※本記事は、note株式会社 の有価証券報告書(2025年11月期、2024年12月1日 ~ 2025年11月30日、2026年2月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
noteは、個人クリエイター向けのCtoCメディアプラットフォーム「note」と、企業向けメディアSaaS「note pro」を主軸としたメディアプラットフォーム事業を展開しています。また、IP・コンテンツクリエーション事業も手掛けています。
単体従業員数は154名、連結従業員数は158名です。同社グループのセグメントはメディアプラットフォーム事業、IP・コンテンツクリエーション事業の2つです。
主な国内グループ会社は、note AI creative、Tales & Co.などです。
同社グループは、2024年5月にTales & Co.を設立し、IP・コンテンツクリエーション事業を開始しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
noteは、「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というミッションのもと、クリエイターの活動を支援するプラットフォームを提供しています。同社グループは、人的資本への積極的な投資を通じて、従業員一人ひとりのパフォーマンス最大化とプロフェッショナルなカルチャー醸成を重視しています。多様な働き方を支援し、生産性と創造性を高めるための環境整備にも注力していることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が30代後半であり、平均勤続年数は比較的短めの傾向が見られます。これは、事業の成長フェーズにおいて、多様な経験を持つ人材が積極的に参画している状況を示しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,639,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.9年 |
| 平均年齢 | 39.4歳 |
| 単体従業員数 | 154人 |
| 連結従業員数 | 158人 |
| 単体のグループ内比率 | 97.5% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というミッションの実現と事業成長の根幹として、従業員個人や組織全体でのパフォーマンス最大化を重視しています。プロダクトづくりに貢献する従業員一人ひとりの働きが価値向上に不可欠であると考え、人的資本に積極的な投資を行い企業価値の最大化を目指しています。
ミッションドリブンな組織運営に加え、「個と組織の成果創出のためのプロフェッショナルなカルチャー」醸成を掲げています。重点テーマとして「プロフェッショナル人材の採用・育成」「個と組織の成果最大化に向けたカルチャー醸成」「生産性向上とクリエイティビティの発揮」の3つに取り組んでいます。
具体的には、卓越した専門性を持つ人材の厳選採用や、次世代リーダー候補の育成、キャリア開発支援(異動・アサイン変更、専門キャリア面談、研修・ワークショップ)を実施しています。成果創出にコミットした社員に適切に報いるため、等級要件の具体化や市場水準を加味した報酬レンジを設定し、半年ごとに報酬を見直しています。また、業績向上に寄与した従業員へのストックオプション付与や、従業員持株会制度の刷新による奨励金付与率の引き上げも行っています。
多様なライフスタイルに対応するため、「フレキシブル出社制度」や「リモート勤務手当」を導入し、男性の育児休業取得も積極的に推奨しています。さらに、AIコードエディタの配布や「テックチャレンジ補助制度」を通じたAI学習支援など、AIを積極的に活用した業務改革と生産性向上を推進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。正規雇用労働者と非正規雇用労働者との賃金差異は、職群および等級別の人数構成が主な要因となっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 30.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 60.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 74.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 85.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 31.7% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 従業員エンゲージメントサーベイ「会社理念・ビジョンへの共感」指標 | 4.26pt |
| 社員一人当たりのAIツール利用金額 | 年間約20万円 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
noteは、クリエイターと読者をつなぐメディアプラットフォーム事業を主軸に、コンテンツの可能性を広げるIP・コンテンツクリエーション事業を展開しています。インターネット上で創作活動を支援し、多様なコンテンツが循環するエコシステムの構築を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、「メディアプラットフォーム事業」と「IP・コンテンツクリエーション事業」の二つの事業を展開しています。主力であるメディアプラットフォーム事業では、個人クリエイターが文章やマンガ、写真、音声、動画などのコンテンツを投稿・販売できるCtoCメディアプラットフォーム「note」を運営しています。クリエイターはコンテンツの価格を自由に設定でき、読者が購読・利用する際に発生するサービス利用料が主な収益源です。
また、企業が自社サイトとして情報を発信できるメディアSaaS「note pro」も提供しており、月額利用料金を収益としています。さらに、企業協賛型のコンテストを企画・開催し、協賛金を得る法人向けサービスも手掛けています。
メディアプラットフォーム事業
CtoCメディアプラットフォーム「note」の運営、法人向け情報発信メディアSaaS「note pro」の運営、企業協賛型コンテストの実施を中心とした法人向けサービスに取り組んでいます。収益は、コンテンツのサービス利用料や「note pro」の月額利用料金、コンテストの協賛金から得ています。運営は、note、note AI creativeが行っています。
IP・コンテンツクリエーション事業
