【平均年収710万円】塩水港精糖 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収710万円】塩水港精糖 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

塩水港精糖は、砂糖事業とバイオ事業を主軸に、グループ各社とともに生活必需品や機能性素材を提供しています。直近期は売上高、各利益指標ともに過去最高を更新し、堅調な増収増益となりました。


目次

※本記事は、塩水港精糖株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、砂糖事業とバイオ事業を主軸に展開しています。生活必需品である砂糖や、オリゴ糖をはじめとした機能性素材等の製品を消費者に安定して提供し、お客様の健康に貢献しています。

単体従業員数は44名、連結従業員数は83名です。セグメントは砂糖事業、バイオ事業、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)パールエース(砂糖事業・バイオ事業)、パールフーズ(包装加工業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


塩水港精糖は、砂糖事業を核とし、人々の健康を支える「おなかにやさしい会社」を目指しています。同社グループでは、持続可能な社会への貢献と企業価値向上を両立させるため、人的資本経営を推進しています。社員一人ひとりが心身ともに健康で活躍できる環境づくりに注力しており、安定した環境でキャリアを築きたい方に適した職場と言えるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、社員の長期的なキャリア形成を支援する環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数から、社員が長く働き続けることができる安定した職場であることがうかがえます。また、平均年齢は、幅広い世代の社員が活躍していることを示しています。

項目 数値
平均年間給与 7,097,000円
平均勤続年数 17.0年
平均年齢 45.1歳
単体従業員数 44人
連結従業員数 83人
単体のグループ内比率 53.0%


同社は、従業員の退職給付に充てられるため、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付制度を採用しています。この制度は国内の従業員を対象としています。

退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。当連結会計年度末における退職給付債務は7.4億円、年金資産は9.2億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は「未来を創る会社」を実現するため、社員一人ひとりが心身ともに健康で活躍できる環境を整えるべく、人的資本経営を推進しています。人材育成においては、自律型人財の育成を重視し、社員の主体的な成長を支援する方針です。公的資格取得支援や自己啓発支援などの学習機会を提供しています。

社内環境整備では、多様な価値観を尊重する職場環境を整えるため、女性活躍の推進や柔軟な働き方(時差出勤等)の導入に注力しています。ウェルビーイングの実現に向けた健康増進支援にも力を入れており、ハラスメント防止委員会の設置等により心理的安全性の確保に努めています。

従業員の給与その他の給付は、持続的な成長に向けた優秀な人材の確保及び定着を目的として決定されています。具体的には、従業員の役割、経験、能力及び成果等を総合的に勘案し、事業環境や労働市場の動向を踏まえた適切な報酬水準となるよう、社内規程に基づき決定される方針です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
女性管理職比率 11.4%

人材の育成及び社内環境整備方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標

指標 数値
女性管理職比率(2026年3月末実績) 11.4%
女性管理職比率(2030年3月末目標) 20.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


塩水港精糖は、砂糖事業とバイオ事業を主軸に展開する企業グループです。生活必需品である砂糖の製造・販売に加え、機能性素材の提供を通じて、人々の健康に貢献するビジネスモデルを構築しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、砂糖の製造・販売を核とする砂糖事業と、オリゴ糖などの機能性素材を手がけるバイオ事業を主な事業としています。その他事業として、所有不動産の賃貸も行っています。収益は、主にこれら製品の販売や不動産の賃貸から得ています。

同社グループの事業は、国内の外部顧客への売上高が連結売上高の大部分を占めており、国内市場に重点を置いた事業展開となっています。また、テラトー株式会社が主要な顧客の一つとして挙げられています。

砂糖事業

砂糖事業では、砂糖やその他糖類の製造・販売を行っています。業務用製品の販売が堅調に推移しており、観光やインバウンド需要の増加が売上を押し上げる要因となっています。この事業は、同社グループの売上高の大部分を占めており、前期と比較して売上高が増加しています。

バイオ事業

バイオ事業では、乳糖果糖オリゴ糖やサイクロデキストリンといった機能性素材の製造・販売を手がけています。オリゴ糖部門では、コアユーザー向け商品が堅調に推移する一方で、一部の家庭用および業務用製品の販売は前期を下回りました。サイクロデキストリン部門やビーツ部門は、前期並みの売上高を維持しています。

