【平均年収698万円】GRCS 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年11月期)

【平均年収698万円】GRCS 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年11月期)

GRCSは、GRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)とセキュリティに特化したソリューションをグループ各社とともに提供しています。直近の業績は、売上高の伸びが緩やかになり、利益は損失となりました。


目次

※本記事は、株式会社GRCS の有価証券報告書(2025年11月期、2024年12月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、GRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)とセキュリティに特化し、日本企業の成長に伴う脅威や課題を解決する事業を展開しています。テクノロジーを活用し、情報管理の効率化や迅速な経営判断を支援しています。

単体従業員数は213名、連結従業員数は213名です。同社グループの事業セグメントはGRCソリューション事業の単一セグメントです。

主な国内グループ会社は、バリュレイト(GRCソリューション事業)などです。

2025年11月期には、セキュリティソリューション事業、GRCプラットフォーム事業、フィナンシャルテクノロジー事業の3事業体制へ移行しました。また、2023年11月期にはフィナンシャルテクノロジー事業の譲受を実施しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


GRCSは、ITテクノロジーと専門人材による企業支援を通じて社会の安心・安全に貢献する企業です。従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出し、柔軟な働き方を支援する環境づくりに注力しています。

専門性の高い事業領域で活躍する人材が、どのように働き、キャリアを築いていけるのか、給与水準や働き方の特徴を見ていきましょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


GRCSは、比較的若い年齢層の従業員で構成されており、平均勤続年数から見ると、人材の流動性がある環境であると考えられます。これは、成長フェーズにある企業において、新たな挑戦やキャリアアップの機会が豊富にあることを示唆しているとも言えるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 6,977,000円
平均勤続年数 3.7年
平均年齢 39.3歳
単体従業員数 213人
連結従業員数 213人
単体のグループ内比率 100.0%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


GRCSは「進化に、加速を。」をミッション、「世の中を、テクノロジーでシンプルに。」をビジョンに掲げ、持続的な企業成長において人材を最も重要な経営資源と位置付けています。同社グループは、事業規模及び事業領域の拡大を積極的に進める上で、人材の育成と定着化を重視しています。

具体的には、社内における教育基盤として人材育成プランや人事評価制度を整備し、研修やプロジェクトの現場を通じて優秀な人材を育成する仕組み作りを図っています。また、働きやすさの追求と能力最大化を重要課題と捉え、多様な人材が無理なく柔軟に働けるよう制度やシステムを整えています。

リモートワークやコアタイム無しの完全フルフレックス制度を導入し、有給休暇や育児休暇取得の促進、残業時間の削減管理など、ワークライフバランスへの配慮を最大限に行っています。これらの取り組みを通じて、従業員が自ら学ぶ時間を増やし、意欲や集中力を高めることで、個人の成長と成果に結びつく働きやすい環境づくりを目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性育児休業取得率は、該当男性労働者の配偶者が子を出産した年と男性労働者が育児休業を取得した年が異なるため、100%を超えています。男女の賃金の差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しており、同一労働において男女の賃金に差異はなく、等級別の人数構成の差によるものです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 20.0%
男性労働者の育児休業取得率 150.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 77.3%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 72.1%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 105.9%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


GRCSは、GRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)とセキュリティの視点から、企業の課題解決を支援する事業を展開しています。テクノロジーを活用し、情報管理の効率化や迅速な経営判断をサポートしています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、GRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)ソリューション事業を単一セグメントとして展開しています。この事業は、企業が直面する多様なリスクや課題に対し、専門的な知見とテクノロジーを組み合わせた解決策を提供しています。

具体的には、GRCおよびセキュリティ領域に精通したコンサルタントやエンジニアが、専門性の高いノウハウを活かしたソリューションを提供しています。また、自社開発プロダクトや他社プロダクトを活用し、膨大な情報を集約して全社横断的な管理や効率的な対応を可能にしています。

収益は、主にソリューション部門とプロダクト部門から得ています。ソリューション部門は前期から収益を伸ばしており、プロダクト部門は前期から収益が減少しています。

同社グループの主要な顧客として、みずほ証券株式会社への売上高が前期からほぼ横ばいの水準で推移しています。地域別では、本邦の外部顧客への売上高が連結売上高の大半を占めており、国内市場が中心となっています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5期間で見ると、売上高は増加傾向にありましたが、直近の連結会計年度ではその伸びが緩やかになっています。経常利益は前期に黒字転換しましたが、当連結会計年度では再び損失を計上しています。

親会社株主に帰属する当期純利益も、前期は黒字でしたが、当連結会計年度では大幅な損失となりました。これは、人員不足を補うための外注加工費の増加や、フィナンシャルテクノロジー事業におけるシステム開発の追加コスト、為替差損、繰延税金資産の取り崩しなどが影響しています。特に、事業用資産の減損損失や事業構造改善引当金の計上といった一時的な要因が、当期純損失に大きく影響しています。

