※本記事は、オーミケンシ株式会社 の有価証券報告書(2025年3月期、2024年4月1日 ~ 2025年3月31日、2025年6月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
オーミケンシは、繊維製品の加工・販売、不動産事業、食品事業、その他のサービス事業を展開しています。同社グループは、オーミケンシと5社の子会社、1社の関連会社で構成されています。
単体従業員数は48名、連結従業員数は83名です。セグメントは繊維、不動産、食品、その他の4つです。
主な国内グループ会社は、オーミケンシソリューション(不動産・その他)、宇美フーズ(食品)などです。
同社グループは、固定資産の売却や事業撤退損の計上など、事業再構築に向けた動きが見られます。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
オーミケンシは、繊維、不動産、食品といった多岐にわたる事業を展開しています。同社グループは、地球環境に配慮した製品開発に注力しており、サステナビリティを重視する企業文化が特徴です。このような事業特性の中で、従業員がどのような環境で働き、どのような報酬を得ているのかを見ていきます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
オーミケンシでは、従業員の平均勤続年数が長く、比較的安定した環境でキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も中堅層が中心となっており、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,256,460円 |
| 平均勤続年数 | 18.6年 |
| 平均年齢 | 45.8歳 |
| 単体従業員数 | 48人 |
| 連結従業員数 | 83人 |
| 単体のグループ内比率 | 57.8% |
オーミケンシは、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型の退職一時金制度を採用しています。これは、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度です。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
オーミケンシは、「働きがいのある会社づくり」を目標に掲げ、人材の育成と安全・安心な職場づくりに注力しています。社員一人ひとりが自律的にキャリアを形成し、能力を発揮できるよう、必要なスキル習得とキャリア目標達成への努力を支援する方針です。
具体的には、育児・介護制度の充実によるワークライフバランスの推進、eラーニングを含む各種研修の充実、ハラスメント防止策に取り組んでいます。また、従業員の心身の健康を経営資源と捉え、健康経営を推進しており、「2025年 健康経営優良法人」にも認定されています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 4.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 66.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 71.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 106.9% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合(目標) | 8.0% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率(目標) | 50.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
オーミケンシは、繊維製品の加工・販売を主軸に、不動産事業、食品事業、その他のサービス事業を展開する企業グループです。多角的な事業ポートフォリオを通じて収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、繊維、不動産、食品、その他の事業セグメントで構成されています。各セグメントはそれぞれ異なる事業内容と収益モデルを持っています。直近の業績では、繊維セグメントと不動産セグメントが同社グループの収益の大部分を占めており、特に繊維セグメントが最も大きな割合を占めています。
繊維
同社はレーヨン綿、紡績糸、編織物といった繊維製品の加工および販売を行っています。収益は、これらの繊維製品の加工・販売、および繊維原料・繊維製品の卸売販売から得ています。運営は、同社および連結子会社である近絹(上海)商貿有限公司が行っており、直近では前期から収益が増加しています。
不動産
同社は不動産の賃貸および販売を手がけています。収益は、不動産の賃貸や販売から得ています。運営は、同社および連結子会社であるオーミケンシソリューションが行っており、直近では前期から収益が増加しています。
食品
連結子会社である宇美フーズが食料品等の製造および加工を行い、同社がそれらの販売を行っています。収益は、食料品の製造・加工および販売から得ています。直近では前期から収益が大きく増加しています。
その他の事業セグメント
連結子会社であるオーミケンシソリューションが電子機器等の仕入れおよびソフトウェアの開発を行い、同社がそれらの販売を行っています。収益は、電子機器等の仕入れ・販売、およびソフトウェアの開発・販売から得ています。直近では前期から収益が増加しています。
同社グループの売上高は日本国内が大部分を占めていますが、その他の地域からの売上も存在し、前期から増加傾向にあります。また、特定の顧客である株式会社ピラミッドへの売上が繊維セグメントにおいて一定の割合を占めています。
| セグメント | 売上高(2024年3月期) | 売上高(2025年3月期) |
|---|---|---|
| 繊維 | 14.8億円 | 16.9億円 |
| 不動産 | 11.2億円 | 12.4億円 |
| その他の事業セグメント | 3.2億円 | 3.4億円 |
| 食品 | 1.1億円 | 1.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動がありながらも、直近の連結会計年度では前期から増加に転じています。経常利益は直近の連結会計年度で黒字を確保し、親会社株主に帰属する当期純利益も前期の損失から黒字へと大きく改善しました。
この純利益の改善には、固定資産売却益の計上が寄与しています。一方で、減損損失や事業撤退損も計上されています。営業活動によるキャッシュ・フローは資金の減少を示していますが、前連結会計年度と比較すると減少幅は縮小しています。
| 項目 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 67.9億円 | 39.8億円 | 31.2億円 | 30.3億円 | 34.1億円 |
| 経常利益 | △3.5億円 | 31百万円 | 21百万円 | △44百万円 | 6百万円 |
| 経常利益率 | △5.2% | 0.8% | 0.7% | △1.5% | 0.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 10.4億円 | △3.8億円 | △11.1億円 | △24.2億円 | 3.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 157.75 | △56.90 | △168.94 | △366.52 | 45.61 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、従業員1人あたり営業利益も前期の損失から黒字へと転換し、改善傾向を示しています。これらの指標は、同社グループの生産性が向上していることを示唆しています。
組織全体の効率化が進んでいる状況がうかがえ、今後の事業活動における収益体質の強化に繋がる可能性があります。
| 指標 | 2024年3月期(前期) | 2025年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 36.9百万円 | 41.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △0.8百万円 | 2.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、本業の資金創出力に課題が見られるものの、資産売却による資金確保により、全体的な資金の動きは改善傾向にあります。現在の財務基盤と資金の流れを把握することは、入社後の安定性を判断する上で重要な情報となります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は、プライム市場の製造業平均や非製造業平均と比較して低い水準にあります。しかし、ROE(自己資本利益率)は当期に改善し、プライム市場平均を上回る水準となりました。手元資金である現金及び預金は増加傾向にあり、財務の健全性向上に向けた取り組みが見られます。これらの財務指標は、入社後の雇用や給与の安定性を検討する上で重要な要素となります。
