【平均年収486万円】ソトー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収486万円】ソトー 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

ソトーは、ウールや複合素材を中心とした高級ファッション衣料向けの染色加工、製造・販売、不動産事業をグループ各社とともに展開しています。直近の業績は増収減益となりました。


目次

※本記事は、株式会社ソトー の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ソトーグループは、繊維製品の染色加工、製造・販売、および不動産事業を展開しています。ウールや複合素材を中心とした高級ファッション衣料向けの染色加工で付加価値を高め、製品販売事業では素材から最終製品までを手掛けています。

単体従業員数は317名、連結従業員数は575名です。セグメントは染色加工事業、製品販売事業、不動産事業の3つです。

主な国内グループ会社は、ソトージェイテック(製品販売事業)、ソトー商事(染色加工事業)などです。

製品販売事業においては、昨年1月に子会社化した2社の収益が寄与し、2025年10月1日付で株式会社ジェノを存続会社とする吸収合併も行われました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ソトーグループは、染色加工事業を中核に、高品質・高付加価値製品の提供を通じて持続的な成長を目指しています。環境負荷低減への取り組みを最重要課題と位置づけ、サステナビリティを経営戦略に組み込むことで、従業員が長期的に安心して働ける環境づくりにも注力しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、安定した人材定着の傾向が見られます。長年にわたり培われた技術や経験が、同社の事業を支える重要な要素となっていることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 4,858,000円
平均勤続年数 20.9年
平均年齢 45.5歳
単体従業員数 317人
連結従業員数 575人
単体のグループ内比率 55.1%


同社および連結子会社は、確定給付型の退職給付制度を設けています。確定給付型とは、給与や勤続年数に応じて将来受け取る給付額があらかじめ決まっている制度です。

退職一時金制度も存在しますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。当連結会計年度末における退職給付債務は19.7億円、年金資産は23.3億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、尾州産地における染色加工事業を中核とし、高度な加工技術を継承する技能人材や生産性向上・品質安定化を支える技術開発人材、製品開発・生産・販売人材を企業価値の源泉と位置づけています。人的資本の強化は経営戦略の実現に不可欠であると認識しており、人材戦略を経営の重要課題としています。

人材戦略の基本方針として、「技能継承と専門人材の計画的育成」「生産性向上・品質安定化を支える人材の育成」「働きやすく働きがいのある職場環境の整備」の3点を掲げています。具体的には、OJTや技能認定制度、熟練者による指導体制の強化を通じて技能継承を推進し、外部研修や資格取得支援で専門性の向上を図っています。また、DX研修や改善手法研修を整備し、生産現場の改善活動や品質管理の高度化を支援しています。

報酬制度については、職務・役割・成果に基づく公正な処遇を基本方針として給与・評価制度を運用しています。技能や専門性の向上を適切に評価する仕組みを整備し、従業員の成長意欲を高め、組織成果の最大化を目指しています。多様な人材が能力を発揮できるよう、労働時間管理の適正化、健康経営の推進、ハラスメント防止、育児・介護と仕事の両立支援など、エンゲージメント向上に資する環境整備も進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。管理職に占める女性労働者の割合は開示されていません。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、記載を省略しています。

指標 数値
男性労働者の育児休業取得率 0.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 77.8%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 79.2%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 136.2%

温暖化対策

指標 数値
CO2排出削減目標(2030年度までに2018年度比) 50%
CO2排出削減実績(当事業年度) 36.3%

健康宣言

指標 数値
定期健診受診率 100%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ソトーグループは、繊維製品の染色加工と製造販売、そして不動産事業を展開しています。これらの事業を通じて、顧客に価値を提供し、収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


ソトーグループは、繊維製品の染色加工と製造販売、そして不動産事業を主軸としています。同社グループは、ウールや複合素材を中心とした高級ファッション衣料やオフィスユニフォーム向けの素材に、起毛加工や撥水加工などの付加価値の高い染色加工を施しています。また、繊維製品の企画、製造、販売も手掛けており、素材から最終製品まで幅広い領域で事業を展開しています。不動産事業では、量販店などへの店舗や土地の賃貸を行っています。

染色加工事業

同社グループの染色加工事業は、ウールや複合素材を中心とした高級ファッション衣料やオフィスユニフォーム向けの素材の染色加工を行っています。起毛加工や光沢加工、撥水加工などの表面加工や機能加工により、素材の付加価値を高めています。収益は、これらの繊維製品の染色加工サービスから得ています。

