MRKホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

MRKホールディングス 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証スタンダード上場。「マルコ」ブランドの補整下着販売を主力とし、マタニティ・ベビー用品、婚礼・宴会、美容事業等を展開するRIZAPグループ傘下企業です。直近決算では、主力の補整下着販売が好調に推移し、売上高は前期比8.0%増、経常利益は13.2%増の増収増益となりました。


※本記事は、MRKホールディングス株式会社 の有価証券報告書(第48期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年06月23日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. MRKホールディングスってどんな会社?


女性の美と健康を追求する企業グループで、補整下着の草分け「マルコ」を中心に多角的な事業を展開しています。

(1) 会社概要


1978年にマルコとして設立され、婦人下着の訪問販売業界で初めてファンデーションのセット販売を開始しました。1996年に大阪証券取引所市場第二部へ上場を果たします。2016年にRIZAPグループと資本業務提携を行い、同社の連結子会社となりました。2018年には持株会社体制へ移行し、現在のMRKホールディングスへ商号変更しています。

同グループの従業員数は連結で1,846名、単体で29名です。筆頭株主は親会社であるRIZAPグループで、第2位は総合商社の伊藤忠商事です。

氏名 持株比率
RIZAPグループ 54.94%
伊藤忠商事 5.36%
MRKホールディングス社員持株会 1.72%

(2) 経営陣


同社の役員は男性4名、女性1名の計5名で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長は塩田徹氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。

氏名 役職 主な経歴
塩田  徹 代表取締役社長 パナソニックヘルスケアホールディングスを経て、RIZAPグループ取締役等を歴任。2023年11月より現職。
巻田眞一郎 取締役(監査等委員)(常勤) 1994年同社入社。経営企画管理部長、経理部長、執行役員管理本部長などを経て2022年6月より現職。


社外取締役は、重光桜子(ラブストック執行役員)、武藤元(フォルム綜合法律事務所所長弁護士)、楠智(中川特殊鋼顧問)です。

2. 事業内容


同社グループは、「婦人下着及びその関連事業」「マタニティ及びベビー関連事業」「婚礼・宴会関連事業」の3つの報告セグメントおよび「その他」事業を展開しています。

**(1) 婦人下着及びその関連事業**
体型補整を目的としたファンデーションやランジェリー、ボディケア化粧品、健康食品等を販売しています。全国の直営店舗やECサイトを通じて商品を提供するほか、店舗ではボディメイクなどのアフターサービスを行い、顧客満足度の向上に努めています。
収益は主に顧客への商品販売代金およびアフターサービス料から得ています。運営は主に連結子会社のマルコが行っています。

**(2) マタニティ及びベビー関連事業**
マタニティおよびベビー向けのアパレルや雑貨の企画・販売を行っています。直営店舗のほか、自社ECサイトや大手ECショッピングモールでの販売を展開しています。
収益は顧客への商品販売代金です。運営は主に連結子会社のマルコが行っています。

**(3) 婚礼・宴会関連事業**
結婚式場の運営、カフェやレストランなどの飲食店運営、法人宴会やイベント会場の運営を行っています。
収益は挙式・披露宴の施行料、飲食代金、会場利用料などから得ています。運営は主に連結子会社のMISELが行っています。

**(4) その他(美容関連事業)**
直営店舗にてヘアサロン等の運営を行っています。
収益は顧客からの施術料や商品販売代金です。運営は主に連結子会社のMISELが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績を見ると、売上高は184億円から212億円へと緩やかな拡大傾向にあります。利益面では、経常利益が6億円から8億円台で推移しており、安定して黒字を確保しています。当期は売上高が200億円台に回復し、利益率も改善傾向を示しています。

項目 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
売上高 184億円 188億円 195億円 196億円 212億円
経常利益 6.6億円 7.3億円 8.5億円 6.2億円 7.0億円
利益率(%) 3.6% 3.9% 4.4% 3.2% 3.3%
当期利益(親会社所有者帰属) 0.2億円 3.1億円 2.5億円 1.0億円 2.6億円

(2) 損益計算書


直近2期間の損益構成を見ると、売上高の増加に伴い売上総利益も増加しています。売上総利益率は約75%と高い水準を維持していますが、販管費率も高いため、営業利益率は1%台後半から2%台で推移しています。

項目 2024年3月期 2025年3月期
売上高 196億円 212億円
売上総利益 148億円 158億円
売上総利益率(%) 75.4% 74.6%
営業利益 5.5億円 4.0億円
営業利益率(%) 2.8% 1.9%


