※本記事は、佐田建設株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
佐田建設は、連結子会社4社とともに建設事業を主軸に展開しています。建設工事の受注・施工に加え、アスファルト合材の販売や建設資機材の賃貸事業も行っています。
単体従業員数は385名、連結従業員数は463名です。事業セグメントは土木関連、建築関連、兼業事業の3つです。
主な国内グループ会社は、佐田道路(土木関連)、島田組(建築関連・土木関連)、リフォーム群馬(建築関連)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
佐田建設は、建設業を主軸とする企業であり、社員の長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていることがうかがえます。平均勤続年数が長く、安定して働き続けたいと考える方にとって、魅力的な職場環境であると言えるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、社員が長く働き続けられる環境が特徴です。平均勤続年数が20年を超えており、社員の定着率が高い傾向を示しています。平均年齢も40代半ばであることから、経験豊富なベテラン社員が多く活躍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,636,000円 |
| 平均勤続年数 | 21.5年 |
| 平均年齢 | 45.1歳 |
| 単体従業員数 | 385人 |
| 連結従業員数 | 463人 |
| 単体のグループ内比率 | 83.2% |
同社は確定給付型と確定拠出型の退職給付制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は主に当社を対象としていますが、連結子会社では退職一時金制度等を採用しています。
また、退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は1.2億円、年金資産は18百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、持続的な企業価値向上と建築・土木・DXの各戦略を確実に実現するため、「人材育成」「人材確保」「働きがいのある/働きやすい環境づくり」の3点を最重要実施項目に位置付けています。これらの実現に向け、人的資本投資の観点から様々な施策を推進しています。具体的には、外部コンサルティング会社による現場代理人研修の強化、新入社員研修を含む階層別研修の再整備、社員スキルマップによる必要スキルの見える化、次期幹部クラスの中途採用強化などに取り組んでいます。
給与・報酬の決定においては、毎年の人事考課に基づく評価に加え、市場水準や物価動向を総合的に考慮しています。報酬決定における会社業績の反映度合いは、上位の幹部階層になるほど高くなる傾向があります。昇給昇格は年に1回を原則とし、賞与は業績と個人評価を基礎として決定することで、業績・実績向上への意欲喚起につなげています。また、給与規定等による社内開示や被考課者研修・考課者研修を実施し、考課基準の透明性確保にも努めています。
社員一人ひとりの成長を支援する「働きがいのある会社」、多様な人材の多様な働き方を支援する「働きやすい会社」を目指し、社員が能力を発揮できる制度・環境の整備を行っています。その取り組みとして、2025くるみん認定、えるぼし認定(2つ星)、健康経営優良法人2026(大規模法人部門)認定を取得しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。正規雇用労働者では平均年齢差があり、課長職以上の役職者や技術者手当が支給される労働者に男性が多くなっています。非正規雇用労働者では、賃金水準の高い定年継続雇用者に男性が多い傾向があります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 1.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 73.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 72.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規雇用労働者) | 45.8% |
育児・介護支援
提出会社単体のデータです。
| 指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
|---|---|---|
| 男性育休暇取得達成率 | 80% | 100% |
| 育児短時間勤務の対象となる子の範囲を拡大 | 小学校3学年修了までに拡大 | 令和7年10月1日付で小学校3学年修了までに拡大 |
人材育成・エンゲージメント
提出会社単体のデータです。
| 指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
|---|---|---|
| 30歳以下の職員の月平均残業時間 | 15時間未満 | 14.5時間 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
佐田建設は、建設事業を主軸に展開する企業グループです。土木関連、建築関連、兼業事業の3つのセグメントを通じて、社会基盤の整備から民間施設の建設、さらには建設資材の供給まで多岐にわたる事業活動を行っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、建設工事の受注・施工を主な事業としています。これに加えて、アスファルト合材の販売や建設資機材の賃貸事業も手掛けており、幅広い領域で収益を上げています。
同社グループの事業は、主に以下の3つのセグメントで構成されています。
土木関連
土木関連セグメントでは、土木工事全般を手掛けています。道路や橋、河川などの社会インフラ整備に関する工事の受注・施工が主な事業内容です。
収益は、これらの土木工事の完成と引き渡しから得ています。当連結会計年度の売上高は前期から増加しました。
建築関連
建築関連セグメントでは、建築工事全般を行っています。商業施設や公共施設、住宅などの建築物の設計から施工までを一貫して提供しています。
収益は、建築工事の受注・施工から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から増加しました。
