【平均年収536万円】日建工学 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収536万円】日建工学 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日建工学は、消波根固ブロックの型枠貸与や護岸ブロック販売を通じ、公共土木施設の強靭化に貢献する製品・工法を、グループ各社とともに提供しています。直近の業績は売上高と経常利益が増加し、従業員一人あたりの稼ぐ力も向上しましたが、純利益はわずかに減少しました。


目次

※本記事は、日建工学株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、日建工学及び連結子会社3社で構成され、主に消波根固ブロックの製造用鋼製型枠の貸与事業と、護岸ブロック等のコンクリート二次製品や土木シート製品等の販売事業を展開しています。公共土木施設の強靭化に貢献する製品・工法を提供しています。

単体従業員数は86名、連結従業員数は132名です。セグメントは型枠貸与事業、製品販売事業の2つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)三省水工(型枠貸与事業・製品販売事業)、東洋水研(同)、NK関西工建(同)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日建工学は、国土の防災と自然環境の調和に貢献する事業を展開しており、サステナビリティ経営を推進しています。同社グループは人材を最も重要な源泉と位置づけ、専門性の向上とイノベーション創出を重視しています。従業員が長期的に安心して能力を発揮できるよう、処遇や働きやすい環境の整備にも力を入れている会社です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


日建工学では、従業員の平均年齢が比較的高く、平均勤続年数も長めであることから、長期にわたってキャリアを築いている方が多い傾向が見られます。これは、同社が従業員の定着を重視し、安定した働き方を支援していることの表れと言えるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 5,363,000円
平均勤続年数 16.8年
平均年齢 54.2歳
単体従業員数 86人
連結従業員数 132人
単体のグループ内比率 65.2%


同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を併用しています。同社及び一部の連結子会社が対象となっています。

退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は316百万円、年金資産は204百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


日建工学グループは、防災・減災やブルーカーボン推進を通じた新たな市場開拓を経営戦略の柱とし、その実現に向けた最大の源泉を「人材」と位置づけています。高度な専門人材の育成とイノベーションを創出できる組織づくりを人材戦略の基本方針としています。

従業員の役割や専門性向上、中長期的な企業価値向上への貢献を適切に評価し、処遇に反映する仕組みを構築しています。具体的には、従業員向け株式交付信託の導入により、株主との価値共有を図り、業績向上への意欲を高めています。職位資格群別の明確な基準に基づく退職金制度も整備されており、長期的なキャリア形成を支援する基盤が提供されています。

また、業務上有益な発明等に対する表彰制度を設け、技術開発への自律的なモチベーションを奨励しています。研究開発部門では、課程博士号取得のサポートや国内外の学会参加支援を通じて、従業員の専門性向上とオープンイノベーションを促進しています。

働きやすい環境整備にも力を入れており、育児・介護休業や子の看護休暇、時差出勤などの柔軟な制度を運用し、ワークライフバランスを推進しています。各種ハラスメントの禁止を厳格に定め、心理的安全性の高い職場環境の維持に努めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載を省略しています。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日建工学は、主に土木・建設分野において、型枠貸与事業と製品販売事業を展開しています。同社グループは、公共土木施設の強靭化に向けた製品提供と利益向上への取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、連結子会社3社とともに、製品及びサービスの販売方法の類似性から「型枠貸与事業」と「製品販売事業」の二つの事業を主軸としています。これらの事業を通じて、災害復旧や改修事業、公共土木施設の強靭化に貢献する製品や工法を提供しています。国内の外部顧客への売上高が連結売上高の90%を超えており、事業は日本国内に集中しています。特定の主要顧客への売上集中は見られません。

型枠貸与事業

この事業では、主に消波根固ブロックの製造に用いる鋼製型枠の貸与及び販売を行っています。収益は、顧客が貸与された鋼製型枠を使用して製作したブロックの個数に基づいて、一定の期間にわたり認識されます。また、鋼製型枠の販売においては、納入時点で収益を認識しています。前期と比較して売上高は減少傾向にあります。

