※本記事は、石井食品株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
石井食品は、調理済食品の製造および販売を主軸とする食品事業を展開しています。同社グループは、八千代、京丹波、唐津の3工場体制で生産を行い、小売業者や消費者への販売、通信販売を手掛けています。
単体従業員数は395名、連結従業員数は405名です。同社グループの事業セグメントは食品事業の単一です。
主な国内グループ会社は、ダイレクトイシイ(当社製品等の通信販売)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
石井食品グループは、食を通じてお客様の生活を支え、持続可能な食の循環型ビジネスモデルの構築を目指しています。多様な人財の活用を重視し、従業員一人ひとりが健康で働きがいを感じられる環境づくりに注力している点が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的長く勤める従業員が多い傾向が見られます。従業員の平均年齢は40代前半であり、平均勤続年数も長めであることから、安定した環境でキャリアを築いている様子がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,520,864円 |
| 平均勤続年数 | 15.2年 |
| 平均年齢 | 42.9歳 |
| 単体従業員数 | 395人 |
| 連結従業員数 | 405人 |
| 単体のグループ内比率 | 97.5% |
石井食品グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。これらの制度は、同社及び連結子会社に適用されます。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は16.3億円、年金資産は6.1億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
石井食品グループは、ISHII VISION2030の実現に向けて、人財を重要な経営資本と位置付けています。多様な人財がそれぞれの強みを発揮し、現場起点で改善・挑戦を重ねる組織づくりが不可欠であると考えています。
給与や報酬の決定においては、役割、職責、職務遂行能力、業績、組織への貢献度を総合的に勘案し、公正性、納得性、持続的な成長への貢献を重視する基本方針を掲げています。給与水準は会社の業績、労働市場の動向、物価上昇、人財確保・定着の観点を踏まえて見直しが行われます。
基本給は等級・役割、職務遂行能力、担当業務の難易度、責任の大きさに基づいて決定されます。賞与は会社業績、部門やチーム、個人の成果、組織貢献度を総合的に勘案し、従業員の挑戦や改善活動、協働、中長期的な価値創造への貢献が適切に反映されるよう運用されています。中途採用者の給与は、入社時に前職水準、経験、知識・技能、期待する役割、職責を総合的に勘案して決定され、入社後は社内の評価基準に基づき見直しが行われます。
同社グループは、現場での業務理解と改善力、品質・安全意識、地域やお客様との関係構築力、デジタルツールを活用した生産性向上力を備えた人財の確保・育成を重視しています。また、従業員一人ひとりが健康で働きがいを感じながら能力を発揮できる環境づくりを人材戦略上の重要課題と位置付けています。具体的には、デジタルツールを活用した生産性・効率性の向上、創造性を発揮できる職場環境の整備、働き方の多様化・柔軟化、育児・介護等と仕事の両立支援、従業員の給与や可処分所得の底上げに継続的に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、記載を省略しています。男女の賃金の差異は、賃金制度・体系において性別による差異はなく、主に勤務時間が短いパートタイムの女性労働者が多いことによるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 30.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全従業員) | 67.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 85.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 69.8% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
石井食品は、調理済食品の製造と販売を主軸とする事業活動を展開しています。同社グループは、お客様の生活シーンを支え、ライフスタイル変革につながる食サービスの最大化を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
石井食品グループは、調理済食品の製造および販売を主な事業としています。同社グループは食品事業の単一セグメントで事業を展開しており、八千代、京丹波、唐津の3工場体制で生産を行っています。販売は顧客サービス部が小売業者や消費者向けに行うほか、子会社のダイレクトイシイが通信販売を手掛けています。
同社グループの収益は、主に食肉加工品から得ています。食肉加工品は、お弁当の定番商品として堅調な売上を維持しており、同社グループの売上高の大部分を占めています。また、常温品はローリングストックや外出時など多様な場面に対応できる商品として幅広い業態で取り扱われ、売上を伸ばしています。
惣菜カテゴリでは、栗ごはんの素シリーズが季節感に合わせた販売戦略により売上を増加させました。地域商品では、従来のハンバーグシリーズに加え、地域食材を活用した新商品を発売し、「地域と旬」ブランドとして取り組みを強化しています。正月料理は個食ニーズや食物アレルギー、食塩不使用といった特定のニーズに対応した商品が売上を伸ばしており、通販カテゴリでは工場見学や試食会が新規顧客獲得とリピーター増加に繋がっています。
同社グループは日本国内での事業展開が中心であり、本邦以外の外部顧客への売上高はありません。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 食肉加工品 | 9兆4,295億円 | 9兆5,232億円 |
| その他 | 1兆4,402億円 | 1兆4,566億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で増加傾向にあります。しかし、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の連結会計年度において大幅な減少となり、親会社株主に帰属する当期純利益は損失を計上しました。この主な要因は、資産除去債務の見積りの変更によるものです。
一方で、営業活動によるキャッシュ・フローは直近の連結会計年度において増加しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 88.3億円 | 95.5億円 | 105億円 | 109億円 | 110億円 |
| 経常利益 | 1.0億円 | 2.6億円 | 4.6億円 | 3.1億円 | 5百万円 |
| 経常利益率 | 1.1% | 2.7% | 4.4% | 2.9% | 0.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 16百万円 | 3.1億円 | 4.7億円 | 2.9億円 | △1.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 0.97 | 18.30 | 28.07 | 17.27 | △7.50 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期と比べてほぼ横ばいの水準で推移しています。一方、従業員1人あたり営業利益は前期から大きく減少しました。この営業利益の減少には、資産除去債務の見積りの変更が影響しているとされています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 27.0百万円 | 27.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.7百万円 | 0.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性は、企業の持続性や将来の成長力を測る上で重要な指標となります。同社グループの現在の財務状況と資金の流れ、事業を取り巻くリスクについて分析します。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
