※本記事は、株式会社協和日成 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
協和日成は、東京ガスグループを主要顧客とする総合設備工事業を展開しています。ガス・機器設備事業やガス導管事業を主体とし、建築設備事業、電設・土木事業も手掛けています。
単体従業員数は797名です。事業セグメントは建築設備事業、ガス・機器設備事業、ガス導管事業、電設・土木事業の4つです。
協和日成は、東京ガスグループのガス・機器設備事業やガス導管事業を主体とし、建築設備事業、電設・土木事業といった総合設備工事を自社で展開しています。
なお、協和日成は当事業年度より報告セグメントの区分方法を変更しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社は、社会のライフラインを支える事業を通じて、お客様に安心と快適さを提供しています。社員一人ひとりの能力を最大限に引き出し、安心して働ける職場環境づくりに注力しており、多様な働き方を推進することで、社員の働きがい向上を目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、長年にわたり培われた技術と経験を持つ人材が多数活躍しており、安定したキャリアを築ける環境が整っていることがうかがえます。平均勤続年数や平均年齢からも、社員が長く働き続けられる企業風土が特徴と言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,001,465円 |
| 平均勤続年数 | 17.0年 |
| 平均年齢 | 45.2歳 |
| 単体従業員数 | 797人 |
同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。これらの制度は同社単体に適用されます。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。直近の退職給付債務は6.9億円、年金資産は6.0億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、人的資本を重要な経営資源と位置づけ、その強化に取り組んでいます。株主還元、事業戦略、サステナビリティ推進、経営基盤強化の4つの重要施策を実現するため、事業戦略に合致する人材、経営基盤強化のための人材、経営幹部候補人材の確保、そして人材の多様性の確保を戦略として掲げています。
職員の給与および賞与は、職員給与規程および人事評価規程に基づき決定されます。業務成績と能力を評価対象とし、能力評価と成果評価の結果が昇給および賞与に反映される仕組みです。評価制度の運用は公平性を重視し、評価基準の明確化を図っています。
また、ダイバーシティ推進ポリシーを策定し、「多様性の尊重」「多様な働き方の実現」「エンゲージメントの向上」を基本方針としています。性別、人種、年齢、障害の有無等にかかわらず、すべての社員が公平な機会のもとで能力を発揮できる職場環境づくりを推進しており、従業員の階層に応じた様々な研修を実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 5.4% |
| 男性育児休業取得率 | 66.6% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 70.2% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 73.8% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 35.0% |
人的資本に関する指標と目標
実施期間は2026年4月1日から2031年3月31日までです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 正社員に占める女性労働者の割合 | 17.7% |
| 女性労働者の継続雇用割合÷男性労働者の継続雇用割合 | 203% |
| 女性平均継続勤務年数÷男性平均継続勤務年数 | 74.8% |
| 法定時間外労働および法定休日労働時間の合計平均(2025年度平均) | 21.6時間 |
| 女性管理職比率 | 5.4% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
協和日成は、主に東京ガスグループを主要顧客とする総合設備工事業を展開しています。ガス関連事業を主体としながら、建築設備や電設・土木といった幅広い分野で事業活動を行っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、ガス・機器設備事業、ガス導管事業、建築設備事業、電設・土木事業の4つのセグメントで事業を展開しています。収益は、主にこれらの各種設備工事の受注と完成によって得られるモデルとなっています。同社の売上高のうち、東京ガスグループからの売上が全体の過半数を占めており、特定顧客への収益集中が見られます。海外の外部顧客への売上高の記載はなく、海外事業は展開していません。
建築設備事業
集合住宅等における給排水衛生設備工事や学校等のGHP工事(ガスヒートポンプエアコン工事)、工場の営繕工事などを手掛けています。収益は、これらの設備工事の受注と完成から得ています。当事業年度は受注が非常に好調に推移し、大規模物件の完成も増加しました。
ガス・機器設備事業
主力のガス設備工事や集合住宅の給湯・暖房工事、戸建住宅の給排水設備工事などを展開しています。収益は、ガス設備工事や給湯・暖房工事、環境商材の拡販などから得ています。当事業年度は受注が好調に推移し、戸建住宅の給排水設備工事も回復基調となりました。
ガス導管事業
東京ガスネットワーク株式会社における経年管取替工事や、静岡ガス株式会社、北海道ガス株式会社の設備投資計画に伴う工事などを手掛けています。収益は、ガス導管の埋設工事や供給管工事の受注と完成から得ています。当事業年度は一部取引先の設備投資計画に伴う工事受注が低調に推移し、売上高が減少しました。
電設・土木事業