その他事業

その他事業では、主にニューESRビル事務所の一部賃貸など、所有不動産の活用を進めています。この事業は、前期と比較して売上高が増加しています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
砂糖事業 308億円 313億円
バイオ事業 15.8億円 15.6億円
その他事業 1.2億円 1.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5期にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向にあります。特に直近の期においては、これらの主要な利益指標が過去最高を更新しており、堅調な成長を示しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 251億円 280億円 316億円 325億円 330億円
経常利益 9.1億円 7.3億円 21.3億円 30.5億円 33.4億円
経常利益率 3.6% 2.6% 6.7% 9.4% 10.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 6.1億円 5.0億円 14.8億円 21.4億円 27.6億円
1株当たり当期純利益(円) 22.43 18.28 53.95 77.91 100.58

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期からわずかに増加し、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しています。これらの指標は、従業員一人ひとりの生産性が向上している傾向を示しており、組織全体の効率化が進んでいることがうかがえます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 396.6百万円 397.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 35.1百万円 36.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務基盤と資金の流れから、経営の安定性について見ていきます。本業で安定した資金を生み出し、投資も行っている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均(製造業46.8%)と比較して高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均(9.4%)を上回っており、効率的な経営を示しています。手元資金も確保されており、事業運営の安定性がうかがえる状況です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 166億円 206億円
自己資本比率 56.5% 64.8%
ROE(自己資本利益率) 14.1% 14.9%
現金及び預金 33.1億円 28.9億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度におけるキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローがプラスとなっています。これは主に税金等調整前当期純利益による資金増加があった一方で、法人税等の支払による資金減少があったためです。

投資活動によるキャッシュフローはマイナスとなっており、投資有価証券の取得や有形固定資産の取得による支出が主な要因です。貸付金の回収による収入はあったものの、全体としては将来に向けた投資が行われている状況を示しています。

財務活動によるキャッシュフローはマイナスで、借入金の純減額や配当金の支払による資金減少が主な要因です。本業で得た資金で投資を行い、さらに借入金の返済や株主への配当も行える状態であり、安定した事業運営と成長への投資が両立している状況がうかがえます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 37.0億円 26.6億円
投資CF △5.2億円 △11.3億円
財務CF △21.7億円 △19.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 31.8億円 15.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

砂糖業界は「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づく糖業政策及び制度の制約を受けています。国の農業政策や糖業政策・砂糖制度の見直し、経済連携協定の進捗等により、同社グループの事業展開並びに業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、海外粗糖の仕入価格は、為替相場の変動、主要生産国の天候やサトウキビの育成状況、地政学リスクの高まりなど、様々な要因の影響を受け変動する場合があります。調達コストやエネルギーコストの急激な変動を販売価格に反映できない場合、同社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


塩水港精糖は、食を通して人々の健康に貢献し、未来を創造する企業集団への変革を目指しています。同社グループは『おなかにやさしい』を軸に、持続可能な社会の実現に向けた価値創造に取り組んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


塩水港精糖は、2026年3月期から2031年3月期を対象とした中期経営計画「NEXT 2030」を策定しています。同社グループはPurpose(存在意義)として「おなかにやさしい会社」を掲げ、食を通して広く社会に貢献することを目指しています。Vision(目指す姿)は「ユーモアな食品を提供し、未来を創る会社」をテーマに、砂糖・オリゴ糖事業をはじめとする各事業を推進することです。これにより、『おなかにやさしい』を軸とした健康社会への貢献と、未来を創る企業集団への変革を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、PurposeとVisionを実現するためのValue(行動指針・規範)として、「共創・創意・進歩」「周到・果敢」「誠意・公正」「奉仕・献身」を定めています。持続可能な社会への貢献と中長期的な企業価値向上の両立を経営の最優先事項と捉え、サステナビリティ経営を推進しています。

「未来を創る会社」を実現するため、社員一人ひとりが心身ともに健康で活躍できる環境を整えるべく、人的資本経営の6つの施策に注力しています。これらには、持続的成長を支える人財の確保、社員の成長機会の充実、福利厚生制度の拡充、健康増進支援、柔軟な働き方の推進、多様性を尊重した職場づくりが含まれています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、品質管理及び危機管理体制の強化、環境変化に適応した事業体制の構築と経営基盤のさらなる強化に努めています。中期経営計画「NEXT 2030」に基づき、持続的な企業価値の向上に邁進しています。

砂糖事業では、身体の大事なエネルギー源である砂糖の正しい知識を普及させ、消費減退に歯止めをかける取り組みを進めています。新商品開発では、提携先各社とのシナジーを活かした新商品・新素材の具体化を推進しています。

また、フジ日本や大東製糖とのアライアンスを通じて、協働体制の深化や社会貢献活動にも力を入れています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


