【平均年収799万円】日本基礎技術 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収799万円】日本基礎技術 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日本基礎技術は、法面保護工事やダム基礎工事などの建設工事を主軸に、建設コンサルタントや地質調査も手掛ける企業です。連結従業員数は約390名で、直近の業績は減収増益となりました。


目次

※本記事は、日本基礎技術株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日本基礎技術は、法面保護工事、ダム基礎工事、アンカー工事、重機工事、注入工事、維持修繕工事、環境保全工事といった建設工事を主軸に事業を展開しています。また、建設コンサルタントおよび地質調査も手掛けています。

単体従業員数は346名、連結従業員数は391名です。同社グループの事業セグメントは、建設工事と建設コンサル・地質調査等の2つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)オーケーソイル(建設業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日本基礎技術は、建設基礎技術を核に社会インフラを支える企業です。給与水準や働き方については、安定した事業基盤を持つ建設業としての特徴が見られます。社員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていると言えるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、社員が長期にわたってキャリアを築ける環境が整っていることがうかがえます。平均勤続年数が長く、社員の年齢構成も比較的安定している傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 7,989,013円
平均勤続年数 18.4年
平均年齢 43.7歳
単体従業員数 346人
連結従業員数 391人
単体のグループ内比率 88.5%


同社グループは、退職給付制度として確定給付型と確定拠出型を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
この制度は同社グループ全体に適用されており、給与と勤務期間に基づいた一時金または年金が支給されます。
退職給付債務は14.9億円、年金資産は16.9億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「人と環境の共生を目指し、建設基礎技術で豊かな社会創りに貢献する」という企業理念に基づき、社員一人ひとりの可能性を引き出し、顧客や社会から信頼される技術者集団を目指しています。企業の持続的成長には「人と技術」が不可欠であるとの認識のもと、第7次中期経営計画では「高齢化対策と若年者の入職助長」を重点施策の一つに掲げています。

人材の育成、有効活用、公正な処遇を目的とした身分制度を構築しており、社員に与えられた役割の重要度や難易度、専門性に応じた区分で資格給を決定しています。特定の職務や責任に応じた職務手当や現業手当のほか、生活基盤の安定を支援する住宅手当や単身赴任手当などの各種手当も支給されています。賞与は所属組織等の業績に連動し、従業員の身分や会社への貢献度などを考慮して決定される方針です。

また、人材の多様性確保にも積極的に取り組んでいます。様々な職歴を持つ中途採用者や外国人、建設・土木業に興味を持つ女性の採用・起用を推進し、技術系の女性社員の育成にも注力しています。社員の成長をサポートするため、新入社員から幹部社員まで定期的な社内教育を実施し、技術向上や新知識の習得に努めています。

健全な職場環境の実現も重視しており、業務の簡素化やワークライフバランスに配慮した育児・介護に関する制度、定額残業制の導入を進めています。長時間労働の削減対策や有給休暇取得の奨励など、社員が安心して能力を発揮できる環境整備に努めている状況です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データを示します。連結子会社は公表義務の対象外のため、記載を省略しています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 0.3%
男性の育児休業等と育児目的休暇の取得率 33.3%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 77.7%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 69.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 69.3%

多様性・登用


提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
採用した労働者に占める女性労働者の割合 7.8%

育児・介護支援


提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
女性労働者の育児休業後の復帰割合 取得中

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日本基礎技術は、法面保護工事やダム基礎工事、アンカー工事といった多岐にわたる建設工事を主力事業としています。また、建設コンサルタントや地質調査も手掛け、国内外で事業を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、建設工事を主要な事業として収益を上げています。具体的には、法面保護工事、ダム基礎工事、アンカー工事、重機工事、注入工事、維持修繕工事、環境保全工事、その他土木工事など、幅広い分野の工事を手掛けています。これらに加えて、建設コンサルタント業務や地質調査も行っています。

収益は、これらの建設工事の受注と完成によって得られています。当連結会計年度の受注高は、国内の高速道路の大型補修工事や電力関連工事、米国現地法人におけるLNG精製プラント基地地盤改良工事が貢献し、前期から増加しました。受注方法では、特命による受注が大部分を占める傾向にあります。