製品販売事業

製品販売事業では、高級ファッション衣料やオフィスユニフォーム等の素材及び製品の企画、製造、販売が中心です。染色加工事業との連携を強化し、子会社間の連携により素材から最終製品に至る領域の拡大を図っています。収益は、繊維製品の製造販売から得ており、子会社が運営を担っています。

不動産事業

不動産事業は、量販店などに対する店舗や土地の賃貸を行っています。収益は、主にリース取引に関する会計基準に基づく不動産賃貸収入から得ています。

同社グループの外部顧客への売上高において、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める特定の相手先はありません。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
染色加工事業 58.8億円 56.9億円
製品販売事業 37.1億円 45.3億円
不動産事業 4.5億円 4.9億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


ソトーグループの過去5期間の業績推移を見ると、売上高は変動しながらも直近の当連結会計年度では増加に転じています。経常利益は、前期に黒字を確保したものの、当連結会計年度では再び損失を計上する結果となりました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度において増加しています。これは、投資有価証券売却益の計上が主な要因となっています。営業活動によるキャッシュ・フローは増加しており、本業からのキャッシュ創出力は改善傾向にあります。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 75.1億円 98.3億円 107億円 100億円 107億円
経常利益 △4.3億円 △3.0億円 4.6億円 31百万円 △37百万円
経常利益率 △5.7% △3.0% 4.3% 0.3% △0.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 △11.3億円 △7.2億円 27.0億円 4.1億円 5.2億円
1株当たり当期純利益(円) △88.64 △56.84 212.48 32.28 41.18

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


ソトーグループの従業員1人あたりの稼ぐ力を見ると、当連結会計年度の従業員1人あたり売上高は前期から増加しています。これは、売上高の増加に対して連結従業員数が減少したことによるものです。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しており、営業損失の拡大が影響しています。これらの指標は、同社グループの収益体質や組織効率の傾向を示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 17.1百万円 18.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △0.3百万円 △0.4百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動による資金創出と投資活動のバランスによって形成されています。
手元資金と自己資本の厚み、そしてキャッシュフローの動きから、現在の財務基盤の状況を読み解くことができます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は当期75.3%となっており、前期の74.4%から上昇しています。これはプライム市場の製造業平均46.8%と比較して高い水準を示しています。
ROE(自己資本利益率)は当期3.5%で、前期の2.8%から改善していますが、プライム市場平均の9.4%を下回っています。
現金及び預金は当期末で12.6億円となっており、前期末の19.0億円から減少しています。
これらの財務状況は、同社グループの安定性や将来の成長投資余力に影響を与える可能性があります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 148億円 149億円
自己資本比率 74.4% 75.3%
ROE(自己資本利益率) 2.8% 3.5%
現金及び預金 19.0億円 12.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは、10億3千4百万円の増加となりました。これは主に減価償却費の計上や税金等調整前当期純利益の増加によるものです。
一方で、投資有価証券売却益の計上や仕入債務の減少額が減少要因となっています。
投資活動によるキャッシュフローは6億1千3百万円の減少となり、有形固定資産の取得による支出が主な減少要因ですが、投資有価証券の売却及び償還による収入も増加要因としてあります。
この結果、フリーキャッシュフローはプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄えている状況です。
財務活動によるキャッシュフローは10億5千7百万円の減少となり、配当金の支払額や自己株式の取得による支出が主な減少要因です。
これらのキャッシュフローの動きは、同社グループが事業活動で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いつつ、株主還元も実施していることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 4.8億円 10.3億円
投資CF △12.6億円 △6.1億円
財務CF △8.0億円 △10.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △7.8億円 4.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループのコア事業である染色加工事業は受託加工業であり、得意先の生産量調整により生産量に影響を受ける可能性があります。また、素材のファッショントレンドの変化により受注数量が大きく左右される傾向があります。
さらに、原材料の仕入れを海外からの輸入に依存する部分が多く、為替相場の変動が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ソトーは、「感性技術で未来を拓く」を企業理念に掲げ、人々の暮らしに喜びや豊かさをもたらすことを使命としています。持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指し、事業活動を通じて社会貢献に取り組む会社です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、企業理念として「感性技術で未来を拓く」をスローガンに掲げています。優れた感性と技術で新しい「価値」を創造し、人々の暮らしに新鮮な喜びや豊かさをもたらすことを企業の使命としています。

