※本記事は、宝ホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
宝ホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は193名、グループ連結従業員数は5,720名です。
同社グループは、酒類・調味料の製造・販売、海外での日本食材卸、そしてライフサイエンス分野における試薬・機器の開発・製造・販売、受託サービス、遺伝子医療を主たる事業としています。子会社68社および関連会社2社で構成され、グローバルに事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、宝酒造、宝酒造インターナショナル、タカラバイオ、タカラ物流システム(貨物の運送)、ラック・コーポレーション(ワインの輸入販売)などです。
また、同社グループは、タカラバイオの完全子会社化を目的とした公開買付けを実施し、有価証券報告書提出日現在で議決権の所有割合が100%となる予定です。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
宝ホールディングスは持株会社であるため、グループ全体の人材マネジメント方針や企業文化が、多様な事業を展開する同社グループの働き方の特徴を形成しています。従業員のキャリア形成やワークライフバランスを重視し、グループ全体で働きがいのある環境づくりに取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員が長期的に活躍できる環境を提供しており、平均勤続年数と平均年齢から、安定したキャリアを築いている従業員が多い傾向がうかがえます。人材の定着を重視し、経験豊富な従業員が多数在籍していることが特徴です。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,640,000円 |
| 平均勤続年数 | 24.2年 |
| 平均年齢 | 49.8歳 |
| 単体従業員数 | 193人 |
| 連結従業員数 | 5,720人 |
| 単体のグループ内比率 | 3.4% |
宝ホールディングスグループは、従業員の退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を採用しています。これらの制度は、同社および一部の連結子会社に適用され、国内および海外の従業員が対象となっています。
退職一時金制度も存在しますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
確定給付制度における退職給付債務は136億円、年金資産は73.3億円となっています。確定拠出制度への当連結会計年度の要拠出額は768百万円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材を経営上の重要な資本である「人財」と位置付け、その総合力が持続的な成長と発展の源泉であると考えています。「宝グループ 長期Vision 2050」および「宝グループ中期経営計画2030」と連動し、「コーポレート人財の強化」「グローバル人財の強化」「次世代を担う人財育成および適材適所の配置」を人財マネジメントの柱としています。人財ポートフォリオを作成し、事業活動に必要な人財タイプを明確化し、採用、人財育成、適材適所の人財配置に活用しています。
従業員の給与は、人財への投資とその成果を公平・公正に評価する人事・賃金制度に基づき決定されます。宝ホールディングス、宝酒造、宝酒造インターナショナルでは、役割の難易度に応じた「役割等級制度」を採用し、組織業績および個人業績の成果と処遇を連動させています。一般社員の基本給は「役割給」と「年齢給」で構成され、管理職は「役割給」のみで、いずれも考課結果に基づき昇降給が決定されます。一方、タカラバイオでは個々の職務遂行能力を重視した「資格等級制度」を採用しており、能力の伸長や職務遂行状況に応じて等級と処遇が決定される仕組みです。
具体的な人財育成施策として、若手社員のコーポレート部門配置やキャリア採用による専門人財の獲得、DX人財の育成に取り組んでいます。グローバル人財の強化では、新卒・キャリア採用に加え、海外赴任を含むジョブローテーションや語学学習支援を通じて育成を進めています。次世代を担う人財育成として、経営幹部候補育成研修やマネジメント力強化研修を実施し、階層別研修やキャリア形成支援研修も提供しています。スキル・資格の見える化や学習支援施策により、社員の主体的な学びと持続的な成長を支援しています。
多様な人財の活躍推進として、女性管理職・課長補佐の計画的登用、キャリアデザイン研修、シニア人財の継続雇用制度、障がい者雇用推進と定着支援を行っています。快適な職場環境とワークライフバランスの実現のため、年次有給休暇の取得促進、在宅勤務の活用、育児休職の取得促進など多様な働き方を推進しています。組織風土づくりでは、組織横断型ワークショップやインターン制度によるグループ間の交流促進、従業員エンゲージメント向上に向けた調査とプロジェクト推進、TaKaRa WAKU-WORKプロジェクトによる業務革新と風土革新に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。2026年4月1日現在の割合を記載しています。賃金は性別に関係なく同一の基準を適用していますが、管理職における男女比率の差や一般社員における在籍年数の違い等により、賃金差が生じています。「パート・有期労働者」においては、定年後も有期労働者として管理職相当の処遇を受ける男性の嘱託社員が含まれていることが、差が大きい要因となっています。男性育児休業取得率は、当事業年度において配偶者が出産した男性労働者がいなかったため記載されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 18.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 74.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 73.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 51.0% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。2026年4月1日現在の割合を記載しています。㈱トータルマネジメントビジネスでは、当事業年度において配偶者が出産した男性労働者はいませんでした。
▼ 宝酒造
