※本記事は、日本製麻株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
日本製麻は、食品の製造加工、産業資材、各種マットの3つの事業を展開しています。食品事業ではスパゲッチやレトルトソース、産業資材事業では黄麻商品や大型包装資材、マット事業では自動車用フロアーマットの販売を手掛けています。
単体従業員数は78名です。セグメントは食品事業、産業資材事業、マット事業の3つです。
日本製麻は、食品の製造加工、産業資材(黄麻製品、紙製品等)、各種マットの製造販売を本体で行っています。具体的には、食品事業でスパゲッチやレトルトソース、産業資材事業で黄麻商品や大型包装資材、マット事業で自動車用フロアーマットを手掛けています。
同社は2025年9月30日に連結子会社であったサハキットウィサーンリミテッドカンパニーの株式を譲渡しました。これにより、当事業年度末時点では連結子会社を有していません。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
日本製麻は、食品事業を中心に幅広い事業を展開しており、持続的な成長に向けて人的資本を重視した経営を行っています。多様な人材が活躍できる環境整備や、職責・能力に応じた処遇の適正化を通じて、従業員の働きがいと組織全体の生産性向上を目指している会社です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が比較的長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も高めであることから、経験豊富なベテラン社員が多く活躍している職場環境がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 3,893,000円 |
| 平均勤続年数 | 14.2年 |
| 平均年齢 | 48.3歳 |
| 単体従業員数 | 78人 |
同社は確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。
退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
年金資産は93百万円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は人的資本を重要な経営基盤と位置付け、短期的な収益力強化と中長期的な成長基盤の確立を両立する人材戦略を推進しています。特に、食品事業のレトルト工場増設に伴う収益力回復と成長基盤確立を最優先課題とし、これを支える人材戦略を通じて従業員の給与所得向上を目指しています。
人事制度においては、従来の勤続年数に応じた昇給制度から、職責や能力、役割に応じた等級制度を新たに導入し、年功的な処遇からの転換を図っています。個々の従業員の役割と成果を適切に評価し、報酬に反映させることで、従業員の納得感と組織全体の生産性向上を目指しています。
具体的には、生産体制強化のための技能人材の確保・育成、デジタル化を加速させるためのデジタル人材の採用・育成とリスキリング、営業力強化に向けた人材育成とプロセス高度化に注力しています。また、従業員エンゲージメント向上のため、従業員持株会制度に加え、株式報酬の導入も検討しています。年齢、性別、国籍、宗教等にこだわらない均等な雇用の機会提供や、就業時間管理の効率化、福利厚生の充実、各種研修の実施など、多様な人材が活躍できる環境整備にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。男性育児休業取得率、男女賃金差異(全労働者)、男女賃金差異(正規雇用)、男女賃金差異(非正規雇用)は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、本記事では取得できていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 15.3% |
指標及び目標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 15.3% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
日本製麻は、食品の製造加工、産業資材、そして各種マットの3つの主要な事業を展開しています。これらの多様な事業を通じて、顧客の幅広いニーズに応える製品とサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、食品事業、産業資材事業、マット事業の3つの柱で事業を構成しています。食品事業ではパスタやレトルト製品を、産業資材事業では黄麻製品や包装資材を、マット事業では自動車用フロアマットを提供しています。主要株主である株式会社ゴーゴーカレーグループとは、レトルトカレーの販売などで取引関係があります。
食品事業
スパゲッチやカレー・レトルトソースなどの製造販売を行っています。収益は、主力の業務用太麺パスタの販売や、PBパスタソースなどのレトルト製品の販売から得ています。業務用パスタは外食需要の回復により伸長している一方、OEMカレーは得意先の販売減少に伴う減産や、増設したレトルト工場の稼働準備・減価償却による製造経費の増加が利益を圧迫しています。
産業資材事業
黄麻商品や大型包装資材などの販売を行っています。収益は、インテリア用資材分野で利用されるカーペット裏地や緑化用・防虫用資材といった黄麻製品の輸入販売、および米麦用の紙袋・フレコンの販売から得ています。黄麻製品の輸入販売が売上総利益率の改善に寄与している一方で、米麦用の紙袋・フレコンの販売は前年度を下回っています。
マット事業