営業活動によるキャッシュ・フローは当連結会計年度もプラスを維持していますが、前期と比較すると減少しています。これは、減損損失や事業構造改善引当金の増加、のれん償却額などが資金の増加要因となった一方で、税金等調整前当期純損失が資金の減少要因となったためです。

項目 2021年11月期 2022年11月期 2023年11月期 2024年11月期 2025年11月期
売上高 - 24.0億円 27.8億円 32.9億円 33.3億円
経常利益 - △1.9億円 △1.7億円 26百万円 △98百万円
経常利益率 - △7.8% △6.2% 0.8% △2.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 - △2.1億円 △2.8億円 1.1億円 △5.3億円
1株当たり当期純利益(円) - △160.60 △218.52 85.05 △390.94

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は前期からわずかに増加しており、従業員あたりの収益創出力は維持されている傾向が見られます。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しており、営業損失を計上した影響が反映されています。これは、人員不足による外注費の増加や、特定の事業における追加コストの発生が影響していると考えられます。

指標 2024年11月期 2025年11月期
従業員1人あたり売上高(連結) 15.4百万円 15.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.2百万円 △0.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で資金を獲得しているものの、投資活動による支出が上回っており、財務基盤には課題が見られます。当期は債務超過の状況となっており、今後の動向が注目されます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤を見ると、純資産は前期から大きく減少し、当期は△96百万円の債務超過となっています。自己資本比率も前期の20.4%から当期は△7.9%へと低下しており、プライム市場平均と比較しても低い水準です。ROE(自己資本利益率)も当期は△330.5%とマイナスを示しており、収益性にも課題が見られます。手元資金である現金及び預金は前期の7.4億円から当期は5.3億円に減少しており、資金の厚みも薄くなっています。これらの状況は、今後の事業展開や雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。

指標 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
純資産 4.2億円 △96百万円
自己資本比率 20.4% △7.9%
ROE(自己資本利益率) 39.9% △330.5%
現金及び預金 7.4億円 5.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは当期に20百万円の収入となりました。前期と比較すると大きく減少しています。これは主に、減損損失や事業構造改善引当金の増加があった一方で、税金等調整前当期純損失の計上などが影響しています。

投資活動によるキャッシュフローは、フィナンシャルテクノロジー事業の事業譲受やシステム開発による無形固定資産の取得により、297百万円の支出となりました。これにより、本業の稼ぎと投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは277百万円のマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れや社債発行による収入があり、70百万円の収入となりました。

同社グループは、事業継続のための流動性を確保していると説明していますが、営業活動による資金獲得が減少し、フリーキャッシュフローがマイナスであることから、今後の資金繰りや収益改善の動向が、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で重要な要素となります。

項目 2024年11月期(前期) 2025年11月期(当期)
営業CF 3.1億円 20百万円
投資CF △2.2億円 △3.0億円
財務CF 42百万円 70百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) 88百万円 △2.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


同社グループは、当連結会計年度末に純資産が△96百万円の債務超過となり、継続企業の前提に関する疑義を生じさせる事象が存在しています。これに対し、2026年1月19日開催の取締役会で資本業務提携契約の締結と第三者割当による新株式発行を決議し、2026年2月2日に払込手続きが完了しています。これにより、当連結会計年度末の債務超過は解消される見込みであり、2026年11月期には営業利益の黒字化達成を見込んでいます。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、企業にとって損失リスクを低減する「守り」の領域に特化したサービスを提供しています。そのため、経済環境が悪化した際にはコスト削減の対象となりやすく、需要が低減する可能性があります。また、GRC及びセキュリティ業界では常に技術革新が行われており、最新技術への対応が遅れた場合、他社に先行され経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、持続的な成長のために優秀な専門人材の確保が必須であると認識しています。高い専門性を持つコンサルタントやエンジニアの採用・育成が計画通りに進まなかった場合、または優秀な人材が社外に流出した場合、サービスの円滑な提供や積極的な受注活動が阻害され、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


GRCSは、テクノロジーを活用して企業の複雑な外部環境リスクをシンプルにし、社会全体の安心と安全の実現を目指しています。同社グループは、GRC(ガバナンス・リスク・コンプライアンス)とセキュリティ領域の専門性を活かし、企業成長を支援する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「世の中を、テクノロジーでシンプルに。」をビジョンに掲げています。また、「進化に、加速を。」をミッションとしています。

