※本記事は、日和産業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
日和産業は、穀物を主原料とした養鶏用、養豚用、養牛用、養魚用などの配合飼料の製造販売を主たる事業としています。また、畜産物の生産及び販売も手掛けています。
単体従業員数は134名、連結従業員数は179名です。セグメントは飼料事業、畜産事業、全社(共通)の3つです。
主な国内グループ会社は、東和畜産(畜産事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
日和産業は、食の安全と安定供給を支える配合飼料事業を核とする企業グループです。従業員の給与水準や働き方に関する情報は、同社グループがどのような環境で事業を推進しているかを理解する上で重要です。ここでは、平均的な給与水準や従業員の定着傾向、そして人材育成や多様性に関する取り組みについて詳しく見ていきます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い傾向にあります。これは、長期にわたってキャリアを築きやすい、安定した職場環境が整っていることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,000,000円 |
| 平均勤続年数 | 16.2年 |
| 平均年齢 | 43.6歳 |
| 単体従業員数 | 134人 |
| 連結従業員数 | 179人 |
| 単体のグループ内比率 | 74.9% |
同社グループは、確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)として、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を設けています。
退職一時金制度も存在します。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は3.9億円、年金資産は5.1億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、食の安全と安定供給を支える上で人的資本投資を重視する経営を行っています。人材戦略の基本方針として、性別や国籍に関わらず、能力、識見、人格を公正に評価し、多様な人材を管理職に登用する方針です。
また、多様な人材が能力を発揮し、広い視野を持った人材を育成するため、早期から社員に広い権限と責任を与え、その中で考働させることで、社会人の良識と高い職業観を持つ社員への成長を促しています。従業員の給与は、職務内容と役職に基づいた水準が設定され、会社が期待する役割の達成度を考慮して公正に評価・決定されます。給与水準は物価動向や業績を総合的に勘案し定期的に見直されており、社員の充実した生活と優秀な人材の確保を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。
人材育成・エンゲージメント
同社グループの社内環境整備方針における指標です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 年間有給休暇平均取得日数 | 13日 |
| 年間平均所定外労働時間 | 139時間 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
日和産業グループは、配合飼料の製造販売を主軸とし、畜産物の生産・販売も手掛けています。主力は養鶏用、養豚用、養牛用、養魚用などの配合飼料の提供であり、畜産農家を主要な顧客としています。収益は、配合飼料の販売と畜産物の生産・販売から得られています。原材料価格や畜産物市況の変動が、同社グループの収益に影響を与える特徴があります。海外での事業展開はなく、収益は国内市場に集中しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
日和産業グループは、配合飼料の製造販売と畜産物の生産販売を主な事業内容としています。事業は「飼料事業」と「畜産事業」の二つのセグメントに分かれています。
飼料事業
飼料事業では、畜産用や水産用などの配合飼料を製造・販売しています。また、得意先が生産した畜産物の売買も行っています。収益は、配合飼料の製造販売と畜産物の売買から得ています。運営は、日和産業およびみちのく飼料が行っています。前期と比較して売上高は減少しています。
畜産事業
畜産事業では、畜産物の生産および販売を行っています。収益は、畜産物の生産と販売から得ています。運営は、東和畜産が行っています。前期と比較して売上高は増加しています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 飼料事業 | 467億円 | 437億円 |
| 畜産事業 | 18.8億円 | 19.1億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績推移を見ると、売上高は直近で減少傾向にあります。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期間において増加傾向を示しています。過去には経常損失を計上した期もありましたが、当期は減損損失を計上しつつも、利益は改善しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 449億円 | 547億円 | 529億円 | 486億円 | 456億円 |
| 経常利益 | 2.2億円 | △99百万円 | 9.2億円 | 11.4億円 | 14.4億円 |
| 経常利益率 | 0.5% | △0.2% | 1.7% | 2.4% | 3.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.2億円 | 1.6億円 | 5.4億円 | 3.1億円 | 3.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 6.08 | 8.68 | 29.91 | 17.12 | 20.92 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの生産性を見ると、売上高は前期から減少しています。しかし、従業員1人あたりの営業利益は前期から増加しており、収益性の改善が見られます。このような傾向は、組織全体の効率化が進んでいることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 272.9百万円 | 254.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.1百万円 | 8.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動で得た資金が投資活動を上回ることで、安定した資金の流れを示しています。これにより、将来に向けた再投資や財務的な余力を確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が61.8%と、プライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあります。これは、財務の安定性を示す指標の一つです。ROE(自己資本利益率)は2.0%となっており、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び預金は93.9億円を確保しており、事業運営における資金の安定性を示しています。これらの財務状況は、事業の継続性や将来の成長投資の余力に影響を与える要素となります。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 182億円 | 190億円 |