売上高の内訳を見ると、法面保護工事やアンカー工事は前期から増加しましたが、重機工事や注入工事は減少しました。米国現地法人での売上高は前期を下回る結果となっています。主要な顧客の一つであるBechtel Energy, Inc.からの売上高は、前期と比較して減少しました。

同社グループは、連結子会社のJAFEC USA, Inc.を通じて米国での海外工事にも参入しており、株式会社オーケーソイルは都市部の地盤改良工事や海外工事に実績を持っています。関連会社では、日本施設管理株式会社がダム施設管理業務や建設コンサルタント業務を、株式会社オリオン計測が地質調査やデータ解析を行っています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動しながら推移しています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しましたが、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は増加しました。

国内建設業界では、公共投資が底堅く推移する一方で、建設資材価格や労務費の高騰、人材確保の問題など、厳しい事業環境が続いています。このような状況の中、同社グループの営業利益は前期から減少しましたが、受取配当金や為替差益などにより経常利益は増加しました。また、投資有価証券売却益も親会社株主に帰属する当期純利益の増加に寄与しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 221億円 239億円 236億円 303億円 274億円
経常利益 9.6億円 10.1億円 14.0億円 19.2億円 20.9億円
経常利益率 4.4% 4.2% 5.9% 6.4% 7.7%
親会社株主に帰属する当期純利益 5.0億円 5.3億円 9.3億円 14.4億円 16.6億円
1株当たり当期純利益(円) 21.97 25.40 46.57 74.13 89.65

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当連結会計年度において前期から減少しました。また、従業員1人あたりの営業利益も前期と比較して減少しています。これらの指標は、同社グループの収益体質や組織の効率性を示すものとなります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 79.9百万円 70.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 5.0百万円 3.7百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。これにより、事業の成長を追求している段階にあると言えます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均と比較して高い水準にあり、安定した経営を示しています。手元資金である現金及び預金も増加しており、不況時への耐性も確保されている状況です。ROEはプライム市場平均を下回っていますが、強固な財務体質は、入社後の雇用や給与の安定性につながる要素と言えます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 230億円 247億円
自己資本比率 72.2% 64.1%
ROE(自己資本利益率) 6.4% 7.0%
現金及び預金 41.0億円 53.0億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の営業活動によるキャッシュフローは1億2百万円の収入となっています。これは税金等調整前当期純利益や減価償却費、未成工事受入金の増加などが主な要因です。一方で、投資活動によるキャッシュフローは7億83百万円の支出となっており、有形固定資産の取得などが主な要因です。この結果、フリーキャッシュフローは6億81百万円の支出となり、本業で得た資金を上回る投資を行っている成長投資フェーズにあることが示されています。財務活動によるキャッシュフローは18億13百万円の収入となっており、短期借入金の増加や長期借入による収入が主な要因です。この資金の流れは、事業の拡大や将来に向けた投資を積極的に進めている状況を示しており、今後の成長性につながる可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 4.5億円 1.0億円
投資CF △18.7億円 △7.8億円
財務CF △2.6億円 18.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △14.2億円 △6.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、国内事業の売上高に占める公共工事の割合が高く、公共投資の規模に業績が大きく影響されるリスクがあります。公共投資が削減された場合、同業他社との過当な価格競争により、受注高や売上高、利益が減少する可能性があります。また、米国に子会社を設立し海外工事への参入を図っていますが、為替相場の変動や海外工事を行う国の政治・経済・法制度の変化が業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、技術水準を維持するために、職員一人ひとりに高い技能、技術力、管理能力が求められることをリスクとして認識しています。工事品質の保持やオリジナル工法の技術力向上と維持が重要な課題であり、技術者の育成が業績に大きな影響を及ぼす可能性があるとされています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本基礎技術は、建設基礎技術を通じて社会に貢献することを目指す企業です。人と環境の共生を重視し、社員一人ひとりの成長を大切にする文化を育んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


日本基礎技術グループは、「人と環境の共生」を目指し、建設基礎技術で豊かな社会創りに貢献することを基本方針としています。社員一人ひとりの可能性を引き出し、顧客そして社会から信頼される技術者集団を目指すこととしています。

