※本記事は、株式会社TMH の有価証券報告書(2025年11月期、2024年12月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
TMHは、「Technology Makes Happiness」をミッションに掲げ、半導体製造装置や部品の販売および修理サービスを主たる事業としています。同社グループは、半導体製造トータルソリューション事業を展開しており、越境ECサイト「LAYLA-EC」を通じた部品販売・修理サービスと、エンジニアリング力を活かした装置販売サービスを提供しています。
単体従業員数は43名、連結従業員数は45名です。セグメントは半導体製造フィールドソリューション事業の1つです。
TMHグループは、TMHと子会社1社で構成されています。TMHは日本国内に大分(本社)、熊本、東京、四日市、岩手の5拠点を持ち、海外では2025年7月に韓国で初の子会社を設立し、グローバルに事業を展開しています。
2025年7月には、TMH初となる海外子会社「TMH KOREA Inc.」を韓国に設立し、グローバル展開を強化しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
TMHは、「Technology Makes Happiness」を経営理念に掲げ、半導体製造装置の延命を通じて持続可能な社会に貢献しています。社員を最大の資産と捉え、働きやすい環境の整備と多様な人材活用に力を入れている点が特徴です。先端技術を扱う専門性と、社員の働きがいを重視する企業文化が融合した環境と言えるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が40代前半であり、比較的経験豊富な人材が中心となって活躍している傾向が見られます。平均勤続年数は3年台前半となっており、新しい環境でキャリアを築く機会が多い可能性があります。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,580,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.3年 |
| 平均年齢 | 43.6歳 |
| 単体従業員数 | 43人 |
| 連結従業員数 | 45人 |
| 単体のグループ内比率 | 95.6% |
同社には確定給付型の退職給付制度があります(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度です)。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は0百万円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは「社員第一主義」をビジョンに掲げ、社員を最大の資産と捉え、働きやすい環境の整備と多様な人材活用を経営の重要課題としています。社員が健康的に働ける環境を整えるため、特に長時間労働の抑制に力を入れており、月平均残業時間を15時間以下に維持することを目標としています。
また、子育てや介護などの事情に対応できるよう、時短勤務や時間休制度といったフレキシブルな勤務体系を導入しています。多様な人材活用も重視しており、国籍、人種、性別、宗教等に関わらず個々人が最大限の力を発揮できる環境を目指し、外国籍従業員の割合40%の確保・維持を目標としています。
中長期的な企業価値向上に向けては、組織を牽引するリーダー層の育成・強化にも注力しており、新任マネージャーやリーダー層を対象とした外部研修や社内会議を定期的に実施しています。さらに、社員一人ひとりの貢献を適切に評価し称賛するため、営業部門だけでなく管理部門やバックオフィス業務の社員も対象とした年間表彰制度など、多様な表彰制度を設けています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 外国籍従業員数 | 12人 |
| 外国籍比率 | 27.9% |
健康・安全
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 月平均残業時間 | 17.5時間 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
TMHは、「Technology Makes Happiness」をミッションに掲げ、半導体製造装置や部品の販売および修理サービスを主たる事業としています。日本の半導体産業の発展に貢献することを目指し、半導体製造トータルソリューションを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、「Technology Makes Happiness」をミッションに掲げ、半導体製造装置や部品の販売および修理サービスを主たる事業としています。主に半導体工場向けに半導体製造トータルソリューション事業を展開しており、株式会社TMHと子会社1社で構成されています。
具体的には、越境ECサイト「LAYLA-EC」を活用した半導体製造装置部品の販売および修理サービスを提供しています。また、中古の半導体製造装置の買取りおよび売却支援も行っています。同社グループの売上は、部品販売・修理サービスと装置販売サービスの二つに分類されます。
部品販売・修理サービスは、一度受注すると継続的な再発注が見込まれる安定した収益源となっています。一方、装置販売サービスは、売上計上までに数カ月から1年のリードタイムが必要ですが、売上の確実性が高いという特徴があります。同社グループは、半導体製造フィールドソリューション事業の単一セグメントで事業を展開しています。
同社グループの売上高は、アジア向けが大部分を占めており、特に中国向けが大きな割合を占めています。営業外費用として為替差損を計上しており、為替変動が業績に影響を与える可能性があります。また、特定の顧客への売上集中が見られます。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、過去の業績推移は開示されていません。直近の業績として、当連結会計年度の売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益が計上されています。
営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなっています。これは主に、前期までに受領していた前受金を当期に売上代金に充当したことによるものです。
| 項目 | 2021年11月期 | 2022年11月期 | 2023年11月期 | 2024年11月期 | 2025年11月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 86.3億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 3.4億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 3.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 2.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 67.73 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの連結従業員数に対する収益性と生産性を示す指標は、当連結会計年度の数値が開示されています。従業員1人あたりの売上高は191.7百万円、従業員1人あたりの営業利益は7.9百万円となっています。これらの数値は、同社グループの事業規模と従業員数に対する収益創出力を示しています。
| 指標 | 2024年11月期 | 2025年11月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 191.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | 7.9百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、当連結会計年度において営業活動および投資活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなっており、資金の流出が一時的に見られます。これは、事業拡大に伴う運転資金の変動や、将来に向けた投資の状況を示していると考えられます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、当連結会計年度末の純資産は14.2億円、自己資本比率は51.4%となっています。これはプライム市場の製造業平均(46.8%)と比較して高い水準にあります。
ROE(自己資本利益率)は17.5%であり、プライム市場平均(9.4%)を上回る水準を示しています。現金及び預金は6.3億円となっています。
| 指標 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 7.8億円 | 14.2億円 |
