【平均年収592万円】養命酒製造 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収592万円】養命酒製造 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

養命酒製造は、養命酒の製造販売を主軸に、くらすわブランドによる小売り・サービス事業などを展開しています。国内外で酒類・食品製造販売なども手掛けており、直近の売上は減少しましたが、営業利益と経常利益は大きく増加しました。


目次

※本記事は、養命酒製造株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


養命酒製造は、主に「養命酒」の製造販売を行う養命酒関連事業と、「くらすわ」ブランドによる小売り・サービス事業を展開するくらすわ関連事業を主軸としています。国内外での酒類・食品製造販売、太陽光発電、不動産賃貸も手掛けています。

同社の単体従業員数は289名です。セグメントは養命酒関連事業、くらすわ関連事業の2つです。

養命酒製造は、主に国内外で「養命酒」や酒類・食品の製造販売を手掛けています。また、「くらすわ」ブランドの商業施設運営や通信販売も同社が直接行っています。

同社は当事業年度より、従来くらすわ関連事業に含めていた外販を、組織見直しに伴い養命酒関連事業の酒類・食品に表示方法を変更しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


養命酒製造は、長年にわたり人々の健康生活に貢献してきた企業です。事業の安定性や伝統を背景に、従業員が長く安心して働ける環境が整っていると考えられます。社員の健康や多様性を重視し、働きがいのある職場づくりに力を入れている点が特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均年齢が高く、平均勤続年数も長めであることから、従業員が長期にわたって定着し、キャリアを築いている傾向が見られます。安定した環境で経験を積み重ねていきたい方にとって、魅力的な職場であると言えるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 5,923,371円
平均勤続年数 20.0年
平均年齢 46.1歳
単体従業員数 289人


同社は従業員の退職給付に備えるため、確定給付型の制度としてポイント制による確定給付企業年金制度を設けています。確定給付型とは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

退職給付債務は26.4億円、年金資産は36.9億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


養命酒製造は、経営理念である「生活者の信頼に応え、豊かな健康生活に貢献する」を実現するため、多様な人材の積極的な起用と、人権・ダイバーシティを尊重した組織風土づくりを通じて、従業員がいきいきと活躍できる会社組織を目指しています。報酬・処遇については、就業規則や人事評価制度に基づき、資格等級ごとの月例給や賞与を決定しています。成果と成長の両立を促す報酬設計により、人材の能力開発と適切な配置を通じて企業力の向上を図っています。

人材育成方針では、「既成の概念に捉われない創造性ある人材、自律し自己研鑽を惜しまない人材、職務に真摯な姿勢で取り組む人材」を目指すべき社員像と定義し、社外人材の活用や社内人材のリスキル、キャリア自律の意識醸成、後継者育成に取り組んでいます。社内環境整備方針としては、従業員エンゲージメントを両立した組織風土の改革、労働の本質を「企業価値の創造」と捉えた就労環境の整備、ハラスメントのない組織風土の維持、管理職のコミュニケーションスキル向上、心理的安全性が担保された双方向のコミュニケーションの深化を掲げています。

また、健康経営を推進し、社員の健康維持・増進に向けた取り組みを進めています。キャリア(中途採用)社員を即戦力人材として積極的に採用し、多様性の確保と生産性向上を目指しています。女性社員の採用を積極的に進め、仕事と育児等の両立支援制度を充実させることで、働きやすい職場環境の整備に努めています。ワークライフバランスの推進に向け、長時間労働の削減にも取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男女の賃金差異は、職種や等級による人数分布の差、およびパート・有期雇用の女性割合が高いことによる影響で生じています。管理職に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の差異データには、他社からの出向者を含みます。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 12.0%
男性労働者の育児休業取得率 66.7%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 56.0%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 63.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 89.3%

ダイバーシティ

指標 数値
育休からの復職率(男性) 100%
育休からの復職率(女性) 100%
男性育休取得率 66.7%
男性育休1カ月以上取得率 100%
ダイバーシティ(LGBTQ、女性活躍、人権、ハラスメントなど)にかかわる研修参加率 97.8%

育成

指標 数値
社員研修参加率 97.4%
自己啓発支援制度利用率 42.0%
キャリア採用人材に対する経営理念の定着研修参加率 100%

健康・安全

指標 数値
コンプライアンス研修を受けた従業員の割合(上期) 97.9%
コンプライアンス研修を受けた従業員の割合(下期) 100%
年次有給休暇取得率 64.6%
健康セミナー受講率 64.6%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