財務基盤は、企業の安定性や将来の成長力を測る重要な指標となります。同社グループの自己資本比率はプライム市場の製造業平均と同水準であり、手元資金も増加傾向にあります。一方で、ROEは当期にマイナスとなっています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 38.5億円 | 38.2億円 |
| 自己資本比率 | 50.3% | 46.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 7.9% | -3.3% |
| 現金及び預金 | 19.1億円 | 20.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
キャッシュフローは、同社グループの資金の流れを示しています。当期における営業活動によるキャッシュフローは6.8億円の増加となりました。これは主に減価償却費の計上や減損損失の計上によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは△3.5億円の減少となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出があった一方で、定期預金の払戻による収入があったためです。財務活動によるキャッシュフローは△0.9億円の減少となりました。これは主に配当金の支払額によるものです。
これらの結果、フリーキャッシュフローは3.4億円のプラスとなっています。同社グループは本業で資金を生み出しつつ、設備投資も継続的に行っている状況です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.2億円 | 6.8億円 |
| 投資CF | △6.7億円 | △3.5億円 |
| 財務CF | △1.0億円 | △0.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △5.5億円 | 3.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、主要原材料及び包材等について外部企業から供給を受けています。これらの供給元企業が災害等の事由により予定通り供給できない場合、生産遅延や販売機会損失が発生する可能性があります。
また、原材料は天候不順や外的要因による市場の変化により仕入れ量の確保に影響を受ける可能性があります。原材料価格の高騰が、同社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性も示されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループでは、疫病などによる従業員の疾病リスクを認識しています。工場で勤務する従業員が新型コロナウイルス感染症等に感染し工場内で感染が拡大した場合、生産休止に伴う販売機会損失等が発生する可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
石井食品は、「真(ほんとう)においしいものをつくる~身体にも心にも未来にも~」を企業理念に掲げ、食を通じて社会に貢献することを目指しています。生産者と消費者をつなぎ、持続可能な食の未来を追求する企業文化が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「真(ほんとう)においしいものをつくる~身体にも心にも未来にも~」を企業理念としています。
「日本一、生産者と地域に貢献する食品会社になる」ことを目標に掲げています。
中期経営計画(2022年度-2026年度)では、ISHII VISION2030として「農と食卓をつなぎ、子育てを応援する企業に」を掲げ、ライフスタイル変革につながる食サービスの最大化に取り組んでいます。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、素材本来の味を活かす「無添加調理」の技術、自社の社員の目で確認した「厳選素材」、原材料の履歴情報を開示する「品質保証番号」の3つの原則を活動の基本としています。
サステナビリティを企業理念の実現と経営戦略の実行と同一と捉え、環境、社会貢献、労働環境などの課題に対応しています。
性別、年齢、学歴等に関わらず多様な人財を活用することが創造性を高め、新たな価値を生み出すと考えています。
中途採用者もハンデなく働ける制度を構築し、全ての従業員に対し、健康で働きがいがある環境の提供と人財育成のための投資を行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、持続可能な「地域と旬」モデルへの転換と提供価値の向上を優先課題としています。
生産体制の抜本的見直しとIT技術の活用により、生産性の向上と残業時間の削減を図っています。
また、人財確保・多様化の推進、サステナブルな経営の実現と環境負荷の軽減、コーポレート・ガバナンスおよび内部統制の強化も重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
石井食品は、監査役制度を採用し、取締役会と執行役員制度を導入することで経営監督と経営執行の強化を図っています。任意の指名・人事・報酬委員会を設置し、透明性・公正性・迅速な意思決定に努める体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
石井食品の株主構成を見ると、筆頭株主は有限会社ケイアンドアイであり、代表取締役社長執行役員である石井智康氏も上位株主の一人です。創業家関係者や関連会社が上位に名を連ねており、特定の株主グループが同社グループの経営に一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ㈲ケイアンドアイ | 12.79% |
| 石井 智康 | 6.34% |
| 千葉銀行 | 4.98% |
| 榎本武平商店 | 3.92% |
| 十文字チキンカンパニー | 2.40% |
なお、単元未満株式数には同社所有の自己株式81株が含まれております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性5名・女性4名)で構成され、女性役員比率は44.4%です。代表取締役社長執行役員は石井智康氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 石井 智康 | 代表取締役社長執行役員 | 2006年6月アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ株式会社(現アクセンチュア株式会社)入社。2017年4月同社入社。2018年6月同社代表取締役社長執行役員就任より現職。 |
| 久保 啓介 | 取締役執行役員 | 1980年4月株式会社イシイフード(現石井食品株式会社唐津工場)入社。2017年6月同社取締役就任。2025年4月同社取締役執行役員(製造部門管掌)就任より現職。 |
| 伊藤 幸一郎 | 取締役執行役員 | 2001年9月同社入社。2017年6月同社取締役就任。2025年4月同社取締役執行役員(営業・ロジスティクス部門管掌)就任より現職。 |
社外取締役は、知識賢治氏(ティーガイア代表取締役社長執行役員)、中村朱美氏(minitts代表取締役)です。
同社は監査役制度を採用している監査役会設置会社です。社外取締役は、会社法及び東京証券取引所が定める基準をもとに、高い見識や専門的見地から客観的に経営を監督する立場に適した人材を選任しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
石井食品の取締役(社外取締役を除く)の報酬は、金銭による固定報酬としての基本報酬と譲渡制限付株式報酬で構成されています。社外取締役の報酬は金銭による固定報酬のみです。報酬の決定は、指名・人事・報酬委員会の諮問・答申を経て取締役会で決議されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 75百万円 | 24.8百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 39百万円 | 6.5百万円 |
個人別報酬が開示されている役員は存在しません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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