※本記事は、シマダヤ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
シマダヤは麺類の製造および販売を主たる業務とする企業グループです。一般家庭用向けには「流水麺」や「健美麺」などのチルド麺・冷凍麺を、外食・中食向けには長期保存可能な冷凍麺を提供しています。
単体従業員数は298名、連結従業員数は832名です。事業部門は家庭用事業部門、業務用事業部門、その他の3つです。
2025年6月18日付で、株式会社メルコグループがシマダヤの親会社に該当しないこととなりました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
シマダヤは、麺類を中心とした食品事業を展開し、「おいしい笑顔をお届けします」という企業理念のもと、持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指しています。従業員の平均勤続年数や平均年齢からは、長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員が長く働き続けられる環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、安定したキャリアを築いている従業員が多いと考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,769,000円 |
| 平均勤続年数 | 17.9年 |
| 平均年齢 | 42.5歳 |
| 単体従業員数 | 298人 |
| 連結従業員数 | 832人 |
| 単体のグループ内比率 | 35.8% |
同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を導入しています。同社は退職一時金制度と一部確定拠出年金制度を導入しており、連結子会社は中小企業退職金共済制度および退職一時金制度を設けています。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は7.3億円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、2031年の創業100周年に向けた長期ビジョン「麺食を通して価値創造を実現し人を笑顔にする会社」の実現に向け、人財戦略を重要な経営課題と位置付けています。従業員一人ひとりが主体的に学び、挑戦し、自律的に成長できる組織づくりを推進し、多様な価値観や経験を有する人財が能力を最大限に発揮できる環境整備に取り組んでいます。
人財育成においては、従業員の昇格や役割に応じた階層別研修を実施するほか、次世代管理職や経営人財の育成にも注力しています。報酬制度は、等級制度、評価制度、賃金制度を連動させ、公正かつ適正な評価に基づき処遇を決定しています。報酬は月例給与と業績連動型の賞与で構成され、月例給与の基本給は役割給として、個々の役割や期待される成果によって決定されます。賞与は半期ごとの業績指標に対する予算達成状況と個人評価を反映して決定され、報酬の安定性と成果創出へのインセンティブの両立を図っています。また、人財確保・定着および従業員エンゲージメント向上を目的として、2023年度より4年連続でベースアップを実施し、新卒採用における初任給の改定も行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 6.5% |
| 男性育児休業取得率 | 85.7% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 70.7% |
| 男女賃金差異(正規雇用労働者) | 73.8% |
| 男女賃金差異(非正規雇用労働者) | 55.0% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 子会社1
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 7.7% |
| 男性育児休業取得率 | 0.0% |
▼ 子会社2
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 11.1% |
▼ 子会社3
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 12.5% |
人的資本に関する指標及び目標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働者に占める女性労働者の割合 | 27.0% |
| 男女別の育児休業取得率(男性) | 85.7% |
| 男女別の育児休業取得率(女性) | 100.0% |
| 男性の平均勤続年数に対する女性の平均勤続年数の割合 | 65.2% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
シマダヤは、麺類の製造と販売を主軸とする食品メーカーです。同社グループは、家庭用と業務用の二つの主要な事業部門を展開し、幅広い顧客層に製品を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に麺類の製造と販売を通じて収益を上げています。事業は大きく家庭用事業部門と業務用事業部門に分かれており、連結子会社が製造を担い、同社が販売を行う体制です。家庭用事業部門では、食品スーパーなどの量販店向けに、ゆでずに水でほぐすだけで食べられる「流水麺」や「健美麺」といったチルド麺、長期保存可能な冷凍麺などを提供しています。商品力や食品安全マネジメントシステムに関する国際規格FSSC22000の取得、積極的な広告販促活動を強みとしています。
業務用事業部門では、外食・中食産業向けに冷凍麺を供給しています。高品質で多様なメニューに対応できる豊富なラインナップ、付加価値の高い商品、顧客の調理オペレーション効率に貢献する商品が特徴です。業務用食品卸売業者主催の展示会への参加や提案型営業活動を通じて、きめ細やかな営業フォロー体制を構築しています。また、連結子会社であるシマダヤ商事は、同社グループへの車両等のリースや消耗品の物販、損害保険代理などのサービスを提供しています。
