【平均年収523万円】岩塚製菓 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収523万円】岩塚製菓 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

岩塚製菓は、米菓の製造・販売を主軸とする菓子事業を展開し、グループ各社とともに高級米菓や通信販売、農産物・農産加工品の販売も手掛けています。連結従業員数は844名で、直近期は増収減益となりました。


目次

※本記事は、岩塚製菓株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


岩塚製菓は菓子事業を展開しており、米菓の製造・販売を主軸としています。同社グループは、国内子会社を通じて高級米菓や通信販売、かりんとうの製造・販売、農産物・農産加工品の販売も手掛けています。

単体従業員数は781名、連結従業員数は844名です。セグメントは菓子事業の1つです。

主な国内グループ会社は、瑞花(高級米菓販売)、新潟味のれん本舗(米菓通信販売)、里山元気ファーム(農産物・農産加工品販売)、田辺菓子舗(かりんとうの製造・販売)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


岩塚製菓は、平均勤続年数が長く、従業員の定着性が高い傾向が見られます。同社グループは、人材を重要な経営資源と位置づけ、役割に応じた公正な処遇と働きがいの追求を重視しています。多様な人材が活躍できる環境整備にも積極的に取り組んでいることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


岩塚製菓では、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、従業員が長期的にキャリアを築いている傾向が見られます。これは、安定した環境で働き続けたいと考える方にとって、参考となる情報です。

項目 数値
平均年間給与 5,232,404円
平均勤続年数 16.9年
平均年齢 43.7歳
単体従業員数 781人
連結従業員数 844人
単体のグループ内比率 92.5%


同社および連結子会社は、退職給付制度として確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)と退職一時金制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を設けています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、確定給付制度における退職給付債務の期末残高は11.3億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


岩塚製菓は、人材を持続的な成長を支える重要な経営資源と認識し、人材の確保・育成、働きがいのある職場環境の整備を不可欠な要素としています。中期経営計画の推進を下支えするため、人的資本への取り組みを全社的に強化しています。

給与は役割等級制度に基づき、各人に付与された役割と評価結果を踏まえて決定されます。2021年度からは年功的要素を抑制し、役割に応じた処遇を決定する仕組みを導入しています。賞与については、業績との連動性を高めるため、営業利益率に応じて支給月数を決定する仕組みとなっています。

同社は「人事基本方針」を策定し、役割・業績に応じた公正な処遇、働きがいの追求、目標にチャレンジする明るく活力あふれる職場作り、人財育成を基本理念としています。具体的には、専門性を発揮できる人財の育成を目的とした専門職制度や、小集団活動を通じた人財育成を実施しています。また、エンゲージメント・サーベイを継続的に実施し、働きがい向上に取り組むほか、女性活躍推進、障がい者雇用、高年齢者の活躍支援を推進するためのDE&I推進委員会を設置しています。労働安全衛生委員会を中心に、労働災害の防止や健康保持に向けた取り組みも行っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定に基づき算出されています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 4.9%
男性労働者の育児休業取得率 23.5%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 73.5%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 77.6%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 107.7%

多様性・登用

指標 数値
障がい者雇用率 2.98%

健康・安全


強度率は、延べ実労働時間1,000時間当たりの延べ労働損失日数をもって、災害の重さの程度を表したものです。

指標 数値
労働災害強度率 0.04

人材育成・エンゲージメント


エンゲージメント・レーティングは委託業者による評価です。

指標 数値
エンゲージメント・レーティング B評価

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


岩塚製菓グループは、菓子事業を主軸として展開しています。菓子の製造から販売までを一貫して手掛けており、お客様に「美味しさの感動と驚き」を届けることを目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


岩塚製菓グループは、菓子事業を単一セグメントとしています。同社は菓子の製造・販売を担い、連結子会社である瑞花、新潟味のれん本舗、里山元気ファームは、同社で製造した製品を仕入れて販売しています。里山元気ファームは農産物・農産加工品の販売も行い、田辺菓子舗はかりんとうの製造・販売を手掛けています。

