※本記事は、ジャパニアス株式会社 の有価証券報告書(2025年11月期、2024年12月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ジャパニアスは、IT・通信業界およびものづくり業界向けに先端エンジニアリング事業を展開しています。ソフトウエア、インフラ、メカトロニクス、エレクトロニクスの4分野を軸に、大手メーカーのプロジェクトに参画し、AI、IoT、クラウドといった先端テクノロジー領域にも進出しています。
単体従業員数は1,805名です。同社は先端エンジニアリング事業の単一セグメントで事業を展開しています。
ジャパニアスは、IT・通信業界やものづくり業界の顧客に対し、エンジニアの約9割が常駐するオンサイト型開発支援を主軸としています。また、横浜開発センターではソフトウエアからハードウエアまでをワンストップで提供する受託開発も行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ジャパニアスは、先端エンジニアリング事業を展開する企業として、人材を最も重要な経営資源と位置づけています。従業員の成長をサポートする独自の教育体制や、働きがいのある環境づくりに注力していることが特徴です。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社の雇用環境の傾向を把握できます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢と平均勤続年数から、比較的若い世代が中心となって活躍している傾向が見られます。勤続年数も一定の期間を示しており、従業員がキャリアを築きながら定着している様子がうかがえます。これらのデータは、同社がエンジニアの成長をサポートし、働きがいのある環境を提供しているという方針と関連していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,258,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.8年 |
| 平均年齢 | 35.3歳 |
| 単体従業員数 | 1,805人 |
同社は確定拠出型の退職給付制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、先端エンジニアリング事業において人材を最も重要な経営資源と位置づけています。経営方針として「就業者に選ばれる会社になる」を掲げ、働きがいのある環境提供に注力しています。具体的な取り組みとして、社員の経験年数やスキルに応じた研修を行う「グレードキューブ制度」を導入しています。また、多角的に社員のモチベーションを支える「360°フォロー体制」や、未経験者から既存エンジニアまでを対象とした研修センター「J-college」を通じて、人材育成と技術力向上を図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男女の賃金の差異については、女性よりも男性に専門性の高い技術を有する社員が多いこと、およびパート・有期労働者の比率が多いため、正規雇用労働者に比べて賃金の差異が大きいと説明されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 13.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 61.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 79.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 79.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 65.7% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ジャパニアスは、IT・通信業界やものづくり業界の顧客に対し、先端エンジニアリング事業を展開しています。この事業は、オンサイト型開発支援と受託開発の二つの形態で専門的な技術を提供しています。
主力は、ソフトウエア、インフラ、メカトロニクス、エレクトロニクスの4分野で、大手メーカーを中心に多くのプロジェクトに参画しています。近年では、AI、IoT、クラウドといった先端テクノロジー領域にも事業を拡大しています。
収益モデルとしては、エンジニアが顧客企業に常駐して設計・開発を支援するオンサイト型開発支援が中心です。派遣契約を主としつつ、請負契約や準委任契約にも対応しています。
また、横浜開発センターや首都圏第二事業所では、ソフトウエアからハードウエアまでをワンストップで提供する受託開発も手掛けています。同社は特定企業に依存せず幅広い顧客から受注を得ていますが、特定の取引先への販売実績が一定の割合を占める傾向も見られます。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも増加傾向を示しています。IT業界におけるDX推進やAI技術の進化による需要の高まりが、先端エンジニアリング事業の売上増加に貢献しました。
積極的なエンジニア採用に伴う売上原価の増加は、エンジニア単価の向上によって補われ、売上総利益率への影響は限定的でした。また、事業基盤整備を進める一方で、販売費及び一般管理費は一部見直しにより減少しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の単体従業員数は1,805名です。平均年齢は35.3歳、平均勤続年数は3.8年となっています。
平均年間給与は4,258,000円です。これらの数値は、同社の組織構成や人材の定着状況、報酬水準を示すものとなります。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、事業活動を通じて安定的に資金を生み出し、財務基盤を堅固にしています。これにより、事業継続性や雇用・給与の安定性につながる状況がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率と手元資金の厚みから安定していることが示されています。自己資本比率はプライム市場の平均と比較して高い水準にあり、事業の安定性を支える要因となっています。また、ROE(自己資本利益率)も高い水準で推移しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金も十分に確保されており、不測の事態への耐性も備えている状況です。
| 指標 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 29.9億円 | 33.8億円 |
| 自己資本比率 | 60.5% | 58.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 24.1% | 22.6% |
| 現金及び預金 | 30.0億円 | 36.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、その資金を事業の維持・拡大に充てている状況を示しています。当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは8.2億円の増加となりました。これは主に税引前当期純利益の計上によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは△45百万円の減少となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出やその他投資の増加によるものです。この結果、フリーキャッシュ・フローは7.7億円のプラスとなり、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態を示しています。