塩水港精糖は、監査役会設置会社として、公正かつ透明な経営体制を構築しています。取締役会は社外取締役を含む構成で、経営の監督と重要事項の決定を行っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


筆頭株主は大東製糖であり、事業会社が主要な株主として名を連ねています。その他、フジ日本やみずほ銀行といった金融機関も上位株主として同社を支える構成です。複数の事業会社が上位株主となっている点が特徴的です。

株主名 持株比率
大東製糖 14.76%
フジ日本 4.94%
みずほ銀行 4.92%
INTERACTIVE BROKERS LLC 2.56%
三菱UFJ信託銀行 2.19%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は17名(男性15名・女性2名)で構成され、女性役員比率は12.0%です。代表取締役会長は久野修慈氏、代表取締役社長は木村成克氏が務めています。社外取締役比率は21.4%です。

氏名 役職 主な経歴
久野 修慈 代表取締役会長 1963年に大洋漁業に入社し、取締役、常務取締役、代表取締役専務を歴任。1990年に同社代表取締役社長に就任後、会長を経て、2023年より代表取締役会長を務めています。
木村 成克 代表取締役社長 1998年にグロービスに入社後、2000年に大東製糖理事、2005年に同社代表取締役社長に就任。2013年に同社取締役に就任し、2021年代表取締役副社長を経て、2023年より代表取締役社長を務めています。
酒井 英喜 専務取締役 1986年に同社に入社し、砂糖部長、理事砂糖部長、取締役事業本部砂糖事業部長などを歴任。2023年専務取締役に就任し、2024年より専務取締役生産統括部長を務めています。
波多野 雅 常務取締役 1989年に大洋漁業に入社し、パールエースで取締役、常務取締役、専務取締役を歴任。2019年に同社取締役に就任し、2023年より常務取締役営業部門担当を務めています。
伊藤 哲也 常務取締役 1994年に同社に入社し、糖質研究所部長、執行役員生産統括部長、取締役生産統括部長などを歴任。2023年常務取締役生産担当を経て、2025年より常務取締役事業推進・研究担当兼情報システム担当を務めています。
小田 俊一 常務取締役 1992年に同社に入社し、管理グループ部長、砂糖事業部長、執行役員砂糖事業部長などを歴任。2023年常務取締役管理担当を経て、2024年より常務取締役総務人事部長を務めています。
田畑 貴史 常務取締役 1991年に日本興業銀行に入社し、みずほフィナンシャルグループでリスク統括部長などを歴任。2020年同社常勤監査役、2022年取締役を経て、2025年より常務取締役事業推進開発部長兼経理財務部長を務めています。
杉山 拓也 取締役 1992年に同社に入社し、パールエース執行役員、同社事業本部砂糖事業部部長、執行役員事業本部砂糖事業部長などを歴任。2024年より取締役砂糖事業部長兼食品事業部長を務めています。
和田守 真 取締役 1993年に同社に入社し、パールエースで執行役員、常務取締役を歴任。同社常務執行役員などを経て、2024年より取締役オリゴ事業部長を務めています。
濱保 健一 取締役 1992年に同社に入社し、事業本部砂糖事業部部長、執行役員事業本部砂糖事業部原料担当などを歴任。2024年より取締役原料資材部長を務めています。
赤星 礼子 取締役 1994年に同社に入社し、管理グループ経理担当部長、管理本部経理担当部長、執行役員管理本部経理担当部長などを歴任。2025年より取締役経理財務部経理担当部長を務めています。


社外取締役は、三和彦幸氏(公認会計士として監査法人の代表社員・副理事長を歴任し、三和公認会計士事務所を開設)、加藤敦広氏(商社で長年業務執行に携わり、大東製糖の取締役も務める)、阿部奈美氏(日本経済新聞社で要職を歴任し、報道機関での豊富な経験を持つ)です。

同社は監査役会設置会社です。社外取締役は、同社から独立した立場として、それぞれの専門的見地から経営における適正性や遵法性について意見を表明し、企業統治の実効性確保に努めています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、役位と職務遂行への対価としての固定報酬が基本です。業績連動報酬は原則として採用されていません。非金銭報酬として譲渡制限付株式報酬制度を導入しており、中長期的な企業価値向上へのインセンティブとして機能するよう設計されています。報酬の種類ごとの比率の目安は、基本報酬が9割、非金銭報酬等が1割となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 11名 2.3億円 21.2百万円
監査役(社外除く) 1名 10百万円 10.0百万円
社外役員 5名 29百万円 5.8百万円


取締役の人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した取締役1名を含みます。
連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示はありません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。