また、持分法適用関連会社の旺旺・ジャパンは主に食料品の輸入販売を行い、非連結子会社のIWATSUKA USA Inc.は米菓の輸出販売を行っていましたが、現在は営業を休止しています。同社グループの収益は、主に国内における菓子製品の販売から得られています。主力商品の定番化やブランド認知度向上に向けた取り組みを通じて、売上基盤の安定と強化を図っています。

主要な販売先としては、三菱食品株式会社、丸紅株式会社、コンフェックス株式会社、株式会社高山といった企業が挙げられます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期における売上高は増加傾向にあります。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は変動が見られ、直近の期では減少となりました。この経常利益の減少は、主に株式配当金の受取額が前期より減少したことによるものです。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 180億円 204億円 220億円 250億円 288億円
経常利益 14.1億円 54.5億円 28.1億円 39.6億円 28.8億円
経常利益率 7.8% 26.8% 12.8% 15.9% 10.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 8.3億円 39.7億円 19.6億円 29.1億円 20.3億円
1株当たり当期純利益(円) 73.88 354.26 175.37 279.63 197.62

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、事業規模の拡大に伴う効率性の向上がうかがえます。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から横ばいとなっています。これらの数値は、同社グループの事業活動における効率性や収益創出力の傾向を示すものです。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 30.4百万円 34.2百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.0百万円 1.0百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている段階を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定しています。自己資本比率はプライム市場の製造業平均を大きく上回る水準で推移しており、強固な財務体質を示しています。ROEはプライム市場平均を下回る水準ですが、安定した事業運営を支える基盤が整っていると言えます。手元資金も一定規模を確保しており、事業の継続性や雇用・給与の安定性につながる要素となっています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 680億円 699億円
自己資本比率 74.6% 75.1%
ROE(自己資本利益率) 4.4% 2.9%
現金及び預金 40.6億円 29.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況を示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは30.7億円のプラスとなりましたが、前期と比べて利息及び配当金の受取額が減少したことなどにより、収入は減少しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が増加した結果、34.2億円のマイナスとなりました。これは、事業拡大や生産性向上に向けた設備投資を積極的に行っていることを示しています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や配当金の支払いに加え、自己株式の取得による支出が増加したため、11.8億円のマイナスとなっています。結果として、フリーキャッシュフローは3.5億円のマイナスとなり、本業で得た資金を上回る投資を行っている成長投資フェーズにあると言えます。このような資金の流れは、同社グループが事業の成長と強化に注力しており、将来的な事業の安定性や従業員の雇用・給与の維持に繋がる可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 39.4億円 30.7億円
投資CF △20.7億円 △34.2億円
財務CF △6.5億円 △11.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 18.7億円 △3.5億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、米菓製造業として国内市場が中心であり、競合他社とのシェア争いや廉価販売による価格競争に巻き込まれるリスクがあります。また、国内の少子高齢化と人口減少により、米菓業界全体の市場規模が縮小し、一層の競争激化が懸念されています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、多様な人材の確保と育成が効果的に行えない場合、経営戦略の立案や事業活動の遂行に支障が生じる可能性があります。このため、採用活動を通じた安定的な人材確保や、人事制度改革、社内研修制度の充実、働きやすい職場環境の整備に努めています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


岩塚製菓は、日本の伝統的な食文化を大切にしながら、社会に喜びと豊かさを提供することを目指す企業です。持続的な成長と企業価値の向上を追求し、未来を見据えた経営に取り組んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