| 自己資本比率 | 61.4% | 61.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 1.7% | 2.0% |
| 現金及び預金 | 90.2億円 | 93.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは11億54百万円のプラスとなっており、本業で安定的に資金を生み出している状況です。これは主に、税金等調整前当期純利益と減価償却費によるものです。投資活動によるキャッシュフローは10億68百万円のマイナスとなっており、有形固定資産の取得や貸付けによる支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュフローは2億84百万円のプラスで、長期借入れによる収入が配当金の支払額を上回ったことによるものです。結果として、フリーキャッシュフローは86百万円のプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回り、事業の継続的な成長と安定した雇用・給与基盤を支える余力があることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 24.4億円 | 11.5億円 |
| 投資CF | △3.2億円 | △10.7億円 |
| 財務CF | △1.4億円 | 2.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 21.2億円 | 86百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、配合飼料原料の仕入価格が米国のシカゴ穀物相場に連動するため、穀物相場の変動が売上原価に影響を及ぼすリスクがあります。また、仕入原料の大半が輸入品であることから、為替相場の変動により仕入コストが影響を受ける為替相場リスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
日和産業は、お客様第一主義を掲げ、安全で高品質な飼料の安定供給を通じて飼料畜産業界の発展に貢献することを目指しています。食の安全と人々の健康を重視し、サステナビリティを経営の基盤としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
日和産業グループは、「お客様第一主義」を経営方針として掲げています。安全で良品質な配合飼料を安定的にお客様に供給することを通じて、飼料畜産業界の発展に寄与することを目指しています。
また、飼料事業と畜産事業において持続的な成長と企業価値の向上に努める方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
日和産業グループは、安全かつ高品質な飼料を安定的に提供し続けるため、サステナビリティを重視した経営を行っています。食の安全と人々の健康を守ることを重要な価値観としています。
人材育成においては、性別や国籍等に関係なく、能力、識見、人格を公正に評価し、多様な人材を管理職に登用する方針です。社員には早期から広い権限と責任を与え、考働(こうどう)させることで、社会人の良識と高い職業観を持つ人材の成長を促しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
日和産業グループは、先行きの見えない外国為替相場や不安定な国際情勢により、飼料業界および畜産業界が厳しい状況にあると認識しています。このような経営環境において、同社グループは業績向上を目指し、生産コスト削減への注力に取り組んでいます。
また、多様な人材の確保と育成、および家畜疾病の予防にも努めていく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
日和産業は監査等委員会設置会社であり、取締役会と監査等委員会を設置しています。経営の効率性と透明性を確保するため、任意の指名・報酬委員会も設置されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
日和産業の株主構成を見ると、筆頭株主は十文字チキンカンパニーであり、豊田通商や東北グレーンターミナルといった事業会社が上位に名を連ねています。複数の事業会社が主要な株主として同社を支えている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 十文字チキンカンパニー | 8.70% |
| 豊田通商 | 7.52% |
| 東北グレーンターミナル | 6.37% |
| カーギルジャパン合同会社 | 5.52% |
| みなと銀行 | 4.99% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は中橋太一郎氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 中橋太一郎 | 取締役社長(代表取締役) | 2007年4月同社入社、2008年5月執行役員管理本部長、2011年6月取締役管理本部長、2017年6月専務取締役管理本部長、2018年6月専務取締役営業本部長を経て、2024年6月より現職。 |
| 中橋正敏 | 取締役相談役 | 1973年6月同社入社、1985年8月取締役総務部長、1993年6月常務取締役総務部長、1997年6月専務取締役、1999年6月取締役社長(代表取締役)、2017年6月取締役会長(代表取締役)を経て、2024年6月より現職。 |
| 松本幸久 | 取締役三原工場長 | 1975年4月同社入社、2009年3月執行役員三原工場長を経て、2013年6月より現職。 |
| 安井秀夫 | 取締役管理本部長総務部長 | 1978年4月同社入社、2011年6月執行役員管理本部副本部長を経て、2018年6月より現職。 |
| 東杢比野敏 | 取締役鹿児島工場長 | 1984年4月同社入社、2017年5月鹿児島工場副工場長、2019年4月執行役員鹿児島工場副工場長を経て、2023年6月より現職。 |
社外取締役は、河崎司郎氏(EY新日本有限責任監査法人マネージングディレクター・監査等委員)、吉田憲史氏(吉田公認会計士事務所所長・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役の職務執行状況を監督し、経営監視機能の強化を図っています。社外取締役は、その経験と見識に基づき、客観的な視点から経営に対する適切な監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
日和産業の役員報酬は、基本報酬のみで構成されています。取締役(監査等委員である取締役を除く。)および監査等委員である取締役のいずれも、金銭による月例の固定報酬が基本となっており、担当職務や貢献度、業績を総合的に勘案して決定される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 79百万円 | 13.2百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 9.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 2百万円 | 2.0百万円 |
| 社外役員 | 2名 | 9百万円 | 4.5百万円 |
同社の役員報酬等の総額は99百万円であり、対象となる役員の員数は合計10名です。なお、報酬額は2025年6月27日の監査等委員会設置会社移行前後の期間に係るものであり、社外監査役2名のうち1名には報酬が支払われていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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