【平均年収696万円】ヤマト 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収696万円】ヤマト 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

ヤマトは、建設工事業を主軸に、建築・土木、空調・衛生、電気・通信、水処理プラント、冷凍・冷蔵に関する工事の設計・監理及び施工など、幅広い関連事業をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は1,161名で、直近の業績は売上高・利益ともに過去最高を更新する増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社ヤマト の有価証券報告書(2026年3月期、2025年3月21日 ~ 2026年3月20日、2026年6月15日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ヤマトは、建設工事業を主軸に、建築・土木、空調・衛生、電気・通信、水処理プラント、冷凍・冷蔵に関する工事の設計・監理及び施工を手掛けています。これらに関連する幅広い事業を展開し、グループ各社とともに多角的なサービスを提供しています。

単体従業員数は805名、連結従業員数は1,161名です。セグメントは建設工事業、商業施設運営業の2つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)(建設工事業)、ロードステーション前橋上武(商業施設運営業)などです。

なお、2026年10月21日付(予定)で、ヤマトは連結子会社である大和メンテナンスを吸収合併する予定です。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ヤマトは建設工事業を主軸とする企業グループです。安定した事業基盤のもと、従業員の定着を重視し、多様な働き方を支援する環境整備に力を入れている傾向があります。

人材を「資本」と捉え、育成と働きがい向上への投資を積極的に行っています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


平均勤続年数と平均年齢から、従業員が長く働きやすい環境であることがうかがえます。建設工事業を主とする同社グループにおいて、経験豊富な人材が多数在籍している傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 6,959,657円
平均勤続年数 15.54年
平均年齢 45.05歳
単体従業員数 805人
連結従業員数 1,161人
単体のグループ内比率 69.3%


同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、積立型の確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。この制度は当社及び連結子会社に適用されています。

確定給付企業年金制度では、給与と勤務期間に基づいた一時金または年金が支給されます。退職給付債務は37.3億円、年金資産は55.8億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは人材を「資本」と捉え、経営戦略と人材戦略の連動を進めています。ヤマトの一員であることを誇れる会社づくりを目的としています。

「社是社訓を実践する社員の育成」を原点とし、技術力とマネジメント力に優れた社員の育成に取り組んでいます。人材育成方針として、従業員の各職務に応じて求められる知識や技術を習得する機会を提供し、企業理念を実践できる人材を育成する方針です。

環境整備方針では、従業員の多様性を尊重し、能力を十分に発揮させることが企業競争力を高めるとの認識に立っています。特に女性・高齢者の活躍促進に向けた職場環境の整備を行い、ワークライフバランスを推進しています。

中期経営計画(2026年~2028年)では、組織風土づくり、事業戦略を担う人材の確保、ウェルビーイングで長く安心して働ける環境の整備やD&Iの推進、チームマネジメントに取り組む方針です。建設業における熟練技能者の高齢化や新規入職者の減少といった人的リスクに対応するため、長く安心して働ける環境整備を進めています。

具体的な取り組みとして、育児休業・介護休業の拡充や採用時の年次有給休暇の付与など福利厚生制度の充実を図っています。社内イントラネットに福利厚生特設ページを設け、男性の育児休業推奨や管理職向けマネジメント研修の紹介を行っています。また、産業保健師を雇用し、従業員の健康管理を強化しています。

イノベーションを起こす人材教育として、技術力強化への投資に加え、管理職マネジメント研修への積極的な投資を推進しています。コンプライアンスの更なる強化のため、定期的なコンプライアンス研修のほか、ハラスメント研修や経験採用者研修を実施しています。ダイバーシティへの取り組み推進として、女性活躍研修や座談会を通じて女性の活躍を後押ししています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データを示します。連結子会社は公表義務の対象外のため、記載を省略しています。労働者の男女の賃金の差異は、平均勤続年数や職種区分等の人数構成の差により生じています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 5.1%
男性労働者の育児休業取得率 70.6%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 76.3%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 77.5%
労働者の男女の賃金の差異(非正規雇用労働者) 70.2%

人材育成


当社単独の指標及び目標です。

指標 数値
新入社員研修日数 240日
管理職・リーダー・女性活躍研修受講人数 162人

環境整備


当社単独の指標及び目標です。

指標 数値
男性育児休業取得率 70.6%
女性育児休業取得率 100%
健康診断受診率 100%
ストレスチェック受検率 92%

D&Iの推進


当社単独の指標及び目標です。

指標 数値
女性管理職 5.1%
障がい者雇用率 2.58%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、建設工事業を主軸に、商業施設運営業も展開しています。事業の大部分を建設工事業が占めており、多岐にわたる建設工事の設計・監理および施工を通じて収益を上げています。海外での売上高はなく、特定の顧客への収益集中も見られません。