販売費及び一般管理費のうち、給料・賞与等が66億円(構成比43%)、販売促進費が8億円(同5%)を占めています。売上原価は商品等の仕入が中心です。

(3) セグメント収益


当期は全セグメントで売上高が増加しました。主力の婦人下着事業は新商品や限定色の投入が奏功し増収となりましたが、人的資本への投資等により減益となりました。婚礼・宴会事業は法人宴会需要の取り込みで大幅な増収となり、赤字幅も縮小傾向にあります。

区分 売上(2024年3月期) 売上(2025年3月期) 利益(2024年3月期) 利益(2025年3月期) 利益率
婦人下着及びその関連事業 172億円 185億円 7.6億円 6.8億円 3.7%
マタニティ及びベビー関連事業 12億円 12億円 -0.8億円 -0.6億円 -5.0%
婚礼・宴会関連事業 5.3億円 8.3億円 -1.3億円 -1.8億円 -21.8%
その他 6.6億円 6.1億円 -0.0億円 -0.4億円 -6.1%
連結(合計) 196億円 212億円 5.5億円 4.0億円 1.9%

(4) キャッシュ・フローと財務指標

MRKホールディングスは、営業活動により資金を創出し、投資活動で資金を運用し、財務活動で資金調達・返済を行っています。

営業活動では、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の減少、利息の受取により資金が増加しました。投資活動では、貸付金の回収や関係会社貸付金の回収による収入があった一方で、貸付けや関係会社貸付けによる支出もあり、結果として資金が増加しました。財務活動では、長期借入金の返済による支出が主な要因となり、資金が減少しました。

項目 2024年3月期 2025年3月期
営業CF -8.5億円 17億円
投資CF -24億円 4.4億円
財務CF 33億円 -26億円

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


「消費者重視」を基本方針とし、「より良い商品・正しい情報とサービスの提供・誠実な人柄」を理念として実践しています。顧客満足度の向上を常に念頭に置き、コミュニケーションを大切にすることで、お客様に喜びと感動を提供し、継続的な成長につなげることを目指しています。

(2) 企業文化


女性が輝く人生を過ごせるよう、美と健康に関する多彩な商品・サービスを提供する「美の総合総社」を目指すビジョンを掲げています。その実現に向けて高品質な商品と最高のサービスを提供し続けるとともに、女性活躍の推進や環境への配慮など、持続可能な社会の実現に向けた取り組みも重視する文化があります。

(3) 経営計画・目標


企業価値の持続的な向上を図るため、成長性と収益性の主要指標として以下の数値を重視しています。また、長期的かつ安定的な配当の実施や、健全なキャッシュ・フローの向上、財務体質の改善にも努めています。

* 売上高成長率
* 売上高営業利益率

(4) 成長戦略と重点施策


「美の総合総社」の実現に向け、主力の補整下着販売の拡大と、顧客のライフステージに寄り添った新たな収益源の創出を推進しています。具体的には、従業員満足度と顧客満足度の向上、プロモーションによる集客力強化、商品・サービスの拡充、そしてシステム投資やコスト最適化による収益基盤の強化を重点課題としています。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


「人を幸せにするための拡大」を基本方針とし、多様な経験を持つ人材の採用と育成を強化しています。女性社員が主体的に働ける環境づくりを重視し、柔軟な勤務形態や時間単位有休制度を整備しています。また、実力本位の評価制度による処遇を行い、管理職への女性登用も積極的に推進しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年3月期 45.9歳 14.2年 4,956,248円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 45.5%
男性育児休業取得率 33.3%
男女賃金差異(全労働者) 70.8%
男女賃金差異(正規雇用) 74.7%
男女賃金差異(非正規雇用) -%


※男女賃金差異(非正規雇用)については、提出会社において該当者がいないため「-」としています。

また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、グループ全体における女性管理職の割合(62.0%)、グループ全体における管理職の中途採用者の割合(96.9%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 取引先に関するリスク

主力商品である体型補整用婦人下着は高度な技術を要するため、製造委託可能な工場が限られています。取引先工場での災害や事故による供給遅延、倒産等が発生した場合、同社グループの営業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 情報システム・セキュリティリスク

顧客情報等を管理する基幹システムへの不正侵入やサイバー攻撃、自然災害等によるシステム停止が発生した場合、業務効率の低下や社会的信用の失墜を招く恐れがあります。これに伴う損害賠償責任の発生等は、業績に悪影響を与える可能性があります。

(3) レピュテーション(風評)リスク

マスコミ報道やインターネット上での誹謗中傷等によりブランドイメージが低下した場合、業績に影響が出る可能性があります。同社は情報把握に努めるとともに、接客対応力の向上やコンプライアンス徹底のための研修を定期的に実施しています。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。