【平均年収500万円】秋川牧園 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収500万円】秋川牧園 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

秋川牧園は、グループ各社とともに、農薬や化学物質に頼らない安全な食品の生産から販売までを一貫して展開しています。直近の業績は売上高が増加し経常利益も増益となりましたが、純利益は減少しました。


目次

※本記事は、株式会社秋川牧園 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


秋川牧園グループは、農薬・化学肥料・抗生物質等の薬物・化学添加物に頼らない安全な食肉、加工食品、鶏卵、牛乳、一般食品等の食品事業を展開しています。連結子会社6社や協力農場とともに、安全な食品の生産から販売までを一貫して手掛けています。

単体従業員数は273名、連結従業員数は348名です。セグメントは生産卸売事業、直販事業の2つです。

主な国内グループ会社は、菊川農場(若鶏の生産)、チキン食品(生鳥の処理)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


秋川牧園は、持続可能な社会への貢献を目指し、食と農業の分野で事業を展開しています。同社グループでは、多様な人材の個性と主体性を尊重し、一人ひとりが活き活きと働ける環境づくりに注力しています。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社グループの職場環境の傾向を読み解きます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


秋川牧園では、平均勤続年数が比較的長く、従業員が長期的にキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が中心となって事業を支えていることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 5,002,000円
平均勤続年数 13.5年
平均年齢 43.3歳
単体従業員数 273人
連結従業員数 348人
単体のグループ内比率 78.4%


同社グループは、従業員の退職給付制度として確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。この制度は同社および連結子会社に適用されます。
退職一時金制度があり、給与と勤務期間に基づいて一時金が支給されます。
なお、退職給付に係る負債の期末残高は357百万円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


秋川牧園は、多様な人材の個性と主体性を尊重し、一人ひとりが活き活きと働ける会社づくりを持続的成長の原動力と位置付けています。人材戦略の基本方針として、「成長環境・モチベーション環境の優れた会社」「事業が成長するための人材豊富な会社」「その人材がしっかりと活きる会社」を目指しています。
報酬制度については、社員に求める役割・能力を明確にし、人事制度に基づく成果に応じた報酬体系を採用しています。優秀な人材の確保・定着と従業員のモチベーション向上のため、新卒初任給の引き上げや給与水準の継続的な引き上げを実施し、生産性向上を給与に還元する方針です。
具体的な取り組みとして、女性社員の活用強化、外国人や知的障がい者の積極的な採用と働きやすい環境づくり、人材育成を推進しています。エンゲージメント及び社員満足度の向上、チャレンジしやすい環境づくり、採用力の強化、人材マネジメントの強化を重点テーマとしています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、記載を省略しています。男性労働者の育児休業取得率は、本記事では取得できていません。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 15.4%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 61.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 85.6%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 107.2%

グループ全体(連結)


女性管理職比率は課長職相当以上を対象として算出されています。

指標 数値
女性管理職比率 15.2%
男女間賃金格差 61.1%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


秋川牧園グループは、農薬や化学肥料、抗生物質などの薬物や化学添加物に頼らない安全な食品の生産と販売を通じて事業を展開しています。食肉、加工食品、鶏卵、牛乳といった製品を、生産から直接消費者に届けるまで一貫して手掛けています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、安全な食品の提供を核として、生産から販売までを一貫して行うビジネスモデルを構築しています。主要な収益源は、生協や量販店などへの卸売を行う「生産卸売事業」と、個人の会員に直接販売する「直販事業」の二つのセグメントから成り立っています。特定の顧客への収益集中も見られ、グリーンコープ生活協同組合連合会と生活クラブ事業連合生活協同組合連合会が主要な販売先となっています。

生産卸売事業

食肉、加工食品、鶏卵、牛乳などが主要な製品です。㈲菊川農場や㈱チキン食品、秋川牧園(常州)農業有限公司が食肉・加工食品の生産・加工を、㈲篠目三谷が鶏卵の生産を、㈲むつみ牧場が牛乳の生産を担い、同社が製品化して販売しています。収益は、生協、量販店、小売店等への販売から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から増加しています。

直販事業

生産卸売事業で製造された製品や、外部から仕入れた商品を個人の会員に直接販売しています。収益は、会員への直接販売から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
生産卸売 62.7億円 66.2億円
直販 16.9億円 16.6億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5期にわたり増加傾向を示しています。経常利益は変動が見られるものの、直近の当連結会計年度では大幅な増益となりました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度において減損損失を計上した影響もあり、前期から減少しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 66.4億円 70.7億円 73.9億円 79.6億円 82.8億円
経常利益 2.4億円 2.4億円 1.5億円 52百万円 1.9億円
経常利益率 3.6% 3.4% 2.1% 0.6% 2.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 1.6億円 1.6億円 98百万円 28百万円 22百万円
1株当たり当期純利益(円) 38.27 37.43 23.58 6.76 5.23

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から微減となりました。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期の営業損失から当期はプラスに転じており、生産性の改善が見られます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 24.0百万円 23.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △0.0百万円 0.4百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、安定した財務基盤を維持しながら事業活動を行っています。本業で得た資金を投資に回し、将来の成長に向けた取り組みを進めている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は前期からわずかに増加し、31.2%となっています。これはプライム市場の非製造業平均と比較すると高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は1.0%であり、前期から減少しています。