養命酒製造は、長年にわたり親しまれてきた「養命酒」を主軸とする養命酒関連事業と、食を通じた「すこやかなくらしの輪」をコンセプトとする「くらすわ」ブランドを展開するくらすわ関連事業の二つの事業を柱としています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は、主に国内外で「養命酒」の製造販売を手がけるほか、酒類や食品の製造販売も行っています。また、太陽光発電による売電事業や不動産賃貸事業も展開しています。食の分野では、直営の商業施設での商品販売やレストラン運営、インターネットを通じた通信販売など、多角的なチャネルで事業を展開しています。

養命酒関連事業

主に国内外への「養命酒」及び酒類・食品の製造販売を行っています。その他に太陽光発電による売電及び不動産賃貸も行っています。
収益は、主に「養命酒」の販売、酒類・食品の販売、そして売電や不動産賃貸から得ています。当事業年度の売上高は前年同期と比較して減少傾向にあります。

くらすわ関連事業

食を通じた「広げる、すこやかなくらしの輪」をコンセプトとした「くらすわ」ブランドによる小売り・サービス事業を展開しています。直営の商業施設における商品販売やレストラン運営、インターネット等を通じた通信販売が主な活動です。
収益は、店舗運営による商品販売やレストランの提供、通信販売から得ています。当事業年度の売上高は前年同期と比較して増加傾向にあります。

同社の販売実績を見ると、特定の取引先への売上高が一定の割合を占める傾向があります。また、本邦の外部顧客への売上高が全体の大部分を占めており、海外比率は低い状況です。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
養命酒関連事業 87.7億円 82.0億円
くらすわ関連事業 12.5億円 14.3億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


当事業年度の売上高は、前年同期と比較して減少となりました。一方で、営業利益と経常利益は前年同期から大きく増加しています。

当期純利益については、前年同期は利益を計上していましたが、当事業年度は損失となりました。これは主に、将来の回収可能性を検討した結果、固定資産について減損損失を特別損失として計上したことによるものです。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


養命酒製造の財務基盤は、自己資本比率が高く、手元資金も増加しています。本業のキャッシュフローはプラスを維持しつつ、投資活動による資金も増加している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


養命酒製造の自己資本比率は高い水準にあり、強固な財務基盤を示しています。当期は純損失を計上したためROEはマイナスとなりましたが、前期はプラスでした。手元資金は増加しており、不測の事態への耐性がある状態です。これらの財務状況は、同社で働く上での雇用や給与の安定性につながる要素と言えます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 46,062百万円 46,345百万円
自己資本比率 86.1% 85.8%
ROE(自己資本利益率) 1.5% △4.9%
現金及び預金等 3,051百万円 5,149百万円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


養命酒製造の当期の営業活動によるキャッシュフローは294百万円の増加となりました。これは主に減価償却費や減損損失の増加要因があった一方で、税引前当期純損失や取引保証金の返還が減少要因となったことによるものです。投資活動によるキャッシュフローは2,431百万円の増加となり、定期預金の純減額による収入や投資有価証券の売却による収入が主な要因です。財務活動によるキャッシュフローは628百万円の減少となり、主に配当金の支払いが影響しています。

当期は営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローがプラスとなっており、本業で得た資金と投資活動による収入で、事業運営や将来への再投資、配当支払いの余力を生み出している状態です。前期はフリーキャッシュフローがマイナスでしたが、当期はプラスに転じています。この資金の流れは、同社の安定した事業運営と成長に向けた基盤があることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 472百万円 294百万円
投資CF △1,194百万円 2,431百万円
財務CF △633百万円 △628百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) △722百万円 2,725百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社は主力商品「養命酒」の製造、販売を中心としており、売上高に占める割合は7割程度となっています。サプリメントや健康食品、エナジードリンク等との競争激化や消費者の嗜好の変化、気候変動等が販売に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、主力商品である「養命酒」の原料生薬は中国等海外及び国内から調達しており、予期せぬ天候不順や災害、規制等により原料生薬の量的確保ができない状況が続いた場合や価格が高騰した場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

ナラティブには、人材の獲得・維持や組織文化・労働環境に関する直接的なリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


養命酒製造は、「生活者の信頼に応え、豊かな健康生活に貢献する」ことを経営理念に掲げ、人々のすこやかでより良い時間を応援する企業です。健康を軸に、社会や環境との調和を重視した事業活動を通じて、持続的な企業価値の向上を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社は、「生活者の信頼に応え、豊かな健康生活に貢献する」ことを経営理念としています。お客様の満足と信頼を第一に考え、健康生活に貢献できるよう、企業ビジョンである「健全で、強い、良い会社」を目指しています。