ゴルフ場のイリゲーション工事や東京電力パワーグリッド株式会社の管路埋設工事、上下水道工事などを手掛けています。収益は、これらの電気管路洞道埋設工事や土木工事の受注と完成から得ています。当事業年度はゴルフ場の設備投資が堅調に推移した一方で、東京都水道局関連工事の受注が低調でした。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| ガス導管事業 | 183億円 | 169億円 |
| ガス・機器設備事業 | 129億円 | 143億円 |
| 建築設備事業 | 41.8億円 | 61.3億円 |
| 電設・土木事業 | 20.3億円 | 20.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が増加傾向にあります。一方で、営業利益と経常利益は減少傾向を示していますが、当期純利益は増加傾向となっています。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況は、安定した基盤を維持していることが示されています。キャッシュフローの動きからは、事業活動で得た資金をどのように活用しているかが読み取れます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均(非製造業24.2%)を大きく上回る水準で推移しており、安定性が高いことを示しています。手元資金も確保されており、不測の事態への耐性があると考えられます。これらの財務状況は、同社で働く上での雇用や給与の安定性にもつながる要素です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 188.7億円 | 197.8億円 |
| 自己資本比率 | 66.5% | 66.6% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金 | - | 71.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社は一般事業会社であるため、営業活動によるキャッシュフローは本業の稼ぎを示す重要な指標です。当期は営業活動によるキャッシュフローが19.6億円の収入となり、前期の11.1億円の収入から増加しました。これは主に税引前当期純利益の計上や未成工事支出金の減少、仕入債務の増加がプラス要因となっています。
投資活動によるキャッシュフローは△5.2億円の支出となり、前期の△10.4億円の支出から減少しました。これは投資有価証券の取得による支出があった一方で、売却による収入も発生したことによるものです。フリーキャッシュフローは14.4億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している優良な状態を示しています。
財務活動によるキャッシュフローは△10.4億円の支出となり、前期の△12.2億円の支出から減少しました。これは自己株式の取得や配当金の支払いによるものです。同社は本業で安定的に資金を生み出し、投資も行いつつ、健全な財務活動を維持していることから、雇用や給与の安定性、そして将来的な成長性も期待できる財務状況にあると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 11.1億円 | 19.6億円 |
| 投資CF | △10.4億円 | △5.2億円 |
| 財務CF | △12.2億円 | △10.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 0.7億円 | 14.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は東京ガスグループを主要顧客とするガス工事事業を中核としており、売上割合の約5割を占めています。主要取引先の事業戦略の大幅な変更や市場環境の変化により、受注量の減少や資機材の供給不足、原材料価格の高騰が発生する可能性があります。また、競合他社との価格競争の激化や当初想定からの乖離、工事の施工段階における想定外の原価発生や工期遅延により、不採算工事が発生するリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は少子化の影響や景気拡大に伴う大手企業の採用数増加などにより、必要な人材を継続的に確保できない可能性があります。また、人材の多機能化および働き方改革への対応が遅延した場合、事業展開に影響が出るリスクがあります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
協和日成は、人々の暮らしに不可欠なライフラインを支えることを通じて、社会に安心と心地よさを提供し、豊かな未来に貢献することを目指している会社です。確かな技術ときめ細やかな感性でお客様の信頼に応え、社員が安心して働ける環境を大切にする企業風土を醸成しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
協和日成は、「私たちは常に進化する強い意志を持ち、心一つにして一流に向かい羽ばたき続けます。」を企業スローガンとして掲げています。同社は、ガス・電気・水といった人々の暮らしや産業に欠かせないライフラインを支えることを社会的使命としています。これにより、社会に安心と心地よさを提供し、豊かな未来に貢献することを目指しています。
経営の基本方針としては、協力会社も含めた企業集団として、確かな技術ときめ細かな感性でお客様の信頼に応え、選ばれ続けることを重視しています。また、同社の社員が安心して働ける職場環境を提供し、「感じ・考え・自ら行動する」企業風土を醸成していくことを掲げています。健全な経営を継続し、その利益を適正に還元することが社会的責任であると考えています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
協和日成は、「感じ・考え・自ら行動する」企業風土の醸成を経営の基本方針としています。社会との共生を図りながら「SHINKA(進化・深化・新化)」し続けるために、「サステナビリティ経営」を基本方針としています。