製品販売事業

この事業では、協力工場で製造した護岸ブロック等のコンクリート二次製品、連結した自然石製品、吸出防止や洗掘防止、遮水等の土木シート製品の販売を行っています。収益は、顧客へ製品を納入した時点で認識されます。河川用護岸ブロックや土木シート製品の出荷量が増加したことにより、前期と比較して売上高は増加傾向にあります。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
製品販売事業 38.6億円 46.8億円
型枠貸与事業 16.5億円 15.3億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は変動しながらも、当期は前期から増加に転じました。経常利益も当期は前期から増加しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、当期は前期からわずかに減少しました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 83.2億円 62.5億円 61.9億円 55.2億円 62.1億円
経常利益 8.7億円 4.1億円 4.0億円 4.1億円 4.4億円
経常利益率 10.4% 6.6% 6.4% 7.5% 7.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 6.6億円 2.8億円 2.8億円 2.8億円 2.8億円
1株当たり当期純利益(円) 363.07 153.92 156.14 155.55 154.22

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標は、同社グループが効率的な事業運営を通じて、従業員一人ひとりの貢献度を高めていることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 40.6百万円 47.1百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.5百万円 2.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


日建工学の財務状況は、事業の安定性と将来への投資余力を示す重要な指標です。自己資本の厚みや手元資金の状況、キャッシュフローの流れから、同社グループの経営の安定性を確認できます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


日建工学の財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定している状況です。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均を大きく上回っており、強固な財務体質を示しています。ROEはプライム市場平均を下回るものの、安定した収益性を確保しています。これらの財務状況は、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 46.0億円 49.4億円
自己資本比率 70.3% 77.5%
ROE(自己資本利益率) 6.3% 5.9%
現金及び預金 27.4億円 25.5億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


日建工学のキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、将来への投資も行いつつ、全体として資金を確保している状況を示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは2.3億円の収入となり、前期から増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の減少によるものです。

投資活動によるキャッシュフローは△2.0億円の支出となり、前期よりも支出が増加しました。これは主に鋼製型枠等の有形固定資産の取得や投資有価証券の取得によるものです。財務活動によるキャッシュフローは△2.1億円の支出となり、長期借入金の返済や配当金の支払いが行われました。

これらの結果、フリーキャッシュフローは0.2億円のプラスを維持しており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態です。このキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来に向けた投資も着実に実行していることを示しており、従業員の雇用や給与の安定性につながる基盤があると言えます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 0.9億円 2.3億円
投資CF △0.2億円 △2.0億円
財務CF △2.7億円 △2.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 0.7億円 0.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、事業領域である公共事業の事業量減少のリスクを認識しています。物価上昇により執行できる公共事業の事業量が減少し、業績に影響を与える可能性があります。また、売上の大部分を占める官公庁発注の工事関連において、発注の遅れや事業の中止が業績に影響を与えるリスクも挙げています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、新たなウイルス感染症に関するリスクを認識しています。従業員が感染した場合、業務停止により経営成績や財務状況に影響を与える可能性があるため、テレワークや時差通勤などの対策を講じて感染リスクの低減を図っています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日建工学は、国土の防災と豊かな自然環境の保全を使命とし、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。技術開発と人材を重視し、従業員が安心して能力を発揮できる環境づくりに力を入れている会社です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか

日建工学グループは、さまざまな自然災害に対する国土の防災と豊かな自然環境の保全を使命としています。新技術・新工法の開発と普及に取り組み、快適な未来社会の創造に貢献していくことを経営方針としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー

日建工学グループは、創立以来培ってきた技術を核に、変化に柔軟に対応し、安定した企業体質への変換を目指しています。社会・環境問題や気候変動対策等のサステナビリティ課題の解決を重視し、防災・減災やブルーカーボン推進を通じて社会貢献と新たな市場開拓を事業戦略の柱としています。人材を最大の源泉と位置づけ、専門性向上とオープンイノベーションを創出できる組織づくりを基本方針とし、多様性を尊重した心理的安全性の高い職場環境と柔軟な働き方を支援しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ

同社グループは、大規模災害の発生が増加傾向にある中で、社会資本整備のあり方を捉えた付加価値のある新事業・新製品の開発を課題としています。また、安定的な型枠・製品の供給に資する、協力会社ネットワークの維持強化及び新たな協力・提携関係の構築も重点テーマとしています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日建工学は、取締役会と監査役会を設置し、経営の監督と監査を行う体制を構築しています。また、取締役の指名や報酬に関する独立性・客観性を強化するため、指名・報酬検討委員会を設置しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日建工学の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である技研ホールディングスです。上位には個人株主のほか、ナガワといった事業会社が名を連ねています。複数の事業会社や個人が上位株主として同社を支えている状況です。

株主名 持株比率
技研ホールディングス 16.78%
菊池 恵理香 6.06%
ナガワ 5.92%


なお、前事業年度末の筆頭株主であったフリージア・マクロスは当事業年度末では筆頭株主ではなくなり、技研ホールディングスが新たに筆頭株主となりました。また、光通信は2026年5月29日現在で光通信KK投資事業有限責任組合の株式数と合算して1,353百株を保有している旨が記載されています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は皆川曜児氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。

氏名 役職 主な経歴
皆川 曜児 代表取締役社長 1983年4月 同社入社。2004年4月 同社執行役員財務経理部長。2015年6月 同社常務取締役。2016年4月 同社代表取締役社長より現職。
植田 剛史 常務取締役 1984年4月 建設省入省。2015年7月 国立研究開発法人土木研究所企画部部長。2017年10月 同社入社。2018年6月 同社常務取締役より現職。
相田 和也 取締役 1998年4月 同社入社。2015年4月 同社事業部国土保全事業一課長代理。2025年4月 同社管理部長兼消波根固事業部長。2025年6月 同社取締役より現職。
坂田 昌也 取締役 2000年4月 同社入社。2014年4月 同社東日本事業部関東営業所長。2025年4月 同社製品販売事業部長。2025年6月 同社取締役より現職。
西村 博一 取締役 2001年4月 同社入社。2015年4月 同社東北復興事業部復興事業所長。2025年4月 同社技術部長兼カーボンニュートラル推進室長。2025年6月 同社取締役より現職。
金木 誠 取締役 1977年4月 建設省入省。2007年4月 財団法人日本建設情報総合センターCORINS/TECRISセンター長。2019年6月 一般社団法人現場技術土木施工管理技士会常務理事。2021年6月 同社取締役より現職。
髙木 大地 取締役 2007年12月 弁護士法人関西法律特許事務所入所。2013年1月 弁護士法人関西法律特許事務所パートナー弁護士より現職。2023年6月 同社取締役より現職。


社外取締役は、金木誠氏(一般社団法人現場技術土木施工管理技士会常務理事)、髙木大地氏(弁護士法人関西法律特許事務所パートナー弁護士)です。

同社は監査役会設置会社であり、監査役会が経営の監査を担っています。また、取締役会の諮問機関として、独立した社外役員を委員長とする指名・報酬検討委員会を設置し、ガバナンスの独立性・客観性を強化しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


日建工学の役員報酬は、月額定額報酬を基本としています。単年度業績連動報酬も基本とされていますが、支給割合に関する具体的な方針は定めていません。中長期的な企業価値向上を目的とした株式報酬や、その他の業績連動報酬、非金銭報酬は実施しておらず、金銭による基本報酬のみを支給する方針です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 7名 59百万円 8.5百万円
監査役(社外除く) 1名 5百万円 5.4百万円
社外役員 4名 13百万円 3.2百万円


なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。