※本記事は、株式会社RISE の有価証券報告書(第79期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. RISEってどんな会社?
不動産賃貸事業と不動産管理事業を主軸に展開する企業です。2025年3月期には黒字転換を果たし、安定収益の確保を目指しています。
■(1) 会社概要
1947年に吉田建設興業として設立され、2004年にジャスダック証券取引所へ上場しました。2009年にRISEへ商号変更し、2011年には建設業を廃止して不動産事業に専念する体制へと転換しました。2022年の市場区分見直しに伴い、現在は東証スタンダード市場に上場しています。
連結従業員数は13名(単体3名)の少数精鋭体制です。筆頭株主は親会社であるヨウテイホールディングス合同会社で、過半数の株式を保有しています。第2位は個人株主の小松稔氏、第3位は不動産関連事業を行うチンタイバンクとなっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| ヨウテイホールディングス合同会社 | 53.99% |
| 小松 稔 | 3.89% |
| チンタイバンク | 1.75% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性6名、女性0名の計6名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は芝辻直基氏です。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 芝 辻 直 基 | 取締役社長(代表取締役) | 金融機関や証券会社を経て、ジャパン・リート・アドバイザーズ等の代表取締役を歴任。サムティアセットマネジメント等を経て、2017年より現職。 |
| 山 口 達 也 | 取締役 | NISグループ等を経て、ニッシン債権回収(現ブルーホライゾン債権回収)にて常務取締役等を歴任。2016年より現職。 |
社外取締役は、森岡幸人(オリンポス債権回収代表取締役)です。
2. 事業内容
同社グループは、「不動産賃貸事業」および「不動産管理事業」を展開しています。
■(1) 不動産賃貸事業
法人企業向けに、遊技場施設や社員寮施設などの不動産物件を賃貸しています。主な賃貸先は法人企業であり、安定的な収益確保を目指しています。
法人企業からの賃貸料収入が主な収益源です。運営は主にRISEが行っています。
■(2) 不動産管理事業
不動産の設備保守管理、清掃、警備、テナント管理などの業務を受託しています。オーナーやユーザーの視点に立ったリノベーションや修繕の提案を行い、稼働率向上に努めています。
不動産物件のオーナーから受け取る管理委託料が収益源となります。運営は主に子会社のFREアセットマネジメントが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は3億円台後半で推移しており、直近では微増傾向にあります。利益面では低空飛行が続いていましたが、当期は経常利益が増加し、最終損益も黒字転換を果たしています。
| 項目 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3.6億円 | 3.6億円 | 3.4億円 | 3.5億円 | 3.8億円 |
| 経常利益 | 0.0億円 | -0.1億円 | 0.1億円 | 0.1億円 | 0.3億円 |
| 利益率(%) | 0.0% | -2.2% | 2.9% | 3.7% | 8.9% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | -0.5億円 | -0.5億円 | 0.2億円 | -0.1億円 | 0.1億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は増加し、売上総利益率も改善傾向にあります。販管費は増加しましたが、増収効果により営業利益率は向上しています。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 3.5億円 | 3.8億円 |
| 売上総利益 | 2.9億円 | 3.2億円 |
| 売上総利益率(%) | 83.4% | 83.8% |
| 営業利益 | 0.2億円 | 0.3億円 |
| 営業利益率(%) | 4.3% | 8.9% |
販売費及び一般管理費のうち、役員報酬が0.7億円(構成比23%)、給与手当が0.5億円(同18%)を占めています。
■(3) セグメント収益
不動産管理事業が新規契約や物件入替により増収増益となり、全社の業績向上を牽引しました。一方、不動産賃貸事業は売上が増加したものの、依然として営業損失の状態が続いています。
| 区分 | 売上(2024年3月期) | 売上(2025年3月期) | 利益(2024年3月期) | 利益(2025年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 不動産賃貸事業 | 1.7億円 | 1.7億円 | -0.2億円 | -0.2億円 | -12.2% |
| 不動産管理事業 | 1.8億円 | 2.1億円 | 0.8億円 | 1.0億円 | 48.3% |
| 調整額 | - | - | -0.4億円 | -0.5億円 | - |
| 連結(合計) | 3.5億円 | 3.8億円 | 0.2億円 | 0.3億円 | 8.9% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
同社は、不動産賃貸事業および不動産管理事業を主軸に、安定的な収益基盤を構築しています。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の増加や減価償却費の計上により、前年度の支出から黒字に転換しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却収入により、わずかながらプラスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、優先株式の配当および借入金の返済により、大幅な支出となりました。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | -0.2億円 | 0.6億円 |
| 投資CF | 0.6億円 | 0.1億円 |
| 財務CF | -0.3億円 | -4.9億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、不動産事業を通じて恒常的な黒字体質への転換を図ることを経営の基本方針としています。景気動向や世界情勢の変化による不透明な環境下においても、利益とキャッシュ・フローを重視した事業推進を目指しています。
■(2) 企業文化
環境保全の観点から、資源の浪費を避けるペーパーレス化や、環境配慮型企業からの購入を優先する方針を持っています。また、性別・年齢・国籍等を問わず、従業員一人ひとりの個性を多様性として活かし、働きやすい職場環境を整備することを重視しています。
■(3) 経営計画・目標
具体的な数値目標としての経営計画は開示されていませんが、徹底した合理化を進めることで固定費を削減し、恒常的な黒字体質の確立を目指しています。また、上場維持基準への適合に向けた取り組みを完了させています。
■(4) 成長戦略と重点施策
不動産賃貸事業においては、賃貸先の経営環境情報を収集し、経済環境の変化に迅速に対応する体制を整えています。不動産管理事業では、リノベーションや設備の更新・修繕を積極的に提案することで空室期間を短縮し、稼働率の向上に努めています。また、管理受託物件数の増加に対応できる組織体制の構築を進めています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
持続的な成長を実現するため、多様な人材の育成に注力しています。特に不動産管理事業においては、設備維持管理や稼働率向上のための営業ノウハウを持つ人材が必要不可欠と考えており、性別や年齢等にかかわらない採用・登用と、成長・活躍機会の提供を行っています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 62.0歳 | 15.9年 | 5,328,000円 |
※平均年間給与は基準外賃金および賞与を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 経済情勢の動向について
不動産事業は景気や市況の影響を受けやすく、景気動向が不安定になると賃貸先の営業活動に影響を与え、賃料減額要請や稼働率低下につながる可能性があります。これにより、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
■(2) 賃貸借契約について
賃貸借契約は期間満了時に更新される保証がなく、期間中であっても解約される可能性があります。このような事態が生じた場合、賃貸事業の売上が減少し、業績等に影響を与える可能性があります。
■(3) 人材確保について
不動産管理事業の推進には専門的なノウハウを持つ人材が不可欠です。今後、管理物件の増加等が見込まれる中で、必要な人材を十分に確保できない場合、事業推進に支障をきたす可能性があります。



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