兼業事業
兼業事業セグメントでは、アスファルト合材の販売や建設資機材の賃貸事業などを行っています。建設事業を補完する形で、資材供給や機材提供を通じて収益を上げています。
収益は、アスファルト合材の販売や建設資機材の賃貸から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しました。
同社グループは、本邦以外の外部顧客への売上高がなく、事業活動は国内に集中しています。当連結会計年度においては安中市が、前連結会計年度においては㈱ヤオコーが主要な顧客となっています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 建築関連 | 235億円 | 251億円 |
| 土木関連 | 83.0億円 | 112億円 |
| 兼業事業 | 4.7億円 | 4.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
過去5期間の連結業績を見ると、同社グループの売上高は変動があるものの、当連結会計年度は前期から増加しました。経常利益も同様に変動が見られますが、当連結会計年度は前期から大きく増加しています。
親会社株主に帰属する当期純利益も、当連結会計年度は前期から増加傾向を示しています。営業利益は、大型工事における採算改善や物価上昇分の価格転嫁交渉の進展により、売上総利益率が改善したことから、前期から大幅に増加しました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 267億円 | 301億円 | 261億円 | 323億円 | 368億円 |
| 経常利益 | 7.4億円 | 18.3億円 | 2.1億円 | 9.7億円 | 17.2億円 |
| 経常利益率 | 2.8% | 6.1% | 0.8% | 3.0% | 4.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3.5億円 | 13.2億円 | 75百万円 | 6.1億円 | 9.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 22.92 | 85.68 | 4.90 | 39.86 | 71.57 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から増加しており、従業員一人あたりの稼ぐ力が高まっています。
これらの指標の改善は、同社グループの収益体質の強化や組織効率化の進展を示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 71.1百万円 | 79.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.1百万円 | 3.8百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動や投資活動における資金の流れから、現在の資金状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は、当期に前期から減少しています。非製造業のプライム市場平均と比較すると高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)は当期に前期から上昇していますが、プライム市場平均と比較すると低い水準となっています。現金及び預金は当期に前期から減少しています。これらの指標は、同社グループの財務の健全性や収益性を測る上で重要な情報となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 155億円 | 114億円 |
| 自己資本比率 | 56.5% | 44.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 4.0% | 7.2% |
| 現金及び預金 | 141億円 | 87.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における営業キャッシュフローはマイナスに転じ、前期から減少しています。これは、本業の事業活動において資金が流出している状況を示しています。投資キャッシュフローも引き続きマイナスであり、投資活動においても資金が使われていることがわかります。財務キャッシュフローは前期から大幅に減少し、借入金の返済や配当金の支払いなどにより資金が流出している状況です。結果として、フリーキャッシュフローもマイナスに転じています。これらの資金の流れは、同社グループが事業運営において資金をどのように調達・使用しているかを示しており、今後の事業展開や雇用・給与の安定性を判断する上で重要な情報となります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 9.0億円 | △7.0億円 |
| 投資CF | △3.6億円 | △4.0億円 |
| 財務CF | △3.7億円 | △42.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 5.4億円 | △11.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、建設市場の動向に業績が影響を受ける可能性があります。予想を上回る公共事業の削減や民間設備投資の減少が進んだ場合、業績に影響を及ぼすことが考えられます。
また、資材価格の変動もリスク要因です。工事主要材料等の調達コストが高騰し、請負金額に反映することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
佐田建設は、建設事業を通じて地域社会に貢献し、持続的な企業価値向上を目指す企業です。情熱をもって挑戦し、自己革新を続けることを大切にする文化が根付いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
佐田建設グループは、建設事業に特化し、豊かな地域社会の実現に貢献することを経営の基本方針としています。公明公正な経営と持続的な企業改革を掲げ、技術と創意工夫で顧客ニーズに応え、地域の基幹産業としての役割を果たすことを目指しています。
