UNIVA・Oakホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

UNIVA・Oakホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証スタンダード市場に上場し、再生可能エネルギーやビューティー&ヘルスケア、成長支援事業等を展開する持株会社です。直近の決算では、主力の再生可能エネルギー事業等の減収により売上高が大幅に減少し、営業損失および経常損失を計上するなど、厳しい業績状況が続いています。


※本記事は、株式会社UNIVA・Oakホールディングス の有価証券報告書(第164期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. UNIVA・Oakホールディングスってどんな会社?


再生可能エネルギー、美容・健康、金融・投資、デジタルマーケティングなど多角的な事業を展開する企業グループです。

(1) 会社概要


1868年に平田漁網商店として創業し、1918年に平田紡績を設立しました。2001年に投資事業へ進出し、2006年にOakキャピタルへ改称、2023年には現在のUNIVA・Oakホールディングスへ商号変更しています。近年では、2019年に証券事業へ進出し、2022年以降はデジタルマーケティングやビューティー&ヘルス事業の子会社化を進めるなど、事業ポートフォリオの多角化を推進しています。

2025年3月31日現在、グループ全体の従業員数は110名(単体4名)です。大株主構成は、筆頭株主がグループ会社のファイナンス企業で、第2位も同様にグループのアセットマネジメント企業となっており、UNIVAグループが上位を占めています。第3位には常任代理人を通じた海外法人名義の口座が名を連ねています。

氏名 持株比率
ユニヴァ・キャピタル・ファイナンス 16.30%
ユニヴァ・アセット・マネジメント 8.71%
NSL DTT CLIENT ACCOUNT 1 8.62%

(2) 経営陣


同社の役員は男性4名、女性2名の計6名で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役会長兼社長グループCEO兼グループCOOは稲葉秀二氏です。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
稲葉 秀二 代表取締役会長兼社長グループCEO兼グループCOO 1985年リクルート入社。UNIVA CAPITAL Group会長兼CEO等を経て、2022年より同社代表取締役会長兼社長グループCEO、2025年4月より現職。
宗雪 敏明 常務取締役 1984年三井物産入社。同社プロジェクト本部統括等を経て、2021年同社常務執行役員。2025年4月より同社常務取締役、UNIVA証券取締役。
作田 陽介 取締役グループCFO 2004年税理士登録。STC国際税務会計事務所代表等を経て、2021年同社常勤監査役。2024年より同社取締役グループCFO。


社外取締役は、清水聡子(清水聡子税理士事務所代表)、坂井眞(坂井眞法律事務所代表)、上野園美(シリウス総合法律事務所サブパートナー)です。

2. 事業内容


同社グループは、「再生可能エネルギー」、「ビューティー&ヘルスケア」、「成長支援」、「デジタルマーケティング」および「その他」事業を展開しています。

再生可能エネルギー

太陽光発電設備の企画、販売、施工からメンテナンスまでを一貫して提供しています。特に垂直型両面太陽光発電設備を主軸とし、脱炭素社会の実現に向けたサービスを展開しています。自治体や民間企業への導入提案を行っています。

収益は、顧客への太陽光発電設備の販売代金や保守サービス料等から得ています。運営は主に株式会社ノースエナジーおよび株式会社ユニヴァ・エナジーが行っています。

ビューティー&ヘルスケア

美容・健康関連商品の企画・販売を行っています。「KOMBUCHA CLEANSE®」などの商品を一般消費者向けに提供し、機能性表示食品市場にも進出しています。ECサイトを通じた販売が中心です。

収益は、一般消費者からの商品購入代金から得ています。運営は主に株式会社ユニヴァ・フュージョンが行っています。

成長支援

コーポレート・ファイナンスとM&A仲介を中心に、企業の経営課題解決と持続的成長を支援しています。未公開企業の増資引受けや資金調達の仲介、上場企業へのファイナンス支援などを行っています。

収益は、顧客企業からの手数料収入や投資収益等から得ています。運営は主に同社およびスターリング証券株式会社(現 株式会社UNIVA証券)が行っています。

デジタルマーケティング

デジタルマーケティング支援を目的としたツールベンダー事業を展開しています。SEO管理ツールやEFO(入力フォーム最適化)ツールなどのサービスを提供し、企業のマーケティング活動を支援しています。

収益は、ツール利用者からの利用料等から得ています。運営は主に株式会社ユニヴァ・ジャイロンが行っています。

その他

上記報告セグメントに含まれない事業として、コミュニティFM放送局の運営や、シェアードサービス事業などを展開しています。

収益は、広告収入や受託業務の手数料等から得ています。運営は主に軽井沢エフエム放送株式会社および株式会社ユニヴァ・ライゾーマが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


過去5期間の業績を見ると、売上高は変動が大きく、直近では減少傾向にあります。利益面では、経常損失および当期純損失が継続しており、厳しい経営状況が続いています。特に直近2期は損失計上が続いており、収益性の改善が課題となっています。

項目 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
売上高 55.3億円 26.1億円 20.5億円 50.4億円 28.8億円
経常利益 -7.8億円 -9.7億円 -5.8億円 -9.3億円 -9.9億円
利益率(%) -14.1% -37.1% -28.4% -18.5% -34.2%
当期利益(親会社所有者帰属) -9.5億円 -16.6億円 -6.9億円 -14.3億円 -7.4億円