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 9.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 85.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 79.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 78.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 71.0% |
▼ タカラバイオ
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 23.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 78.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 81.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 80.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 81.3% |
▼ トータルマネジメントビジネス
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 50.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 96.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 99.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 91.8% |
グループ全体(連結)
宝ホールディングス、宝酒造、宝酒造インターナショナル3社を合算した集計値です。2026年4月1日現在の割合を記載しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 11.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 86.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 78.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 77.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 67.3% |
多様性・登用
宝ホールディングス、宝酒造、宝酒造インターナショナル3社を対象とした集計値です。2026年4月1日時点の実績です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職・女性課長補佐登用(2021年度から2030年度末までのべ) | 48名 |
| 女性管理職比率(2030年度末までに) | 11.2% |
| 事務系・技術系の新卒採用者に占める女性比率 | 55.8% |
障がい者雇用
2026年4月1日時点の実績です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 宝ホールディングス 障がい者雇用率 | 3.19% |
| 宝酒造 障がい者雇用率 | 3.05% |
| タカラバイオ 障がい者雇用率 | 2.90% |
育児・介護支援
宝ホールディングス、宝酒造、宝酒造インターナショナル、タカラバイオを対象とした集計値です。2025年度の実績です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 育児休職からの復職率 | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
宝ホールディングスは、酒類・調味料事業、海外での酒類製造・販売および日本食材卸事業、そしてバイオ事業をグローバルに展開する持株会社です。多様な事業を通じて、世界中の人々の暮らしと健康に貢献しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、持株会社である宝ホールディングスが各事業会社を統括し、国内外で幅広い事業を展開しています。国内での酒類・調味料の製造・販売、海外での酒類製造・販売や日本食材の卸売、そしてバイオ関連の試薬・機器開発・製造・販売や受託サービス、遺伝子医療を主たる事業としています。
宝酒造
国内において、焼酎、清酒、ソフトアルコール飲料などの酒類全般と、本みりんなどの酒類調味料、食品調味料、原料用アルコールの製造・販売を行っています。収益は、これらの製品の製造・販売から得ています。運営は、宝酒造が行っています。
宝酒造インターナショナルグループ
日本からの酒類の輸出、海外での酒類製造・販売、海外の日本食レストランなどへの日本食材販売を行う海外酒類事業と海外日本食材卸事業を展開しています。収益は、ウイスキーや和酒などの海外酒類販売、および日本食材の卸売から得ています。運営は、宝酒造インターナショナル、Takara Sake USA Inc.、The Tomatin Distillery Co.Ltd、Age International,Inc.、Mutual Trading Co.,Inc.、Foodex SAS、Cominport Distribución, S.L.、Tazaki Foods Ltd.、Kagerer & Co. GmbH、Nippon Food Supplies Company Pty Ltdなどが行っています。
タカラバイオグループ
試薬・機器の開発・製造・販売、再生医療等製品の開発製造支援サービスや遺伝子解析・検査などのCDMO受託サービス、遺伝子治療等に必要なバイオ創薬基盤技術の開発・製造・販売を行っています。収益は、これらのバイオ関連製品の提供や受託サービスから得ています。運営は、タカラバイオ、宝生物工程(大連)、宝日医生物技術(北京)、Takara Bio Europe S.A.S.、Takara Bio USA, Inc.などが行っています。
その他の事業セグメント
国内グループ会社が営む貨物運送事業やワイン輸入販売、主に宝ホールディングスが営む不動産賃貸事業などで構成されています。収益は、これらの多様な事業活動から得ています。運営は、タカラ物流システム、ラック・コーポレーションなどが行っています。