建設工事業

建築・土木、空調・衛生、電気・通信、水処理プラント、冷凍・冷蔵に関する工事の設計・監理及び施工、並びにこれらに関連する事業を行っています。収益は、これらの建設工事や設備等のメンテナンス、物品等の販売から得ています。前期に比べて売上高は増加しています。

商業施設運営業

商業施設の運営及びそれに伴う物品の販売等に関する事業を行っています。収益は、主に連結子会社であるロードステーション前橋上武が運営する「道の駅まえばし赤城」に基づくものです。前期に比べて売上高は増加しています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
建設工事業 526億円 537億円
商業施設運営業 5.3億円 5.9億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


直近5期間の業績推移を見ると、同社グループの売上高は増加傾向にあり、特に当期は過去最高を連続して更新しています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、直近2期で大きく伸びており、当期は連続して最高益を達成しました。これは、収益性を重視した方針が寄与した結果と説明されています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 456億円 445億円 483億円 532億円 543億円
経常利益 39.0億円 25.2億円 23.3億円 52.8億円 61.2億円
経常利益率 8.6% 5.7% 4.8% 9.9% 11.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 27.6億円 18.7億円 14.8億円 39.3億円 45.9億円
1株当たり当期純利益(円) 107.47 72.86 58.65 158.26 197.52

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、同社グループの生産性が向上している傾向が見られます。同様に、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、組織全体の収益を上げる力が強まっていることがうかがえます。これらの指標の改善は、効率的な事業運営や収益性の高い案件への注力が進んでいることを示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 46.4百万円 46.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.2百万円 4.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動で得た資金を将来に向けた投資に充てている段階にあることを示しています。現在の財務基盤と資金の流れから、同社グループの安定性と成長への取り組みを読み解きます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループは、高い自己資本比率とROEを維持しており、強固な財務基盤を築いていることがうかがえます。これは、事業の安定性を示す指標の一つです。手元資金は前期から減少していますが、事業活動を支える資金は確保されています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 412億円 429億円
自己資本比率 69.9% 69.2%
ROE(自己資本利益率) 10.0% 10.9%
現金及び預金 115億円 83.5億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローはプラスとなっています。これは主に税金等調整前当期純利益によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュフローは有形固定資産の取得による支出が主な要因となり、支出超過となっています。この結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなりました。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いと自己株式の取得といった株主還元策により支出超過となっています。同社グループは事業で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てつつ、株主還元も行っている状況です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 45.3億円 13.9億円
投資CF △6.4億円 △20.3億円
財務CF △11.7億円 △25.7億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 38.9億円 △6.5億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、建設工事業を主力としており、民間企業の設備投資の減少や公共投資の削減といった建設業界の市場環境の変化が業績に影響を与える可能性があります。このリスクに対応するため、ニーズの変化を捉え、リニューアルやリノベーション分野への戦略的投入で安定的な受注確保に取り組んでいます。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、定年退職者の増加や新規採用者の減少、時間外労働の上限規制適用による総労働時間の減少により、施工能力が縮小し業績に影響を与える可能性があると認識しています。これに対し、設備施工の工業化や現場管理業務の集約化、定年延長などの環境整備を進めています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ヤマトは、常にお客様価値を高める製品・サービスの提供を追求し、地域社会の発展に貢献することを基本理念としています。サステナビリティを経営の重要課題と捉え、事業活動全体で社会課題解決に取り組む企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、常にお客様価値を高めた製品・サービスの提供を追求し、業界最高の「技術とものづくり」の力を高めることを基本理念に掲げています。そして、地域社会の発展に貢献することを目指しています。

2035年の長期ビジョンには、『建設プロダクトで、未来を築く』を定めています。社会課題に先回りして取り組み、価値創造を加速することで、建設工業化のリーディングカンパニーを目指す姿としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、創業以来、誠心誠意の対応と創意工夫、そして優秀な技術によって社会課題に真摯に向き合ってきました。この基本姿勢はサステナブル経営として息づいています。経営理念と経営ビジョンのもと、事業を通してESG問題に積極的に取り組み、持続可能な社会づくりの実現を目指しています。