企業の成長とともに複雑化していく外部環境リスクへの守備体制の構築が不十分な日本企業に対し、テクノロジーを活用した情報管理の効率化等によりリスクの低減と企業成長の最大効率化を支援しています。GRC及びセキュリティ領域における日本企業の課題解決と意識向上を図ることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループのビジネスモデルは、GRC及びセキュリティ領域の様々な課題に対して、分析、解決、維持をワン・ストップで支援し、継続的なPDCAサイクルによりプロジェクトを積み増すフローとなっています。顧客との長期的な取引関係を重視し、企業を守る伴走者となるよう努めています。

人材を最も重要な経営資源と捉え、働きやすさの追求と能力最大化を重要課題としています。地方在住や外国籍、子育てや介護世代、シニアなど多様な人材が無理なく柔軟に働けるよう、リモートワークやコアタイム無しの完全フルフレックス制度を導入しています。

有給休暇や育児休暇取得の促進、残業時間の削減管理など、ワークライフバランスへの配慮を最大限務めています。働きやすい環境を作ることで、従業員が自ら学ぶ時間を増やし、意欲や集中力が高まり成長や成果に結びつくと考えています。

サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を定め、社内横断のプロジェクトチーム(ESG推進チーム)が主導して管理しています。特定したマテリアリティは、経営戦略や事業戦略と融合させ、取締役会で検討・決定されています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、セキュリティソリューション事業における人材確保と提供体制の拡充を優先課題としています。旺盛な需要に対し、専門人材の不足が機会損失に直結している状況を打破するため、採用活動の加速と教育体系の再整備を強化する方針です。

人材の確保・育成とエンゲージメントの向上も重要なテーマです。質の高い人材の確保を最重要課題と捉え、積極的な採用に加え、社内の教育基盤や人事評価制度を再整備し、優秀な人材が定着し自律的に挑戦し続ける仕組み作りを進めています。

プロジェクトマネジメント能力及び品質管理体制の強化にも取り組んでいます。組織全体でのプロジェクトマネジメント能力の強化を推進し、マネジメント技法の標準化とプロジェクトレビューの厳格化による「予防的ガバナンス」を徹底しています。

今後の更なる事業拡大に向けて、内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化も課題としています。会社規模に応じた適切な内部管理体制の整備と運用面の徹底を推進し、実効性のある、効率的かつ信頼性の高い組織基盤の構築・運用を目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


GRCSは監査役会制度を採用しており、取締役会と監査役会が独立した立場から経営を監査する体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


GRCSの株主構成を見ると、筆頭株主は合同会社Trojansであり、同社の代表取締役社長である佐々木慈和氏の資産管理会社です。また、個人株主として塚本拓也氏や佐々木慈和氏が上位に名を連ねており、創業家や関連会社が経営を支える資本構成となっています。

株主名 持株比率
合同会社Trojans 27.70%
塚本 拓也 5.92%
佐々木 慈和 5.19%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長は佐々木慈和氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
佐々木 慈和 代表取締役社長 2002年1月日本ヒューレット・パッカード株式会社入社。2005年3月Frontier X Frontier株式会社(現 同社)設立、代表取締役社長。2020年11月合同会社Trojans設立代表社員。2023年1月同社代表取締役社長より現職。
塚本 拓也 取締役 2002年4月NECソフト株式会社入社。2007年5月株式会社ENVISIONLAB代表取締役。2013年12月同社取締役。2025年2月株式会社バリュレイト取締役。2026年1月同社取締役GRC事業担当より現職。
田中 郁恵 取締役 1993年4月株式会社日本エル・シー・エー入社。1997年6月有限会社アガスタ設立。2012年7月株式会社アズイッツ設立代表取締役。2014年5月同社取締役。2024年12月同社取締役より現職。
望月 淳 取締役 1988年4月日本ディジタル イクイップメント株式会社入社。2009年1月日本ヒューレット・パッカード株式会社セキュリティソリューション部長。2018年5月同社セキュリティサービス部長。2025年2月同社取締役GRCSソリューション事業担当より現職。


社外取締役は、久保惠一氏(公認会計士久保惠一事務所開設)、山野修氏(サイバーリーズン合同会社代表執行役員社長)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役3名が独立した立場から経営を監督する体制を構築しています。社外取締役は、豊富な経験と幅広い見識に基づき、取締役会における意思決定の妥当性・適正性を確保する役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


GRCSの役員報酬は、固定の基本報酬、業績連動賞与、そして新株予約権による非金銭報酬で構成されています。業績連動賞与は連結経常利益を指標とし、新株予約権は中長期的な企業価値向上へのインセンティブとしています。報酬決定は任意の報酬委員会の審議を経て取締役会で決議される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 75百万円 18.8百万円
社外取締役 2名 8百万円 4.0百万円
社外監査役 4名 11百万円 2.8百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、取締役の報酬等の総額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。