また、「Challenge the Next Future with our Passion!」(私たちは、何事にも情熱をもって、真摯に挑戦し、不断の自己革新を継続することで「次の100年」を創造します。)を基本理念に、未来を創造するビジョンを掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、公明公正な経営と持続的な企業改革を重視する企業風土を持っています。基本理念である「Challenge the Next Future with our Passion!」のもと、情熱をもって真摯に挑戦し、自己革新を続けることを大切にしています。
社員一人ひとりの成長を支援する「働きがいのある会社」と、多様な人材の多様な働き方を支援する「働きやすい会社」を目指しています。社員が能力を発揮できる制度・環境の整備に取り組んでおり、「人を大切にする企業」として健康経営を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
佐田建設グループは、世界経済の不透明感や建設業界における供給面での制約といった厳しい経営環境に直面しています。これに対し、中期経営計画の確実な遂行を重点テーマとしています。
具体的には、DX戦略による業務の高度化・効率化、人的資本戦略による幹部人材の育成・確保と働きがいのある環境づくりに取り組んでいます。また、DXや人材、地方創生への積極的な投資、女性取締役の招聘や報酬制度の見直しを含むガバナンス強化も推進しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
佐田建設では、執行役員制度を導入し経営判断と業務執行を分離しています。また、2024年6月26日より監査等委員会設置会社へ移行し、取締役会の監督機能強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
佐田建設の株主構成を見ると、筆頭株主はスノーボールキャピタルです。また、佐田建設従業員持株会や佐田建設伸佐会持株会といった同社グループの関係者が上位株主として名を連ねています。これにより、従業員や関連会社が同社の資本構成に一定の割合を占めていることが特徴として挙げられます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| スノーボールキャピタル | 9.36% |
| 佐田建設従業員持株会 | 8.26% |
| 佐田建設伸佐会持株会 | 6.57% |
| 斉丸千代 | 4.58% |
| 群馬銀行 | 4.38% |
なお、前事業年度末において主要株主であったUGSアセットマネジメントは、当事業年度末現在では主要株主ではなくなりました。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は13名(男性12名・女性1名)で構成され、女性役員比率は7.7%です。代表取締役社長は星野克行氏が務めています。社外取締役比率は23.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 星野 克行 | 代表取締役社長 | 1979年4月同社入社、2009年4月同社大阪支店土木部長、2018年6月同社取締役土木本部長、2024年6月同社代表取締役社長より現職。 |
| 荒井 清彦 | 取締役専務執行役員 経営本部長 | 1982年4月同社入社、2011年7月同社経営企画部長、2016年6月同社常勤監査役、2024年10月同社取締役専務執行役員経営本部長より現職。 |
| 中尾 信芳 | 取締役常務執行役員 建築本部長 | 1977年4月同社入社、2013年12月同社建築本部リニューアル部長、2021年6月同社取締役建築本部長、2024年6月同社取締役常務執行役員建築本部長より現職。 |
| 狩野 純公 | 取締役常務執行役員 営業本部長 | 1982年4月同社入社、2011年6月同社東京支店営業部長、2022年6月同社取締役営業本部長、2024年6月同社取締役常務執行役員営業本部長より現職。 |
| 堀内 金弘 | 取締役執行役員 管理本部長 | 1982年4月同社入社、2011年6月同社管理本部財務部次長、2023年6月同社取締役管理本部長、2024年6月同社取締役執行役員管理本部長より現職。 |
| 中島 克仁 | 取締役執行役員 土木本部長 | 1983年4月同社入社、2013年6月同社土木本部工事部次長、2018年6月同社執行役員土木本部統括部長、2024年6月同社取締役執行役員土木本部長より現職。 |
社外取締役は、富岡政明氏(富岡労務管理事務所代表社員)、桂川修一氏(南青山監査法人代表社員)、上原美奈子氏(群馬県老人保健施設協会事務局長)、丸山和貴氏(丸山法律事務所開業)、木部和雄氏(元群馬銀行代表取締役会長)、増田順一氏(税理士登録)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が取締役会の監督機能を強化する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
佐田建設の役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬、そして譲渡制限付株式報酬による非金銭報酬で構成されています。特に、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く)の報酬構成は、基本報酬60%、業績連動報酬25%、非金銭報酬15%と設定されており、中期経営計画の目標達成と株主利益の共有を強く意識した設計となっています。社外取締役には、経営の監視・監督の立場から基本報酬のみが設定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 1.3億円 | 22.2百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 9.0百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 26百万円 | 4.3百万円 |
同社役員全体の報酬総額は1.68億円であり、対象となる役員の総数は13名です。
連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個別の報酬開示はありません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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