人材を「資本」と捉え、「社是社訓を実践する社員の育成」に取り組む人的資本経営を推進しています。従業員の多様性を尊重し、能力を十分に発揮させることが企業競争力を高めるとの認識に立っています。特に女性や高齢者の活躍促進に向けた職場環境の整備を行い、ワークライフバランスを推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、建設業界における資機材価格の高騰や労働者不足、技能労働者の高齢化、現場労働者数の減少といった課題に直面しています。これらの状況のもと、長期ビジョンの実現に向けた「投資フェーズ」として中期経営計画を策定しました。

重点施策として、建設プロダクトの深化による工業化推進、人的資本投資の推進と組織体制の整備、DXによる生産性向上に取り組んでいます。また、グリーンイノベーションの推進、地域・社会の発展、コーポレートガバナンスの徹底をESG経営の推進として掲げています。ウェルビーイングで長く安心して働ける環境整備、イノベーションを起こす人材教育と学び直し、全員参加によるコンプライアンス強化、ダイバーシティへの取り組み推進も行っています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ヤマトは監査役制度を採用しており、取締役会と監査役会が経営を監督する体制を構築しています。また、経営の効率化と迅速化を図るため、執行役員制度を導入しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ヤマトの筆頭株主はヤマト社員持株会であり、従業員による株式保有が進んでいます。上位株主には日本マスタートラスト信託銀行(信託口)や群馬銀行といった金融機関、および事業会社が名を連ねています。特定の個人や創業家が上位を占めるのではなく、幅広いステークホルダーによって支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
ヤマト社員持株会 6.50%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 5.78%
群馬銀行 4.92%
東和銀行 4.78%
三晃空調 4.47%


なお、前事業年度末において主要株主であったUGSアセットマネジメントは、2025年7月23日付で主要株主でなくなっています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は13名(男性12名・女性1名)で構成され、女性役員比率は7.7%です。
代表取締役社長執行役員最高経営責任者(CEO)は町田豊氏が務めています。社外取締役比率は30.0%です。

氏名 役職 主な経歴
町 田 豊 代表取締役社長執行役員最高経営責任者(CEO) 1975年3月同社入社。2009年6月同社取締役。2016年6月同社代表取締役社長執行役員、業務執行最高責任者。2026年3月同社最高経営責任者(CEO)より現職。
吉 井 誠 取締役副社長執行役員事業本部・グループ会社担当 1972年3月同社入社。2005年6月同社取締役。2021年3月同社副社長執行役員。2026年3月同社事業本部・グループ会社担当より現職。
片 沼 聡 取締役専務執行役員首都圏事業部長 1987年2月同社入社。2015年6月同社取締役。2022年6月同社専務執行役員。2024年6月同社首都圏事業部長より現職。
木 村 哲 夫 取締役専務執行役員設計本部・技術本部・購買本部担当 1987年4月同社入社。2015年3月同社執行役員技術本部長。2023年6月同社取締役。2026年3月同社設計本部・技術本部・購買本部担当より現職。
佐 藤 邦 昭 取締役専務執行役員事業本部長、兼冷熱部長 1988年4月同社入社。2020年3月同社執行役員、冷熱部長。2023年6月同社取締役。2026年3月同社事業本部長より現職。
藤 井 政 宏 取締役常務執行役員管理本部長 1987年4月群馬銀行入行。2019年6月同社取締役、執行役員、管理本部長。2025年4月同社常務執行役員より現職。
鳥 居 博 恭 取締役常務執行役員エンジニアリング事業部長、兼企業連携プロジェクトリーダー 2001年5月同社入社。2015年3月同社執行役員企画推進部長。2019年6月同社取締役。2026年3月同社常務執行役員、企業連携プロジェクトリーダーより現職。


社外取締役は、石田哲博氏(元エフエム群馬代表取締役社長)、河本榮一氏(河本工業取締役会長)、江頭幸代氏(関東学院大学教授・副学長)です。

同社は監査役会設置会社であり、監査役会は3名で構成され、うち2名が社外監査役です。社外取締役は経営全般への助言を通じて、社外監査役は客観的な立場から経営の監督機能を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ヤマトの取締役(社外取締役を除く)の報酬は、固定報酬、賞与、および譲渡制限付株式報酬で構成されています。社外取締役と監査役の報酬は固定報酬のみです。報酬の決定にあたっては、社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会が答申を行い、客観性と透明性を確保しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 7名 1.1億円 15.1百万円
監査役(社外除く) 1名 9百万円 9.3百万円
社外取締役 3名 11百万円 3.7百万円
社外監査役 2名 7百万円 3.5百万円


なお、退職慰労金は当事業年度に役員退職慰労引当金繰入額として費用処理した金額です。非金銭報酬等は、譲渡制限付株式報酬制度に基づき当事業年度に費用処理した金額です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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