「SHINKA」では、培ってきたノウハウと技術を生かし、一括受注・施工体制のさらなる推進(進化)を目指しています。既存事業領域の深耕拡大とIR活動強化(深化)を図っています。多機能化人材育成強化、生産性向上、基幹システム刷新による業務効率化(新化)を目指しています。
同社はダイバーシティ推進ポリシーを掲げ、ひとを尊重し互いを信頼し合える企業風土を基盤としています。多様な人材が能力を最大限に発揮し、安心して働ける職場環境づくりを推進しています。多様性の尊重、多様な働き方の実現、エンゲージメントの向上を重視しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
協和日成は、事業構造の変化に対応するため、各事業部門において施工体制を柔軟に見直し・再構築し、機動的かつ効率的な体制の維持・強化を図ることを重要課題としています。建設業界全体で就労者の高齢化や担い手不足が進行する「2025年問題」を背景に、人材の確保・育成、多機能化の推進を含む人的資本の強化を重要な経営課題と位置づけています。
同社は、中期経営計画「Triple "S"」の推進を通じて、社会課題解決への期待に応え、社会との共生を図ることを目指しています。そのために、「サステナビリティの推進」と「経営基盤強化」を重点施策としています。人的資本の強化は、これらの施策を着実に遂行するための「経営基盤強化」における重要施策の一つとして、引き続き注力していく方針です。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
協和日成は、執行役員制度を導入し、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離しています。これにより、取締役会による業務執行に対する監視を行うとともに、監査役を設置して取締役の業務執行を監視する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は城北興業です。その他、東京瓦斯や麻生といった事業会社が上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 城北興業 | 22.63% |
| 東京瓦斯 | 8.85% |
| 麻生 | 6.97% |
| 朝日生命相互会社 | 5.95% |
| ナガワ | 4.76% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は14名(男性13名・女性1名)で構成され、女性役員比率は7.1%です。代表取締役社長社長執行役員は川野茂氏が務めています。社外取締役比率は30.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 川野 茂 | 代表取締役社長社長執行役員 | 1973年同社入社、ガス設備事業部長、執行役員総合企画室長、取締役常務執行役員ガス設備事業本部長などを経て、2019年より現職。 |
| 森川 久男 | 取締役常務執行役員 支店統括事業本部担当役員 | 1979年同社入社、執行役員ガス導管事業本部東京西事業所長、執行役員パイプライン事業本部ガス導管部長、取締役執行役員パイプライン事業本部長などを経て、2026年より現職。 |
| 佐々木 靖彦 | 取締役常務執行役員 パイプライン事業本部担当役員 | 1983年東京ガス入社、2020年同社へ出向、執行役員エンジニアリング事業本部副本部長、取締役執行役員エンジニアリング事業本部長などを経て、2026年より現職。 |
| 桝田 博俊 | 取締役常務執行役員 デジタルイノベーション推進部担当役員、企画部担当役員、経理部担当役員兼務 | 1991年三菱銀行入行、2021年同社へ出向、執行役員コーポレート本部経理部長、取締役常務執行役員監査室担当役員などを経て、2026年より現職。 |
| 加藤 宏行 | 取締役常務執行役員 総務部担当役員、安全品質環境部担当役員兼務 | 1986年同社入社、東京ガスライフバル西むさし株式会社取締役執行役員ライフサポート部長、2018年同社入社、コーポレート本部総務部長などを経て、2025年より現職。 |
| 河野 文彦 | 取締役執行役員 | 1982年日成建設入社、2019年同社執行役員パイプライン事業本部東京西事業所長、取締役執行役員エンジニアリング事業本部ガス設備部長などを経て、2025年より現職。 |
社外取締役は、安田直人氏(学校法人東京経済大学 理事)、下鳥正弘氏(朝日生命保険相互会社 取締役常務執行役員)、奥山隆之氏(山根法律総合事務所 弁護士)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役の職務執行を監視するため監査役を設置しています。社外取締役は経営会議や計画進捗会議、経営品質委員会の資料・議事録を共有し、取締役会で意思決定の妥当性・適正性を確保するための発言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定報酬である基本報酬、業績連動型報酬、長期インセンティブ型の株式報酬で構成されています。業績連動型報酬は、売上高や経常利益などを業績評価指標としています。監督機能を担う社外役員には基本報酬のみを支給する方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 8名 | 2.1億円 | 26.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 3名 | 26百万円 | 8.8百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 25百万円 | 3.6百万円 |
取締役の報酬等の総額には、使用人兼務役員の使用人分給与は含まれていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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