同社グループの収益は、宝酒造インターナショナルグループが最も大きく、全体の過半を占めています。海外売上高比率は62.7%となっており、海外事業が同社グループの収益に大きく貢献していることがうかがえます。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 宝酒造インターナショナルグループ | 1,854億円 | 2,215億円 |
| 宝酒造 | 1,188億円 | 1,180億円 |
| タカラバイオグループ | 450億円 | 403億円 |
| その他の事業セグメント | 134億円 | 144億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は増加傾向にあります。しかし、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の数期間で減少傾向を示しています。
特に当連結会計年度においては、売上高は増加したものの、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも減少となりました。これは、支払利息や為替差損の増加、未稼働の受託製造にかかる設備などの減損損失の計上、繰延税金資産の一部取り崩しなどが影響しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,009億円 | 3,507億円 | 3,394億円 | 3,627億円 | 3,943億円 |
| 経常利益 | 432億円 | 387億円 | 233億円 | 222億円 | 169億円 |
| 経常利益率 | 14.4% | 11.0% | 6.9% | 6.1% | 4.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 208億円 | 212億円 | 162億円 | 162億円 | 117億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 105.05 | 107.26 | 82.09 | 82.98 | 60.52 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期と比較して増加しています。これは、連結売上高の伸長が従業員数の増加を上回ったことを示しています。
一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しています。これは、売上高が増加したものの、営業利益が減少したという直近の業績トレンドを反映していると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 63.3百万円 | 68.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.6百万円 | 3.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
宝ホールディングスグループの財務状況は、安定した経営基盤を築いていることを示しています。本業で着実に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いながら、手元資金を確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回る水準で推移しており、安定した経営状況を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回るものの、堅実な経営がうかがえます。手元資金も十分に確保されており、事業環境の変化に対する耐性があると考えられます。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 3,009億円 | 3,109億円 |
| 自己資本比率 | 51.3% | 50.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 6.8% | 4.6% |
| 現金及び預金 | 833億円 | 732億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが前期から増加し、収入となりました。これは税金等調整前当期純利益の減少があったものの、減損損失の計上や未払酒税、その他流動負債の増加などが影響しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形及び無形固定資産の取得や子会社株式の取得による支出があったものの、前期に比べて支出が減少しました。
その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはプラスに転じ、前期のマイナスから改善しています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いや長期借入金の返済により支出となりました。本業で安定的に資金を生み出し、投資を賄えている状況は、同社グループの雇用安定性や給与安定性、そして将来的な成長性につながる基盤を示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 162億円 | 173億円 |
| 投資CF | △416億円 | △153億円 |
| 財務CF | 65億円 | △93億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △254億円 | 19.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、消費者の嗜好や需要動向の変化を事業リスクとして認識しています。特に宝酒造では、日本国内の高齢化・人口減少や若年層の飲酒離れが酒類の需要減少を招く可能性を挙げています。また、日本国内の酒類・調味料市場や海外酒類・日本食材卸市場、バイオ分野において、競合各社との競争激化が売上減少や利益率低下に影響を及ぼす可能性があるとしています。
③ 人材・組織に関するリスク
タカラバイオグループでは、遺伝子治療分野における世界的な競争激化の環境下で、人財の確保が経営成績に影響を与える要因の一つであると認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
