※本記事は、和弘食品株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
和弘食品は、外食・中食業界向けの各種調味料、畜肉・水産製品の調味料などの食品製造販売を主な事業としています。同社グループは、連結子会社1社、その他の関係会社1社、非連結子会社3社で構成されています。
単体従業員数は262名、連結従業員数は310名です。セグメントは日本、米国の2つです。
和弘食品は、外食・中食業界向け各種調味料、畜肉・水産製品の調味料などの食品製造販売を主な事業としています。また、日清オイリオグループから原材料を仕入れ、製品を販売する関係もあります。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
和弘食品は、食品メーカーとして持続可能な地球環境への貢献や地域経済活性化を目指し、事業を展開しています。同社グループの給与水準や働き方には、安定した環境で専門性を高め、長期的にキャリアを築きたいと考える転職者にとって参考となる特徴が見られます。人材育成や多様な働き方の推進にも力を入れており、社員一人ひとりの成長を重視する姿勢がうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、安定して働き続けられる職場であることが示唆されます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,412,641円 |
| 平均勤続年数 | 10.8年 |
| 平均年齢 | 39.2歳 |
| 単体従業員数 | 262人 |
| 連結従業員数 | 310人 |
| 単体のグループ内比率 | 84.5% |
退職給付制度
同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の企業年金制度を採用しています。これらの制度は国内の従業員に適用されています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
当連結会計年度末における退職給付債務は2.6億円、年金資産は3.5億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
和弘食品は、中期経営計画においてラーメンスープ事業を核とした国内収益拡大、海外展開の加速、和弘ブランドの確立と独自価値の創出を重点課題としています。これらの実現に向けて、専門性やグローバル対応力の強化、次世代リーダーの育成が重要であると考えています。
従業員の給与制度は、職務・役割、業績、人事評価等を総合的に勘案して決定されており、基本給、賞与、諸手当等で構成されています。賞与は会社業績と個人評価を反映し、昇給も人事評価規程と給与規程に基づき決定されます。
グローバル人材やマネジメント人材については、キャリアパスの明確化とそれに整合した人事評価・給与制度の整備を進めています。また、採用市場での競争力確保や人手不足への対応のため、生産・営業人員を中心に給与テーブルや水準の見直しも行っています。
同社の強みである「圧倒的な開発力」「顧客のニーズに寄り添った販売力」「こだわりの製法・多品種生産」は「人」によって支えられているとの認識のもと、個々人のスキルアップと働きがい増進を支援しています。必要な業務スキルの明確化、多様なメディアでの研修機会提供、次世代リーダー人材の発掘と育成プラン策定、計画的ジョブローテーションを通じて、社員の成長と事業の付加価値創出を両立させる方針です。多様な働き方やワークライフバランスの向上にも取り組み、様々なライフステージでも働き続けられる制度の拡充と利用促進、有給休暇取得や生産性向上による労働時間削減の数値目標化を実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。女性管理職比率は女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づき算出されています。男性の育児休業等取得率は育児・介護休業法に基づき算出されています。男女の賃金格差は男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しており、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 3.5% |
| 男性の育児休業等取得率 | 28.6% |
| 男女の賃金の差異(全労働者) | 66.29% |
| 男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 73.58% |
| 男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 62.92% |
多様な働き方・ワークライフバランスの向上
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 3.5% |
| 男性の育児休業取得件数 | 2件 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
和弘食品グループは、外食・中食業界向けの各種調味料や畜肉・水産製品の調味料などを製造販売しています。日本と米国の2つの地域セグメントで事業を展開し、食の分野で多様なニーズに応えています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、外食・中食業界向けの各種調味料、畜肉・水産製品の調味料などの食品製造販売を主な事業としています。収益は主に製品及び商品の販売から得ており、その認識は一時点で移転される財としています。その他の関係会社である日清オイリオグループより一部原材料を購入し、同社に対し製品を販売する関係性も持っています。
同社グループの事業は「日本」と「米国」の二つの報告セグメントで構成されています。米国セグメントでは、JFC International Inc.が主要な顧客となっています。
日本
日本セグメントでは、外食向けの販売が好調に推移しています。収益は、製品の販売(別添用、業務用、天然エキス)と商品の販売から得ています。
米国
米国セグメントでは、主要販売先の在庫調整により一時的に受注が伸び悩む状況が見られました。収益は、製品の販売(別添用、業務用、天然エキス)と商品の販売から得ています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 日本 | 119億円 | 129億円 |