| 自己資本比率 | - | 51.4% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 17.5% |
| 現金及び預金 | 25.3億円 | 6.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは△23.7億円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上による資金増加があったものの、棚卸資産の増加額や仕入債務の減少額、契約負債の減少額などによる資金の減少が要因となっています。
投資活動によるキャッシュ・フローは0百万円の獲得となりました。これは、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出に対し、定期預金の払戻による収入があったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは4.7億円の獲得となりました。これは、長期借入金の返済による支出があったものの、短期借入金の純増加額や株式の発行による収入があったことによるものです。
結果として、フリーキャッシュ・フローは△23.7億円となりました。本業の資金繰りには課題が見られますが、株式発行による資金調達も行われています。
| 項目 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | △23.7億円 |
| 投資CF | - | 0百万円 |
| 財務CF | - | 4.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △23.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、マクロ経済環境に影響を受けるリスクを認識しています。半導体は景気や技術革新、地政学的リスクによって需要や価格が変動するため、同社グループの業績もこれらの影響を受ける可能性があります。
また、売上高が特定の主要顧客に依存するリスクも挙げられています。当連結会計年度における売上高の内、上位1社が占める割合は62.4%となっており、主要顧客の投資動向が業績に影響を及ぼす傾向があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業の持続的な成長のために有能な人材の確保および育成が重要であると考えています。半導体業界における人材獲得競争の激しさや、地方に本社を構えることによる採用競争力への影響、人材の育成・定着が計画通り進まない場合、事業拡大の制約となる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
TMHは「Technology Makes Happiness」を経営理念に掲げ、先端技術で豊かな社会を創ることを目指している会社です。社員第一主義を掲げ、最高のバリュー提供とコンプライアンス遵守をビジョンとしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「Technology Makes Happiness」という経営理念のもと、先端技術を通じて豊かな社会の実現を目指しています。
「最高のバリューを提供し続けること」をビジョンに掲げています。
このビジョンを実現するため、「社員第一主義」「最高のバリュー提供」「コンプライアンス遵守」の3つの価値観を大切にしています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは「社員第一主義」をビジョンの一つとして掲げ、「社員」を最大の資産と捉えて企業活動に取り組んでいます。
社員が健康的に働ける環境を整えることを重視しており、働きやすい環境の維持・発展に向けた取り組みを継続的に実施しています。
国籍、人種、性別、宗教等に関わらず多様性を重視し、個々人および組織が最大限の力を発揮できる環境が必要であると考えています。
社員一人ひとりの役割や貢献を適切に評価し、賞賛する組織づくりを推進するため、多様な表彰制度を設けています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、中長期的な経営戦略を実現させるために、人材の確保および育成(人的資本経営の推進)を重要な課題としています。
優れた経験や専門的な知見を有する人材の確保と育成が不可欠であり、特にエンジニアの継続的な確保が重要であるとしています。
グローバル展開の拡大を見据え、国籍や年齢、性別にとらわれない多様な人材の活躍を促進し、組織としての柔軟性と競争力の強化を図る方針です。
人的資本経営の観点から、新任管理職を対象とした外部研修の導入や、社員の健康維持・働きやすさ向上を目的としたストレスチェック、社員満足度調査の定期的な実施、ワークライフバランスを考慮した休暇制度の整備に取り組んでいます。
また、半導体分野に特化した人材プラットフォーム「LAYLA-HR」を基盤として、「人」にフォーカスしたサービス展開を推進しています。
半導体業界向け情報メディアサイト「SEMICON.TODAY」を通じて情報資産の積層および拡張を図り、情報発信力の強化を進めるとしています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
TMHは、株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人を設置し、透明性の高い意思決定と機動的な業務執行、適正な監査に対応できる体制を構築しています。事業に精通した取締役が経営の基本方針や重要事項を決定し、独立性の高い監査役が職務執行を監督する体制となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
TMHの筆頭株主は、代表取締役社長である榎並大輔氏の資産管理会社であるET Family Assetです。この構成は、創業家が経営に対して強い影響力を持つ資本構成を示しています。その他、SBI AI&Blockchain投資事業有限責任組合などの機関投資家や、複数の個人株主が上位に名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ET Family Asset | 54.08% |
| SBI AI&Blockchain投資事業有限責任組合 | 6.76% |
| 榎並 大輔 | 2.69% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は榎並大輔氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 榎並 大輔 | 代表取締役 社長 | 2006年4月に東芝に入社し、2010年1月にはセミフレンの代表取締役に就任しました。2012年3月より同社代表取締役社長に就任し、現職です。 |
| 香月 賢一 | 取締役 戦略SCM事業部長 | 1992年4月に東芝に入社し、2016年7月に同社に入社しました。2017年2月より同社取締役に就任し、フィールドソリューション事業部長を経て、2024年12月より戦略SCM事業部長を務め、現職です。 |
| 関 真希 | 取締役 経営管理部長 | 2007年4月に日立物流(現ロジスティード)に入社し、デロイトトーマツコンサルティング合同会社を経て、2015年12月に同社に入社しました。2017年2月より同社取締役経営管理部長に就任し、現職です。 |
社外取締役は、野木村修氏(元ルネサスセミコンダクタパッケージ&テストソリューションズ代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による意思決定と、独立性の高い監査役による職務執行の監督を通じて、ガバナンス体制を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
TMHの取締役の報酬は、基準報酬と業績連動報酬、そして中長期的な企業価値向上を目的とした株式報酬(譲渡制限付株式報酬)で構成されています。ただし、2025年11月期は基準報酬と業績連動報酬のみが適用されています。監査役の報酬は固定報酬と株式報酬から構成されており、株主総会で決議された限度内で監査役会が決定しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 1.0億円 | 34.3百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 3百万円 | 3.3百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 15百万円 | 5.0百万円 |
同社グループの役員報酬等の総額は1.2億円であり、対象となる役員の合計人数は7名です。
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