財務活動によるキャッシュ・フローは△82百万円の減少となりました。これは主に短期借入れによる収入があった一方で、配当金の支払による支出があったためです。同社は本業で安定した資金を創出し、投資も行いつつ余剰資金を確保していることから、事業の安定性と成長性を両立している状況がうかがえます。
| 項目 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 9.4億円 | 8.2億円 |
| 投資CF | △31百万円 | △45百万円 |
| 財務CF | △5.8億円 | △82百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 9.1億円 | 7.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、市場の景気動向や顧客企業の景況感の変化により、顧客企業からの受注が減少し、業績に影響を与える可能性があると認識しています。また、競合他社のサービス力向上や価格競争の激化により、同社の競争力が相対的に低下し、収益性の低下を招く可能性も指摘されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、事業活動が人材に大きく依存しており、優秀な人材の確保・定着及び育成が重要であると考えています。しかしながら、計画どおりに進まない場合や優秀な人材の社外流出が生じた場合には、業績に影響を与える可能性があると認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ジャパニアスは「先端テクノロジーで日本の明日に新たな価値を提供する」ことをミッションに掲げ、エンジニアリング事業を通じて社会課題の解決に貢献することを目指しています。挑戦を恐れず成長し、多様な力を結集して誠実に信頼を築くことを大切にする企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ジャパニアスは「先端テクノロジーで日本の明日に新たな価値を提供する」ことをミッションとしています。ビジョンとしては、デジタルエンジニアを育成・創出し社会課題の解決に貢献すること、そして従業員・顧客価値を高め社会や人々に選ばれ続ける企業になることを掲げています。
同社は「就業者に選ばれる会社になる」ことを経営方針の一つとしており、より良い未来を実現するためのサービス展開を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、以下の3つのバリュー(価値観)を定めています。一つ目は「挑戦を止めず成長し続ける」ことで、変化に挑戦し経験から学び続けることで、一人ひとりの成長を組織の力につなげています。二つ目は「多様なちからでやり遂げる」ことで、個々の強みや個性を活かし、チームとして成果を実現することを目指しています。
三つ目は「誠実に信頼を重ねる」ことで、誠実な行動を積み重ね、全てのステークホルダーから長く信頼され続ける会社を目指しています。同社は、企業価値を維持・向上させ、ステークホルダーとの信頼関係を構築するため、法令遵守と経営監視機能の充実、経営の透明性維持に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ジャパニアスは、事業領域の拡大を重要な課題としています。これまでの既存領域に加え、CRM(Salesforce等)、クラウド(AWS、Azure、GCP等)、化学、バイオ、自然言語処理、画像処理といった新規領域への進出と拡大を進めています。
また、新規領域における人材獲得競争が激化する中で、専門性の高い技術を有した人材の確保にも取り組んでいます。働き方改革による管理部門の生産性最大化も課題であり、在宅勤務の推奨やDX(データの可視化、事務作業の自動化、契約/申請の電子化)の推進を目指しています。
さらに、持続的な成長の実現に向けて、サステナビリティ経営を推進しています。事業活動に伴う環境負荷の低減や、ICT教育支援、AI技術提供による先端テクノロジー普及支援を通じた社会貢献、上場企業としてのガバナンス体制の強化にも取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役による監督・監査の強化を図るコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。取締役会は社外取締役を複数選任することで、業務執行機関に対する監督機能を強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社は、創業家およびその関連会社が主要な株主として名を連ねる資本構成となっています。これにより、特定の株主グループが経営に対して強い影響力を持つ傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 株式会社ウェストリバー | 40.30% |
| 西 川 三 郎 | 15.60% |
| PERSHING SECURITIES LTD CLIENT SAFE CUSTODY ASSET ACCOUNT(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店) | 3.80% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は13.0%です。代表取締役会長兼社長は西川三郎氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 西川 三郎 | 代表取締役会長兼社長 | 1973年4月千代田生命保険相互会社入社。1991年10月東京マシナリー株式会社取締役経営企画室長。1999年12月同社設立、代表取締役社長。2021年10月より現職。 |
| 松島 亮太 | 専務取締役事業本部長 | 2002年4月豊商事入社。2006年4月同社入社。2011年12月同社人事部長。2023年4月より現職。 |
| 西川 明宏 | 常務取締役管理本部長 | 2004年4月株式会社桜井商会入社。2006年4月同社入社。2016年12月同社営業開発部長。2023年4月より現職。 |
| 村上 信一 | 取締役人材開発本部長 | 2004年4月伊藤組土建株式会社入社。2014年10月同社入社。2018年12月同社営業本部副本部長。2022年12月より現職。 |
社外取締役は、大澤英俊氏(元パナソニック常務役員・指名・報酬委員会委員長)、作野周平氏(元横河電機常務執行役員・監査等委員)、長清達矢氏(元KDDIリスクマネジメント本部内部統制部長・監査等委員)、齊藤道子氏(弁護士・監査等委員・指名・報酬委員会構成員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が取締役会の監督機能を強化する体制となっています。監査等委員会は、全員が社外監査等委員で構成されています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、役員報酬規程に基づき取締役会で決定されます。取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬は、指名・報酬委員会が個々の役位や責務、企業価値向上への貢献度を総合的に勘案して決定されます。業績連動報酬は含まれていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 100百万円 | 24.9百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 6百万円 | 6.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 13百万円 | 3.1百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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