| 米国 | 43.3億円 | 44.8億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5年間で売上高は継続的に増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の当期において前期から減少に転じています。しかし、その前の数年間は順調に増加していました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 115億円 | 135億円 | 154億円 | 162億円 | 173億円 |
| 経常利益 | 4.7億円 | 10.4億円 | 15.4億円 | 16.1億円 | 16.0億円 |
| 経常利益率 | 4.1% | 7.7% | 10.0% | 9.9% | 9.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4.6億円 | 12.5億円 | 10.9億円 | 12.1億円 | 11.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 187.10 | 504.60 | 438.18 | 484.99 | 462.27 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、当期において前期から増加しています。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は、当期において前期から減少しています。これは、売上高の増加に対して営業利益が減少したことによるものです。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 54.5百万円 | 55.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.3百万円 | 5.1百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
和弘食品は、財務基盤の安定性を保ちつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。事業活動で得た資金を投資に充て、成長を目指すフェーズにあることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回っており、安定した状態を示しています。ROE(自己資本利益率)も平均を上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金も一定規模を確保しており、事業運営の安定性につながる要素となっています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 85.5億円 | 103億円 |
| 自己資本比率 | 58.7% | 62.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 15.0% | 12.2% |
| 現金及び預金 | 35.0億円 | 30.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローはプラスを維持しています。これは税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費の計上によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が増加し、大きなマイナスとなっています。
これにより、フリーキャッシュフローはマイナスを示しており、事業活動で得た資金を将来の成長に向けた設備投資などに積極的に充てている状況がうかがえます。財務活動によるキャッシュフローも長期借入金の返済や配当金の支払いによりマイナスとなっており、自己資金を元手に事業を拡大していることが示されています。この資金の流れは、同社グループが成長戦略を推進しており、将来的な事業拡大とそれに伴う雇用機会の創出が期待できる状況にあることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 15.1億円 | 14.7億円 |
| 投資CF | △8.3億円 | △14.9億円 |
| 財務CF | △80百万円 | △5.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 6.8億円 | △21百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、原材料価格や物流費の高騰が業績に影響を及ぼす可能性を認識しています。複数の仕入先からの調達や生産性向上、製品価格の改定により対処しています。
また、海外のグループ会社の資産・負債は円換算されるため、為替相場の変動が業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業の継続的発展のために多様な人材の確保と育成を計画的に進めています。しかし、雇用環境の悪化により計画通りに進まなかった場合、事業展開や業績、成長の見通しに影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
和弘食品は、業務用調味料メーカーとして、誠実な企業活動を通じて社会に貢献することを目指しています。お客様、商品、社員への「三つの誠実」を企業信条として掲げ、食文化の創造と発展に努める企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
和弘食品は、「誠実」を企業信条の根幹に据えています。お客様、商品、社員の「三つの誠実」を掲げ、すべてのお客様・パートナー企業の繁栄、安心と安全を第一にした商品作り、そして社員とその家族及び地域の幸せのために誠実な会社づくりを行うことを基本方針としています。
