【平均年収850万円】日特建設 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収850万円】日特建設 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日特建設は、建設事業を主軸に法面工事や基礎・地盤改良工事などを手掛けています。直近の業績は、前期から売上高、利益ともに大きく増加し、増収増益となりました。


目次

※本記事は、日特建設株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日特建設は建設事業を主軸とし、法面工事、基礎・地盤改良工事、補修補強工事などを手掛けています。国土強靭化や社会インフラ老朽化対応の需要に応えています。

単体従業員数は1,023名、連結従業員数は1,206名です。セグメントは建設事業、その他の事業の2つです。

主な国内グループ会社は、麻生フオームクリート(建設事業)、緑興産(建設事業・その他の事業)などです。

前連結会計年度末には麻生フオームクリートを連結子会社として迎え入れ、気泡コンクリート工事分野を強化しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日特建設は、専門工事に特化した建設事業を展開しており、安定した事業基盤を持つ企業です。従業員の皆さんが長期的にキャリアを築き、専門性を高めていけるような働き方が期待できるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員が長く働き続けられる環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢から、経験豊富な社員が多く在籍し、安定した組織体制がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 8,502,918円
平均勤続年数 18.5年
平均年齢 46.0歳
単体従業員数 1,023人
連結従業員数 1,206人
単体のグループ内比率 84.8%


同社および国内連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。確定給付制度は退職一時金制度であり、勤務期間に基づき退職給付を支給しています。

退職給付債務は41.7億円、年金資産は91百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、人的資本を持続的な成長および企業価値向上を支える重要な経営基盤と位置づけています。中期経営計画2026において「現場力の強化」を最優先課題とし、その実現に向けた施策の一つとして「人財育成」を掲げています。一人ひとりがプロフェッショナルとして現場で自ら課題を発見し、チームで解決策を出せる「自律的人財」の育成を目指しています。

従業員の給与その他の給付の額および内容については、資格等級制度に基づき、従業員が発揮する能力や期待される役割に応じて決定されています。客観的かつ透明性の高い人事評価を基盤とし、職責を重視した給与体系を採用しており、昇給額や賞与額は個人の勤務成績や同社の業績状況等を反映して総合的に判断されます。

具体的には、「人財活用を進める組織の設置と施策推進」「エリアコミット経営を支える自律的人財の確保・育成」「人財が活躍できる現場組織の確立」の3点を基本方針として推進しています。人財育成委員会や支援課の設置、社内研修・階層別研修の拡充、企業内大学による「専門スキル+人間力」教育、外部機関と連携した次世代経営者・管理職育成、採用活動の強化、人事制度改革、DX活用による業務効率化などを通じて、人財の確保・育成と働きがい向上に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。労働者の男女の賃金の額の差異については、職位や資格等級別の人員構成等によるものであり、適用する給与体系に男女間の差異はありません。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 3.7%
男性労働者の育児休業取得率 86.3%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 66.9%
労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) 69.5%
労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) 58.6%

多様性・登用

指標 数値
女性技術者として採用する新卒の割合 22.2%

健康・安全

指標 数値
フルタイム労働者1人当たりの法定時間外労働および法定休日労働の合計時間数(月平均) 23.1時間

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日特建設グループは、建設事業を主軸とする企業グループです。専門技術を活かし、社会インフラの整備と保全に貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


日特建設グループは、建設事業を主軸としています。同社グループは、法面工事、基礎・地盤改良工事、補修補強工事といった専門性の高い技術を強みとしています。国土強靭化や防災・減災、災害復旧・復興、社会インフラの老朽化対策といった社会的なニーズに対応することで、収益を上げています。

具体的には、ダムの基礎処理工事や地盤改良工事、法面保護工事、補修工事などを手掛ける基礎工事、土木一式工事や各種シールド工事を行う土木工事、地質調査や測量を行う地質コンサルタントといったサービスを提供しています。連結子会社である麻生フオームクリート株式会社が強みとする気泡コンクリート工事なども、同社グループの事業領域を広げています。