自動車用フロアーマットの販売を行っています。収益は、自動車メーカー向けのフロアマット販売から得ています。得意先の減産に関連して販売数が一時減少した時期もありましたが、その後は前年並みの水準に回復しています。原材料費や光熱費のコスト上昇分を価格転嫁することも一定程度進んでいます。
当事業年度の売上高は、日本が大部分を占めており、東南アジアからの収益も一部あります。また、スズキ株式会社への販売が同社の総販売実績の一定割合を占める状況です。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 食品事業 | - | 12.8億円 |
| マット事業 | - | 5.8億円 |
| 産業資材事業 | - | 5.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の過去4期の連結業績を見ると、売上高は一貫して増加傾向にありました。経常利益も同様に増加傾向を示していましたが、直近の前期では減少に転じています。親会社株主に帰属する当期純利益も、経常利益と同様に増加から減少へと推移しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 31.5億円 | 37.3億円 | 43.3億円 | 44.2億円 | - |
| 経常利益 | 75百万円 | 1.8億円 | 3.2億円 | 2.6億円 | - |
| 経常利益率 | 2.4% | 4.8% | 7.4% | 5.9% | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 48百万円 | 95百万円 | 1.3億円 | 1.0億円 | - |
| 1株当たり当期純利益(円) | 13.18 | 26.04 | 34.89 | 26.42 | - |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員1人あたり売上高(連結)は、2025年3月期において15.9百万円となっています。また、従業員1人あたり経常利益(連結)は0.9百万円です。これらの数値は、同社グループ全体の生産性を示す指標となります。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 15.9百万円 | - |
| 従業員1人あたり経常利益(連結) | 0.9百万円 | - |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
日本製麻の経営の安定性について、財務基盤と資金の流れから現状を把握します。事業活動や投資活動を通じた資金の動きを確認することで、同社の安定性や成長に向けた取り組みが見えてきます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)から確認できます。前期の自己資本比率は43.6%となっており、プライム市場の製造業平均と比較するとやや低い水準です。ROE(自己資本利益率)は前期4.7%で、プライム市場平均を下回っています。これらの指標は、同社の財務の健全性や収益性を測る上で重要な要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 43.6% | - |
| ROE(自己資本利益率) | 4.7% | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、事業活動、投資活動、財務活動の3つの側面から資金の流れを示しています。前期の営業活動によるキャッシュフローはプラスとなっており、本業で資金を生み出している状況です。投資活動によるキャッシュフローはマイナスであり、事業拡大や設備投資に資金を投じていることがうかがえます。その結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュフローはプラスであり、資金調達を行っていることを示しています。当期のキャッシュフローについては、開示情報がありません。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.1億円 | - |
| 投資CF | △5.2億円 | - |
| 財務CF | 6.3億円 | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △3.1億円 | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの事業構造・収益性に関するリスクとして、原材料価格やエネルギー価格の高騰が挙げられます。食品事業では小麦などの原材料価格、産業資材事業では為替の変動や原材料価格の高騰が価格競争力に影響を及ぼす可能性があります。また、マット事業では自動車業界の景気動向や各自動車メーカーの生産調整が業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループの人材・組織に関するリスクとして、労働力不足の顕在化が挙げられます。これは、今後の事業運営において人材の確保や育成が課題となる可能性を示しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
日本製麻はステークホルダーとの関係を重視し、持続可能な社会への貢献を目指す企業です。顧客への価値提供と企業価値向上を追求しながら、多様な人材が活躍できる環境づくりにも注力しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
日本製麻の経営方針は、ステークホルダーとの関係を重視し、取引先の基盤を拡大することです。この基本方針を実現するため、「お取引先様、個人の皆様との関係を深め、魅力ある商品でお客様に豊かな生活を提供する」ことを目指しています。
