※本記事は、株式会社UNIVA・Oakホールディングスの有価証券報告書(第165期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月24日提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. UNIVA・Oakホールディングスってどんな会社?
再生可能エネルギーや美容関連、証券事業など多角的な事業展開とグループ内シナジーを追求する持株会社です。
■(1) 会社概要
1868年に漁網の製造販売として創業し、2006年にOakキャピタルへ商号変更しました。2019年に証券事業や再生可能エネルギー事業に参入したのち、2022年にデジタルマーケティング事業を子会社化するなど多角化を推進しました。2023年に現在のUNIVA・Oakホールディングスへと商号変更しています。
現在の同社グループは、連結従業員数116名、単体従業員数2名で事業を展開しています。筆頭株主は事業会社のユニヴァ・キャピタル・ファイナンスで、第2位はNSL DTT CLIENT ACCOUNT 1、第3位は同じく事業会社のユニヴァ・アセット・マネジメントとなっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| ユニヴァ・キャピタル・ファイナンス | 16.30% |
| NSL DTT CLIENT ACCOUNT 1 | 10.53% |
| ユニヴァ・アセット・マネジメント | 8.71% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性4名、女性2名の計6名で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役会長兼社長グループCEO兼グループCOOは稲葉秀二氏が務めており、社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 稲葉秀二 | 代表取締役会長兼社長グループCEO兼グループCOO | 1985年リクルート入社。2007年UNIVA CAPITAL Group会長兼グループCEOなどを経て、2024年より現職。 |
| 宗雪敏明 | 常務取締役 | 1984年三井物産入社。2021年同社常務執行役員経営戦略室長に就任。2022年常務取締役などを経て、2025年より現職。 |
| 作田陽介 | 取締役グループCFO | 2004年税理士登録。2021年同社常勤監査役、2024年取締役グループCFOなどを経て、2024年より現職。 |
社外取締役は、清水聡子(清水聡子税理士事務所開業・代表税理士)、上野園美(シリウス総合法律事務所・サブパートナー)、名取宏祐(元第一三共取締役・経営本部長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「再生可能エネルギー事業」「ビューティー&ヘルスケア事業」「トレーディング事業」「成長支援事業」「デジタルマーケティング事業」および「その他」事業を展開しています。
■再生可能エネルギー事業
法人向け太陽光発電設備や系統用蓄電池、底地である販売用不動産の開発・販売を行っています。脱炭素社会の実現に向け、自家消費型や垂直両面型など多様なニーズに対応した設備を提案しています。
収益源は、設備販売や設置に伴う顧客からの対価です。運営は主にノースエナジー、ユニヴァ・エナジーなどの連結子会社が行っています。
■ビューティー&ヘルスケア事業
一般消費者向けに美容や健康関連商品の企画および販売を行っています。ECサイトを通じた通信販売事業を主力とし、「KOMBUCHA CLEANSE」などの商品を提供しています。
収益源は、通信販売を通じた顧客への商品販売による対価です。運営はユニヴァ・フュージョンが行っています。
■トレーディング事業
香港製の漢方薬や健康関連商品を、中国国内の大手ECプラットフォーム向けに卸販売する事業を展開しています。取扱商品のラインナップ拡充とともに中国市場における販路拡大を推進しています。
収益源は、商品の卸販売に伴う販売先からの対価です。運営はUNIVA Hong Kong Trading Limitedが行っています。
■成長支援事業
コーポレート・ファイナンスやM&A仲介を中心に、企業の経営課題解決と持続的成長の支援に取り組んでいます。外部企業と連携したファンド事業の構築等も進めています。
収益源は、M&A仲介や資金調達支援に伴う手数料等です。運営はUNIVA証券が行っています。
■デジタルマーケティング事業
デジタルマーケティングに関する各種支援ツールなどの提供を行っています。新機能のアップデートや特許取得を通じたユーザーの利便性向上に取り組んでいます。
収益源は、ツールの提供による顧客からの利用料等です。運営はユニヴァ・ジャイロンが行っています。
■その他事業
コミュニティFM放送局の運営や、グループ内外を対象としたシェアードサービス事業、スポーツ事業などを展開しています。
収益源は放送事業のスポンサー収入や管理業務の受託料です。運営は軽井沢エフエム放送やユニヴァ・ライゾーマなどが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績を見ると、売上高は年度によって増減を繰り返していますが、経常損失を継続して計上しています。収益性の改善に向け、新規事業の立ち上げやコスト削減に取り組むものの、投資や販売促進費の増減などが影響し、利益面では厳しい状況が続いています。
| 項目 | 161期 | 162期 | 163期 | 164期 | 165期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 26億円 | 21億円 | 50億円 | 29億円 | 23億円 |
| 経常利益 | -10億円 | -6億円 | -9億円 | -10億円 | -5億円 |
