【平均年収594万円】オーベクス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収594万円】オーベクス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

オーベクスは、テクノ製品とメディカル製品の製造販売をグループ各社とともに展開しています。連結従業員数は353名で、幅広い分野に貢献しています。直近の業績は、売上高がわずかに減少し、利益も減少となりました。


目次

※本記事は、オーベクス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


オーベクスグループは、テクノ製品(サインペン先、コスメチック用ペン先)とメディカル製品(医療機器)の製造販売を主な事業内容としています。グループ各社とともに、これらの製品を通じて幅広い分野に貢献しています。

単体従業員数は124名、連結従業員数は353名です。セグメントはテクノ製品事業、メディカル製品事業の2つです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


オーベクスは、暮らしに欠かせない文化と科学を提案し、豊かな社会づくりに貢献することを目指す企業です。同社グループは、持続的な成長と企業価値の創出には、従業員をはじめとするステークホルダーとの協働が不可欠であると認識しています。多様な人材の育成と働きやすい環境整備に力を入れ、社員一人ひとりが能力を発揮できる職場づくりを進めています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


オーベクスでは、平均勤続年数が長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も比較的高い水準にあり、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。これは、長期的な視点で社員の成長を支援し、働きやすい環境を提供していることの表れと言えるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 5,942,000円
平均勤続年数 17.1年
平均年齢 45.2歳
単体従業員数 124人
連結従業員数 353人
単体のグループ内比率 35.1%


オーベクスでは、退職給付制度として確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。同社および一部の連結子会社では、退職金規程に基づく退職一時金制度を設けており、中小企業退職金共済制度にも加入しています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


オーベクスグループは、持続的な成長を支える「人財育成」を第9次中期経営計画の基本戦略の一つに掲げています。自律的な人材を育成し、能力と成果に応じた人事評価を行うことを基本方針としています。定期研修や階層別研修、資格取得奨励を通じて、社員の能力向上を強化しています。

給与や賞与の決定においては、目標管理制度を採用しています。従業員が設定した個人目標の達成度を公正に評価し、その結果に基づいて決定される仕組みです。昇格については等級制度が定められており、年度評価と上長の推薦に加え、管理職昇格時には適性検査と役員面接が行われます。

また、性別や国籍を問わず多様な人材が必要であるとの認識から、女性管理職の登用や中途・外国人の採用を積極的に進めています。働き方改革も推進しており、サテライトオフィスの設置、在宅勤務、時差出勤など、新たなアイデアを生み出すための環境整備にも取り組んでいます。従業員の意欲向上を目的とした株式給付制度も導入されています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男性育児休業取得率および男女賃金差異は、本記事では数値を取得できていません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 7.7%
採用した労働者に占める女性労働者の割合(正規雇用労働者) 33.3%
採用した労働者に占める女性労働者の割合(パート・有期労働者) 100.0%
係長級にある者に占める女性労働者の割合 28.0%
有給休暇取得率(全労働者) 82.9%
有給休暇取得率(正規雇用労働者) 76.0%
有給休暇取得率(パート・有期労働者) 72.0%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ オーベクステクノロジー

指標 数値
採用した労働者に占める女性労働者の割合(正規雇用労働者) 9.1%
採用した労働者に占める女性労働者の割合(パート・有期労働者) 54.5%
係長級にある者に占める女性労働者の割合 12.5%
管理職に占める女性労働者の割合 -
有給休暇取得率(全労働者) 73.0%
有給休暇取得率(正規雇用労働者) 68.2%
有給休暇取得率(パート・有期労働者) 97.3%


▼ オーベクスメディカル

指標 数値
採用した労働者に占める女性労働者の割合(正規雇用労働者) -
採用した労働者に占める女性労働者の割合(パート・有期労働者) 90.9%
係長級にある者に占める女性労働者の割合 42.9%
管理職に占める女性労働者の割合 -
有給休暇取得率(全労働者) 92.8%
有給休暇取得率(正規雇用労働者) 84.2%
有給休暇取得率(パート・有期労働者) 95.8%

多様性・登用

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 7.7%
管理職に占める中途採用者の割合 33.3%
労働者に占める外国人労働者の割合 2.4%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


オーベクスは、テクノ製品とメディカル製品の製造販売を主軸とする事業を展開しています。同社グループは、オーベクス株式会社と連結子会社3社、その他の関係会社2社の計6社で構成されています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に筆記具や化粧用途の部材を扱うテクノ製品事業と、医療機器を扱うメディカル製品事業の二つの報告セグメントで事業を展開しています。それぞれの事業が独立した戦略を持ち、国内外で活動しています。