また、「自然環境を保護し、持続可能な社会に貢献する」ことや、「時代を先取りし、世界の市場に貢献する」ことも目標としています。さらに、「人間性を尊重し、活力・魅力ある企業をつくる」ことを掲げ、企業価値の向上を図っています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
日本製麻は、環境や社会を含めたあらゆるステークホルダーとの関係性を重要視した経営を実践しています。事業を通じて社会課題の解決に寄与し、社会の持続的な発展に貢献することをサステナビリティであると考えています。
人的資本を最重要視しており、年齢、性別、国籍、宗教等にこだわらず均等な雇用の機会を提供しています。多様な人材が活躍できる環境や仕組みを整備することで、組織力や人材力の向上を図っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
日本製麻は、今後の経営環境において国際情勢の不安定化や為替相場の変動、原材料価格の高止まりといった不透明な状況が続くと予想しています。このような状況のもと、同社はサステナビリティ戦略において人的資本を重要視しています。
労働環境の整備や従業員のスキルアップを優先課題と認識し、生産現場の改善や福利厚生の充実、各種研修の実施を進めています。また、気候変動に伴うリスクに対しては、生産活動を通じた温室効果ガス排出量削減への貢献を重要課題と認識し、生産ラインの効率化や燃料転換によりCO2排出削減を推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
取締役会は、同社の経営理念である「法令を遵守し、社会に貢献する」に基づき、健全で透明性の高い経営体制の確立を目指しています。監査等委員会設置会社として、客観的な視点を取り入れた監督体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主はLEOMO.Inc.であり、事業会社が上位に名を連ねています。特定の株主グループが上位を占める傾向が見られ、安定した資本構成を形成していることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| LEOMO.Inc. | 16.80% |
| ゴーゴーカレーグループ | 16.04% |
| 日本証券金融 | 10.96% |
| アクセスアジア | 4.54% |
| INTERACTIVE BROKERS LLC | 2.88% |
「完全議決権株式(その他)」欄には証券保管振替機構名義の株式が1,000株含まれております。また、「議決権の数」欄に、同機構名義の完全議決権株式に係る議決権の数10個が含まれております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は植杉泰久氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 植 杉 泰 久 | 代表取締役社長 | 2001年4月 大和証券㈱入社。2018年10月 ship shape合同会社入社、2021年2月 同社代表社員。2023年5月 ㈱シーズメン(現:スターシーズ㈱)代表取締役社長、㈱チチカカ代表取締役社長。2025年6月 同社取締役、2025年8月 同社代表取締役より現職。 |
| 高 橋 賢 作 | 常務取締役ボルカノ食品事業部長 | 1973年4月 三井化学(旧三井石油化学工業)㈱入社。2013年4月 三井化学㈱ヘルスケア事業本部理事・不織布事業部長。2016年4月 三井化学ファイン㈱代表取締役社長。2020年12月 同社入社 常務執行役員。2024年7月 同社常務取締役ボルカノ食品事業部長より現職。 |
| 森 欣 也 | 取締役 | 1982年4月 ㈱東京芝浦電気(現:㈱東芝)入社。2009年4月 電力流通・産業システム社電機・計測技師長。2020年12月 ㈱アジアゲートホールディングス代表取締役社長。2024年6月 同社取締役、2024年11月 同社代表取締役。2025年8月 同社取締役より現職。 |
社外取締役は、佐々木健郎氏(マネージポート会計事務所代表取締役)、滝川好夫氏(関西外国語大学英語キャリア学部教授・スターシーズ社外監査役)、牧野大輔氏(IAAトラベル代表取締役)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、会社法に基づく機関として株主総会、取締役、取締役会、監査等委員会、会計監査人を設置しています。社外取締役は、それぞれの専門的見地と豊富な経験から、客観的な立場から経営の監督または監査を行う役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬と業績連動報酬としての賞与で構成されています。業績連動報酬は経常利益と当期純利益を指標とし、業績向上への意欲を高めることを目的としています。固定報酬と業績連動報酬の割合は、業績連動報酬が最大で固定報酬の1割と定められています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 49百万円 | 12.2百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 12百万円 | 3.0百万円 |
期末現在の取締役(監査等委員)(社外取締役を除く)の人員数は0名であります。なお、当事業年度において業績連動報酬等は支給されておりません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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