手元資金を示す現金及び預金は9.0億円で、前期から減少しています。これらの財務状況は、同社グループが安定した経営を継続するための基盤を構築していることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 21.9億円 21.8億円
自己資本比率 30.6% 31.2%
ROE(自己資本利益率) 1.3% 1.0%
現金及び預金 9.7億円 9.0億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローは6.4億円のプラスとなり、本業で安定的に資金を獲得している状況です。これは主に税金等調整前当期純利益、減価償却費、減損損失、仕入債務の増加によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△3.8億円のマイナスとなっており、有形固定資産の取得による支出が主な要因です。

財務活動によるキャッシュフローは△3.3億円のマイナスで、社債の発行による収入があったものの、長期借入金の返済による支出が上回っています。フリーキャッシュフローは2.6億円のプラスであり、本業で得た資金が投資を上回っている優良な状態を示しています。この資金の流れは、同社グループが事業の安定性を保ちつつ、将来に向けた投資も行える財務体質であることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 7.3億円 6.4億円
投資CF △4.5億円 △3.8億円
財務CF △4百万円 △3.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 2.7億円 2.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、飼料原料価格の変動リスクを抱えています。作況や為替変動、世界的な需要動向により価格が高騰した場合、製品価格への転嫁が必要となる可能性があります。

また、生活協同組合に対する売上構成比が高い状況にあります。特にグリーンコープ生活協同組合連合会及び生活クラブ事業連合生活協同組合連合会への依存度が高く、これらの取引先の業績が同社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


秋川牧園は、食の安心・安全を追求し、持続可能で豊かな社会の実現を目指す企業です。一人ひとりの主体性を尊重し、活力あふれる組織づくりを重視する企業風土が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは1970年代から食の安心・安全に先駆的に取り組み、持続可能で真に豊かな社会への変革に貢献することを目指しています。理想の農業を追求し、一人ひとりの主体性を起点として活力溢れる会社をつくることを企業理念として掲げています。食の健康と安全を大切にする消費者にとってのNO.1ブランドを目指し、価値創造に積極的に取り組むことを経営の基本方針としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、持続可能で真に豊かな社会への変革に貢献し、理想の農業を追求し、一人ひとりの主体性を起点として活力溢れる会社をつくるという3つの価値観を大切にしています。創業以来、農薬など化学物質に依存しない食づくりや、地域循環型で自然と共生する農業のモデルづくりに取り組んできました。多様な人財の個性と主体性を尊重し、その特徴を活かし、一人ひとりが活き活きと働くことのできる会社づくりを持続的な成長の原動力と考えています。

人財戦略の基本方針として、「成長環境・モチベーション環境の優れた会社」「事業が成長するための人財豊富な会社」「その人財がしっかりと活きる会社」を目指しています。サステナビリティに関する取り組みを全社で横断する「サステナビリティ推進委員会」を設置し、代表取締役社長を委員長とする体制で活動を進めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、人手不足と円安傾向によるコスト上昇という厳しい事業環境の中で、持続的な成長に向けて様々な課題に取り組んでいます。中期経営計画の基本戦略として、人財力の強化を掲げています。具体的には、社員が安心してチャレンジできる環境づくり、人財マネジメントの強化、社員満足度の向上、人事部門の強化を進めています。

また、秋川牧園の食をより多くの方に届けるためのファン化戦略や、品質管理・生産管理を強化し「食の信頼」を守り続ける取り組みも重点テーマです。サステナビリティ推進委員会を設置し、脱炭素、脱プラ、地域連携の強化など、総合的な取り組みを全社的に進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


秋川牧園では、取締役会と監査役会を適切に活用し、経営の健全化と透明性向上を図ることを基本的な考え方としています。社外取締役を選任することで、経営監視機能と業務執行監督の客観性・中立性を高める体制を採用しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


秋川牧園の株主構成を見ると、創業家である秋川氏が筆頭株主として名を連ねています。また、秋川牧園職員持株会も上位株主として存在しており、創業家や同社グループの関係者が経営を支える体制であることがうかがえます。

株主名 持株比率
秋川 正 21.5%
秋川 實 10.4%
秋川牧園職員持株会 6.4%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長は秋川正氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
秋川 正 代表取締役 社長 1989年4月同社入社、取締役。2005年6月より同社代表取締役社長。2009年3月より㈱ゆめファーム代表取締役社長。2024年3月より秋川牧園(常州)農業有限公司董事長より現職。
田村 次郎 取締役 生産部長 1983年4月山口トヨペット株式会社入社。1988年9月同社入社。2006年4月より同社取締役生産部長。2010年5月より㈲篠目三谷代表取締役社長より現職。
河村 洋亮 取締役 製造部長 1995年4月同社入社。2015年5月同社製造部長。2024年6月より同社取締役製造部長。2026年4月より㈱チキン食品代表取締役社長より現職。
原田 良人 取締役 経営管理部長 1999年12月同社入社。2014年5月同社経営管理部長。2024年6月より同社取締役経営管理部長より現職。


社外取締役は、内田恭彦氏(龍谷大学政策学部教授)、小野典子氏(㈱アデリー代表取締役社長)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を通じて経営の健全化と透明性向上を図っています。社外取締役は経営監視機能と業務執行監督の客観性・中立性を高める役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


秋川牧園の取締役の報酬は、基本報酬、業績連動報酬、退職慰労金で構成されています。社外取締役については、その職務に鑑み、基本報酬と退職慰労金が支払われます。業績連動報酬は、一般社員への賞与の支給月数と連動させることで、事業年度ごとの業績向上に対する意識を高めることを目的としています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 28百万円 6.9百万円
社外役員 5名 10百万円 2.1百万円


役員報酬の総額は38百万円であり、対象となる役員は合計9名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。