テクノ製品事業

この事業では、サインペン先やコスメチック用ペン先といった筆記具分野や化粧用途の部材を製造販売しています。収益は、これらの製品の販売から得ています。当連結会計年度は、コスメチック用ペン先の売上が復調傾向で推移したものの、筆記具用ペン先の売上が下期に減速したため、売上高およびセグメント利益は前期に比べて減少しました。

海外売上割合が高い事業であり、既存顧客に加え、中国や新興国への積極的な営業活動を進めています。当連結会計年度においては、Guangdong Zhaoqing Red Eagle Science & Technology Co., Ltd.が主要な顧客の一つとなっています。

メディカル製品事業

この事業は、医療機器の製造販売を行っています。収益は、医療機器の販売から得ています。当連結会計年度は、国内外の医療機器展示会や学会での積極的なプロモーション活動と販売活動に注力した結果、売上高およびセグメント利益は前期に比べて増加しました。

主力製品であるベセルフューザーは麻酔領域および化学療法領域向けに、もう一つの主力製品であるガイドワイヤーは積極的な営業活動を通じて、それぞれ高い評価を得ています。医療機器の提供を通じて社会貢献と企業価値向上を目指しています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
テクノ製品事業 43.3億円 42.4億円
メディカル製品事業 17.0億円 17.8億円


同社グループの売上高は、日本国内だけでなくアジア、欧州、北米、中南米など多岐にわたる地域から得られており、特にアジア地域からの売上が大きな割合を占めています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


オーベクスグループの過去5期間の業績を見ると、売上高は直近の当連結会計年度において前期からわずかに減少しています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、期間を通じて変動が見られます。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 54.9億円 53.2億円 53.9億円 60.4億円 60.2億円
経常利益 7.3億円 6.4億円 6.0億円 8.1億円 6.3億円
経常利益率 13.3% 12.0% 11.2% 13.5% 10.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 5.4億円 4.7億円 4.4億円 5.8億円 5.7億円
1株当たり当期純利益(円) 194.04 169.17 156.80 209.05 209.05

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当連結会計年度において前期から増加しています。これは、従業員一人ひとりが生み出す売上の効率が向上している傾向を示しています。

一方で、従業員1人あたりの営業利益は、当連結会計年度において前期から減少しています。これは、売上総利益の減少や販売費および一般管理費の変動が影響していると考えられます。これらの指標は、組織全体の生産性や収益体質を測る上で重要な要素となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 16.4百万円 17.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.3百万円 1.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


オーベクスは、事業活動で得た資金を将来に向けた投資に充てている状況です。財務基盤の状況とキャッシュフローから、同社グループの経営の安定性を見ていきます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


オーベクスは、強固な財務基盤を維持しています。自己資本比率は当期71.3%と、プライム市場の製造業平均(46.8%)を大きく上回る水準です。これは、事業活動の安定性を示す指標の一つとなります。

ROE(自己資本利益率)は当期8.2%であり、プライム市場平均(9.4%)と比較するとやや下回っています。手元資金である現金及び預金は当期26.3億円を確保しており、事業運営における資金の柔軟性を示しています。これらの財務状況は、同社グループの事業継続性や雇用・給与の安定性に関わる重要な要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 67.1億円 72.5億円
自己資本比率 68.1% 71.3%
ROE(自己資本利益率) 8.9% 8.2%
現金及び預金 28.5億円 26.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


オーベクスは、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュフローが3.3億円の増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益6.4億円や減価償却費2.9億円があった一方で、法人税等の支払額2.8億円や棚卸資産の増加額2.0億円があったことによるものです。

投資活動によるキャッシュフローは△4.4億円の減少となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4.4億円があったことによるものです。財務活動によるキャッシュフローは△1.5億円の減少となり、長期借入れによる収入6.0億円があったものの、長期借入金の返済による支出5.8億円や配当金の支払額1.0億円が主な要因となっています。

結果として、フリーキャッシュフローは△1.1億円のマイナスとなり、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。これは、将来の成長に向けた積極的な投資フェーズにあることを示しており、事業の拡大や競争力強化への意欲がうかがえます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 6.4億円 3.3億円
投資CF △1.6億円 △4.4億円
財務CF △5.6億円 △1.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 4.8億円 △1.1億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、海外事業展開に関するカントリーリスクを認識しています。予想できない急激な政治的または経済的変動、テロや戦争、感染症などによる社会混乱が業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、販売価格の変動に関するリスクも挙げられています。メディカル製品事業では診療報酬等の公定償還価格の改定、テクノ製品事業ではグローバル市場での低価格傾向や企業間競争の激化により、大幅な価格下落が発生する可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、人材の確保と育成に関するリスクを認識しています。少子高齢化の進行による労働力人口の低下により、人材の採用および育成が計画通りに進まない場合、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