同社グループの収益モデルは、主に麺製品の製造・販売によるものです。直近では、商品価格の改定や高付加価値商品の提供を通じて、売上と利益の拡大に取り組んでいます。海外の外部顧客への売上高は少なく、特定の顧客への収益集中もありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに安定した成長傾向を示しています。特に直近の連結会計年度では、売上高と利益が着実に増加しました。これは、商品価格の改定や高付加価値商品の提供が寄与した結果です。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | 341億円 | 390億円 | 396億円 | 411億円 |
| 経常利益 | - | 23.8億円 | 34.7億円 | 34.5億円 | 38.7億円 |
| 経常利益率 | - | 7.0% | 8.9% | 8.7% | 9.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | 18.3億円 | 25.2億円 | 25.5億円 | 26.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | 120.65 | 166.05 | 167.99 | 171.15 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高および従業員1人あたり営業利益は、前期と比較して増加しています。これは、同社グループが従業員一人ひとりの生産性を高めながら事業を拡大していることを示唆しています。効率的な事業運営や高付加価値商品の提供が、従業員一人あたりの収益力向上に貢献していると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 46.5百万円 | 49.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.0百万円 | 4.5百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
シマダヤグループの財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、将来への投資も行いつつ、手元資金を確保している状態を示しています。これにより、同社グループの経営基盤は安定していると言えます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
シマダヤグループの自己資本比率は高い水準を維持しており、財務基盤の安定性を示しています。ROEもプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な資本活用がうかがえます。手元資金も十分に確保されており、事業運営における安定性が期待できる状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 181億円 | 185億円 |
| 自己資本比率 | 72.7% | 71.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 15.1% | 14.2% |
| 現金及び預金 | 55.8億円 | 43.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
シマダヤグループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上などにより資金が増加しています。これは、同社グループが本業で安定的に資金を生み出していることを示しています。
投資活動によるキャッシュフローは、主に有形固定資産の取得による支出などにより資金が減少しています。これは、将来の成長に向けた設備投資などを積極的に行っている状況を表しています。
これらの結果、フリーキャッシュフローはプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している優良な状態です。財務活動によるキャッシュフローは、自己株式の取得や配当金の支払いなどにより資金が減少しており、株主還元も行いつつ、健全な資金運用がなされていることがうかがえます。このようなキャッシュフローの状況は、同社グループの事業が安定しており、長期的な雇用や給与の安定性にも寄与すると考えられます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 31.5億円 | 40.2億円 |
| 投資CF | △12.5億円 | △29.2億円 |
| 財務CF | △3.2億円 | △23.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 19.0億円 | 11.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、小麦粉等の主原料や包材、エネルギーの安定的な調達及び価格高騰、国際情勢の変化、為替変動、気候変動などによるサプライチェーンリスクを認識しています。また、国内の人口減少や少子高齢化、物価高騰などの経済情勢、消費者の食に関するニーズ・嗜好の変化による需要動向・消費者嗜好変化リスクも事業構造や収益性に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、少子高齢化に伴う労働人口の減少や雇用環境の流動化により、人材確保の難易度が高まっていることを人手不足リスクとして挙げています。計画を下回る採用状況や予期せぬ人材流出が生じた場合、生産・販売体制に支障を来し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