クリエイターの企画や作品のエージェント、コンテンツ制作・販売、外部企業からの企画・コンテンツ制作受託などに取り組んでいます。収益は、読者や企業へのコンテンツや作品の販売から得ています。運営は、Tales & Co.が行っています。
同社グループの事業は、主に日本国内の顧客を対象としています。
| セグメント | 売上高(2024年11月期) | 売上高(2025年11月期) |
|---|---|---|
| メディアプラットフォーム事業 | 33.0億円 | 40.8億円 |
| IP・コンテンツクリエーション事業 | 14百万円 | 62百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近2期間の業績は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも大きく増加しています。特に営業利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、前期から大幅な伸びを示しており、事業の成長が加速している傾向が見られます。
| 項目 | 2021年11月期 | 2022年11月期 | 2023年11月期 | 2024年11月期 | 2025年11月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | 33.1億円 | 41.4億円 |
| 経常利益 | - | - | - | 75百万円 | 2.6億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | 2.3% | 6.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | 99百万円 | 4.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | 6.44 | 26.83 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて増加しており、従業員1人あたり営業利益も同様に大きく伸びています。これは、組織全体の生産性が向上していることを示唆しています。事業規模の拡大とともに、効率的な収益創出が進んでいる状況がうかがえます。
| 指標 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 21.9百万円 | 26.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.3百万円 | 1.6百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
noteグループの財務状況は、事業の成長に向けた投資を積極的に行っている段階を示しています。本業で得た資金を将来の事業拡大に充てている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
noteグループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均を上回る水準で推移しており、安定した状態を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を大きく上回る水準にあり、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、事業運営の安定性を支える要素となっています。
| 指標 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 17.2億円 | 28.8億円 |
| 自己資本比率 | 45.2% | 45.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 5.8% | 19.5% |
| 現金及び預金 | 21.5億円 | 30.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
noteグループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローがプラスで推移しています。これは主に預り金の増加や税金等調整前当期純利益の計上によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券の取得による支出などによりマイナスとなっています。これは事業の成長に向けた積極的な投資が行われていることを示しています。
結果として、フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れや株式の発行による収入によりプラスとなっており、成長投資のための資金調達を進めていることがうかがえます。これらの資金の流れは、同社グループが将来の成長を見据え、事業拡大に積極的に取り組んでいる姿勢を示しており、今後の事業展開とそれに伴う雇用機会の創出が期待されます。
| 項目 | 2024年11月期(前期) | 2025年11月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.3億円 | 3.9億円 |
| 投資CF | △98百万円 | △7.5億円 |
| 財務CF | △38百万円 | 12.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.2億円 | △3.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、優良なクリエイターが配信する質の高いコンテンツにより競争優位性を確立していますが、高い資本力や知名度を有する企業の参入、または価格優位性に優れたサービスの登場により競争が激化するリスクがあります。また、売上構成比率において競馬等の公営競技やビジネス・投資・ITといった特定のカテゴリーの流通金額の比重が高く、これらのカテゴリーの流通金額が減少した場合に業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは事業拡大を進める上で、優秀な人材の確保、育成及び定着を最重要課題と認識しています。これらの施策が効果的でなかった場合や、採用後の人材流出が進んだ場合には、事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
noteは、「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というミッションを掲げ、クリエイターの活動を支援するメディアプラットフォーム事業を展開しています。創作活動を通じて、個人や法人が輝ける社会の実現を目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