事業領域と輸出の拡大を図り、安定的かつ持続的な成長の実現を目指すことを基本方針としています。また、SDGs活動を積極的に進めて環境負荷低減に取り組むとともに、地域社会やステークホルダーとの共存共栄を図ることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、持続可能性の観点から企業価値を向上させ、サステナビリティ推進体制を強化しています。「地球は着替えることができないから」という環境理念のもと、「地球温暖化防止」と「地球環境の保全」を最重要課題と位置づけています。

豊かな人間社会を持続するために、環境負荷を最小限にする取り組みに邁進する姿勢を示しています。ガバナンス体制として「サステナビリティ推進室」を取締役会及び社長の配下に設置し、社会・環境問題に関する対応方針や諸施策の立案、進捗・実績管理を行っています。

この推進室には、環境・品質・開発を担う「環境品質部会」と、人権・労働衛生・社会貢献を担う「人権労働部会」という専門部会が置かれています。これらを通じて、使用エネルギー削減、産業廃棄物削減、人材育成・活性化、働き方改革・健康づくり、コンプライアンス・ガバナンス強化といった多様な価値観を重視しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、繊維産業における大量生産・大量廃棄問題や、アパレル・商社の在庫レスの動き、中国製品の流入、暖冬による需要減退といった厳しい経営環境に直面しています。これらの課題に対し、中長期的な経営戦略として、既存事業における安定的な収益基盤の確立、SDGsへの取り組みによる企業価値向上、DX・IT化推進による業務改革を掲げています。

また、水平・垂直展開における新たな事業領域拡大も重点テーマとしています。構造改革では、全体最適な生産体制を考えた工場運営、染色改革と環境負荷低減活動の推進、柔軟な人員体制による生産性向上、社員教育の充実と従業員の意識改革に取り組んでいます。

サステナビリティの観点からは、CO2排出量の削減目標、水使用量の削減・効率化、化学物質使用量の削減、エコ加工の研究・開発を推進しています。従業員の健康づくりを目的とした「健康宣言」や、女性の活躍促進を目指す「女性活躍宣言」を通じて、働きやすい職場環境の実現と多様な人材の活躍を支援する取り組みも行っています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ソトーは、取締役会と監査役会を設置し、社外役員を複数選任することで、経営の透明性と公正性を確保する体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ソトーの株主構成は、複数の事業会社が上位に名を連ねている点が特徴です。筆頭株主はミソノサービスであり、その他にも日本毛織やダイドーリミテッドといった事業会社が主要株主となっています。これらの企業が同社の事業活動を支える基盤となっていることがうかがえます。

株主名 持株比率
ミソノサービス 18.90%
日本毛織 9.50%
ダイドーリミテッド 7.30%
トーア紡コーポレーション 5.60%
ダイドーフォワード 2.40%


前事業年度末において主要株主であったダイドーリミテッドは、当事業年度末において主要株主ではなくなりました。なお、当該主要株主の異動に際し、同社は2026年3月11日付で臨時報告書を提出しております。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


ソトーの役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役取締役社長は上田康彦氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
上田 康彦 代表取締役取締役社長 1986年4月 同社入社、2018年6月 同社代表取締役・取締役社長より現職。
棚橋 宣文 取締役 染色加工事業部長 1987年4月 同社入社、2023年4月 同社取締役・染色加工事業部長、2025年3月 同社取締役・染色加工事業部長兼同事業部生産統括部長より現職。
小澤 活人 取締役 経営管理部長 1987年4月 同社入社、2020年6月 同社取締役・経営管理部長より現職。


社外取締役は、髙塚良司氏(コンサルティング業務)、吉野哲氏(ウォーターフロント代表取締役)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会は社外取締役2名を含む5名で構成されています。社外取締役は、企業経営やコンサルティングに関する幅広い知識と見識を持ち、客観的かつ中立的な立場から経営の監督を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ソトーの役員報酬は、株主総会で定められた報酬総額の枠内で決定されています。取締役の報酬は固定報酬と賞与で構成され、監査役は固定報酬のみです。取締役の賞与は連結営業利益をベースとした成果を反映する仕組みとなっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 26百万円 8.8百万円
監査役(社外除く) 1名 9百万円 9.0百万円
社外役員 4名 13百万円 3.2百万円


なお、取締役の報酬等の額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれておりません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。