達成に強い意欲を示しています。市場環境が「金利ある世界」へとシフトする中、変動金利比率の高さを活かした利ざやの拡大が見込まれるほか、債権品質の向上による与信費用の抑制も継続する方針です。

採用における注目点は、人的資本投資の拡充です。決算資料でも経費の内訳として人件費の増加が明記されており、専門人材の獲得に向けた投資を惜しまない姿勢が伺えます。特に、預かり資産増加に向けた「粘着性の高い」個人預金の獲得や、投資信託・保険などの投資性商品の提案力強化が課題となっており、資産運用コンサルティングの経験者にとっては、活躍の機会がさらに拡大するでしょう。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

「あってよかった 出会えてよかった」というブランドスローガンのもと、本業のローンビジネスで着実な成長を遂げている点が魅力です。特に新規実行額18%増という数字は、同行のコンサルティング力が市場で再評価されている証拠と言えます。過去の問題を乗り越え、健全な成長フェーズにある銀行を自らの手で支えたいという意欲は、非常に説得力のある志望動機になります。

Q&A

面接での逆質問例

「新事業領域であるストラクチャードファイナンスやソリューション事業のさらなる拡大に向け、中途採用人材に最も期待する『現場での変革』は何でしょうか?」

「金利上昇局面において、顧客の利払い負担増に対する伴走型支援やコンサルティングにおいて、どのような専門性を発揮することを求めていますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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仕事量を考えると割りに合わない

金融業であるため、業界水準は高いと言える。ただ仕事量等を相対的に考えると、割りに合わないと思える部分も大きく、納得できるかと言えば苦しい面もある。

(30代前半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]
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必ず振替休日を取得できます

休日出勤はありますが必ず振替休日を取得できます。残業もありますが、パソコンを起動させている時間や入退室時間もセキュリティカードで管理されているので賃金未払いは、ほぼ無いと思います。

(20代後半・カウンターセールス・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • スルガ銀行株式会社 2026年3月期 第3四半期 決算短信〔日本基準〕(連結)
  • スルガ銀行株式会社 2026年3月期 第3四半期 決算ハイライト
  • スルガ銀行株式会社 2026年3月期 第3四半期 決算説明資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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東京証券取引所プライム市場に上場する静岡県拠点の地方銀行です。銀行業務を中心に、貸金、保証、リース等の金融サービスを展開しています。2025年3月期の連結業績は、貸出金利息の減少等により経常収益は減収となりましたが、国債等債券損益の改善や与信費用の減少により、経常利益・当期純利益ともに増益となりました。