(2) 損益計算書


直近2期間の損益構成を見ると、売上高の大幅な減少に伴い売上総利益も縮小しています。営業損失は継続していますが、赤字幅は縮小しました。売上総利益率は上昇していますが、依然として販売費及び一般管理費の負担が重く、営業段階での黒字化には至っていません。

項目 2024年3月期 2025年3月期
売上高 50.4億円 28.8億円
売上総利益 27.0億円 15.0億円
売上総利益率(%) 53.7% 52.2%
営業利益 -12.5億円 -7.2億円
営業利益率(%) -24.8% -25.1%


販売費及び一般管理費のうち、従業員給料及び賞与が5.3億円(構成比24%)、販売促進費が4.2億円(同19%)を占めています。

(3) セグメント収益


各セグメントの状況を見ると、再生可能エネルギー事業とビューティー&ヘルスケア事業が売上の中心ですが、いずれも減収となりセグメント損失を計上しています。成長支援事業も減収で赤字です。一方、デジタルマーケティング事業は増収となり、わずかながら黒字を確保しています。全体として多くのセグメントで収益性が課題となっています。

区分 売上(2024年3月期) 売上(2025年3月期) 利益(2024年3月期) 利益(2025年3月期) 利益率
再生可能エネルギー 15.7億円 11.8億円 -1.4億円 -0.4億円 -3.0%
ビューティー&ヘルスケア 27.4億円 11.6億円 -6.6億円 -4.3億円 -36.9%
成長支援 4.1億円 1.2億円 -0.6億円 -0.3億円 -28.2%
デジタルマーケティング 2.6億円 3.0億円 -0.1億円 0.0億円 0.5%
その他 0.6億円 1.2億円 0.1億円 0.1億円 9.2%
調整額 -0.8億円 -0.6億円 -3.9億円 -2.4億円 -
連結(合計) 50.4億円 28.8億円 -12.5億円 -7.2億円 -25.1%

(4) キャッシュ・フローと財務指標

項目 2024年3月期 2025年3月期
営業CF -9.5億円 -2.1億円
投資CF -0.1億円 0.8億円
財務CF 6.3億円 0.0億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は-33.2%で市場平均を下回り、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は35.6%で市場平均を下回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは「共創資本主義の実現」をコーポレートミッションとし、「Unite the Values」をスローガンに掲げています。グループ会社を支援し、ヒューマン・ナレッジ・ファイナンシャルの3つの資本を高め、シナジーを創出することで強靭なグループ形成を追求しています。また、「価値共創 〜 つなぐ。一緒に創る」を経営方針とし、グループ内外の連携によるWinの連鎖を目指しています。

(2) 企業文化


「Unite the Values」の理念に基づき、「Optimize and Activate business value through Knowledge(Oak)」を掲げています。他企業との連携やシナジーを推進し、メンバーが「NAKAMA」という共有意識の下で互いを理解し、叡智を結集することを目指しています。有機的につながることで事業の最適化と活性化という成果を生み出すことにコミットする文化を重視しています。

(3) 経営計画・目標


同社は2021年11月に策定した新経営方針において、長期的な経営目標として以下の数値を掲げています。また、2027年度を最終年度とする第2次中期経営計画において、これらの目標達成を目指しています。

* 連結売上高:250億円
* 連結純利益:20億円
* 時価総額:600億円

(4) 成長戦略と重点施策


第2次中期経営計画に基づき、従来の金融事業中心から、再生可能エネルギー、ビューティー&ヘルスケア、成長支援事業を中核とする体制へ移行しています。事業を「拡大」「拡充」させる方針のもと、多角化とグローバル化を推進しています。また、ホールディングスとしての機能強化、組織文化の再構築、人的資本経営の高度化、財務基盤の安定化を重点課題として取り組んでいます。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


「ヒト」を企業の持続的成長に必要な経営資源と位置づけ、「学ぶ組織」「共創組織」「自走する組織」を目指しています。意識改革や職場環境整備を投資と捉え、多様な人材の確保と活躍推進を進めています。専門性向上とプロフェッショナル意識の醸成、公正な評価、チャレンジ支援を通じて、社員と企業の双方が利益を得る関係構築を図っています。また、ジョブ型処遇の導入も進めています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや上回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年3月期 46.2歳 4.9年 6,467,745円


※平均年間給与は基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社および連結子会社は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の規定による公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 経済・市場動向および競合リスク

国内外の事業分野や消費者の動向が業績に影響を与える可能性があります。また、資本力や価格競争力で勝る競合他社との競争激化により劣勢に立たされた場合や、他社が優れた商品・サービスを導入した場合に、同社グループの施策が十分な効果を上げられず、業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 資金の流動性および継続企業の前提

運転資金等を借入等で賄っているため、金利上昇や金融機関の姿勢変化により資金調達環境が悪化するリスクがあります。また、営業損失等の計上が続いており、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認識されています。資金繰りの悪化や不動産売却の遅延等が生じた場合、事業運営に支障をきたす可能性があります。

(3) 新規事業の展開

第2次中期経営計画に基づき事業の多角化を進めていますが、新規事業の展開が計画通りに進まない場合や、グループに組み入れた事業が想定した収益を上げられない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。特に再生可能エネルギーやビューティー&ヘルスケア等の成長分野における不確実性がリスク要因となります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。