オーベクスは、130年以上の歴史を持つモノづくり企業グループです。創業者の渋沢栄一の理念を受け継ぎ、社会貢献と持続可能な成長を追求する企業文化を築いています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、『真心をこめて、暮らしに欠かせない文化と科学を提案することにより、豊かな社会づくりに貢献できる企業を目指します。』を経営理念として掲げています。中期経営計画「オーベクスビジョン2027」では、「ESG経営を推進し、新たな価値創出と持続可能な成長を追求する」ことを基本方針としています。

スローガンには「To The Next Stage ~次のステージに向かって~」を掲げています。創業以来培ってきた技術を確実に受け継ぎ、時代の変化に対応した技術へと進化させることで、国内外のニーズに応え、顧客からの幅広い支持を得ることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、創業者である渋沢栄一の著書『論語と算盤』の精神を経営の根幹に据えています。企業の存続価値を「どんなに技術が進歩し、さらに高度な時代になろうとも、人と社会に対する正しい貢献の在り方」と捉えています。

「オーベクスグループ行動規範」を定め、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーとの適切な協働を重視しています。環境問題や社会的課題への対応を経営課題の重要事項と位置付け、ESG経営を推進しています。

人材育成においては、自律的な人材を育成し、能力・成果に応じた人事評価を行うことを基本方針としています。多様な人材の確保を重視し、女性管理職の登用、中途及び外国人の採用を進めています。社内環境整備では、新たな価値創出とアイデアを生み出す環境整備を推進し、サテライトオフィス設置や在宅勤務、時差出勤などの働き方改革に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、経済環境の不透明さやコスト増加が続く中で、第9次中期経営計画で掲げた諸施策を着実に実行することに注力しています。成長を支える人財育成を基本戦略の一つとしており、階層別の社員研修の実施や資格取得の奨励などを通じて、自律精神が高く専門スキルを有する人財の育成に取り組んでいます。

管理部門では、オーベクスグループの未来を担う人財の育成と活用、業務効率化、情報配信、オフィス環境の整備を基本方針としています。具体的には、スキルデータベースの構築、階層別研修の実施とスキルアップ支援、グループ間交流プログラムの整備を進めています。また、業務プロセスの見直しと標準化、情報共有プラットフォームの構築、クラウドサービスやアウトソーシングの活用による業務効率化も推進しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


オーベクスは監査役会設置会社として、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人を設置しています。取締役会は社外取締役を含む7名で構成され、経営の健全性、公正性、透明性を高めるための監督体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


オーベクスは、複数の事業会社が大株主として名を連ねる資本構成となっています。筆頭株主は昭和化学工業であり、その他にも麻生や若築建設といった企業が上位株主として同社を支えています。

株主名 持株比率
昭和化学工業 15.61%
麻生 14.76%
若築建設 14.02%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は栗原則義氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。

氏名 役職 主な経歴
栗原 則義 代表取締役社長 1978年4月同社入社、2007年6月取締役経営企画部長、2012年6月より現職。
村上 弘成 取締役テクノ事業部長兼テクノセグメント統括 1983年4月同社入社、2012年6月取締役テクノ事業部長、2024年6月より現職。
作田 隆太郎 取締役メディカル事業部長 1979年4月同社入社、2013年6月執行役員メディカル事業部長、2016年6月より現職。
塚越 孝弘 取締役管理部長 1981年4月同社入社、2015年6月執行役員管理部長、2018年6月より現職。
片山 貴義 取締役テクノ副事業部長 1987年4月同社入社、2017年4月テクノ事業部コアセンター長、2024年6月より現職。


社外取締役は、石橋健藏氏(昭和化学工業代表取締役社長)、中村誠氏(若築建設取締役兼常務執行役員経営管理部門長)です。

同社は監査役会設置会社であり、独立社外取締役2名および独立社外監査役2名を選任することで、経営の監督と監視を強化し、健全性、公正性、透明性の向上に努めています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


オーベクスは、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして、取締役の報酬等に関する基本方針を定めています。基本報酬は月例の固定報酬とし、中長期的な業績および企業価値向上への貢献意識を高めるため、株式報酬制度を導入しています。株式報酬の付与ポイントは、ROE、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の3つの指標の達成率により決定されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 1.0億円 20.2百万円
監査役(社外除く) 1名 6百万円 5.8百万円
社外取締役 2名 8百万円 3.8百万円
社外監査役 3名 7百万円 2.2百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。