| 指標 | 2024年3月期(前期) | 2025年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 16.1億円 | 19.2億円 |
| 自己資本比率 | 8.9% | 12.1% |
| ROE(自己資本利益率) | -116.0% | 17.0% |
| 現金及び預金 | 7.4億円 | 9.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、事業撤退損の支払いが多額であったため、当期も資金の減少となりました。しかし、前期と比較すると減少幅は縮小しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の売却による収入が大きく、資金の増加となりました。これにより、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはプラスに転じています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や短期借入金の純減により資金が減少しており、借入金の圧縮を進めている状況です。これらの資金の流れは、同社グループが財務体質の改善と事業再構築を進めていることを示しており、今後の雇用や給与の安定性にも影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2024年3月期(前期) | 2025年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △14.0億円 | △5.2億円 |
| 投資CF | 2.9億円 | 33.9億円 |
| 財務CF | 3.0億円 | △26.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △11.2億円 | 28.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社グループは、営業キャッシュフローのマイナスが連続していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在していると認識しています。しかし、事業撤退のフェーズはほぼ終了し、翌連結会計年度からは事業撤退損の支払いが減少する見込みです。また、取引金融機関との関係維持や担保供出により、財務面での安全性は確保されており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断されています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、事業用の土地を多く保有しており、不動産の賃貸契約の解約による収益性の低下や地価下落による減損損失が業績に影響を与える可能性があります。また、不動産収益を基盤とする安定した収益構造を維持拡大しながら、事業再構築に取り組んでおり、その進捗によっては財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
オーミケンシは、「人と地球と暮らしへの優しさ」を追求し、環境配慮型の事業構造を構築することを目指しています。素材メーカーとして培った技術を活かし、持続可能な社会の実現に貢献する企業風土を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
オーミケンシは、「人と地球と暮らしへの優しさの追求」を企業理念として掲げています。環境配慮型の事業構造を構築し、環境を守る企業としての存在感を確立することを目指しています。
素材メーカーとして培った技術を活かし、素材から製品まで心のゆとりと豊かさを提案することで、収益性と企業価値の向上を図っています。地球環境にやさしい生分解性を持つセルロースを中心とした製品販売・開発を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。脱炭素社会の実現をイノベーションで切り拓く企業として、環境負荷低減や地球温暖化抑制のための技術開発にも注力しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
オーミケンシは、「人と地球と暮らしへのやさしさを追求」という企業理念に基づき、環境配慮型の事業活動を推進する企業風土を大切にしています。地球環境にやさしいセルロース素材の開発を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
全社横断型の「サステナビリティ推進委員会」を設置し、社員一人ひとりが社会課題の解決に貢献する意識と行動を重視しています。また、「働きがいのある会社づくり」を目指し、社員が自律的にキャリアを形成し、能力を発揮できる職場環境づくりに取り組んでいます。従業員の心身の健康を経営資源と捉え、健康経営を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
オーミケンシは、環境配慮型企業としての地位確立を重要な経営課題としています。企業理念に基づいた環境配慮型生産技術の開発に継続して取り組んでいます。
次世代を担う技術開発の早急な具現化を目指し、新たな事業の柱を構築できるように注力しています。また、加古川工場跡地の不動産開発においては、収益最大化だけでなく地域社会への貢献も考慮した有効活用を推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
オーミケンシは監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の監督機能を担っています。社外取締役と社外監査役が経営の透明性と客観性を高める体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
オーミケンシの筆頭株主は東洋商事であり、事業会社が主要な株主となっています。その他、複数の個人株主も上位に名を連ねる資本構成です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 東洋商事 | 29.92% |
| 龍寶 裕子 | 7.60% |
| 丸山 三千夫 | 3.91% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は髙口彰氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 髙口 彰 | 取締役社長 (代表取締役) | 1989年4月同社入社、2014年6月取締役就任、2022年6月代表取締役社長就任より現職。 |
| 大野 泰由 | 取締役 管理部長 | 1986年4月同社入社、2021年6月管理部長、2022年6月取締役就任より現職。 |
社外取締役は、廣田直人氏(シンプレクス・ホールディングス社外取締役(監査等委員))、竹前賢氏(経営コンサルタント)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会は社外取締役2名を含む4名の取締役で構成されています。監査役会は社外監査役2名を含む3名の監査役からなり、取締役の職務執行を監査しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬、退職慰労金で構成されています。社外役員は基本報酬と退職慰労金のみが支給されます。取締役の報酬は基本報酬・退職慰労金が概ね85~90%、業績連動報酬が概ね10~15%となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 20百万円 | 6.7百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.0百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 16百万円 | 3.2百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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