同社グループは、中期経営計画2026において「リニューアル工事」の確立を目指しており、補修補強分野に加え、社会インフラの更新・改修需要を含む領域として事業ポートフォリオの強化を進めています。収益は主に国内の外部顧客から得ており、特定の顧客への依存は見られません。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、直近5年間で変動が見られます。前期は売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益がいずれも減少しましたが、当期において大幅な増加に転じました。これは、売上高が前期から大きく伸びたことに加え、利益も大きく改善したことを示しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 661億円 729億円 719億円 672億円 838億円
経常利益 46.3億円 54.6億円 44.0億円 37.6億円 60.4億円
経常利益率 7.0% 7.5% 6.1% 5.6% 7.2%
親会社株主に帰属する当期純利益 33.3億円 35.3億円 30.7億円 24.1億円 41.6億円
1株当たり当期純利益(円) 79.83 84.56 73.49 57.70 99.75

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの生産性は、前期と比較して当期に改善が見られます。従業員1人あたり売上高(連結)は増加し、従業員1人あたり営業利益(連結)も同様に増加しました。これらの数値は、同社グループの事業運営における効率性が向上している傾向を示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 56.2百万円 69.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 3.1百万円 4.8百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


日特建設グループは、安定した財務基盤を築きながら、本業で着実に資金を生み出している状況です。事業活動で得た資金を、将来に向けた投資に充てていることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均を上回っており、安定性が高い状態です。ROE(自己資本利益率)も前期から改善し、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金も潤沢に確保されており、不測の事態への耐性も備わっていると言えるでしょう。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 346億円 380億円
自己資本比率 60.4% 60.4%
ROE(自己資本利益率) 7.1% 11.6%
現金及び預金 182億円 177億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは34.7億円の獲得となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や仕入債務の増加による資金増加があった一方で、売上債権の増加や法人税等の支払いにより資金が減少したことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは△17.7億円の使用となりました。有形固定資産の取得や投資有価証券の取得、子会社株式の取得による支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは△21.9億円の使用となり、長期借入金の返済や配当金の支払いが影響しています。結果としてフリーキャッシュ・フローは17.1億円のプラスとなっており、本業で稼いだ資金を投資に回しつつ、余剰資金も確保できている状況を示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 45.1億円 34.7億円
投資CF △40.1億円 △17.7億円
財務CF △19.6億円 △21.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 5.1億円 17.1億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは受注高の約8割を公共事業に依存しており、公共事業の削減が行われた場合には業績に影響を与える可能性があります。また、建設資材価格や労務単価の急激な上昇、技能労働者の不足が生じた場合には、工事の採算悪化や工事進捗の遅延を招く恐れがあるとしています。

③ 人材・組織に関するリスク

建設資材価格および労務単価の高騰、技能労働者の不足が事業リスクとして挙げられています。特に技能労働者の不足は、工事の採算悪化や工事進捗に遅延を招く恐れがあり、業績に影響を与える可能性があると認識されています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日特建設は、「見えないところにこそ、誠実に技術を提供して、社会から必要とされる企業であり続ける」ことを社是とし、安全・安心な国土造りに貢献することを目指しています。同社グループは、基礎工事における総合技術力と効率的な経営を価値観に掲げ、社会から信頼される企業であり続けることを重視しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


日特建設は、「私たちは、見えないところにこそ、誠実に技術を提供して、社会から必要とされる企業であり続ける」ことを社是としています。同社グループの使命(Mission)は「安全・安心な国土造りに貢献する会社」であり、基礎工事における総合技術力と効率的な経営を価値観(Value)としています。

同社グループは、「信頼される技術力に培われた、環境・防災工事を主力とした基礎工事のエキスパートであり続ける」ことをあるべき姿(Vision)として掲げています。さらに、10年後の社会を見据えた「長期ビジョン2035」では、「信頼される技術力を基盤とした、環境・防災工事を主力とする基礎工事のエキスパート」を目指す姿と定義しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


日特建設は、社訓として「安全第一」、「信用確立」、「技術発展」を掲げ、ブランドメッセージ「見えないところにこそ、私たちのプライドがある」にその精神を込めています。同社グループは、基礎工事における総合技術力と効率的な経営を価値観としています。

中期経営計画2026では、「現場力の強化を通じて、持続的・安定的に収益を上げ、成長を続けられる体制を確立する」ことを基本方針としています。また、社員を「人財」と位置づけ、自ら課題を発見しチームで解決できる「自律的人財」の育成を目指しています。