noteグループは、「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というミッションを掲げています。同社グループは、メディアプラットフォーム「note」をインターネット上の「街」と位置づけ、個人・法人を問わずあらゆる人が創作活動や情報発信の本拠地とすることを目指しています。将来的には「AI時代のコンテンツ流通のハブ」となることを目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
noteグループは、「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というミッションと、それに付随するカルチャーを組織運営の重要な軸としています。ミッションへの共感を重視し、従業員エンゲージメントサーベイでは「会社理念・ビジョンへの共感」指標で高い結果を示しています。
同社グループは、個と組織の成果最大化に向けたプロフェッショナルなカルチャー醸成を目指しており、プロフェッショナル人材の採用・育成、個と組織の成果最大化に向けたカルチャー醸成、生産性向上とクリエイティビティの発揮を重点テーマとしています。毎週の全体会での情報共有や、模範的な行動(バリューの体現)をとった社員の事例共有、相互フィードバック制度を通じて、成果創出と成長を促す風土を育んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
noteグループは、コンテンツ配信業界の環境変化に対応するため、複数の経営課題に取り組んでいます。メディアプラットフォーム「note」のさらなる拡大においては、多くのユーザーを抱えるプラットフォームとしての健全性確保と、クリエイターの継続的な創作活動を後押しすることが重要な課題です。
また、生成AI関連技術の進展に対しては、クリエイターの権利保護と適切な対価還元の仕組みづくりに注力しています。優秀な人材の確保と育成、それに合わせた組織体制の構築も重要な課題であり、経営理念に共感する人材の中途採用や採用力強化、効率的な組織体制の構築を進めています。
さらに、業務運営の効率化やリスク管理のため、内部管理体制と情報管理体制の強化、および業務の効率化による生産性向上にも取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
noteは、取締役会、監査等委員会、会計監査人を設置し、経営の意思決定と業務執行の監督・監査を行っています。迅速で合理的な意思決定と業務執行の効率化を通じて、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組む体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
noteの株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役CEOである加藤貞顕氏です。その他には、Google International LLCやGOLDMAN SACHS INTERNATIONALといった海外の機関投資家、さらには日本経済新聞社やマイナビなどの事業会社が上位株主として名を連ねています。創業者が筆頭株主であることから、経営に対する創業者の影響力が大きい体制であると考えられます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 加藤 貞顕 | 33.66% |
| Google International LLC(常任代理人 みずほ証券) | 5.88% |
| GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券) | 5.79% |
| 日本経済新聞社 | 3.95% |
| NOMURA INTERNATIONAL PLC A/C JAPAN FLOW(常任代理人 野村證券) | 2.11% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性4名・女性2名)で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役CEOは加藤貞顕氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 加藤 貞顕 | 代表取締役CEO | 2000年4月アスキー入社、2005年9月ダイヤモンド入社。2011年12月同社設立、代表取締役CEOに就任。2023年12月note AI creative取締役、2024年5月Tales & Co.取締役より現職。 |
| 今 雄一 | 取締役CTO | 2011年4月ディー・エヌ・エー入社。2013年9月同社入社、2016年1月CTOに就任。2023年12月取締役CTOに就任。note AI creative代表取締役、2025年12月同社開発本部長より現職。 |
| 鹿島 幸裕 | 取締役CFO | 2006年4月外務省入省。2010年9月ブーズ・アンド・カンパニー入社。2013年10月カカクコム入社。2018年9月同社入社、2018年12月CFOに就任。2023年12月取締役CFOに就任。2025年12月同社Organization Success本部長より現職。 |
社外取締役は、田邉美智子氏(公認会計士・常勤監査等委員)、水野祐氏(弁護士・監査等委員)、竹川美奈子氏(LIFE MAP合同会社代表・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会、監査等委員会、会計監査人を設置しています。監査等委員会は全員が社外取締役で構成され、公認会計士や弁護士を含む専門的な知見を持つ社外の視点から経営を監督する体制です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
noteの役員報酬は、取締役(監査等委員を除く)に対しては固定報酬と非金銭報酬で構成されています。固定報酬は毎月現金で支払われ、非金銭報酬は株主総会決議の範囲内で新株予約権の割り当てを予定しています。監査等委員である取締役の報酬は、株主総会決議の範囲内で、監査等委員会での協議により決定される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 82百万円 | 27.4百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 19百万円 | 6.4百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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