岩塚製菓グループは、「我々は会社の事業を通じて、社会の人々に喜びと豊かさを提供し、その見返りとして、この事業に携わる者とその関係者の豊かな生活と社会的地位の向上を図り、併せて地域社会の経済的発展に貢献せんとするものである」という経営理念を掲げています。同社グループは、日本の伝統ある食文化を世界に広め、人々に喜びと豊かさを提供することを使命としています。お客様に安全で安心できる価値ある商品とサービスを提供することで、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を目指しています。2025年4月からは中期経営計画「『米(マイ)ミライ』~私たちはお米の未来を創ります~」を策定し、お米の未来を創造することを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、創業精神である「米」「技」「心」の体現のため、サステナビリティを経営の根幹に据えています。経営戦略方針として、環境問題や社会問題に積極的に取り組む「社会貢献」、DX推進を通じた「イノベーション」、そして自社の強みを生かせる「人財育成」を掲げています。人事基本理念では、役割・業績に応じた公正な処遇と働きがいの追求、目標にチャレンジする明るく活力あふれる職場作り、人財育成による企業体質強化を目指しています。2021年度からは年功要素を見直し、役割に応じた処遇を決定する人事制度を導入し、多様な人材が挑戦し成長できる組織風土を醸成しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、第74期経営計画において「一歩先の取組みを確かな力に変えてゆこう!」をスローガンに掲げ、「中期経営計画『米(マイ)ミライ』の推進」を基本方針としています。優先的に対処すべき課題として、顧客視点の品質保証体制の確立、グループ一体の価値創造、社員一人ひとりのエンゲージメント向上に取り組んでいます。また、サステナブル経営の実践、DX経営の本格実装も重要なテーマです。原料調達モデルの構築や環境・社会との調和、岩塚らしい人財育成を通じて、持続的成長と社会的価値向上を目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


岩塚製菓は監査等委員会設置会社であり、取締役会が経営戦略の決定と執行監督を担っています。社外取締役が経営の健全性と透明性の確保に貢献する体制です。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


岩塚製菓の筆頭株主は岩塚製菓共栄会であり、同社の従業員持株会と推測されます。また、株式会社第四北越銀行や創業家関係者が上位株主に名を連ねており、安定した資本構成が特徴です。複数の関連会社も大株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
岩塚製菓共栄会 6.23%
第四北越銀行 5.00%
槇 政男 3.92%
LEADING GUIDE HONG KONG LIMITED 3.82%
槇 キク 3.15%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長CEOは槇春夫氏、代表取締役社長COOは槇大介氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
槇 春夫 代表取締役会長 CEO 1976年12月同社入社、1998年6月同社代表取締役社長に就任、2023年6月同社代表取締役会長CEOに就任より現職。
槇 大介 代表取締役社長 COO 2006年5月同社入社、2013年6月同社取締役経営企画室長に就任、2023年6月同社代表取締役社長COO兼経営管理本部長に就任、2024年4月同社代表取締役社長COOに就任より現職。
星野 忠彦 常務取締役 経営管理本部長 1984年4月同社入社、2011年6月同社取締役営業本部長に就任、2024年4月同社常務取締役経営管理本部長に就任より現職。
小林 晴仁 常務取締役 購買・生産管理担当 1990年4月同社入社、2015年6月同社取締役購買部長に就任、2024年4月同社常務取締役購買・生産管理担当に就任より現職。
青山 英之 取締役 マーケティング本部長 1998年4月同社入社、2015年6月同社執行役員西日本営業部長に就任、2024年6月同社取締役マーケティング本部長に就任より現職。
若月 一彦 取締役 製造本部長 1988年4月同社入社、2021年7月同社執行役員製造副本部長に就任、2024年6月同社取締役製造本部長に就任より現職。


社外取締役は、髙橋隆二氏(元第四北越銀行常務執行役員・監査等委員長・指名報酬諮問委員長)、石川豊氏(元北越信用保証代表取締役社長・監査等委員)、深井一男氏(税理士・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、外部知見を有する社外取締役が取締役会の監督機能強化に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


岩塚製菓の役員報酬は、固定報酬を基本とし、中長期的な業績向上と企業価値増大への貢献意識を高めるため、連結営業利益を指標とした業績連動型株式報酬(株式給付信託(BBT))を導入しています。報酬の決定にあたっては、指名報酬諮問委員会の答申を尊重し、公平性と透明性を確保しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
社外取締役 3名 11百万円 3.8百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。