サステナビリティの基本的な考え方として、同社グループの企業理念に基づき、「人と環境の共生をめざし、当社の有する建設基礎技術を最大限に発展・活用するという当社の企業価値」と「豊かな国土、環境創りに貢献するという社会的存在価値」を継続的に成長させることを目的としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、社員の多様性を尊重し、健康で明るく、仕事も生活も充実した毎日を送れる職場環境の実現を目指しています。人材確保を重要視し、様々な職歴を持つ中途採用者、勤勉で技術力を求めて来日する外国人、または日本国内で建設・土木業に興味を持つ女性の採用・起用を積極的に行っています。

法令、社内規則及び企業倫理に違反する行為を抑制・防止・是正するため、内部通報制度を設けており、定期的な周知および研修を実施しています。サステナビリティの実現のため、各部署のサステナビリティ担当による進捗状況の定期的な報告を取締役会で行うガバナンス体制を構築しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、中長期的な経営戦略として、高齢化対策と若年者の入職助長を重点施策の一つとしています。具体的には、自動機械の開発と自動機械施工を推進し、働きやすい現場環境の整備と生産性の向上を図っています。

また、自動機械施工の社員直営による技術技能継承を目的とした社員育成を推進しています。事務作業の簡易化・簡略化を図り、現場事務作業の習熟期間短縮と生産性向上にも取り組んでいます。建設技能労働者不足や労務費高騰といった業界を取り巻く厳しい環境に対し、これらの施策を通じて対処していく方針です。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日本基礎技術は、執行役員制度の導入により意思決定と業務執行を分離し、取締役会による監督機能の強化を図っています。また、監査役会設置会社として、社外監査役を含む監査体制を通じて経営監視を有効に行っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日本基礎技術の筆頭株主は日本基礎技術取引先持株会であり、同社の取引先が主要な株主として名を連ねています。また、日本基礎技術従業員持株会も上位株主の一角を占めており、同社グループの資本構成は従業員や取引先によって支えられている特徴があります。

株主名 持株比率
日本基礎技術取引先持株会 14.68%
日本国土開発 5.64%
日本基礎技術従業員持株会 4.22%
りそな銀行 4.22%
北陸銀行 4.08%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は中原巖氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。

氏名 役職 主な経歴
中原 巖 代表取締役 社長 営業本部担当役員 技術本部担当役員 機械施工推進本部担当役員 昭和56年4月同社入社。重機事業本部技術部長、執行役員、東京支店長、技術本部副本部長、常務執行役員技術本部長、常務取締役、東京支社長首都圏支店長、専務取締役を経て、平成19年6月より同社代表取締役社長に現職。株式会社オーケーソイル代表取締役会長も務めています。
田中 邦彦 専務取締役 執行役員 事務管理本部長 昭和58年4月同社入社。事務管理本部総務部長、東京支社事務管理部長、技術本部品質保証部長、事務管理本部副本部長、執行役員、取締役執行役員、常務取締役執行役員を経て、令和6年7月より同社専務取締役執行役員に現職。JAFEC USA,Inc.代表取締役社長も務めています。
持田 裕晋 取締役 執行役員 昭和59年4月同社入社。東北支店工事部長、技術本部統括工事部長、首都圏支店長、東京支社長、執行役員を経て、平成27年6月より同社取締役執行役員に現職。株式会社オーケーソイル代表取締役社長も務めています。


社外取締役は、厨川道雄氏(元独立行政法人産業技術総合研究所研究顧問)、岡村裕氏(敷島印刷会長)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外監査役を含む監査体制を通じて経営監視機能を強化しています。社外取締役は経営会議や取締役会に出席し、経営に関する助言を行うことで経営の透明性確保と監督強化に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


日本基礎技術の役員報酬は、株主総会で決定された総額の範囲内で、業績や中長期的な企業価値、同業他社との比較、従業員給与とのバランスを考慮して決定されています。取締役報酬は基本報酬、賞与、譲渡制限付株式報酬で構成されており、業績連動型報酬は採用していません。また、役員退職慰労金制度は廃止され、株式取得型報酬が導入されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
社外役員 6名 34百万円 5.7百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。