宝ホールディングスは、自然との調和を大切にし、発酵やバイオの技術を通じて人々の健康的な暮らしと社会づくりに貢献することを目指しています。この企業理念を核に、持続的な成長と飛躍を実現する企業グループです。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、『自然との調和を大切に、発酵やバイオの技術を通じて人間の健康的な暮らしと生き生きとした社会づくりに貢献します。』という企業理念を掲げています。技術力、商品力、ブランド力をさらに向上させ、「和酒・日本食市場」と「ライフサイエンス産業」において多様な価値を提供することを目指しています。国内外での存在感を高めながら、持続的な成長と飛躍を実現することが目標です。
また、2025年9月には「宝グループ 長期Vision 2050」を策定し、「Smiles in Life」に込めた想いを具体的に表現しています。バイオテクノロジーをコアコンピタンスとして、「酒類・日本食材領域」「ライフサイエンス産業支援領域」に加え、食料不足や環境問題などの社会課題解決を通じた「新規領域」での価値創造と事業創出に取り組むことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、人材を経営上の重要な資本である「人財」と捉え、その総合力が企業の持続的な成長と発展の源泉であると考えています。仕事のやりがいや働きがいのある職場、人を育む風土づくりを進めるとともに、グループの次世代を担う人財やグローバルな事業成長を実現する人財の育成に注力しています。
グループ全体で社員が交流できる場や機会の創出、情報交換・共有ができる仕組みの構築も推進しています。また、「コンプライアンス行動指針」に基づいた行動を徹底し、海外を含めたグループ全体でコンプライアンスを推進する企業風土です。さらに、「宝グループ人権方針」を掲げ、多様性、人格、個性を尊重し、差別やハラスメントのない職場環境の維持に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、国内での人口減少や若年層のアルコール離れによる酒類市場の長期的な縮小、国内外での労働力不足による人件費増加といった厳しい経営環境に直面しています。原材料やエネルギー価格の高騰、ライフサイエンス分野の研究開発アクティビティの低迷も課題です。
これらの課題に対し、「宝グループ 長期Vision 2050」の実現を見据えた「宝グループ中期経営計画2030」を策定しました。事業ポートフォリオ戦略の推進、グループガバナンスおよびマネジメント体制の見直し、既存事業の収益構造改革、グループシナジーの発揮による成長の道筋の確立を重点テーマとしています。人的資本の活用や「宝グループ サステナビリティ・ポリシー」における「新規領域での価値提供」という新たな重要課題への対応も強化しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
宝ホールディングスは持株会社としてグループ経営を行っており、監査役設置会社です。取締役会には複数の社外取締役が参加し、経営の監督機能を強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
宝ホールディングスの株主構成を見ると、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が筆頭株主となっています。その他、STATE STREET BANK AND TRUST COMPANYやみずほ銀行などの金融機関が上位に名を連ねています。特定の創業家や事業会社が多数の株式を保有する構成ではありません。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 10.25% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505010 | 9.07% |
| みずほ銀行 | 4.99% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性7名・女性5名)で構成され、女性役員比率は41.7%です。代表取締役社長は木村睦氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 木村 睦 | 代表取締役社長 | 1985年4月同社入社。タカラバイオ取締役、宝酒造専務取締役などを経て、2018年6月より同社代表取締役社長。現在も宝酒造、宝酒造インターナショナル、タカラバイオの取締役を兼任。 |
| 鈴木 正直 | 取締役 | 1988年4月同社入社。タカラ長運代表取締役社長、同社人事部長などを歴任し、2025年6月より同社取締役。 |
| 佐藤 敬 | 取締役 | 1995年4月同社入社。宝酒造ブランド戦略部長兼酒類統括営業部長などを経て、2025年6月より同社取締役。 |
社外取締役は、友常理子氏(田辺総合法律事務所パートナー)、川上智子氏(早稲田大学大学院 商学学術院 経営管理研究科教授)、本宮孝夫氏(本宮孝夫税理士事務所税理士)、白幡清一郎氏(ナブテスコ社外取締役)です。社外監査役は、吉本明子氏(ボストンコンサルティンググループ シニアアドバイザー)、矢倉昌子氏(アスカ法律事務所パートナー)、宮口亜希氏(公認会計士宮口亜希事務所所長)です。
同社は監査役設置会社であり、監査役会設置会社です。複数の独立社外取締役および社外監査役が、それぞれの役割に応じて経営のモニタリング、監査、助言を行い、実効性の高い監督体制を構築しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、業務執行取締役に対しては役位と役割に応じた固定報酬と業績連動報酬で構成されています。社外取締役および監査役の報酬は、その役割に鑑みて固定報酬のみとなっています。業務執行取締役の報酬は、固定報酬と業績連動報酬の標準額の割合を1対1とすることを基本として決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.1億円 | 21.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 3名 | 43百万円 | 14.3百万円 |
| 社外役員 | 9名 | 63百万円 | 7.0百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
個人別報酬が開示されている役員は、木村睦氏(1.03億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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