また、「すこやかでより良い時間を願う人々を応援する」という事業ビジョンの下、「養命酒」を中心とした高い安心と社会に求められる有用な商品やサービスの提供に努めています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は、平和、持続可能な生活、自然との共存、子供たちの未来や地域社会への貢献を目指し、多様性豊かな世界を応援する視点をもって企業価値の向上に努めています。サステナビリティに関する重要課題として、「健康」、「環境」、「地域社会」、「人権・ダイバーシティ」、「ガバナンス」の5つを特定しています。

多様な人材の積極的起用による活力ある企業文化の醸成と、人権・ダイバーシティを尊重した組織風土づくりを推進しています。従業員がいきいきと活躍できる会社組織の構築を目指し、人権方針や調達方針を定め、サプライチェーン全体での人権尊重に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は、中期経営計画の基本戦略として「次の100年に向けた成長投資と持続的成長基盤の確立」を掲げ、戦略課題を設定し取り組んでいました。しかし、中期経営計画策定時に想定した前提条件が大きく変化したことを踏まえ、本中期経営計画を取り下げています。

現在は、株式会社レノ及び湯沢株式会社とともに同社株式の非公開化を進め、株式会社ツムラの子会社となることが、事業環境の変化に伴う経営課題の解決をより早期に実現し、企業価値の向上に資するとの結論に至っています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社は監査等委員会設置会社として、経営の意思決定と監督機能の強化に努めています。社外取締役の招聘や執行役員制の導入を通じて、経営の健全性と透明性の向上を図る体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主は湯沢であり、その他に複数の金融機関や事業会社が上位株主として名を連ねています。安定した資本構成の中で、多様なステークホルダーに支えられていることがうかがえます。

株主名 持株比率
湯沢 33.33%
JP JPMSE LUX RE NOMURA INT PLC 1 EQ CO(常任代理人 三菱UFJ銀行) 5.63%
三菱UFJ信託銀行 4.84%


なお、2026年4月15日に大株主の異動が生じており、株式会社レノが6,920,500株を保有し、湯沢は主要株主である筆頭株主に該当しないこととなりました。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.0%です。代表取締役社長は田中英雄氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
田中 英雄 代表取締役社長 1974年4月三菱信託銀行入社、2004年6月同社取締役執行役員、2025年6月同社代表取締役社長より現職。
神林 敬 取締役常務執行役員生産、薬事・品質保証、駒ヶ根施設担当 1984年4月同社入社、2009年6月執行役員、2012年6月取締役執行役員、2024年6月同社取締役常務執行役員より現職。
斉藤 隆 取締役常務執行役員事業担当 1978年4月株式会社住友銀行入行、2013年6月同社監査役、2015年6月取締役執行役員、2025年4月同社取締役常務執行役員より現職。
宮下 克彦 取締役上席執行役員 事業戦略部長 1979年4月株式会社八十二銀行入行、2012年6月同社経理部長、2014年6月取締役執行役員、2024年6月同社取締役上席執行役員より現職。
清水 政明 取締役上席執行役員 人事総務部長、情報システム担当 1984年4月同社入社、2012年6月人事総務部長、2014年6月取締役執行役員、2025年6月同社取締役上席執行役員より現職。
井川 明 取締役上席執行役員 経営企画部長 1983年4月三菱信託銀行入社、2015年6月同社常勤監査役、2018年6月執行役員、2025年6月同社取締役上席執行役員より現職。


社外取締役は、田中昌之氏(元三菱UFJ信託銀行執行役員・常勤監査等委員)、須永明美氏(須永公認会計士事務所所長・監査等委員)、佐藤敦子氏(高崎経済大学経済学部国際学科教授・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である社外取締役が取締役会の議決権を保有することで、経営の監督機能を強化しています。これにより、経営の健全性と透明性を一層向上させる体制を構築しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)の報酬は、基本報酬、業績連動賞与、および業績連動型株式報酬で構成されています。基本報酬と業績連動報酬等の支給割合は、業績目標達成度100%の場合、概ね基本報酬60%と業績連動報酬等40%となるよう設計されています。監査等委員である取締役の報酬は、その役割と職務を考慮し、基本報酬のみで構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 7名 1.1億円 16.1百万円
社外役員 3名 39百万円 13.0百万円


なお、上記の報酬のほか、退任取締役1名に対し30百万円の退職慰労金が支給されています。また、社外役員に対するその他報酬は、特別委員会の委員として検討を委任された事項に対するものです。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。