| 利益率(%) | -37.1% | -28.4% | -18.5% | -34.2% | -23.5% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | -27億円 | -8億円 | -15億円 | -1億円 | -5億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は前期比で減少しており、これに伴い売上総利益も減少しています。営業利益は継続して損失を計上していますが、コスト管理の徹底により損失幅はわずかに縮小しました。
| 項目 | 164期 | 165期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 29億円 | 23億円 |
| 売上総利益 | 15億円 | 11億円 |
| 売上総利益率(%) | 52.2% | 45.8% |
| 営業利益 | -7億円 | -7億円 |
| 営業利益率(%) | -25.1% | -29.5% |
販売費及び一般管理費のうち、従業員給料及び賞与が5億円(構成比29%)、役員報酬が2億円(同11%)を占めています。売上原価については商品等の仕入に伴う費用が計上されています。
■(3) セグメント収益
再生可能エネルギー事業とビューティー&ヘルスケア事業は、新規分野での受注遅延や新規会員の獲得低調により前期から減収となりました。一方で、新たに連結対象となったトレーディング事業が売上高の底上げに寄与したほか、デジタルマーケティング事業やその他事業は堅調に推移し増収となっています。
| 区分 | 売上(164期) | 売上(165期) |
|---|---|---|
| 再生可能エネルギー事業 | 12億円 | 7億円 |
| ビューティー&ヘルスケア事業 | 12億円 | 5億円 |
| トレーディング事業 | - | 6億円 |
| 成長支援事業 | 1億円 | 1億円 |
| デジタルマーケティング事業 | 3億円 | 3億円 |
| その他事業 | 1億円 | 2億円 |
| 連結(合計) | 29億円 | 23億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
本業赤字を資産売却+借入で補填する救済型のキャッシュ・フロー状況です。企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は-39.2%で市場平均を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率も23.6%で市場平均を下回っています。
| 項目 | 164期 | 165期 |
|---|---|---|
| 営業CF | -2億円 | -9億円 |
| 投資CF | 0.8億円 | 235万円 |
| 財務CF | 338万円 | 8億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は、コーポレートミッションとして「共創資本主義の実現」を掲げています。コーポレートスローガンである「Unite the Values」の理念の下、グループ企業間はもとより、グループ外企業との連携も積極的に推進し、それぞれの企業メリットである「Win」の連鎖を生み出す、シナジー効果による「価値共創」を経営方針としています。
■(2) 企業文化
「ビジネス推進」「組織運営」「ナレッジ蓄積」という観点で、「共創」を軸にした企業文化の再構築を進めています。それぞれの企業のメンバーが“NAKAMA”という共有意識の下、互いを理解し、叡智を結集し、有機的につながることから事業の最適化、活性化という成果を生み出していくことにコミットする文化を重視しています。
■(3) 経営計画・目標
2025年5月に策定した「第2次中期経営計画」において、長期的な経営目標として以下の数値を掲げています。
* 連結売上高:250億円
* 連結純利益:20億円
* 時価総額:600億円
■(4) 成長戦略と重点施策
従来の金融事業を中心とした事業構造から、再生可能エネルギー、ビューティー&ヘルスケア、トレーディング、成長支援を中核に据える体制へと移行しています。今後は、グループ事業を横方向に広げる「拡大」と、縦方向に深掘りする「拡充」を両輪とした成長方針のもと、多角化とグローバル化をキーワードに新たな事業領域の開拓を進めていく方針です。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
企業の持続的な成長に必要な経営資源は「ヒト」であると位置づけ、「学ぶ組織」「共創組織」「自走する組織」を目指しています。事業ドメインや事業規模の拡大を見据え、女性管理職の登用や外国人の起用、多様なバックグラウンドを持つ即戦力人材の採用を積極的に進め、多様性を促進する方針です。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均を大きく上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 165期 | 51.6歳 | 6.2年 | 7,896,269円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 大規模災害に関するリスク
地震、風水害、パンデミックなどの各種災害や社会的混乱に対し、事業継続計画の策定や訓練を実施しています。しかし、想定を超える人的・物的被害が発生した場合、事業活動の停止等により業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 資金の流動性に関するリスク
運転資金や設備資金を金融機関などからの借入等によって賄っています。金利上昇や信用コストの上昇、外部環境の変化によって資金調達環境が不安定化した場合、事業運営が停滞する可能性があります。
■(3) 主要セグメント特有のリスク
再生可能エネルギー事業における競争激化や部材価格の高騰、ビューティー&ヘルスケア事業での新商品の販売不振、トレーディング事業における海外EC市場の変動など、各セグメント特有の事業環境の変化が業績に影響を及ぼす可能性があります。



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