シマダヤは、「奉仕努力」を社是とし、「おいしい笑顔をお届けします」を経営コンセプトに掲げる企業です。品質とブランドを重視し、安全・安心な商品提供を通じて社会に貢献することを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループのミッションは、「シマダヤグループに関わる全ての人々に麺食を通して『おいしい笑顔をお届けします』」です。お客様だけでなく、従業員や社会を含む全ての人々においしい笑顔を届ける企業を目指しています。このミッション実現のため、「シマダヤブランドを守り育てる」「独自の技術で市場を創造する」といった7つのビジョンを掲げています。また、健康寿命延伸商品の開発やプラスチック使用量削減、国産原料使用拡大など、持続可能な社会への貢献も推進しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、社是「奉仕努力」のもと、7つのビジョンを社員一人ひとりが意欲的に取り組むべき行動指針としています。具体的には、「技術のシマダヤ」として独自の技術で市場を創造し、「コミュニケーションのシマダヤ」として組織を越えた対話を重視しています。また、「ソリューションのシマダヤ」としてお客様の満足を追求し、「人のシマダヤ」としてチャンスを与え人を育てることを大切にしています。さらに、「シマダヤグループ行動規範」を定め、法令遵守と企業倫理の徹底を図っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、持続的成長と社会貢献のため、いくつかの重点テーマに取り組んでいます。人財の育成・確保は重要な課題であり、従業員研修制度の充実やDX等の専門分野における施策推進、公正な人事制度の確立を通じて、将来の核となる人財育成を図っています。また、賃金制度の改定や採用活動の強化により、人財の確保と定着に努めています。さらに、業務の棚卸とデジタル活用による生産性向上、健康長寿社会への貢献、環境に配慮した活動も推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
シマダヤは、監査等委員会設置会社として、取締役会の監査・監督機能の強化と透明性の高い企業体質を目指しています。社外取締役が監査等委員を務めることで、外部からの客観的な視点を取り入れた経営監視体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社であるメルコグループです。また、個人株主である牧寛之氏が上位に位置しており、特定の個人やその関連財団が一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| メルコグループ | 33.94% |
| 牧 寛之 | 13.64% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 | 5.25% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性10名・女性1名)で構成され、女性役員比率は9.1%です。代表取締役社長執行役員は岡田賢二氏が務めています。社外取締役比率は27.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 岡田 賢二 | 代表取締役社長執行役員 | 1993年4月同社入社。執行役員、取締役、常務取締役、専務取締役を経て、2025年4月より同社代表取締役社長執行役員現職。 |
| 相馬 紳一郎 | 取締役専務執行役員 | 1998年9月同社入社。経理部長、取締役、常務取締役を経て、2025年4月より同社取締役専務執行役員現職。 |
| 小原 伸之 | 取締役常務執行役員成長マーケット開発事業本部長 | 1986年4月同社入社。研究開発部長、執行役員、取締役、常務取締役を経て、2025年4月より同社取締役常務執行役員成長マーケット開発事業本部長現職。 |
| 佐々木 敏夫 | 取締役常務執行役員業務用事業本部長 | 1980年3月同社入社。支店長、開発営業部長、デリカ部長、執行役員、中野食品代表取締役社長などを経て、2025年4月より同社取締役常務執行役員業務用事業本部長現職。 |
| 曽根田 直基 | 取締役常務執行役員家庭用事業本部長 | 1994年4月同社入社。家庭用チルド首都圏営業部長、冷凍マーケティング部長、大阪支店長、企画部長を経て、2025年4月より同社取締役常務執行役員家庭用事業本部長現職。 |
| 太田 智之 | 取締役執行役員経理部長 | 2005年7月株式会社バッファロー入社。2019年4月同社経理部長、2023年5月同社取締役経理部長を経て、2025年4月より同社取締役執行役員経理部長現職。 |
社外取締役は、深山隆氏(株式会社ミヤマプロジェクト代表取締役・監査等委員)、髙木康行氏(公認会計士・税理士・監査等委員)、坂井愛氏(弁護士・監査等委員)です。
同社は2023年5月15日より監査等委員会設置会社を採用しています。社外取締役3名が監査等委員を務めることで、取締役会の監査・監督機能の強化と経営監視機能の客観性・中立性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定報酬である基本報酬と業績連動報酬によって構成されています。監査等委員である取締役の報酬は、その職務の性質を考慮し基本報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 1.6億円 | 26.3百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 2名 | 16百万円 | 8.0百万円 |
| 社外取締役 | 3名 | 14百万円 | 4.8百万円 |
なお、上記の取締役(監査等委員である取締役を除く。)の員数は、当期中に退任した無報酬の取締役1名を除いております。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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