経営理念としては、誠実な企業活動を通じた社会貢献、常にお客様の満足度向上、風通しの良い社風の醸成、業務の改革・改善への絶え間ない努力を掲げています。ビジョンでは、業務用調味料メーカーとして商品開発・生産技術・品質保証体制で他社の追随を許さない「プロのためのプロ企業」となることを目指しています。強固な財務体質と高収益を誇る「小粒だが光り輝く高付加価値企業」となることを目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
和弘食品グループは、「誠実」を企業信条とし、お客様、商品、社員への「三つの誠実」を大切にしています。これは、お客様やパートナー企業の繁栄、安心・安全な商品作り、そして社員とその家族、地域の幸せを追求する価値観に基づいています。
同社グループは、サステナビリティ戦略として「3つの誠実」に基づいた4つの戦略を立案・推進しています。具体的には、安心安全な食品提供と取引先・地域社会とのパートナーシップ構築、食品ロス・CO2排出・エネルギー使用量削減、働きやすい職場作りと多様な働き方への対応、地域活動への積極的な参加を通じて、経済的価値と社会的価値の両方を生み出すビジネスを創造することを目指しています。
人的資本に関する戦略では、「圧倒的な開発力」「顧客のニーズに寄り添った販売力」「こだわりの製法・多品種生産」を支える「人」を重視しています。個々人のスキルアップ支援や働きがい増進、多様な働き方・ワークライフバランスの向上を戦略の中心に据え、社員の成長と多様性確保を重視する企業風土です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
和弘食品グループは、少子高齢化による人口減少や不安定な国際情勢に起因する物価高騰が業績に影響を与える可能性があると認識しています。これに対し、国内事業では、社員の意識や旧来型の関連業務を構造的に変革し、製造・営業の両面で生産性向上を実現する高収益構造の構築に取り組んでいます。
海外事業においては、子会社WAKOU USA INC.を中心に北米市場での事業展開を継続しています。ラーメンレストラン市場の成長に合わせ、営業体制の強化や工場増設によるキャパシティ増強、生産性改善を進め、新たな顧客層・製品群への拡大に取り組むことを重点テーマとしています。
また、2026年3月に策定した中期3ヶ年経営計画では、「グローバル全体での組織基盤強化」及び「新領域への進出」を成長戦略の柱として、持続的成長及び企業価値向上に向けた取り組みを推進していく方針です。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
和弘食品は、取締役会と監査役会を設置する体制を採用しています。経営の意思決定の透明性と公平性を確保し、責任体制を明確化することを重視しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は株式会社和山商店です。次いで日清オイリオグループ株式会社、野村信託銀行株式会社が上位株主として名を連ねています。特定の事業会社や信託銀行が主要な株主として同社を支えている状況がうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 和山商店 | 24.94% |
| 日清オイリオグループ | 19.24% |
| 野村信託銀行 | 4.92% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.3%です。代表取締役社長CEOは加世田十七七氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 加世田 十七七 | 代表取締役社長CEO | 1988年4月㈱北海道拓殖銀行入行、2000年4月㈱電通北海道入社、2017年7月同社入社、2022年6月同社代表取締役社長CEO就任より現職。 |
| 和山 明弘 | 代表取締役会長 | 1981年9月同社入社、1996年11月同社代表取締役社長就任、2022年6月同社代表取締役会長就任より現職。 |
| 加地 賢幸 | 常務取締役 | 1982年4月㈱北海道銀行入行、2017年6月同行常勤監査役、2021年6月同社取締役就任、2025年6月同社常務取締役就任より現職。 |
| 和山 信一郎 | 取締役 | 2010年4月㈱シジシージャパン入社、2016年4月同社入社、2021年6月同社取締役就任より現職。 |
| 後藤 政弘 | 取締役 | 1980年4月同社入社、2003年3月同社取締役就任、2014年6月WAKOU USA INC.President、2020年6月同社取締役就任より現職。 |
| 長岡 宏 | 取締役 | 1985年4月日清製油㈱入社、2020年4月日清オイリオグループ㈱執行役員大阪支店長兼大阪事業場長、2023年6月同社取締役就任より現職。 |
| 藤井 一真 | 取締役 | 2012年12月㈱ホクリヨウ入社、2019年12月同社入社、2025年6月同社取締役就任より現職。 |
社外取締役は、白尾直樹氏(YNG代表取締役社長)、三瓶由香氏(北海道銀行統合リスク管理部シニアマネージャー)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の監督機能を担っています。社外取締役および社外監査役は、それぞれの専門的知見や豊富な経験に基づき、経営の意思決定と職務執行の監督・監査を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、基本報酬と役位に応じた加算額を基本とし、各取締役の貢献度に応じた指数を乗じて算定されます。また、顕著な功績や特命事項があった場合には特別加算報酬が加えられることがあります。金銭報酬のほかに、譲渡制限付株式報酬も導入されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 7名 | 1.6億円 | 22.4百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 8.7百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 20百万円 | 4.0百万円 |
なお、期中に社外取締役から取締役に異動した役員1名の支給額および員数については、それぞれの在任期間に応じて区分に含めて記載されています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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