サステナビリティ基本方針では、自然災害からの復旧・復興への積極的な取り組み、脱炭素社会に向けた環境配慮技術の開発・推進、人権尊重、多様な人材が活躍できる環境整備を掲げています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


日特建設は、持続的成長に向けた課題として、技術人財や経営人財の確保、安定した利益体質を支える現場組織と体制の確立を挙げています。同社グループは、これらの課題に対応するため「中期経営計画2026」を策定しました。

本計画では、「現場力の強化」を最優先課題とし、その具体化のために「技術開発」(建設のオートメーション化など)、「DX推進」(生産性と安全性を高める施策)、「人財育成」(自律的人財の育成など)を重点的に推進しています。

また、経営基盤強化戦略として、人的資本の確保・育成、DX推進、社会インフラを守る責任経営(サステナビリティ)に重点的に取り組んでいます。サステナビリティでは、環境、社会、ガバナンスの各側面で取り組みを進めています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日特建設は、取締役会と監査役による監督体制を構築し、経営の透明性と健全性を確保しています。また、執行役員制度を導入することで、意思決定の迅速化と業務執行体制の強化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主はエーエヌホールディングスであり、57.83%の株式を保有しています。この構成は、特定の事業会社が同社の経営に強い影響力を持つことを示しています。また、日特建設社員持株会も上位株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
エーエヌホールディングス 57.83%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 5.75%
日特建設社員持株会 3.46%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は13名(男性11名・女性2名)で構成され、女性役員比率は15.3%です。代表取締役社長CEOは上直人氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。

氏名 役職 主な経歴
上 直人 代表取締役社長 CEO 1987年同社入社。九州支店長、東京支店長、事業本部長を経て、2026年より同社代表取締役社長CEOに就任。
梶田 文彦 代表取締役執行役員副社長 COO 事業本部長 1987年同社入社。海外事業部長、広島支店長、事業本部副本部長を経て、2026年より代表取締役執行役員副社長COO事業本部長に就任。
山崎 淳 代表取締役執行役員副社長CMO 経営戦略本部長 1985年同社入社。札幌支店長、経営戦略本部副本部長を経て、2026年より代表取締役執行役員副社長CMO経営戦略本部長に就任。
和田 康夫 取締役会長 1981年同社入社。経営企画室長、名古屋支店長、事業本部長、代表取締役社長を経て、2026年より同社取締役会長に就任。
川口 利一 取締役 1983年同社入社。管理本部経理部長、経営戦略本部長を経て、2026年より同社取締役(管理本部担当)に就任。
麻生 巌 取締役 1997年株式会社日本長期信用銀行入行。株式会社麻生代表取締役社長、大豊建設株式会社取締役などを経て、2018年より同社取締役に就任。


社外取締役は、渡邉雅之氏(弁護士法人三宅法律事務所パートナー・指名・報酬委員会委員長・特別委員会委員長)、中村克夫氏(陽光代表取締役会長・指名・報酬委員会委員長・特別委員会委員)、岡田直子氏(ネットワークコミュニケーションズ代表取締役・指名・報酬委員会委員・特別委員会委員)、森清華氏(Career Creation代表取締役・指名・報酬委員会委員・特別委員会委員)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会による業務執行の監督と監査役会による監査を通じて、経営の透明性と健全性の向上を図っています。独立社外取締役は、企業経営、法務・コンプライアンス、広報、人材育成などの専門的な知見を活かし、客観的な視点から経営を監督する役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、固定報酬(基本報酬)と業績連動報酬(役員賞与)、および非金銭報酬で構成されています。非業務執行取締役と監査役には基本報酬のみが支給されます。

報酬水準は、外部コンサルティング会社の分析・助言に基づき、国内の同業・同規模企業と比較して設定されています。業績連動報酬の指標には連結営業利益が用いられ、非金銭報酬として譲渡制限付株式が導入されています。指名・報酬委員会が取締役会の諮問を受けて報酬に関する審議を行い、その答申に基づいて取締役会で決定される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 8名 1.6億円 19.5百万円
監査役(社外除く) 2名 17百万円 8.5百万円
社外役員 7名 51百万円 7.3百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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